ショックを受ける既存政党

今日はこの話題です。
画像

 ブログランキングに参加しています。よろしければ応援クリックお願いします。


2024-07-10-221800.jpg


1.都議会議員補欠選挙


小池都知事の3選に終わった都知事選ですけれども、同じくこの日、東京都議補選も行われました。

今回の都議補選は、議員の辞職や死去などに伴い、江東区や中野区、八王子市など、9つの選挙区でそれぞれ1議席が争われました。

一度に行われる都議会議員補欠選挙としては過去最多だったのですけれども、自民党は8人、立憲民主党は3人、共産党は4人を擁立し、国政の与野党対決の構図となる選挙区もありました。

その結果は次の通りでした。
立候補者/政党  ★が当選
江東区 自民 共産 ★無所属 無所属
品川区 自民 立民 ★無所属 無所属
中野区 自民 ★都ファ 共産 無所属
北区 自民 ★都ファ 共産 維新
板橋区 ★自民 都ファ 共産 維新
足立区 自民 ★立民
八王子市 自民 ★諸派
府中市 ★自民 無所属 無所属
南多摩(多摩・稲城) ★都ファ 立民 無所属

欠員9議席のうち欠員前の議席
自民党:5議席 都民ファーストの会:2議席 無所属:2議席
自民党は2勝6敗という大惨敗。その結果、都議会の議席数は次のようになりました。
自民党 28議席 → 30議席
都民ファーストの会 25議席 → 28議席
公明党 23議席 → 23議席
共産党 19議席 → 19議席
立憲民主党 15議席 → 16議席
都議会自民党の幹部は「厳しい結果。国政における政治とカネの問題による自民への逆風が、今回の選挙の結果として出た」と肩を落とし、別の都議会議員は「国会での問題なのに、地方の選挙にまで影響がでている。2議席を獲得できたのは健闘したと思えるくらい厳しい選挙だった」と話しています。

自民党のある閣僚経験者は、2勝6敗という結果に「今の状況で衆議院選挙を行えば間違いなく野党転落だ」と今後の選挙に与える影響を危惧しています。


2.逆風の選挙の原因を私自身がつくってしまった


今回、自民党は危機感を抱いて都議補選に臨んでいました。

というのも、例の政治とカネの問題で逆風にさらされている上に、事前の党の調査では、今回の補欠選挙でも殆どの選挙区で劣勢だという結果がでていたからです。

各選挙区の陣営からは、「もともとの支持者にも『今回は自民党には投票しない』と断られるのに、どうやって無党派層を取り込めばいいのか」、「この状況で当選するのは、サッカーでブラジル代表に勝つようなものだ」などと、先行きを厳しく見る声が出ていました。

都連関係者は「惨敗ということになれば、都議会運営だけではなく、その後の衆院選にも影響しかねない」と懸念。都連の国会議員の1人は「岸田総理大臣を引きずり降ろそうとしている人にはいいネタになる。『降ろし』をしたい人は材料として当然使うだろう」と9月までに行われる自民党総裁選にも影響する可能性も指摘していました。

都連会長の萩生田氏は「逆風の選挙の原因を私自身がつくってしまった。反省すべきは反省し、襟を正して国民・都民のみなさんの信頼回復に全力を挙げなくてはならない。私も批判を恐れず先頭に立って頑張る」と8選挙区の勝利に向けて陣頭指揮を執りました。

萩生田氏の地盤である八王子市の選挙区に擁立したのは、市議会議員に4回当選した馬場貴大氏。選挙での知名度を少しでも高めようと候補者と顔を並べたポスターを作成し、街頭でも萩生田氏みずからマイクを握りました。

萩生田氏は「私が批判されるのはやむを得ないが、馬場候補は政治資金の問題とは全く関係ない」と、国政と地方政治を切り分けて考えてほしいと繰り返し訴え、馬場氏も「従来の支持層からも不信感を感じる。批判はあるが、私は萩生田さんにも前に出てもらって、自民党をしっかり立て直していくと訴えたい」と意気込んでいました。

選挙戦では、自民党幹部らが続々と応援に入り、茂木敏充幹事長や小渕優子選挙対策委員長のほか、河野太郎デジタル大臣、高市早苗経済安全保障担当大臣、石破茂・元幹事長などが演説などを行いました。

けれども、応援を受けた陣営からは「自民党のイメージが悪い中、著名な議員が来ても選挙のプラスになるとは思わない」との声も聞かれ、自民党都連の関係者は「応援に入ればマスコミにも取り上げられるので、総裁選に向けてアピールしたいという 思惑があるだろう。岸田総理への応援要請はなかった」とコメントしています。

それでも、馬場氏は大差で敗れました。

馬場氏は敗因について「自民党への逆風もあったが、政策や訴えを自民党の支持層も含めて自分が届けきれなかった」と振り返り、萩生田氏は「本来であれば八王子の将来を冷静に判断してもらう選挙だったと思うが国政の影響も大きく与えてしまったことを改めておわびしたい」と支援者の前で頭を下げました。


3.あなた達が信頼されてないだけです


都議補選の結果について、ITジャーナリストの深田萌絵氏は、自身の動画で次のように解説しています。
・岸田首相を含めて、裏金作ってもオッケー、国民が税金払わなかったらすぐに確定申告してください。してくれない人は脱税で逮捕というね。
・国会議員はいくらでも裏金作ってもいいですよ、3000万円まではオッケーです。こういう謎ルールが、不起訴の判断理由です
・すでに起訴された人を除く42人について、不起訴となったことが7月8日に発表されました。
・不起訴の判断理由について、16人の国会議員や元議員は嫌疑なし。そういうこともあった
・フライデーの記事では国民の怒りの声が出てるんですけれども、なかったことにするんだ、誰が納得するんだよ、こんなヨタ話。
・卵1パック万引した88歳男性が懲役1年の実刑判決を食らってるのに、裏金作って脱税した自民党議員起訴処分なんておかしいだろうと上級国民には甘いな。
・企業の横領、脱税はパクられるのに自民党だと、平等どこ行ったんというこういう声が出てるんです
・この国の司法ですね。警察が誰をを操作して誰を逮捕するのか全く公平性はありません
・あの権力者に近い人からの告発、刑事告発、刑事国訴っていうのは受け付けるんだけれども、一般庶民の刑事国訴は受け付けませんというのがこの国の警察です
・私たちが公権力者と繋がってる何者か、それがね背乗りであろうが何人であろうが権力者と繋がってたら私たちは手も足も出ないってこの現実。これが露呈したと思います
・自民党大惨敗。都議補選2勝6敗で衆院選に危機。党内から岸田の辞任要求もと。
・萩生田さんの地元八王子市の選挙で、敗北をするというね。政治不信が鮮明となり党内から政権批判の声が噴出したっていうか、政治不信じゃないよね。あなたたちが信用されてないだけですみたいな感じです
・何千万も隠してきた人たち、それを何の処罰もなしでうやむやにするていうね。
・しかもパーティーのパー券の販売も、5万円以下だったら名前書かなくて誰から買ってもらったか書かなくていいとかいうルールで。
・じゃあパーティーの回数増やしてかわすかみたいなこういう抜け道を作ったりして。
・そんな状態だったら政治不信というよりかはまあ単にあなたたちが信頼されてないだけですとしか言いようがない。
・結構、石丸ショックの声が出てます。
・中心に政治の刷新を求める動きが表面化した都議補選では自民党候補が次々と落選。
・派閥裏金問題にまみれた自民党政治に厳しい審判が下された
・石丸さんていう人がまどういう人なのかっていうことは置いておいて、バックグラウンドですよね。
・バックグラウンドていうかイメージがあんまりない人。悪いイメージがついていない人。党のイメージがついていない人っていうのが強かったっていうのは今回あると思います
・やっぱ組織票の方が硬いんだけれども、この東京都議補選に突然現れて166万票を取るっていうのは話題作りとか、選挙の神様がついていろんなお膳立てがうまかったにしろこのムードですよね
・ムード、政党政治に飽き飽きしたっていうムード感。それをこう集めたっていうのは事実だと思います
・その無党派を掴む今いいチャンスなのかもしれないと思います
・無党派っていうか、今までなんか惰性で自民党に入れてきた人が今回の選挙どうしようかな、まじゃちょっと自民党でいいかみたいなこういう人が、ちょっと待て、ちょっと待てこれでいいのかみたいなね。
・こういうあ惰性で入れてきた人がちょっとこう立ち止まる瞬間がやってきたっていうまそういう土壌なんだと思います
・岸田さんのままでは勝てないのは確か。
・都議補選の会長、萩田さんですからま間違いなく今回の都議補選の失敗っていうのは間違いなく萩生田さんです
・自分のことしか考えてない、それで若手のこと考えてない。
・だからその自民党の中からもですね若手議員から不満の声が上がってるわけですよ
・都連のトップとしてまとめるんだったら若い人の意見も聞かなきゃいけない。
・偉い人にばっかりごまを擦ってる生き方では国民はおろか、議員からの、後輩議員からの信頼も得られないって、こういうことに
なるんだろうなとは思います
深田氏は、自民党が大敗したのは、政治不信ではなく、自民党自身が信頼されてないだけと切って捨て、都知事選に颯爽と登場した石丸氏の得票にショックが走っていると述べています。




4.何が原因かよくわからない


もっともショックを受けたという意味では3位に沈んだ蓮舫氏を全面支援した立憲民主党も同じです。

都知事選の投開票翌日の7月8日、立憲の辻元清美代表代行は東京都内で記者団に対し、「私も候補者に相当寄り添ってやった。落ち込んだ……政党としても私個人としても、やっぱりもう古くなったのかな、もう通用せえへんのかなとか、ちょっと思った」と弱気を見せる一方「『そうは言うてられへんわ』と言って、またここに立っている。私たち自身がどうアップデートできるかということが問われてる」とコメントしています。

立憲は、蓮舫氏の得票の目安として、2022年参院選東京選挙区の結果をもとに設定しました。蓮舫氏ともう1人の立民候補、共産候補の3人が獲得したのは計170万票余り。これを上回れば共産との共闘効果が証明され、都知事選で敗れても、今後の国政選挙につながると踏んでいたようです。

けれども、蓮舫氏の得票は約128万票にとどまりました。

自民党が裏金問題で揺らぐ中、立憲は無党派層の受け皿となることを狙っていました。けれども、報道各社の出口調査で、無党派層の投票先として蓮舫氏は小池、石丸両氏の後塵を拝することとなりました。

選対幹部は「何が原因かよくわからない」と首をかしげたそうですけれども、7月9日、立民は党本部で、泉代表や岡田幹事長、大串選挙対策委員長らが出席の下、執行役員会を開いています。

そこでは、出席者からは「そもそも立憲民主党の支持層を固め切れなかった」とか「石丸氏が無党派層に浸透した要因を考えなければならない」といった意見が出され、更に「共産党とともに支援した影響について検討する必要がある」という指摘も飛び出したようですけれども、結局、党執行部として、敗因を分析していくことを確認したとのことです。

やっぱり、敗因は分かっていないようです。


5.時代感覚がズレている


7月8日、衆議院議員時代に立憲にも在籍した弁護士の菅野志桜里氏は、自身のX(旧ツイッター)で、「『何が原因か分からない』幹部たちが、立憲民主党の時代感覚を圧倒的にズレさせている。一度はここに籍を置いた者として、見ているのがつらい選挙だった」とツイートしています。

菅野氏は、選挙期間中の”失点”について「(1)民主党政権の失敗を象徴する議員が次々にマイクを握り(2)民間企業が公共の観点もふまえ積み上げた再開発計画を都民投票にかける筋悪な提起が唐突に行われ(3)共産党の存在をベースにした独特のフェス感が一般市民への浸透を明らかに妨げていた」と箇条書きで指摘し、「これを機に立憲民主党は、本気で(1)実質を伴う世代交代(2)実現可能な対案提起(3)共産党への選挙依存脱却を果たしてほしい。蓮舫さんの敗北に意義を見出せるとしたら、おそらくそれしかない」と結論づけています。

今回の都知事選では、枝野幸男前代表が「組織的な動員より、普通の市民が想像を超える規模で集まる状況」と期待を示し、立憲の党内からは「この風なら勝てる」との声も出ていたそうです。

それが、この結果ですからね。

この菅野氏のツイートには、フォロワーからも「的確な指摘だと思います」「完全に40代以下の世代との感覚に、ズレがあることが浮き彫りに」と賛同する意見が相次いだそうですから、確かに菅野氏が指摘するように、立憲幹部が時代からズレている可能性はあるかもしれません。

時代はどんどん進んでいます。石丸氏の登場と相まって、昔ながらの選挙はもう時代遅れになっているのかもしれませんね。


  twitterのフリーアイコン素材 (1).jpeg  SNS人物アイコン 3.jpeg  カサのピクトアイコン5 (1).jpeg  津波の無料アイコン3.jpeg  ビルのアイコン素材 その2.jpeg  

この記事へのコメント