再び標的になったトランプ

今日はこの話題です。
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1.再び標的になったトランプ


9月15日、アメリカ南部フロリダ州のゴルフ場でトランプ前大統領に対する暗殺未遂と思われる発砲事件が発生しました。

この日の午後1時半頃、プレーしているトランプ前大統領を警護していた大統領警護隊(シークレットサービス)が銃を向けている容疑者に気付いて4~6回発砲しました。容疑者が銃撃に及んでいたかどうかは不明。トランプ前大統領がFOXニュースに語ったところでは、銃声直後に警護官が飛び付き、覆いかぶさったとのことで、警護官はトランプ前大統領をクラブハウスに誘導し、安全を確保したsぉうです。

捜査当局によれば、トランプ前大統領と容疑者の距離は最長で460メートル程度。ラウス容疑者がいた場所から照準器付きのAK47自動小銃が押収されたほか、ゴルフ場を仕切るフェンスにセラミックのタイルが入ったバックパック二つが掛けられていました。身体などに装着して撮影可能なウエアラブルカメラも見つかったとしています。

容疑者は車で逃走したものの、地元当局が発見し、高速道路上で拘束しています。拘束されたのはライアン・ウェスリー・ラウス容疑者。各メディアはラウス容疑者について次のように報じています。
・ニューヨーク・タイムズ紙:元建設労働者で、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻開始後にウクライナに渡り、支援のため数カ月滞在していた。軍歴はない。

・ABCテレビ:捜査当局はウクライナ情勢をめぐるトランプ氏の立場に男が不満を抱いていなかったかなどを調べた。

・CNNテレビ:拘束された容疑者は、ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナの強力な支持者だ。SNSの情報から、おととしにはウクライナを訪れていてウクライナ国旗を背景にした写真や多くの兵士と一緒に撮った写真を投稿したほか、戦闘のための資金を募る活動もしていた。投稿のなかには「われわれはクレムリンを焼き尽くさなければならない」と書かれたものもあった。

・ワシントン・ポスト紙:去年、男はウクライナに関する291ページの本を執筆しており、このなかのイランに関するくだりで「頭の悪い大統領を選んだ責任の一端がある。トランプと自分を殺す自由がある」などと記していた
トランプ陣営の報道官は「トランプ氏の近くで発砲があったが本人は無事だ。現時点では詳細は不明だ」とする声明を発表。トランプ前大統領も支援者に対し、「私は無事だ」「何があっても立ち止まらない。絶対に諦めない」と声明を出しています。


2.ブローバック


かつて、アメリカの情報活動の実態に関する暴露を行って一躍有名になった元米中央情報局(CIA)職員のエドワード・スノーデン氏は、今回の事件について、次のようにツイートしています。
・今のところわかっていることはほとんどないが、トランプ銃撃犯がウクライナでの軍事活動に個人的にも公的にも参加していたとされる状況で、ホワイトハウスの機関が一切の接触がない、つまり「クリーンな手」を主張できるとは考えにくい。ここはオズワルドのような雰囲気だ。議会は答えを出すべきだ。

・ここでは、ニュース速報によくある注意事項がすべて当てはまる。事実が何であるかはまだ誰も知らない。だからこそ、人々は、お金を払って情報を提供している機関から、迅速で信頼性が高く、言い逃れのない回答を求めているだ。

・もちろん、この男が誰かに雇われているプロだと言っているわけではない。私の意見では、この男はただ頭がおかしいように見えるだけだ。しかし、だからといって、政府がビン・ラディンのときのように、彼の過去の好戦的な行動を奨励することに手を貸さなかったということではない。CIAでは、これを「ブローバック」という言葉で表現していた。
ブローバック(blowback)という言葉は、一般的には「逆効果」「報復」といった意味で使われるのですけれども、CIA用語としての別の意味があります。

アメリカの国際政治学者だった故・チャルマーズ・ジョンソンはその著書「帝国アメリカと日本」でブローバックについて、次のように説明しています。

「ブローバック」とは、1954年に初めて登場したCIA用語で、外国や外国政府に対する秘密作戦によって生じる、意図しなかった副産物のことを言う。アメリカは冷戦時に多くの秘密作戦を行ったが、これが今日まで影響を与えるブローバックを引き起こしていることは紛れもない事実。長期にわたる冷戦が現在のブローバックおよび将来的なブローバックの火種を発生させている。

スノーデン氏は、ラウス容疑者について、ホワイトハウスの影がまったくないとは言い切れないとしつつ、今回の事件は、政府が予期していない「ブローバック」の一種ではないかと述べています。

また、米実業家のイーロン・マスク氏もこの事件についてコメントし、物議を醸しています。

9月15日、マスク氏は、X(旧ツイッター)ユーザーからの「なぜ彼らはトランプ氏の殺害を望むのか」との書き込みを引用して「そして、誰も(民主党の)バイデン(大統領)やカマラ(ハリス副大統領)を暗殺しようとさえしない」と投稿しました。

7月の銃撃事件を含めてトランプ前大統領が暗殺の標的になっていることを強調した書き込みと思われますけれども、政敵への暴力を容認すると受け取られかねず、騒ぎになっているようです。




3.ABCの内部告発者


9月10日、ABCニュース主催の大統領候補討論会がありましたけれども、CNN/SSRSが番組終了後に実施した世論調査速報で、ハリス氏が勝利したとの回答が63%と、トランプ氏の37%を上回ったなど、主要マスコミではハリス氏が優位に討論会を進めたとの報道がされています。

ただそうであれば、なにもトランプ前大統領を暗殺する必要もないはずで、仮に、ただの狂信者によるブローバックだったとしても、引っかかるものを感じます。

そんな中、そのABC主催の大統領候補討論会で内部告発があったと話題になっています。

ネットに公開された文書は、ABC ニュースの内部告発者の宣誓供述書であるとされているのですけれども、その内容の主なポイントは次の通りです。
・ABCニュースはドナルド・トランプ陣営よりもカマラ・ハリス陣営と連携していた。
・彼らは、ハリス氏に不利となるような特定の主題については質問しないことで合意した。トランプ氏には同様の配慮は示されず、彼の選挙陣営もそれを求めなかった。
・「サンプル」の質問はトランプ陣営ではなくハリス陣営に提供された。
・ハリス陣営はドナルド・トランプに関するファクトチェックを要求した。
・ハリス氏は同様のファクトチェックを受けることはなかった。
・ハリスに有利になるように分割画面表示が必要でした。
・宣誓供述書が討論会前に署名され、公証され、郵送されたことは注目に値する。
この宣誓供述書が討論会前に署名されたということですけれども、実際の討論会で、ここに書かれていることが、実際に起こったように見えたことから、騒ぎになっているようです。

本当であれば、大変なスキャンダルです。

当然ながら、トランプ大統領とその支持者らは猛反発。討論会の司会を務めたABCニュースのデイビッド・ミューア氏とリンジー・デイビス氏は、ハリス氏を優遇しながらトランプ前大統領を不当に攻撃したと批判を浴びています。


4.トランプの討論会最終演説


世論調査では、ハリス氏がトランプ前大統領に買ったと各種マスコミが報じる中、9月14日、ニューズウィーク誌は、「トランプ氏の討論会最終演説、TikTokの視聴回数でハリス氏の発言を圧倒」と題した記事を掲載しました。

件の記事の概要は次の通りです。
ドナルド・トランプ氏とカマラ・ハリス氏の大統領選討論会から1週間も経たないうちに、前大統領の最終演説がABCニュースのTikTokページで視聴回数を伸ばしている。

火曜日、共和党の大統領候補トランプ氏はフィラデルフィアで行われたABCニュースの討論会で民主党の大統領候補ハリス副大統領と初めて対決し、中絶、進行中のロシア・ウクライナ戦争、移民問題をめぐって対立した。

討論会以来、ハリス氏は好意的な反応を受けており、CNNとフォックスニュースの討論会後の投票者パネルによる速報世論調査では、ハリス氏がトランプ氏に勝ったとの結果が出ている。さらに、討論会後に発表されたユーガブの世論調査では、ハリス氏を勝者と見なす有権者が増えていることが明らかになった(回答者の54%がハリス氏、31%がトランプ氏を支持)。

しかし、トランプ氏は討論会での自分のパフォーマンスが優れていたと繰り返し主張している。

「世論調査は明らかに、私が火曜夜の民主党急進左派候補カマラ・ハリス同志との討論会で勝利したことを示しており、彼女は直ちに第2回討論会を求めた」とトランプ氏は木曜夜、トゥルース・ソーシャルに書いた。

トランプ氏がどの世論調査に言及しているかは不明だ。

コロラド州の共和党議員でトランプ大統領の同盟者であるローレン・ボーバート氏は金曜日、ソーシャルメディアで両候補の最終陳述を収めたABCニュースのTikTok動画を指摘した。

「メディアは、カマラ・ハリスを、国中に旋風を巻き起こした人気女性としてのイメージを作り上げようとしている。現実には、ワシントンDCの報道機関以外では、誰も気にしていない」とボーバート氏は金曜日、X(旧ツイッター)への投稿で述べた。

トランプ大統領とハリス氏の閉会の辞が3日前にアップロードされたABCニュースのTikTokページによると、前大統領の閉会の辞の動画は土曜午後の時点で2470万回再生され、170万件のいいねを獲得している。一方、副大統領の閉会の辞の動画は470万回再生され、22万件以上のいいねを獲得している。

TikTokの再生回数の多さに応えて、トランプ大統領の広報部長スティーブン・チャン氏はニューズウィーク誌に宛てた電子メールの声明でハリス氏を批判し、「カマラ・ハリス氏がアメリカに何も提供できないことは誰もが知っている。だからこそトランプ大統領は勢いに乗っており、ホワイトハウスに戻る際にアメリカ国民が彼を支持するのだ」と述べた。

ニューズウィークはハリス陣営にコメントを求めて電子メールで連絡を取った。

トランプ大統領は締めくくりの声明で、ハリス氏がホワイトハウスでの3年半の在任期間中に、火曜日の討論会で提案した政策を一つも実行しなかったのはなぜかと疑問を呈した。

「彼らには国境を修復するのに3年半の猶予があった。彼らには雇用を創出するのに3年半の猶予があった」とトランプ氏は語った。「なぜ彼女はそれをしないのか?今すぐにでも辞任して、あの美しいホワイトハウスや国会議事堂に行き、皆を集めてやりたいことをやるべきだ」

元大統領は、ハリス氏が水圧破砕法と化石燃料について語る際、「アメリカ国民が信じていないもの」を信じていると述べた。

トランプ氏は、各国首脳が自分のところに来て、米国で何が起きているのか分からないと話してきたと述べた。同氏はロシアとウクライナ、そして中東で起こっている戦争について話し、第三次世界大戦の可能性を指摘した。また、移民問題にも触れた。

「視力低下のために国を犠牲にすることはできない」とトランプ氏は述べた。「我が国は衰退しつつある国だ。深刻な衰退に陥っている国だ」

ハリス氏は締めくくりの声明で、未来と過去の選択を対比した。

「今夜、皆さんは我が国に対する二つの全く異なるビジョンを聞いたと思います。一つは未来に焦点を当てたもの、もう一つは過去に焦点を当てたものです」と彼女は語った。「我々は過去に戻るつもりはありません。そして、我々には隔たりよりも多くの共通点があり、新たな前進の道を切り開くことができるということをアメリカ国民は知っていると私は信じています。」

ハリス氏は、国が力を合わせれば誰もが当然受けるべき尊敬を得られると信じていると述べた。

「私は国民の基本的権利と自由を守る大統領になる」とハリス氏は語った。「私は検察官としてキャリアをスタートした。地方検事、司法長官、上院議員、そして今は副大統領だ。私の顧客はただ一つ、国民だ」

彼女は、被害者や目撃者が共和党員か民主党員かは気にしていないと述べ、次期大統領にも同様の感情を抱くよう求めた。

ハリス氏は「私は全アメリカ国民のための大統領になるつもりだ」と語った。

一方、討論会の直後、ハリス陣営はすぐにトランプ氏にもう一度討論会を挑み、フォックスニュースは両候補者を再び対決させると呼びかけた。

しかし、トランプ氏は彼女の提案を拒否した。トランプ氏がハリス氏と再び討論会を行わない理由をニューズウィーク誌に尋ねられた際、チャン氏は土曜日の午後に電子メールで「トランプ大統領が言ったように、討論会の舞台ではハリス氏を完全に圧倒した。ハリス氏はあまりに惨敗したので、もう一度討論会を懇願したのだ」と答えた。
動画の視聴回数は、支持率と比例するのが普通だと思いますけれども、この討論会に至っては、マスコミの世論調査と視聴回数が逆になっている。違和感を覚えざるを得ません。ウォッチしていきたいと思います。



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