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1.世代交代の自民党総裁選
8月20日、自民党総裁選挙管理委員会は、任期満了に伴う総裁選の日程を9月12日告示、同27日に議員投票・開票することを定め、この日に行われた総務会で了承しました。
今回の総裁選には10人以上が名乗りを上げるなど盛り上がりを見せていますけれども、それとは別に世代交代にも注目が集まっています。
8月19日、49歳の小林鷹之氏が正式に立候補を表明し、出馬会見を行いました。
小林氏は「自民党総裁選挙に覚悟を持って出馬することをここに表明する。当選4回、40代、普通のサラリーマン家庭で育った私が派閥に関係なく今、この場にこうして立っている事実こそが自民党が本気で変わろうとする象徴になる」と述べ、政治とカネの問題で失った国民の信頼を取り戻すため政治改革と党改革に取り組む考えを示し「自民党は生まれ変われることを証明したい」と強調しました。
ただ、会見に同席した少なくとも衆参議員24人のうち、安倍派が最多の11人で、うち7人が裏金作りに関与した議員だったことから多少説得力に欠けるきらいがないでもありません。
同じく43歳の小泉進次郎元環境相も出馬の意向を固め、急速に支持を集めています。
小泉氏は18日、横浜市で記者会見し、立候補に期待する声があると問われると、「ありがたい。今後については真剣に考えて判断したい」と熟慮する姿勢を示していますけれども、周囲には「総裁選で頑張りたい」、「出馬準備を進めている」と伝え、支援を要請しているそうです。
19日、TBSが支援議員について「すでに40人以上いる」との周辺議員の声を報じていることから、出馬はほぼ固いと思われます。
共同通信社が19日に公表した緊急世論調査で、小泉氏は次期総裁にふさわしい人物としてトップの67歳の石破茂元幹事長の25.3%に続いて19.6%で2位に付けています。
ある議員は「小泉氏は東日本大震災の被災者の声を聴くため、被災地を細かく回っていた。選挙応援でも、圧倒的な知名度と見栄えのする演説で引っ張りだこだった。総裁選でも、そうした貯金は生きるだろう」とコメント。更に党のベテラン議員は、同じ40代の小林氏との対決に注目が集まれば、「既視感のあるベテラン勢には極めて厳しい戦いとなる。結果次第で50代、60代の議員は『賞味期限切れ』とみなされる」と述べています。
2.置いてきぼりの年配議員
果たして小泉、小林の若手対決になるのかということですけれども、当然ながら、経験不足だとの声も上がっています。
かつて、田中角栄元首相は、かつて「総理の条件」として「党三役(党幹事長、総務会長、政調会長)のうち幹事長を含む二つと、蔵相(現財務相)、外相、通産相(現経産相)のうち二つ」と述べ、一種の不文律的なものとして捉えられていましたけれども、小泉氏や小林氏にはこれらがありません。
「長い総裁選(15日間)では『ボロ』が出る不安もある」と指摘する中堅議員もいます。
ある保守系議員は「自民党を根強く支持してきたのは、地に足のついた憲法改正議論や、外交・安保の強化、皇室のあり方への真剣な取り組みを期待する国民だ。『次の選挙目当て』だとみなされれば、取り返しがつかない」と語っています。
もっとも、小泉進次郎氏の父である純一郎氏は、これら総理の条件を一つも満たすことなく総理になっていますし、近年の総理は必ずしもこれら条件を満たしているとと限りません。岸田総理は沖縄北方相と外相、菅前総理は総務省、安倍元総理は官房副長官、官房長官、自民党幹事長しか経験がありません。
御厨貴・東大名誉教授は、「派閥政治の順送りによる要職経験を評価するのではなく、チャンスを与えてはい上がってきた人間を重用するのが小泉流だった。首相候補としての鍛え方を変えた」と、小泉政権から、総理候補を選抜する考え方が変わってきたと指摘しています。
その意味では、経験不足のみならず40代という若さは、もう一段の考え方の変化を呼ぶのかもしれません。
もしも今回、世代交代が起こるのなら、他の総裁候補を含む年配議員は置いてきぼりになります。
今回の総裁選には石破茂元幹事長(67)、河野太郎デジタル相(61)、高市早苗経済安保相(63)、茂木敏充幹事長(68)、林芳正官房長官(63)、加藤勝信元官房長官(68)、上川陽子外相(71)、斎藤健経産相(65)、野田聖子元総務相(63)、青山繁晴参院議員(72)らの名前が挙がっていますけれども、その背景には、「世代交代」を阻止したい思惑もあるのではないかとみるマスコミもあります。
ある保守系議員は「推薦人20人の確保をめぐっても、相当な駆け引きがある。混戦になれば、不確定要素が増える。〝キングメーカー〟の麻生太郎副総裁と、菅義偉前首相も頭を悩ませているはずだ」と漏らしています。
ただ、視聴率が取れるからなのか分かりませんけれども、筆者には、マスコミが世代交代を過剰に煽っているように見えなくもありません。
3.中国の総裁選介入疑惑
こうした中、自民党総裁選に中国が魔の手を伸ばしているという指摘もあります。
8月19日、ジャーナリストの加賀孝英氏は「自民党総裁選に向け中国の対日工作が活発化」という記事をZAKZAKに寄稿しています。
件の記事の概要は次の通りです。
中国の対日工作が激化している。
まず、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出への異常要求。
共同通信(16日)によると、中国は日本との政府間協議で、周辺海域のモニタリング(監視)のためとして、海水や放出前の処理水の「独立した試料採取」を強硬に主張しているという。
日本政府は「日本の国家主権にかかわる」「(採取した試料分析の)客観性が担保されない」と拒否した。IAEA(国際原子力機関)の関与のもと、複数国の研究機関が試料を分析して結果を比較する現行の枠組みへの参加を求めている。
ふざけるな。中国の要求は言語道断だ。
そもそも、日本の放出計画は、中国も加盟するIAEAが「国際的な安全基準に合致する」と評価している。世界保健機関(WHO)も「日本の対応に問題はない」との見解を示している。
中国はそれを無視している。全世界に向けて「核汚染水」とデマを吹聴し、卑劣な対日攻撃を繰り返してきた。
外事警察関係者は「中国は昨年8月、日本産水産物の輸入を全面停止した。前年の水産物輸入額は約871億円で、中国はこれを武器に岸田政権を〝威圧・脅迫〟している。中国の措置は科学的根拠に基づいておらず、WTO(世界貿易機関)に協定違反で提訴すべきだが、1年たつが踏み切っていない。中国は岸田政権をなめ切っており、他国は『日本は弱みでも握られているのか』と訝しがっている。岸田首相の自民党総裁選への不出馬表明(14日)あたりから、中国の工作員のような人物が永田町関係者に接触している。政界工作が激化している」と語った。
中国外務省は14日、岸田首相の総裁選不出馬表明を受けて、「状況を注視している」との談話を出し、首相が交代しても日中の戦略的互恵関係を推進する立場を示した。
その中国で、とんでもない異変が起きている。以下、日米情報当局関係者から入手した情報だ。
「湖南省新化県の商業地区にある歩道橋に7月末、『独裁、国賊の習近平を罷免する』と書かれた横断幕が掲げられたとする動画がX(旧ツイッター)に投稿され、世界中の話題となった。習政権の経済政策は失敗し、失業率は増大し、習主席への不満は爆発寸前だ。これと関連するのか、8月上旬、『習氏が倒れた』『軍部のクーデターが起きた』『軍部の大粛清が行われている』などの未確認情報が飛び交い、西側情報機関が確認に走った」
「西側情報機関は『習氏が人民解放軍戦区の幹部人事を行った』『人民と軍の怒りを外に向けるため、台湾侵攻準備に突入した可能性がある』と警告を発した。また、習政権の内部文書の一部とされる情報が流れた。『台湾の頼清徳政権を潰すため、台湾の親中勢力に決起を扇動せよ。侵攻後に台湾統治を速やかに行うため、台湾人協力者を入れた『シャドー・キャビネット(影の内閣)』の設置を緊急検討』とあった」
「台湾有事は日本有事」である。
自民党総裁選に向けて、小林前経済安保相が19日に記者会見する方針など、永田町が活気づいている。ただ、10人程度が出馬に意欲を示したことで、推薦人確保が難しくなってきた候補者も出てきた。
続けて日米情報当局関係者から入手した情報はこうだ。
「日米情報当局は『中国が、自民党総裁選で意中の人物を当選させ、媚中・親中政権を誕生させるため、ヒトやカネを投入し、毅然(きぜん)とした対中姿勢の候補の出馬を阻止するなど、全力で介入する危険がある』と警戒している」
ご承知の通り、日本を取り巻く安全保障環境は危機的だ。日本の存立、国民の安寧が脅かされている。
大声で言わせていただく。「中国の総裁選介入」を許してはならない。断じて、他国に魂を売ったような人物を自民党総裁、日本の総理にしてはならない。日本を滅ぼしてはならない。
中国の工作員のような人物が永田町関係者に接触し、その目的が、対中強硬派の出馬を阻止し、媚中・親中政権を誕生させることであれば、思いっきり工作を食らっていることになります。
もしも今回の総裁選で、一気に世代交代が進んだとしたら、中国からみれば、"若造"を相手にすればよくなるわけで、増々工作・浸透活動が進んでいく懸念も出てきます。
4.コバホークの推薦人
今回、いち早く出馬を表明した小林鷹之議員は、保守派議員とされていたのですけれども、総裁選への推薦人リストに親中派の議員が多数含まれていることが判明し、話題になっています。
小林氏の推薦人は「山田賢司・大野敬太郎・熊田裕通・斎藤洋明・務台俊介・高木宏寿・吉田真次・松本尚・小森卓郎・和田義明・勝目康・細田健一・岩本剛人・宗清皇一・大塚拓・石井拓・中曽根康隆・岩田和親・森由起子・鈴木英敬・福田達夫・塩崎彰久・鬼木誠(敬称略)」と二階派、安倍派、統一教会、再エネ議連役員とあっち系の香りがかなり漂っています。
ジャーナリストの山口敬之氏は、小林氏について、自身の動画で、今回の総裁選は、表向き派閥がなくなったように見えて、派閥の大きな塊が少し小さな塊で合従連衡して動いていると指摘した上で、次のように述べています。
・小林鷹之っていう人の名前は恐らくこの5月まではほとんどの方知らなかったと思うんですね山口氏は、今回の総裁戦は8月6日の段階から岸田も込みで高市潰しが始まっていたとし、小林氏の出馬も高市潰しの一環だというのですね。
・ポスト岸田総理総裁候補として上川陽子の名前が急に上がって不自然だったなていうのと、小林鷹之はもっと最近でしょ。5月以降ですよ。すごい違和感ありますよね。
・小林鷹之さんていう人は、例えば、その政策ジェンダー政策はちゃんとした保守的な立ち位置を維持してますし、きちんとした期待できる若手保守政治家なんです
・ただ、ここで皆さん注意して 欲しいのは小林鷹之さんが20人推薦人を集めちゃったんです。これ小林さん1人の力では絶対できない。
・小林さんの推薦人を揃えた人たち。この背後にいる小林さんの背後にいる人たちが反高市で動いてるってことなんです
・小林鷹之さんが出馬馬会見をした時に、20人の推薦人になろうという人たちがいる中で高市さんの推薦人になっておかしくなかった人、推薦にならないまでも高市一陣営で高市さんを総理にするために活躍するはずだった人が少なくとも6人入ってます。6人も引き剥した。
・だから小林鷹之さん個人の問題ではなくて、小林鷹之を出した黒幕がいて。
・この人たちは何を考えた かていうと、どうも高市勢いがあるよねと、高市以外みんなリベラルだよね。
・この人たちで は要するに今まで自民党を支持していた岩盤保守層はこの人たもう嫌だと。この塊りが雪崩れを打って高市さんに投票する党員票が高市さんに集まる可能性が極めて高かったわけです。
・そこに保守的な考えの小林鷹之を出せば高市さんに集まるはずだった党員票を一定奪って くれますね。
・小林さんに罪ないんです。小林鷹之さんが悪いんじゃなくて小林さんを担いだやつが高市潰しという意図を持って担いだということははっきり断言しておきます
確かに、小林氏の推薦人に親中派が沢山入っていることや、中国が総裁選に介入工作している話があることなどを考え合わせると、中国が自民党の親中派議員に工作して小林氏を出馬させ、中国に毅然と対応するとみられている高市氏を出馬させないように動いている可能性は十分に考えられます。
一部には高市氏は推薦人20人を集める目途が立ったという報道もありますけれども、候補者乱立で、一回目投票で過半数獲得する候補者はおらず決選投票になるのではないかとも見られています。
まずは、告示日に誰が立候補できるのかに注目したいと思います。
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