

1.トランプ施政方針演説と分断
3月4日、アメリカのトランプ大統領は上下両院合同会議で施政方針演説を行いました。
トランプ大統領の演説は、大統領の議会演説として米近代史上最長の100分にも及ぶものでした。
その内容についてはいろんなところで報じられていますので、ここでは繰り返しませんけれども、マスコミ各紙がどう報じていたか、そのタイトルと見出しを見てみると次の通りです。
CNN:記事タイトル
「トランプ氏が就任後初の議会演説 実績を強調、民主党からは批判の声も」
「トランプ氏が施政方針演説、関税政策で強気の発言」
「トランプ米大統領が施政方針演説 就任後の成果強調」
BBC:記事タイトルと見出し実際、トランプ大統領の演説は、開始直後の民主党議員らの野次で中断され、着席を拒否した民主党のアル・グリーン下院議員が退場を命じられる混乱もありました。また、一部の民主党議員は「国王はいない」「これは普通ではない」などと書かれたプラカードを掲げ、開始から1時間も経たないうちに約30人が途中退席する一幕もあり、賛否が分かれる演説でした。
「トランプ米大統領、2期目初の施政方針演説 「これは始まりに過ぎない」」
・「経済の救済」を約束
・ゼレンスキー氏からの「重要な手紙」を紹介
・13歳のがん患者にサプライズ
・民主党からはスロットキン議員が反論
・プラカードやピンクのスーツで抵抗
トランプ大統領の演説についてはメディアの評価も分かれ、NHKは「【詳しく】トランプ大統領 “前政権の政策転換 関税など推進”」の記事の中で次のように報じています。
米メディアの評価分かれるアメリカ世論の分断は依然として残っているようです。
アメリカのトランプ大統領が4日に連邦議会で行った演説について、アメリカの有力紙、ワシントン・ポストは「トランプ大統領の支持者には傲慢で楽観的なメッセージを、支持しない人たちには悲観的で絶望のメッセージを示した」と伝えました。
また、トランプ大統領の発言にはウクライナへの支援額など誤解を招くものや事実かどうか疑わしい主張があったと指摘し、26か所を挙げています。
政治専門サイト「ポリティコ」は、トランプ大統領の1期目の2017年に行われた施政方針を示す演説と比較し、「最初の演説では、混乱した選挙戦のあと、すべてのアメリカ人の大統領になろうと試みて、団結や超党派の連携を示した。それとは全く対照的だ」として大統領選挙でのみずからの支持者に向けた演説を思い起こさせるものだったと伝えています。
アメリカのCNNテレビは、「トランプ大統領はもはや選挙に立候補しているわけではないが、いつまでも選挙戦モードであることを浮き彫りにした」としています。
一方、アメリカのFOXニュースは、「トランプ大統領は偉大な時代になるだろうと約束した」というタイトルの記事で、「トランプ大統領は不法移民の入国を減少させたことなどこの6週間のうちに政権が達成したことを誇示した」と伝えています。
CBSテレビは、直後に行った世論調査として、トランプ大統領の演説をみた人の中で「支持する」と答えたのが76%、「支持しない」と答えたのが23%だったとしています。
ただ、演説を見た視聴者は民主党支持者が20%だったのに対し、共和党支持者が51%と共和党の支持者が多かったとしています。
一方、ホワイトハウスは、ウェブサイトに共和党の議員などからの演説をたたえる声などを紹介し、「トランプ大統領は就任後の最初の6週間の目覚ましい成果を強調し、今後4年間の繁栄への道筋を示す力強くすばらしい演説を行った。演説は幅広く称賛された」と強調しています。
2.バイデン全振りの岸田
アメリカでのトランプ評が割れるということは、当然世界でもその評価が割れるということです。
ネットでは、トランプ大統領支持の投稿が多くみられますけれども、マスコミは反トランプの報道が多いように見えます。政治の世界でもそうです。
3月4日、世界10カ国のシンクタンク代表や各国政府、国際機関の関係者らが参加する「東京会議2025」の公開フォーラムが都内で開かれました。言論NPO主催のこと会議は今回で9回目を迎え、今年のテーマは「国連創設80年に問われる国際協調と平和の修復」と題し、多国間協力やウクライナ停戦について議論が交わされました。
会議冒頭では、岸田前総理が挨拶し、その発言概要は次の通りです。
・自国利益のための『取引』が支配する世界は、これまで米国が主導してきた自由で開かれた国際秩序を変えてしまう可能性がある。それが私たちがめざした世界の姿だとは私は考えないこれに対しネットでは「やはりこの人は日本人ではなかったか」「自分の国を売るバカはいないから今の議員みなそうだけど」「大間抜けが吃驚するわ交渉ごとは国益に叶うかが基準だろうが」「自民党政治が続けば日本人ファーストは絶対に来ないDSの方です」「時刻より外国を優先する岸田です。その結果ミサイルを向けられる始末です」「日本人は日本ファーストしてもらえる総理大臣を求めているので、バイデン全振り岸田なんぞ求めてない」など散々に叩かれています。
・法の支配や多国間主義を守るため、今ほど世界の結束が必要な時はない
・欧米が対立し、互いに共有した価値を尊重せず、一方的な価値をぶつけるなら不幸だ
・侵略されたウクライナの声が反映されず、侵略した側の言い分に同調するだけであれば、この地域の平和は不安定なままだ
・欧州だけに任せるのではなく、日本も和平への働きかけを強めるタイミングだ。
確かに、バイデン全降りというかアメリカ民主党寄りの見解です。共和党トランプ政権とはかなりぶつかる意見だと思います。
3.石破と岸田の溝
その岸田前総理ですけれども、裏で石破降ろしに動き出したなどいう話があります。
2月22日、元NHK記者の岩田明子氏がカンテレ「ドっとコネクト」に出演し、最近の永田町情勢として「岸田さんが怒って動き出しています」と明かしています。
なんでも、裏で沢山会合をしているとのことで、「人の悪口を言わないので有名だったんですけど、いま会合で、べらんめえ調で石破さんの批判やったりしてます。なんだふざけんな!って……派閥はなくなりましたけど、一応ゆるやかなグループは……始まってますよ、次とか次の次を目指して」と述べています。
岸田前総理は、総裁選での決選投票で、石破氏を推して石破総裁誕生の立役者だった筈です。にも関わらず「なんだふざけんな!」とは。一体何が、岸田前総理をして怒らせているのか。
3月3日、石破総理は衆院予算委員会で、トランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談が決裂したことに関し「どちらかの側に立つつもりは全くない。いかに米国の関与をつなぎ留め、G7全体の結束を図るかに尽力していきたい……ゼレンスキー氏の訴えが十分な功を奏さなかったとすれば極めて残念だ……」と指摘。
そしてトランプ大統領がゼレンスキー大統領を責め立てたことに関しても「トランプ氏なりの思い、米国がどこまで負担すべきなのか、納税者のためにどうすべきなのかという考えはあったんだろう。ウクライナ側からそれにふさわしい思いが提供されていないという思いがあったのだろう……今日のウクライナはあすの東アジアかもしれない。戦いを起こさないため抑止力を着実に高めることも考えていかねばならない」と語っています。
ともすれば、「岸破政権」とも揶揄され、岸田前総理に総理にしてもらった石破総理であれば、岸田前総理と協調路線をとってしかるべきです。それが「どちらにも与しない」です。
これはある意味、岸田路線にはいかない、米民主党には寄って行かないという宣言でもあり、あるいはこれが岸田前総理をして怒らせたのかもしれません。
ネットでは、2月に行った、トランプ石破会談で、石破総理は、トランプ大統領から「日本国内のディープステートを排除するように申しつけられたのだ」なんて投稿まで見かけます。
トランプ大統領が、そこまで石破総理を見込んでいるとも思えませんけれども、本当にそんなことがあるのなら、これから、石破総理と岸田前総理との間には溝が生まれることになります。
たとえば、トランプ大統領の任期が切れる4年後に、アメリカ民主党の大統領が誕生すると見越して、岸田前総理が、総理返り咲きを目論んでいるのだとすると、「次とか次の次」というのも時期的に合ってきます。
もはや日本国民は、アメリカ民主党、バイデン路線は求めていません。自国をほったらかしにして他国に金を垂れ流す「他国ファースト」の政権など望まないでしょう。
けれども、トランプ大統領がアメリカをひっくり返し、世界をひっくり返すことが不十分であれば、また、ぞろ、グローバリズムな政権が復権し、トランプ路線をひっくり返してこないともいい切れません。
それを考えると少なくとも私達国民は、メディアその他の世論操作や嘘に騙されないように、しっかりと足場固めしておく必要があるのではないかと思いますね。
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おじじ