因果応報フジテレビ

今日はこの話題です。
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1.怒号のフジ社員説明会


1月23日、フジテレビはタレントの中居正広と女性とのトラブルを巡り、フジテレビ社員が関与したと報じられている問題で、全社員に向けた社員説明会を行いました。

会社側は、嘉納修治会長と港浩一社長らが出席。社員は当初用意した400席では足りず、500席に増やしたものの、こちらもすべて埋まり、立ち見やオンラインで説明会を視聴した局員も出る状況となりました。

午後5時30分から始まった異例の説明会は午後10時を超え、4時間30分の長丁場となりました。

説明会では、嘉納修治会長が「まず最初におわびしたいと思っています。本当にどうも申し訳ありません。至らなかったところがあると私は思っています……経営責任もあると、正直思ってます」と謝罪。

港浩一社長は、17日に行った自身の会見について「オープンでネット系も入ってくると、不規則発言や彼女のプライバシーが侵害される恐れもあるのではないかという懸念が一番大きく頭を占めて、ああいうクローズドな会見になりました。終わって失敗したと思いました。マスメディアのくせになぜカメラも入れないでやるんだと言われてみればその通りです……時間がない中で、慣れている形での定例記者会見を選んだしまった」と説明。出席した社員から「カメラを入れた方がいいという役員はいたのか」という質問が上がると「もちろん色んな意見がありました。その中で定例会見の前倒しという建て付けで皆さんとも進めてきたので、最終的にそういう判断をしてしまったということです」と答えています。

けれども、あの会見を「定例会見の前倒しという建て付け」で行ったこと自体、事の深刻さを認識していなかったことを証明しているのではないかと思います。

説明会では、スポンサーへの信頼回復、会社建て直しのロードマップ、第三者委員会、社内調査についてなどの質問や、「信頼の回復はできるのか?」などの怒号が飛び交ったとのことで、番組への影響も出ている状況を憂えて泣きながら質問する社員もいたそうです。

また、「日枝久相談役を含めて経営陣は責任を取るべきだ!」というような幹部への辞任を求める声や、「社員の生死に関わる話をしている。一刻一秒を争う。方針を外に示してほしい」との訴えに、嘉納会長は「思っていることはあるが現時点では言えない。言えない理由についても説明できない」と言及を避けました。

フジテレビは、27日に改めてテレビカメラも入れたオープンな形での会見を行うとしていますけれども、社内からは「同じメンバーで会見するのか。これで失敗したら後戻りできないと不安」、「どれほど社に悪影響だったのか。前回と同じ方が仕切ったら、会社が潰れるという不安も」、「月曜の会見がグダグダになるのは目に見えている。若手を含む全社員からアイデアと対策を募ってやり方を考えるべきだ」という声も上がっているようです。


2.日弁連の第三者委員会


同じく23日、フジテレビと親会社のフジ・メディアHDは臨時取締役会を行い、第三者委員会を設置することを決めました。これは日弁連のガイドラインに基づくもので、フジテレビ側と利害関係のない弁護士3人が委員となって調べるとしています。

17人が出席した臨時の取締役会の議題は「第三者委員会を設置するかどうか」の1点だったのですけれども、議論は2時間近くに及んだそうです。

臨時取締役会後に開かれた記者会見では、フジ・メディアHDの金光修社長が「本日フジ・メディアHDの臨時取締役会において、日弁連のガイドラインに従った第三者委の設置が議論され、決議を受け、承認された。社外取締役も出席いただき、厳しい意見を頂きながら議論が進んだ……第三者委を設置するかどうかの議題ではあったが、この事象、起こったことに関しての対応がいかがだったかという厳しい批判を頂いた……原因がどうであるとか対応がどうという話も当然出たが、このことに関しての人事的なことをどう対応するんだという質問もあった」と述べ、フジテレビ港社長に辞任を求める声があるとの質問には、「具体的にそういう名前が出て非難を受けたわけではないが、責任を取るべき事案だったのではないか、どう思うんだという質問はあった。具体的にどういう経営責任を取るか、今の段階で申し上げることはないが、我々の経営として議案として当然考えなければいけないという認識はある」と述べるに留めました。

当初フジテレビ側は、日弁連のガイドラインに基づいた第三者委員会は設置しないとしていましたけれども、高まる批判に、対応を覆さざるを得なかったようです。

フジテレビ、第三者委員会の調査は次のような内容になるとしています。
(1)中居氏と女性とのトラブルに対してフジテレビ側の関与
(2)他に類似する事案があったか
(3)今回のトラブル把握(2023年6月)以降のフジテレビ側の対応
(4)内部統制、ガバナンス、人権への取り組み
(5)原因分析、再発防止に向けた提言
(6)その他、第三者委員会が必要と認めたこと
第三者委員会は3月末をめどに調査報告書が提出される予定だということですけれども、筆者は1月23日のエントリー「崩壊のフジテレビと天下り」で、「フジテレビにとって、大手スポンサーを繋ぎとめるために与えられた期間は3月一杯であり、それまでに調査委員会の結果なり報告なりで、スポンサーを納得させなければならなくなっている」と述べましたけれども、どうたらその通りの線で動いているように見えます。

フジテレビ側の今後の対応について、企業ガバナンスに詳しい遠藤元一弁護士は、調査内容で特に重要なポイントとして次の2つを挙げています。
(1)社内の事後対応:中居氏のトラブル発生から公に問題となるまで1年半が経過。“被害女性のプラバシー保護”を隠れみのにして、説明責任を果たさずにいたのか。

(2)女性の意に反した接待、飲み会に参加させたか:実際に行われていたとしたら重大な人権侵害。調査範囲をどこまで広げ、過去の類似事案を調査するかもポイント。
遠藤弁護士は「調査期間が2カ月弱は短い。ただ、調査対象を絞ることで、ある程度の事実解明は期待できると思う」と述べていますけれども、肝心なのは、世論とスポンサーに対し十分な説明と真相究明を行うことであり、不十分だと見なされれば、追加の調査が必要になってくるだろうと思います。


3.空気がそうさせた


更にこの日、フジテレビ副会長で民放連(日本民間放送連盟)の遠藤龍之介会長が、会見を開きました。

会見で遠藤氏は17日のフジテレビ港社長の記者会見について「これだけ大きな耳目を集めている事件であるため、やはりフルオープンでカメラを入れることが必要だった」と述べました。

遠藤氏は、反省すべき点について問われると「2024年、私どもは非常に悪いパターンで世の中を騒がせたことが多かった。例えば水原一平さんの両親の取材や大谷翔平さんのお宅の問題だったり、『めざましテレビ』の若手アナウンサーの話など、いろんなことがあった。『フジテレビはちょっと傲慢なんじゃないの?』という意見がネットにも溢れており、本当に心配してくださる方から私の耳にも入っていた。今回のことは単独で起きたことだが、背景にはそういうことがあったと思う。そんな企業風土の改善が必要ということでいうとかなり根源的なことだと思わざるを得ない」と答えました。

更に、記者から「フジサンケイグループの日枝代表の体制が一新されなければフジテレビは変われないのでは?」と聞かれると「全てのことを日枝が決めてるというふうに言われるが実はそんなことは本当にない。ただやはり影響力があることは間違いない。日枝自身がどうするかというのは私がここで申し上げることではないが、いずれにしても企業風土の一部に私も、大多(カンテレ社長)も、港(フジテレビ社長)も、もしかしたら日枝もいるということなのかもしれない」と開き直りともとれなくもない答えをしています。

まるで「空気」がそうさせたと言わんばかりにも聞こえてしまうのですけれども、そうだとすると経営陣を一層して外から新しい社長と持ってきてもダメだということになります。
 



4.身売りしてカイゼン


今回の問題で、経営陣の責任は免れません。

23日、フジテレビ系『めざまし8』でコメンテーターを務める社会学者の古市憲寿氏は、今回の問題に関し次のように述べています。
・フジテレビはもう企業としての体をなしてないと思うんです。普通の企業ならあり得ないことが起こっている。
・これがなんでかっていうとフジ・サンケイグループ代表の日枝さんを中心とする経営陣が一回、全部どいてもらわないとこの問題って収束しないと思うんです
・普通に考えて影響力のある企業として87歳の方が数十年にわたって権力を持つ。いまだに人事権とか影響力を持つ状況ってのは、やっぱりおかしいと思うんです
・放送法と電波法に守られた許認可事業をしている、きわめて公益性が高い企業が、ある1人の方がずっと影響力を持っている状況はよくない。
・それは日枝さんもよくなかったし、それを許してきた会社の幹部も、もしかすると総務省もよくないかもしれない。全員が一緒となってこの体制を維持してきたこと自体が今回の問題の根幹にあると思う。
・みんなフジテレビをスケープゴートにして叩いてますけど自分のとこはどうなんだと。今回の報道をした文藝春秋はクリーンなのか。他の雑誌やテレビ局も過去の事案を含め検証すべき
と、はっきりと経営陣の退陣を求めました。

古市氏のコメントは実に正論であると思いますけれども、件の発言の前に「別にもう僕フジテレビ出られなくなってもいいから言うんですけど」と枕詞をつけたところをみると、それ自身がおかしいのですけれども、マスコミ批判することの恐怖というかリスクを感じていることが窺えます。

この古市氏の見解について、日本大学危機管理学部教授の西田亮介氏は「トップが変わればうまくいく場合もあれば、うまくいかない場合もある。経営陣の責任を追求し交代させる構図はわかりやすいが、ガバナンスの問題が放置され、属人主義で次のトップダウンが始まるだけかもしれない。ガバナンスの膿の洗い出しと改善、そのためには同社に限らず、放送事業者の透明性と説明責任改善が求められている」と指摘しています。

先述した遠藤民放連会長が企業風土の改善が必要といい、属人主義で次のトップダウンが始まるだけという危険があるのであれば、会社ごと解体してしまったほうがよいのかもしれません。なんとなれば、フジテレビ丸ごと、トヨタあたりに身売りして、山ほどの「カイゼン」活動をすれば少しはよくなるかもしれません。




5.すべては因果応報


ようやく日弁連のガイドラインに基づく第三者委員会の設置を決めたフジテレビですけれども、あるキー局局員は「徹底的に調べたら、どんな悪事が出てくるかわかったもんじゃないよ。″フジの合コン王″との異名を取った幹部がいたり、年末年始とかの節目には、女子アナ参加の大手芸能事務所との飲み会があったりするんだから」と話したそうです。

また、ネットでは、テレビ局関係者と思しき人から次のような書き込みがあったりします。
自分が働いている会社がいきなり営業停止になったら、どうなりますか?
働いているだけで悪者にされたら、自分はどんな気持ちになりますか?
好きな職業に努力してつき、夢をもって働いている人達も沢山います。
夢をいきなり奪われたら、あなたはどう思いますか?
関係ない人達の人生も奪うんですか?
自分で会社を持ったとしましょう。
あなたは社員全員をどうしますか?
社員だけでも何千人。どう守りますか?
子供の一人が問題を起こして親達だけでなく他の子供達も誹謗中傷を受けているのと同じです。
家族崩壊させられるような事をされたら、自分はどう思いますか?
あなたにも誰にも心があります。
これに対し、アナリストの新田龍氏は「ですよね!? でもこれまであなた方は、まだ分かってないことも多い段階で、憶測を拡散して会社や個人を叩き、そこで働いてるだけで悪者扱いしたり、中で働く人にとっては大好きな会社の信用を毀損したり、報道によってその会社で働く人たちの仕事を失わせるリスクに無頓着だったり、言葉で人を死に追いやったりしてきましたよね。あなた方が他者に対してやってきたことを、自分たちがやられる側になった途端に被害者ぶるのはあまりに厚顔無恥ではないですか。すべては因果応報、自業自得だと思いますよ」と痛烈な批判を返しています。

これには「本当、フジテレビが他者にやったことを自分がやられる側になった途端に被害者ぶるのはあまりに厚顔無恥」とか「雪印の時や不二家の時経営陣が悪いんだろうけど連日連夜『悪』として報道してその従業員や販売店の人達がどれだけ苦しんだか。最近ではトヨタをはじめ車のデータ改ざんであれだけ盛り上がっておいて、自分達は隠蔽。そりゃスポンサー降りますわ」など賛同のリツイートがついています。

まさに因果応報です。

フジテレビが停波するのか、倒産するのか、それとも経営陣が一掃されるのか分かりませんけれども、少なくとも何某かの変化を要求されていることは間違いありません。

善因善果。悪因悪果。

因果応報とは、世の中を善くするための絶対法則なのかもしれませんね。






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