公開された公用パソコンファイルと国家通信放送委員会

今日はこの話題です。
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1.公用パソコンの中身公表


兵庫県の斎藤元彦知事の疑惑などを告発する文書の真偽を解明する百条委員会に関連して、7月に自殺した元県西播磨県民局長の男性が告発文書を作成したとされる公用パソコンについて、NHK党の立花孝志党首が自身の動画で公開し、話題になっています。

動画では、パソコンの複数のフォルダとみられる画面が映されていて、フォルダ名にはそれぞれ、「小説関係」、「〇子写真館」といったものが並び、更に「クーデター顛末記」とタイトルの付いた文書ファイルさえもありました。

立花党首は兵庫県知事選で、男性の自殺の原因は告発者捜しを命じた斎藤氏にあるのではなく、プライベート情報の露見を恥じたためだと訴えていますけれども、このフォルダが本当であれば、増々信憑性が高くなったのではないかと思います。


2.勝った負けたの話ではない


今回の兵庫県知事選とその後の顛末を見る限り、オールドメディアがその信用をガクンと落としたことは間違いないと思います。

これについて、民放各社が今後の報道の在り方に言及しました。その概要は次の通りです。
TBS/龍宝正峰社長:我々は有権者の方たちにしっかりとした情報を届けられるように選挙報道についてはもっといい形を議論していく……別に勝った負けたのじゃないと思っています。我々がSNSに負けたということではなく、我々はやるべきことをやっていくことに尽きる。

TBS/荒井報道局長:すでに兵庫県知事選、遡って都知事選、それから衆院選、すべて有権者の人たちのSNSの情報のやりとりが、どういったものだったのか検証し、それからテレビの選挙報道の伝え方が有権者にしっかりとした判断材料につながる情報をお伝えできていたのかということを真摯に振り返りましょうということで、検証・議論の段階に入っている。

テレビ朝日/篠塚浩社長:SNSを中心に、さまざまな情報をいろんな方が発信されることは当たり前のことですし、そのSNSが選挙に活用されることも、アメリカ大統領選などかなり前からやってることですし、世界的に見ても常識だなと思ってます……一方で、その発信される言説・情報の中に一部誤りがあったり、あるいは人々が受け取る情報が偏ってしまうという弊害、問題も世界的に指摘されている……選挙報道に関しては、毎回毎回、選挙ごとにいろんなテーマで反省材料が出てきて、その都度それを反省して、次の選挙に活かすという、まさに選挙ごとに進化をたどっている。

テレビ東京/石川一郎社長:いろいろな形で世界中で選挙にSNSを使った活動が広がっている……決して我々オールドメディアが否定されたわけではない。我々としてはファクトがしっかりした報道をすることで、視聴者の皆様の政治に対する理解を深めていただけたらと思う……極めて難しいが、我々は放送法4条によって政治的中立を維持しないといけない。特に選挙は公示されたあとは細心の注意を払いながら報道している。この考え方を変えることはない……SNSでは、あることないことが流されている。今の公選法ではメールは厳しく制限されるが、SNSはほとんど制限されない。これからどうするのか法的な問題も含めてきちんと見ながら対応したい。
SNSはデマばかりだと相変わらずの論調です。確かに選挙期間中は政治的中立を意識したのかもしれませんけれども、選挙以外の時の斎藤知事叩きは酷いものでした。選挙報道以外のところでは何も問題ないと考えているのだとしたら問題だと思います。


3.マスコミの論点はズレている


これについて、中央大学法科大学院教授の野村修也氏は10月20日に次の一連のツイートをしています。
・TVでは、選挙期間中の報道規制の違いが問題なので、ネット規制を強化すべきだとする論調が見られるが、論点がずれている。兵庫県知事選挙で明らかになったTVの問題点はそこでなく、選挙前の報道姿勢。真偽の裏どりをしないまま百条委員会の議論を垂れ流したことの是非を論じないと信頼は回復できない。

・それどころか一緒になって糾弾し、「ここまで言われてなぜ辞めないのか。」などと斎藤知事を追い込んだことが、百条委員会の結論も出ないうちに、議会が知事に不信任を突きつける事態を後押ししたことを忘れてはならない。まさに視聴率の罠。ここを改善できれば、TVは再生できるはず。頑張って欲しい。

・私がTVの再生を求めるのは、痩せても枯れてもTVの影響力は大きいのが現状なので、それを左翼運動家や情報戦を仕掛ける外国勢力に明け渡さないで欲しいからだ。国民がTVを見限り人材が集まらなくなれば、影響力を利用したい勢力の餌食になる。これだけは避けたい。TV業界の人にはぜひ踏ん張って欲しい。
全くその通りだと思います。特にTVを「左翼運動家や情報戦を仕掛ける外国勢力に明け渡さないで欲しい」との警鐘には耳を傾ける必要があるのではないかと思います。

ところが、このツイートに、NHK党の濱田聡参院議員が「既に左翼運動家や情報戦を仕掛ける外国勢力に明け渡されている、というのが私の認識です。」とリツイート。

更に濱田参院議員は別のツイートで「・大谷選手の自宅紹介 ・折田楓氏への自宅凸 フジテレビの存在は国益を害すると思います。国会ではフジテレビの放送免許取り消しを提案することを検討します」と述べています。





4.台湾の国家通信放送委員会


濱田参院議員はこのフジテレビ放送免許取り消しツイートを昨年9月に投稿した「放送免許の再交付は5年に一度行われ、直近では2023年の10月に行われるとか。台湾を見習って、日本でも問題あるテレビ局に放送免許を交付しないようにすべきですね」というツイートへのリツイートとしてコメントしていますから、既にこの当時からテレビ局に対する問題意識を持っていたのだと思われます。

台湾には、NCC(国家通信放送委員会)という政府直属ではない独立規制機関が放送・通信事業を管轄しています。

NCC(国家通信放送委員会)は、通信と放送の融合という科学技術の流れを背景に、アメリカのFCCやイギリスのOfcomなどを参考にして2006年に発足しました。

NCC(国家通信放送委員会)の遂行する業務内容は、「通信・放送監督政策の制定、法令の制定、立案、修正、廃止および執行」「通信・放送事業運営の監督管理と免許証の交付」「通信・放送伝送内容のクラス分け制度およびその他の法律事項の規定」「通信・放送秩序の擁護」「通信・放送事業者間の重大な争いおよび消費者保護の案件の処理」「通信・放送業務の監督、調査と裁決」「通信・放送関連の法令違反事件に対する取り締まりと処分」と多岐にわたり、日本でいう総務省のような存在です。それが独立機関になっている。

NCC(国家通信放送委員会)の委員は通信、情報、放送、法律、経済などの専門家から選出され、人数は7人でうち1人を主任委員、1人を副主任委員とし、任期は4年で再任も可能となっています。

ただ、「独立機関」といっても、 NCC(国家通信放送委員会)があまりにも強い権限を持っているが為に、これまでその委員の人選をめぐって常に、台湾の与野党間の争いが起きていました。

NCC(国家通信放送委員会)発足にあたり、当時の政府は委員の数を当初7人としていたのですけれども、国民党を中心とする野党はこれを13人に増やした上、立法院の議席に応じて各政党が委員選出のための審査委員を推薦するという複雑な内容の法案を強行採決で通過させました。

もともと立法院の議席に応じて各政党が委員を推薦した場合、与党推薦6人対野党推薦7人になるはずだったのが、誰が委員にふさわしいかを審査する「審査委員」を推薦するという形を取ることで、野党側はNCC委員の構成を与党推薦5人対野党推薦8人にすることに成功。

けれども、あまりに党派色が濃厚なやり方で決められたため、候補に選ばれた委員のうち与党推薦の3人と野党推薦の1人が就任を拒否もしくは辞退することになり、結局、与党推薦2人と野党推薦7人という、非常にバランスの悪い「独立規制機関」としてスタートしました。

その後、NCC委員の選出方法が行政権の侵害にあたるとして司法院大法官会議で憲法違反とされたことから、委員の選出は行政院が名簿を作成して立法院が同意権を行使する形に改められました。

この方式では、立法院で与党が多数を占めていれば特に問題ないのですけれども、少数与党の場合は野党が行政院の作った名簿に拒否権を行使することが可能なため、NCC委員がなかなか決まらなず宙に浮く可能性があるとも指摘されています。

権限もあまりに集中させすぎると、それはそれで問題があるということです。

であるならば、いっそのこと、放送免許の更新の可否も投票で決めたらどうかとさえ思ってしまいます。最高裁判官だって国民審査を受けるのです。選挙前に候補者を一方的に叩いて評判を落とす行為は「政治生命に対する死刑宣告」ではないのか。だとすれば、国民審査を受けてしかるべきではないかと思います。

あるいは、今の「安い」電波利用料で、放送できるのは、国民審査でOKを貰ったテレビ局だけとして、×になったテレビ局は放送免許を取り上げる代わりに割り当てされた周波数帯域を取り上げ、空いている周波数帯域を電波オークションに参加して権利を買い取るくらいでもよいかもしれません。

濱田議員は、フジテレビの放送免許取り消しを国会で提案すると述べていますけれども、テレビの国民審査についても検討いただきたいと思いますね。



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