壁を壊す玉

今日はこの話題です。
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1.玉木代表の役職停止処分


12月4日、国民民主党は、両院議員総会で、女性との不倫関係を報じられた玉木代表を来年3月3日までの役職停止3か月とすることを決めました。

停止期間中は、古川代表代行が、代表の職務を担うとし、党内からは「来年の参議院選挙を見据えるとけじめは必要で、処分はやむをえなかった」といった見方が出ているようです。

玉木氏は「改めて大きな期待を寄せていただいたすべての皆さんにおわびを申し上げたい。『年収103万円の壁』の見直しなどの交渉に影響が出ないよう、バックアップしていきたい」と述べています。

一方で「年収103万円の壁」の見直しをめぐって、税制改正の協議が本格化する中での処分に、「この時期に党の『顔』とも言える玉木氏が役職停止となるのは与党との交渉や、発信力の面でも不安だ」といった声も出ていますけれども、その玉木氏は6日、国民民主の浜口誠政調会長らが薬価改定に関する申し入れのため首相官邸で石破総理と面会した際、「一議員」の立場で同席。処分前の11月27日にエネルギー政策で提言に訪れた時は、石破総理とともに会場中央の席に座っていたのですけれども、この日は総理から最も離れた席につきました。

面会後、浜口氏らは官邸内で記者団の取材に応じたものの、玉木氏は先に官邸を出て取材を避けましたけれども、榛葉賀津也幹事長は6日の記者会見で「玉木さんは一議員として、テレビの取材も何でもできる。与党との政策協議にも全く影響はない」と語っています。


2.根拠は二枚の紙だけだった


実際、玉木氏は、ネット上では活発に活動。6日も「103万円の壁」引き上げを巡り、自民、公明両党が示した試算を自身のXで「荒っぽい」と批判しています。

件の玉木氏のツイートは次の通りです。
驚いた。

今朝の3党協議で、与党側から提出された「103万円の壁」を178万円に引き上げた際の「減収見込み額」の根拠は、この2枚の紙だけだった。(国税分1枚、地方税分1枚)

今、世の中に広く流布している「7兆円〜8兆円の減収」の根拠は、実はたったこれだけで、追加の資料はないとのこと。

そもそも、現在の基礎控除48万円による減収額が2.6兆円になる根拠が示されておらず、それに基づいて「算数」をしているだけの減収額にどれほどの意味があるのか。

こんな荒っぽい計算根拠で、国民民主党が主張している「手取りを増やす」政策に反対しているのかと愕然とした。

最後の計算だって、

500億円×75万円=4兆円弱程度

と書いているが、

500億円×75万円=3.75兆円

とすればいいではないか。

ちょっとでも減収額が大きく見えるようにしているのも残念だ。まだ、たまきチャンネルでの計算の方が誠実ではないか。
https://youtu.be/E5QdFKzRgcE?si=2UWEemZkBYUUOX-o

さらに、資料の上部に赤字で大きく、

「下記の試算は10月31日時点での粗い計算であり相当の幅をもって見る必要があることに留意が必要」

と書いてあるが、

そんな荒っぽい資料で、国民の手取りを増やす政策を阻まないでほしい。

財源を出せ出せと政府・与党もメディアも言うが、だったら、減収額についても、「粗くない」計算根拠を示してほしい。

実施時期についても、与党は来年ではなく再来年からと主張しているとのこと。

こんな不誠実な対応が続くなら、とても補正予算には賛成できない。

国民民主党の一議員として強くそう思う。

国民の期待を裏切るわけにはいかない。
このように、政府の対応を不誠実だと断じています。

玉木氏は、「たまきチャンネルでの計算の方が誠実ではないか」と述べていますけれども、指定URLの「たまきチャンネル」では、政府がザイゲンガーと叫ぶ財源7.6兆円について、今回の政府の補正予算の中にあるとし、「①税収上振れ 3.83兆円」+「②税外収入上振れ 1.87兆円」+「③改定経費の減額 1.63兆円」の3つでほぼ賄えると述べています。

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3.話にならないね


政府対応に怒り心頭なのは、玉木氏だけはありません。

12月6日、国民民主党の榛葉賀津也幹事長は6日の定例会見で、与党と国民民主との間で行われた税制改正協議で示された、「年収103万円の壁」をめぐる「減収見込み額」の与党側の試算根拠に対し、怒りを爆発させています。

榛葉幹事長は配布されたペーパーに「下記の試算は10月31日時点での粗い試算であり相当の幅をもって見る必要があることに留意が必要」とのただし書きが赤文字で記されているとして「この数字が荒くて曖昧よと、認めたペーパー。これを基準に8兆円、地方は4兆円足りなくなるというのは、話にならないね……滅茶苦茶粗削りの財源試算。所得税、地方税の算出根拠が与党側から出されたが、こんないいかげんというか、粗い試算で、8兆円の減税とか、地方税が4兆円足りなくなるとか騒いでいたかと思うと、なんだったんだと」とブチ切れ、「もう1度、整理してほしい。納税者や有権者をあまりにもばかにしている。全国知事会もこれを根拠におっしゃったんですよね、こんな粗い根拠でいわれたら、たまらないですね」と、反論しました。

そして、「103万円の壁」引き上げの狙いについて「この国の税収を減らすのではなく、取り過ぎた税金を国民に戻し、デフレから脱却して手取りを増やし、可処分所得を上げて消費を増やし、この国の経済を回し、好循環させていくためだ」と主張。与党側が示した実施時期について再来年の2026年となっていることにも「話にならない……納税者、有権者は待っている。すぐやるのは当然だ」と、実施を急ぐべきとの認識を示しました。

その上で榛葉幹事長は「こんなにやる気がないのなら、補正も賛成できるか分からない……こんなことでは、補正もどうなるか分からない……衆院選の結果は、1日も早く103万の壁を突破して手取りを増やしてほしい、減税してほしいというものでしょ。もう忘れたんですかね」と、指摘しました。

そして、記者から補正予算案の採決で反対する可能性を示唆したのかと問われると「こういう、いいかげんなことをするなら賛否を考えないといけないが、いま交渉している。きちんとしたデータと根拠をもって、来週以降きちんとした交渉ができることを信じたい……あまり国民の気持ちをもてあそばない方がいいと思う」と、釘を刺しています。




4.需要しか見てない馬鹿げたモデル


この政府見積もりが雑だということについては、12月2日、ニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」に出演した元内閣官房参与で嘉悦大教授の高橋洋一氏が指摘しています。

高橋氏は、「103万円の壁」引き上げた場合の政府の試算について「経済は需要と供給がある。需要しか見てない、供給を見てない。今回、なんで103万円の話が出てくるかっていうと、控除が103万円のままだと働かなくなる人がいるってことでしょ。その人たちを働いてもらおうという話でしょ……労働って供給の物凄い大きな要素なんですよ。壁を取っ払っても働かないものだという前提で計算している。こんなバカげたことやっている。そういうのに基づくモデルでまたやってきやがった。大体こういうの出す財務省のやつも中身知らないんだよね。私は物凄くこれに詳しいから。働かない人が働くようになって給料が高くなるでしょ。そういう話が抜けているわけ」と説明しています。

高橋氏がいう「バカげたモデル」はどういうものかというと、12月6日の高橋氏が自身の動画で、「内閣府の短期経済予測モデル」だと述べています。

12月1日のエントリー「減税したらどれだけ税収は増えるのか」で「短期日本経済マクロ計量モデル(2022年版)の構造と乗数分析」を取り上げましたけれども、高橋氏のそれと同じものだと思われます。(玉木氏ー高橋氏の対談動画で言及されています。)

高橋氏は政府試算の元になったモデル自身が間違っていると厳しく指摘していますけれども、それ以前に、政府が103万円の壁を撤廃するのに早くても再来年だとしているのが呆れます。

12月4日、玉木氏は「まさに物価上昇で手取りが増えないってことは、再来年達成しても足元の消費は伸びません。国民のみなさんの求めるスピード感ではない。来年から実施するというのが民意だと思います」と遅すぎると批判しています。

筆者は、わざと先延ばしして、消費を伸ばさないようにさせておいて、「玉木の主張は間違っていた。だから増税だ、緊縮だ」というキャンペーンでも張ろうとしているのではないかとさえ疑ってしまいます。

財務相の税収減の試算の雑さに、玉木氏も榛葉幹事長も激怒していたことは前述しましたけれども、政府が国民を無視すればするほど、国民の期待は国民民主に集まることになります。

政府が態度を改めないのであれば、補正予算に協力せず、潰してやってもよいのではないかとさえ思ってしまいますね。






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