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1.自民党総裁選は三つ巴の大接戦
自民党総裁選も中盤に入り、各マスコミ報道でも、石破、高市、小泉の三者による争いになるという情勢分析が目につくようになりました。
どの候補者が勝ち残るのかについて、色々な観測が出ていますけれども、フジテレビ客員解説委員の平井文夫氏はフジZakZakの寄稿コラムで次のように解説しています。
自民党総裁選の情勢は投開票を27日に控え、現状では石破茂元幹事長、高市早苗経済安保相、小泉進次郎元環境相の3人が横一線でトップに並び、誰が勝つか分からないシビれる展開だ。有力視される石破、高市、小泉3氏のうち、どの2人が決選投票に残るかの組み合わせによって議員の動きも変わるという、まぁもっともな分析を下敷きに、本命に高市氏を挙げています。
日本テレビと読売新聞がそれぞれ行った党員・党友への電話調査の結果は、どちらも、1位=石破氏、2位=高市氏、3位=小泉氏の順になっている。小泉氏の勢いが落ちているのは政策論争で「狙い撃ち」されていること、また自民党員は比較的年齢が高いということもある。
小泉氏は「選択的夫婦別姓」を1年以内に実現すると提案したが、保守系の高市氏、小林鷹之前経済安保相、加藤勝信元官房長官だけでなく、リベラル系とされる林芳正官房長官からも「慎重姿勢」を示され、同調したのは石破氏、河野太郎デジタル相の2人だけだった。
FNN(フジニュースネットワーク)と産経新聞が合同で行った世論調査(14、15日実施)で、「選択的夫婦別姓」について聞いたところ「賛成」39%、「反対」12%に対し、「同姓を維持した上で旧姓使用を広げる」が47%でトップだった。読売新聞も同様の結果、また2年前の内閣府の調査でも同様の結果が出ている。
つまり夫婦別姓の実現は「時期尚早」ということが明らかになったのではないか。小泉氏は早くこの話を取り下げた方がいいと思う。小泉氏はこのほか、「解雇規制の見直し」についても提案したが説明が分かりにくく、高市氏ら政策通の批判を浴びた。この後、どう挽回するのか注目だ。
石破、高市、小泉3氏のうち2人が決選投票に残る場合、その組み合わせによって議員の動きも変わる。
まず、「石破氏vs小泉氏」の場合、菅義偉前首相の支援を受ける小泉氏が有利だろう。
「石破氏vs高市氏」の場合は、小泉支持票がどれくらい石破氏に行くのか、また石破氏と合わない麻生太郎副総裁が岸田派とともに高市氏を推すかどうかが焦点だ。「高市氏vs小泉氏」の場合も、菅氏と合わない麻生氏の動きで決まりそうだ。どちらも接戦になる。
今回は派閥単位では動かない人もいるので予想しにくいのだが、現状では「本命◎高市、対抗○小泉、穴▲石破」と印をつけてみた。その心は石破氏は議員票に苦労しており、勢いに乗った高市氏が少し疲れた小泉氏を「差す」のではないかということだが。いや、この馬券は難しい。
投開票まで10日を切った。政策論争は当初は党員票目当ての「人気取り政策」が目立ったが、その後は失言に対する攻撃、あるいは失言を引き出すような発言が増えてきた。
今後も人気の3強(石破、高市、小泉3氏)を引きずり下ろして自分が決選投票に残るべく、激しい政策バトルをしていただきたい。意外に「第4の人」が出てくるかもしれない。いずれにせよ、そのバトルに生き残った人こそ、新しい自民党総裁にふさわしい人だ。
2.叩かれた高市パンフレット
その高市氏ですけれども、全国の党員らに自身の政策を訴える文書を郵送したことが物議を醸しているようです。
というのも、9月4日に総裁選挙管理委員会が多額の費用がかかる文書の郵送などを禁じる通知を党内に出しているからです。
今回の総裁選では例の派閥裏金事件を受け、「カネのかからない選挙」が大きな課題となっています。
党幹部によると、全国に100万人以上いる党員にパンフレットを郵送すると約1億円、電話をかけると数千万円かかるのが相場で、ホテルの一室を借り切って事務所とするケースも多いのだそうです。過去には多数派工作のための買収的な行為もあったとされています。
これまでも選挙期間中のパンフレットなどの郵送は禁止されていたのですけれども、告示前の規制はなく、検討課題になっていました。これについて選管は8月20日の会合で協議した結果、「自由に政治活動ができる期間に総裁選の規制をかけることは難しい」と判断。告示前の活動にも多額の費用をかけないよう、候補予定者や陣営に努力を求めることとしました。
今回槍玉に上がった、高市氏が郵送した文書は、高市氏が代表を務める選挙区支部が発送した「国政報告レポート」で、高市氏の写真や略歴、これまでの取り組みなどが掲載されています。
この高市氏のパンフレットが、禁止が決定されて以降に党員の元に続々届いたというのですね。
9月11日、逢沢一郎・選管委員長は「苦情が多数寄せられた」として高市氏を口頭で注意し、「ルールに従って選挙に臨んでいただきたい」と記者団に語っています。
ところが、17日になって自民執行部は口頭注意に加え、新たな対応が必要だと言い出しました。
関係者によると、岸田首相(党総裁)と森山総務会長、渡海政調会長、小渕優子選挙対策委員長が党本部で対応を協議した結果、高市氏に対して「毅然とした対応が必要だ」との考えで一致し、逢沢一郎・選管委員長に検討を要請したそうです。
各地の党員がパンフレットを見て、地元の国会議員が高市氏支持だと受け止める事例が相次いでいるといい、ある陣営幹部は「今更パンフレットの効果を打ち消すことはできないが、やった者勝ちで許されていいのか」と不満を漏らしたと伝えられています。
3.他陣営も配っていたパンフレット
これに対し、高市氏は「9月に入って着いたものもあるということでしたので。問い合わせをしたら、お盆辺りから8月下旬にかけて郵送作業は終えています、ということだったので。全く違反行為にはならないと思います」と、「8月中に送ったものなので、ルール違反ではない」と反論しています。
けれども、前述のとおり、選管は新たな措置を検討する方針を打ち出したことで、高市陣営は強く反発。高市選挙事務所の木下剛志所長は「選挙管理委員会が決めたことに、さらに党執行部から圧力をかけるということ自体、我々の常識としては考えられないことだろうと思います。強く権力者としての矜持と自制を求めたいと思います」とコメントしています。
高市氏のパンフレットについて、小林鷹之陣営は「1人からしか届かないと、地元で『うちの代議士は高市さんを応援しているのか』となっているケースもあるから困った話だよ」とコメント。上川陽子陣営からは「効果は大きい。明らかに効果が出ちゃっているんだから。世論調査も議員票も変わらないのに、党員票だけ上がっている」と不満の声を上げています。
もっとも高市氏は件のパンフレットについて「総裁選に一言も触れていない。規則には全く抵触していない」と説明しているのですけれども、総裁選に触れてない政策パンフレットを禁止される前の8月中に郵送した。これらを見る限り、総裁選とは無関係だと考えるのが普通でしょう。
小林氏陣営は高市氏からしかパンフレットが届かないみたいなコメントをしていますけれども、ところがどっこい、他陣営も出していたりします。
石破氏、茂木氏、河野氏の各陣営が郵送したパンフレットがネットに晒されていますけれども、石破氏は9月9日、茂木氏は9月11日の消印だそうです。しかもそれらパンフレットにはがっつり総裁選の応援を要請。小泉氏に至っては、地元後援会に1口5万円の献金を要請する9月5日付文書を送付しています。
高市氏だけ問題視するのはいかにも偏っていると言わざるを得ません。
石破さん(消印9/9)、茂木さん(消印9/11)、河野陣営のパンフレットをお送りします。
— NorthBear (@NorthBear0525) September 17, 2024
高市早苗さんは総裁選のお願い文はなかったですが、こちらはいずれもお願いしてますね。
処分対象ですよね?😡 https://t.co/xGdwPiF6VK pic.twitter.com/OQnOM3rJOE
【小泉進次郎が地元後援会に1口5万円の献金要請!】
— Ayaka (あやか)(🇯🇵🇯🇵🇯🇵🇯🇵)✨ (@WaheedRehmanKh2) September 17, 2024
小泉進次郎が自民党総裁戦前に地元後援会に1口5万円の献金を要請していた衝撃文書をFRIDAYが明らかにした。
自民党総裁戦には供託金もなければ選挙カーも要らないのにどうしてかお金が必要らしい。https://t.co/WoXvqfTuJe pic.twitter.com/Pa9FtEW4xu
4.高市潰しを狙った三つのネガキャン
9月19日、フライデーデジタルは、「『高市早苗潰しだ!』支持者が憤る3つの“ネガキャン” 党内からは『高市では選挙を戦えない』の悲鳴」という記事を掲載し、高市潰しが行われていると述べています。
件の記事は次の通りです。
小泉進次郎氏vs石破茂氏の“2強”という下馬評を、高市早苗氏は覆すことができるのか……高市氏陣営は、これら動きに「みんなやっかみもあって、高市さんの勢いを落としたいんだろうね」と述べたそうですけれども、高市氏に総裁になってもらっては困る勢力が党内に巣くっていると見てよいのかもしれません。
自民党総裁選(9月27日投開票)の行方が混沌としている――。
スタートダッシュを決めたのは小泉進次郎元環境相で、今やキングメーカーとなった菅義偉前首相の後ろ盾を得て“最有力”ともてはやされたが、討論会を重ねるたびに支持率が急降下。マスコミ各社の世論調査では、総裁選“決選投票”2席の座から陥落したという結果も出始めている。
「ふわっとした“ワンフレーズ答弁”は父・純一郎元首相ゆずり。かねて『いずれボロが出る』と囁かれていたが、あまりにも早すぎた」(永田町関係者)
一方で急伸する高市早苗経済安全保障担当相にも頭の痛い問題が次から次へと浮上している。
1つは高市氏が総裁選前に党員らに政策リーフレットを送っていた問題だ。
今回の総裁選では、9月3日に選挙管理委員会が「お金のかからない総裁選」を目指し、政策パンフレットの郵送禁止を決定。高市氏は8月中に送付手続きを完了していたと主張しているが、16日放送のBS日テレ番組で、石破茂元幹事長の推薦人・平将明衆議院議員は
「他陣営は一切出していない」
とピシャリ。高市氏の急伸の要因に
「それが影響したとの分析もある」
と述べた。
選管委の逢沢一郎委員長は11日、高市氏を口頭で注意。それでも他候補から不平不満が飛び出しており、岸田文雄首相をはじめとした党執行部は総裁選管理委員会に追加対応をするよう申し入れた。前出の永田町関係者は
「高市氏は偶然を装っているが、誰も信じていませんよ。総裁選の公平性に疑問が残るのは間違いない」
と断罪する。
2つ目は高市氏の推薦人20人のうち、杉田水脈衆議院議員ら13人が“裏金議員”ということだ。この数字は他候補と比べても突出している。
当の高市氏は17日放送のTBS番組で
「どの方を(推薦人に)入れるかは選対、チームに任せた。翌日、新聞を読むまで知らなかった」
と述べたが、いささか無責任に映る。
弁護士の紀藤正樹氏はX(旧ツイッター)で
「裏金推薦人がいる候補者は当然裏金問題を先送りする、あるいは手心を加える可能性があり自民党の総裁、すなわち首相になるべきではないと思います」
と指弾している。
3つ目は旧統一教会問題だ。
ここまであまり争点になっていなかったが、朝日新聞は17日付の朝刊で、故安倍晋三元首相が’13年に党本部で旧統一教会の幹部と面会していたと写真付きでスクープ。取材記者は朝日新聞デジタルのユーチューブチャンネルで裏取りに半年かかったことを明かしている。
故安倍元首相は前回の自民党総裁選で高市氏を推すなど、昵懇の仲。SNS上では熱心な信者が高市氏の支持を訴えており、’01年には統一教会系メディアの月刊誌に高市氏の対談記事が掲載された。
「高市氏は『日本初の女性総理』が手の届く位置にあり、前のめりになっているが、議員は早ければ年内に行われる解散総選挙のことを考える。ようは高市早苗首相で戦えるか、ということ。裏金と旧統一教会問題で野党から厳しく追及され、後手に回る可能性がある。これでは本末転倒で、イメージ刷新とは言い難い。党内では『高市では選挙は戦えない』といった声も出始めている」(全国紙政治担当記者)
高市陣営は相次ぐ“ネガティブキャンペーン”に
「露骨な高市潰しだ!」
と怒り心頭。同記者は
「決戦投票で石破氏vs進次郎氏ならば進次郎氏だろう。問題は進次郎氏が決選投票に残れず、石破氏vs高市氏となった場合。進次郎氏の票は石破氏に流れ、麻生派や安倍派の一部は高市氏に付くだろう。どちらにせよ僅差の勝負になる」
と語る。
いまだ投票先を決めていない議員・党員は2割おり、戦況を見通すことは難しい。投票日当日までギリギリのせめぎ合いが続きそうだ――。
5.総裁選スキャンダル
マスコミの世論調査では、高市氏が急激に支持を伸ばしていると報じられていますけれども、総裁選告示日の12日に自民党本部が党員約2100人に調査したとする総裁選情勢記事が流れました。
件の記事は現代ビジネスに掲載された「《最新情勢》高市早苗と石破茂に『驚きの数字』が出た…自民党が実施した『総裁選の党員調査』の中身」というもので、「石破茂氏34.9%、小泉進次郎氏23.2%、高市早苗氏15.9%」と具体的なデータを提示。「9月8日、党員2126人に実施」などと出典も明示していました。
ところが、この記事が配信された直後から「そもそも党で調査はしていない」との声が上がり始め、総裁選挙管理委員会の逢沢一郎委員長が「実施したことはなく、今後も予定はない」と14日付の文書で全面否定しました。
党の世論調査関係者は「党員名簿は簡単に扱えるものではなく、このような調査はそもそもできないし、やろうという話も出たことはない。一部陣営が自分の支持者に絞って独自にやることは考えられるが、それだと偏りがでるため意味がない」と話し、ある自民議員は「党員調査だと偽り、党内や世論を操作しようとした人物がいる可能性もある。ジャーナリストはそのデータにうまく乗せられたのではないか。総裁選はなんでもありだ」と述べていますけれども、本当だとしたら、かなり問題です。
件の記事は今ではリンク切れで見れなくなっていますけれども、本人が虚偽情報だと認めたと受け取られても仕方ありません。
その一方で、この虚偽報道が意図的なものだったのではないかという指摘もあります。
ジャーナリストの山口敬之氏は9月15日、自身の動画チャンネルで、その点について解説しています。
動画自身は45分間と割と長めなのですけれども、AIまとめで、そのサマリとハイライトを抽出すると次の通りです。
Summary山口氏は、2000人もの自民党員に対して世論調査をしようとすると、普通にやれば膨大な時間と金がかかることから、門外不出の筈の党員名簿、しかも、特定の候補の支持者に偏った名簿がリークされ、それをもとに世論調査をさせた、実に恣意的な報道であるとして、明らかな高市潰しだと主張しています。
この動画では、山口敬之が自民党総裁選に関するスキャンダルを告発しています。彼は、自民党本部が党員データを捏造し、特定の候補者を有利にするための不正行為を行っていると主張しています。また、日テレや他のメディアが報じた調査結果についても疑問を呈し、真実のデータがどのように操作されているかについて詳しく解説しています。
Highlights
・自民党の党員データ捏造: 山口は、自民党本部が党員データを捏造し、特定候補者を有利にするためのスキャンダルが存在すると主張しています。
・メディアの調査結果の疑問: 日テレなどのメディアが発表した調査結果に対して、信憑性を疑問視し、実際には行われていない調査に基づくデータである可能性があると指摘しています。
・総裁選の公平性の欠如: 自民党内部での不正行為により、総裁選の公平性が損なわれていると警鐘を鳴らし、党員票が正しく反映されるか懸念を示しています。
そんなに高市氏に総裁になってもらっては困る議員なり人物がいるのか分かりませんけれども、実に内向きな動きであり、「国民そっちのけ」の感がしてなりません。
ただ、先述した高市氏への更なる処置については、19日になって、逢沢選管委員長は「私としては11日に高市さんに注意した。同じ案件なので重ねて厳重注意するのは制度になじまない」と述べ、さらなる注意など追加処置は行わないことが決まったようです。
国民としては、総裁選を巡る動きで不審点や疑問などがあれば、都度声を上げ、バイデンジャンプならぬ石破ジャンプ、小泉ジャンプなど起こさせないよう、しっかりと監視していく必要があるのではないかと思いますね。
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