財務省解体デモにみるメディアのありかた

今日はこの話題です。
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1.SNSの言説に煽られて


3月14日、全国一斉の財務省解体デモが行われました。

「財務省解体」「消費税をなくせ」などのプラカードが掲げられ、財務省の増税&緊縮財政路線に反発する声が多く寄せられました。曰く「生活はギリギリ。重税を課せられているのに、政治は何もやってないじゃないか。政治家も、君たち財務省が作った数字の中でしか動いていない。国民のことなんか、まったく考慮されていないじゃないか」「暫定税率を廃止しろ!」「ガソリン代を下げろ!」「廃止されないものは『暫定』ではない!」などなど。

財務省デモは昨年末から始まっていたのですけれども、ここにきてようやくオールドメディアも取り上げるようになってきました。

ただ、デモはSNSを中心に拡大したは兎も角として、なにかSNSはデマばかりのような見立てで報じられているのもちらちら見受けられます。例えば、朝日の14日付の記事「広がる「財務省解体」のデモ SNSに流れる言説に駆り立てられて」など、まるで、デモ参加者を「SNSのデマ」に煽られる単純な人といわんばかりの見出しだったりします。

また、NHKの「財務省前 減税や積極財政求めるデモ続く」という記事ではSNSについて次のように報じています。
【前略】
財務省の前では、以前から一部の人たちが、消費税の廃止や国債の発行をさらに増やして、福祉の充実を求める主張のデモを行っていました。

その後、SNSで「財務省解体」の主張が広がり、去年12月からは「財務省解体デモ」が開催されるようになりました。

NHKがSNS分析ツール「Brandwatch」でXの投稿を調べたところ、去年10月から今月12日までに「財務省」と「解体」を含む投稿は、リポストを含めておよそ450万件ありました。

投稿は去年11月ごろ、衆議院選挙のあと「103万円の壁」の見直しや財源をどうするのかといった点に注目が集まった時期に広がり始めました。

その後、12月に消費税の廃止などを訴えるグループの女性がXでデモへの参加を呼びかけたのが1つのきっかけとなって、「財務省解体」という主張が徐々に広がりました。

ことし1月末に投稿は急増、さまざまな主張の人たちがデモを行うようになったこともあり、先月21日のデモの翌日には、Xではこれまでで最も多いおよそ33万8000件が投稿されていました。

中には「国民生活を考えず増税しか頭にない」と財務省を批判する内容や、「財務省のせいで生活が苦しい」などと訴える投稿や動画もありました。

実際にデモへの参加を呼びかける人たちはさまざまで、消費税の廃止を訴えるグループのほか、国の新型コロナ対策などに反対してきた政治団体や、保守系の政治団体などがデモの開催を予告したケースもありました。

また、「財務省解体」について拡散されている投稿を分析すると、ロシアを支持するとしているアカウントや、外国人排斥を訴える投稿を繰り返しているアカウント、消費税廃止の主張をしているアカウントなどが上位となっていました。

先月下旬にデモが行われた際には、ユーチューバーなどのインフルエンサーがデモについて取りあげて動画が多く拡散し、別のインフルエンサーらがXやYouTubeなどでデモに批判的な投稿を行ったことで「財務省解体デモ」はSNSで広がり続けました。

YouTubeでは「財務省解体」という言葉がタイトルなどに含まれる動画は、去年10月以降今月12日までで4000本を超えていて、総再生回数はあわせて1億7000万回以上に上っています。

また、TikTokでもデモでの演説の様子を投稿した動画が250万回近く再生されるなど、関連する動画はあわせて少なくとも3000万回再生されています。

このうち、最も多く拡散された主張の1つは「日本は財政法4条に縛られていて積極的な国債発行ができず増税ばかりしている」などとするもので、YouTubeでおよそ300万回再生された動画もありました。

日本の国債について、発行残高は増加の一途をたどっていて、財務省によりますと、来年度末には普通国債の発行残高は1129兆円余りにまで膨らむ見通しです。

投稿の中には根拠のない情報や誤った情報などもあり、「財務省に日本国籍の人はいない」などとする誤った情報は、Xで合わせて340万回以上閲覧されています。

また、「トランプ大統領が日本の財務省の解体を発表した」とか、「財務省は世界を支配する闇の組織ディープステートの手先だ」などとする根拠のない情報も複数出ています。

社会学者でインターネットを通じた運動について詳しい成蹊大学の伊藤昌亮教授は、今回のデモの背景について「ここ20年ほどの間に税金と社会保障の支出が上がり、物価高も起きていて、普通に生活している人も生活が苦しくなってきている。どこにどう文句を言っていいか誰が意向を吸収してくれるか分からない中、SNSで『財務省のせいだ』という非常に簡単な解が与えられ、『あいつらが悪いんだ』ということになっている」と話しています。

そのうえで、「外国人にお金を渡すなという排外主義的な動きや、敵を見つけて攻撃する陰謀論的な側面も含めて危険な部分は大きい。その一方で、これまでにない形での財政に関する問題提起にもなりうるので、メディアや政治が切り捨てず、気持ちをくみ上げて粘り強い議論につなげていく必要もあるのではないか」と指摘しました。
朝日ほど極端ではないものの、SNSでの拡散および内容ついて、好意的とはいえない書き振りに感じます。例えば「「財務省解体」について拡散されている投稿を分析すると、ロシアを支持するとしているアカウントや、外国人排斥を訴える投稿を繰り返しているアカウント、消費税廃止の主張をしているアカウントなどが上位となっていました」という文章は、投稿者属性を付与することで、印象操作に繋がり兼ねない際どい表現だと思います。

この報道が許されるならば、たとえば、沖縄米軍基地反対デモとか、あっち界隈のデモについても「市民団体」といわず「〇〇団体主催」「××団体参加」など、参加者属性を明確に報じないとダブスタになってしまいます。




2.立花斬られる


この日のデモで衝撃的事件が起こっています。NHK党の立花氏襲撃事件です。

事件当時、立花氏は、デモ現場で支援者らと写真撮影をしていたのですけれども、杉並区の宮西詩音容疑者が列に並び、順番が来た時に突然、立花氏の左側頭部や耳を刃渡り16センチのナタで切りつけました。

立花氏は頭部や耳、頸部の3ヶ所を切られ、全治約1カ月の重傷。頭の傷は深さ1センチ。立花氏本人によると耳は取れかけていたそうです。

宮西容疑者は、その場で現行犯逮捕されたのですけれども、宮西容疑者は動機について「兵庫県の議員が自殺したニュースを見て殺意を抱くようになった……議員を自殺に追い込むようなやつだからやった」などと供述し、容疑を認めているということです。

宮西容疑者は事件直前、 閃光弾を立花氏の足元に転がしており、「観衆と立花氏の目を眩ませようと、ネットで購入した閃光手榴弾を準備して行った。ナタは殺傷能力が高く容易に入手できて、使い方も簡単だから使用した」と述べているということです。

閃光手榴弾がネットで買えてしまうというのも、筆者には驚きなのですけれども、そこまで準備する時点で、完全に殺意を持っていたのだろうと思わざるを得ません。




3.マスコミの劣化がひどい


この事件について、既に色んな方が論評していますけれども、NHK党の立花党首に音声データなどを提供し維新から処分を受けた兵庫県議3人の内の1人である増山誠県議が自身の動画チャンネルでSNSとオールドメディアについて、興味深い指摘をしていました。

その動画の概要は次の通りです。
・犯人が議員を死にいたらしめたような人を殺すべきだというような供述をしているようで
・私や斎藤知事そして岸口さん、こういった人々が立花さんではなくて襲われていた可能性もあったのかなということで、その点についてはま考えさせられる
ところがありました
・今日、5時半から報道特集という番組がありましたけれども、この立花の襲撃について、これまで報道特集という番組が立花さんや岸口さんの発言が誰かを死にいらしめたという誹謗中傷の内容、因果関係が不明なことをあたかも事実のように報道をしてきました
・私としてはそういった報道はすべきでないという立場をとっておりました
・今もその考えは変わっていないんですが、今回の立花氏が襲撃された件について、ほとんど一言二言しか触れることがなかった
・そして、一般論に終始していたんですね。
・でも、立花さんのことをこれまでボコボコに叩いてきた報道特集。そして今日もそういう内容でした。
・これまでの報道姿勢が因果関係が不明なのにも関わらず、立花さんが誰かを死にいらしめたというような報道してきたのであれば、自らを省みる姿勢というのがもう少し必要だったのではないでしょうか
・立花氏が襲撃された件について自分の報道の影響の原因ではなかったのかという反省を自らする。
・そして他の放送局マスコミについてもこれまでそういう報道をしてきたのであれば、TBSの報道特集の責任ですとか、村瀬健一キャスターがこれまで行ってきた取材方法に対する問題意識そして追求というのをましていくのだろうなという風には思います
・もししないのであればですね、あまりにもダブルスタンダード。
・自分たちの業界は正しくてネットの業界はおかしいとか、立花さんはおかしいとかいうそのダブルスタンダードがですねあまりにもひどいのではないかという風に感じてしまいます
・私はあの基本的にはそういう報道すべきでない。
・因果関係が分からないことについては、あの言及すべきでないという立場ですので報道特集が悪いとかいいとかそういう因果関係の分からないことについては言及すべきではないという立場ですけれども、今まで彼らが行ってきた報道姿勢からすると、ある程度の批判はマスコミの皆さん、そして報道特種自身がですねしていくのが筋なのかなという風には思います
・報道特集の内容を見て思ったことなんですが、マスコミは正しくてネットの世界特にYouTubeの世界などは悪だというような主張が非常に見られました
・そういう偏向報道をしたいのかなという意図が見えました
・特にですねYouTuberがクラウドワークスの方に動画編集をさせる依頼するというなことあたかも悪いように報道してました。
・これ実はですねテレビ局も下請けの会社に編集を発注して企業の利益のためにコマーシャルを稼ぐために事実よりも大きな風に報道する。そういうことがずっと行われてきたわけですよ
・これYouTuberも切り取り動画を作ったりしてですね。再生回数を稼ぐこれ全く同じ構図なんですねにも関わらずあたかもYouTubeで再生回数を稼ぐことが悪というような報道がなされて、もうあまりにも自らブーメランが帰ってきてしまっていることに全く気づいてないのかなと
・普通は番組作ってたらですね、あれ、これ自分たちにも当てはまるんじゃないかなというような感覚もって普通だと思うんですけど、多分あまりにもですねマスコミは正しくて、YouTubeは悪だって思いが強すぎて、全くその思いに至っていないところが本当マスコミのの怖いところだなと改めてあの番組を見て感じました
・今日の報道特集の題名が立花氏に選挙が歪められたのかという題名だったんですけれども、SNS上ではですね、いや実は今千葉県知事戦の最中で立花氏は候補者の1人なんですよ。
・にも関わらず選挙ウォッチャーちだい氏、そういう方を持ってきたり、候補者をあからさまに叩く番組を選挙期間中にやるっていうですね。いやこれこそ選挙を歪めてるんじゃないですかと。
・YouTubeの「偏った内容の番組」これを批判してたんですけど、実はこの報道特集も反立花にめちゃくちゃ偏ってて、反対の意見ほぼないんですよ。
・だから地上波を使った1つの番組がなんかYouTubeの1チャンネルになってしまっている状態だと思うんですね。
・YouTube上では立花氏に行為的な番組もあるし、立花氏に批判的な番組もあります。
・その1つのこの批判的な番組の1つと化してしまってるのが報道特集ではないかなという風に今日感じました。
・本当にですねマスコミの劣化がひどいですね
・地上派で流すYouTubeチャンネルみたいになっちゃってるような、私は感覚を持ちました。
犯人が犯行に及んだ原因はオールドメディアの偏向報道にあるのではないかというのですね。これについてはNHK党の濱田聡参院議員が「立花孝志党首が襲撃された件について TBSによる立花孝志糾弾報道が誘因となった可能性は大いにあろう。昨日の参議院総務委員会でも取り上げたが、TBSは坂本弁護士一家のみならず数多くの暴力事件に関与してきた。このまま放置することは更なる暴力を助長する。 TBSとはそういう放送局だ」と厳しく批判しています。

もっとも、このツイートに対しては「憶測でいうな」「1.立花が襲われたのは14日 2.TBSのこの内容が報道されるのは15日 3.犯人が引用元ポストを見たという証拠はない この3点見落としすぎじゃない? 確かにTBSはクソ放送局だけど、本件に関して言えば浜田君もやってることは印象操作だろこれ」などという批判リプライが多少なりともついているところをみると、朝日がいうような、「SNSを見ているのはデマに煽られる単純な奴らだ」とは必ずしも言い切れないのではないかと思います。





4.ネットはオールドメディアに肩を並べた


この「財務省解体」などを訴えるデモが開催されていることについて、加藤財務相は「食料品はじめ、身の回りの物価の上昇、実質賃金が上がらない。こうした中で、それぞれ暮らし、また生活の中で負担感が高まってきている。こういったことが背景にあるものと承知をしております……様々な政策課題については事実を把握しデータに基づいた議論をするなかで、経済再生と財政健全化の両立を図っていくことが重要」との考えを示し、「財務省の職員が国民の皆さんから期待される役割を果たしていく環境を作るべく取り組んでいきたい」と述べています。

国民が財務省に期待するのは、デモで明確に可視化されています。一言でいえば減税です。けれども、加藤財務相は、その役割を果たさせるではなく、果たす「環境」をつくるといっています。裏を返せば、今はそういう環境にないということです。

それが具体的に何を指しているのか分かりませんけれども、経済評論家の三橋貴明氏が指摘するように、「増税すれば出世する」という財務省内の評価システムを指しているのであれば、それを正すのは政治の役割でしょうし、できなければ、やはり解体・再編はやむなしになるしかない。

ネットに溢れている財務省解体デモの動画を見る限り、あれだけの人数を集めているにも関わらず、立花氏襲撃事件を除けば、整然と行われ暴動になっている様子はありません。

2月19日のエントリー「財務省解体デモと集合知」で取り上げましたけれども、今のところ、財務省解体デモは「誠に礼儀正しく」行われており、「狼藉」を働くに至っていません。

その意味では、財務省解体デモは、江戸の昔でいう「一揆」レベルで収まっており「打ちこわし」までにはなっていないと言えます。

ただ、前述の増山県議が動画で述べた「地上波を使った1つの番組がYouTubeの1チャンネルになってしまっている」という指摘を考えると、今後オールドメディアの影響力はどんどん落ち、相対的にSNSの影響力が伸びてくることが予想されます。

仮に、立花氏を襲った犯人がTBSの報道に煽られて犯行に及んだとするのなら、同じくYoutubeに煽られた別の犯行が発生することだって考えられます。

たとえば、今回の殺人未遂事件の相手が、立花氏ではなく、財務省の事務次官だったとしたら、メディアはどう報じたでしょうか。

おそらくは、SNSは危険だ、潰すべきだとかなんとか大合唱して一気にネット規制、弾圧に走るのではないかという気がしてなりません。

その意味では、「地上波がYouTubeの1チャンネルになった」という指摘は非常に重要で、規制するにせよしないにせよ、地上波もネットも同列に扱わなければならなくなる筈です。そうでなく、SNSだけ規制しようという今の流れは非常に危険なのではないかと思いますね。





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