JFK暗殺事件資料の機密解除

今日はこの話題です。
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1.JFK暗殺事件資料の機密解除


3月18日、アメリカのトランプ米大統領は、1963年のジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件で非公開だった資料を機密解除・公開しました。暗殺事件から60年以上が経ってもなお、一部の資料が非公開となっていたことで「真犯人」をめぐる議論が続く要因になっていたのは衆目の知るところです。

トランプ大統領は17日、ワシントンのジョン・F・ケネディ・センターを訪問した際に「われわれは膨大な量の書類を持っている。読むべきものもたくさんある」とこれまでに非公開だった資料のすべてを公開するとし、分量は約8万ページになると予告していたのですけれども、国立公文書館のホームページ上で18日に公開された文書は約2200ファイル、6万3000ページ余でした。

国立公文書館が所蔵する600万ページを超える暗殺に関する記録、写真、映画、録音、遺品の大部分は、すでに公開されており、新たに公開された文書に注目が集まっています。

バージニア大学政治センター所長で『ケネディ半世紀』の著者でもあるラリー・J・サバト氏は、「今後長い間、やるべき仕事はたくさんある。人々はそれを受け入れなければならない」と、記録を完全に調査するには時間がかかるだろうとしています。

日本のメディアの一部には「新情報は乏しい模様」とか「決定的内容見当たらず」とか、大したことないみたいな見出しでの報道も見受けられますけれども、全8万ページあるならば、6万4千ページ公開された現在、まだ残りがあります。

そこに重要情報が書かれているかもしれないことを考えると、まだそんな結論を出すのは早計だと思います。


2.すべての記録の公開を義務付け


ジョン・F・ケネディ暗殺事件関連文書の公開は、1月23日にトランプ大統領が機密解除の大統領令を出したことが始まりです。

その時、ホワイトハウスは次の発表をしています。
60年にわたる秘密の末、アメリカ国民に真実を伝える: 本日、ドナルド・J・トランプ大統領は、「ジョン・F・ケネディ大統領、ロバート・F・ケネディ上院議員、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の暗殺に関する記録の機密解除」と題する大統領令に署名しました。

この大統領令は、暗殺事件から50年以上が経過した現在、犠牲者の家族とアメリカ国民は真実を知る権利があるという政策を確立するものです。
具体的には、この命令は国家情報長官とその他の適切な職員に以下のことを指示しています。
(1)ジョン・F・ケネディ暗殺記録の完全公開計画を15日以内に提出する。
(2)ロバート・F・ケネディとマーティン・ルーサー・キング・ジュニアの暗殺に関する記録を直ちに見直し、45日以内に完全に公開する計画を提示する。
トランプ大統領は終わりのない遅延に終止符を打つ:トランプ大統領は就任後最初の任期中、ジョン・F・ケネディ暗殺事件に関するさらなる情報を公開するよう各機関に命じ、現在、その作業を完了するよう命じています。

1992年のジョン F. ケネディ大統領暗殺記録収集法では、以下の大統領の証明がない限り、暗殺に関連するすべての記録を25年以内に公開することが義務付けられました。
軍事防衛、諜報活動、法執行、外交活動に明らかな損害が発生するため、引き続き延期が必要である場合。
このような特定可能な損害は、公開することによる公共の利益を上回るほど重大です。
トランプ大統領は2017年10月と2018年4月の認証において、各機関に対し、編集内容を再評価し、もはや非公開にする必要のない情報を公開するよう指示しました。
バイデン大統領は2021年、2022年、2023年の開示を延期しました。
この命令でトランプ大統領は、ジョン・F・ケネディの記録を引き続き隠蔽することは公共の利益に反し、ずっと前からやるべきことだったと結論付けています。また、ロバート・F・ケネディとマーティン・ルーサー・キング・ジュニアの暗殺記録を公開することは公共の利益にかなうと結論付けています。
トランプ大統領は暗殺記録を公開するという約束を果たす: トランプ大統領は選挙運動中、アメリカ国民に真実を伝えるために暗殺記録を公開すると約束しました。

トランプ大統領は、JFKファイルを公開すると何度も約束しており、特に2024年6月には「早期に」公開すると明言しました。
トランプ大統領:「ホワイトハウスに戻ったら、JFK暗殺に関するすべての文書を機密解除し、封印を解除します。60年が経ちました。アメリカ国民が真実を知る時が来ました!」
ホワイトハウスの発表を見る限り、全て公開する気満々です。なぜ分けて公開するのか分かりませんけれども、遠からず全て公開されるのではないかと思います。


3.ジョン・F・ケネディ大統領暗殺記録コレクション


肝心の公開文書ですけれども、国立公文書館以外にもこちらの「ジョン・F・ケネディ大統領暗殺記録コレクション」というサイトでも纏められているようです。

これは、前述したトランプ大統領の機密解除の大統領令を受けて作成されたもののようで、600 万ページを超える記録、写真、映画、音声録音、遺物で構成されています。無論、18日に公開された文書もばっちり載っています。

これから、公開資料について様々な専門家らの分析が始まるのでしょうけれども、19日、ニューヨークタイムズは、「機密文書: 新しいケネディ ファイルには何が含まれているのか? スパイ。国家機密。第 2 の銃撃者はいない」という記事を掲載しています。

件の記事の概要は次の通りです。
・新たに編集されていない文書は、主にCIAの情報源と手法を明らかにするものである。司法省は、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の監視に関する新たな詳細を開示する方向に動いている。

・ジョン・F・ケネディ大統領暗殺に関する約6万4000点の文書が火曜日に公開され、ジャーナリスト、歴史家、アマチュア探偵らが、重要だと考えられる何か、何でもいいから何かを見つけようとページをくまなく調べ、新事実を見つけようとする競争が始まった。

・その代わりに、大きな暴露は、暴露されることがほとんどなかったということだった。ここでは、この大ヒット作で暴露されなかった最大のポイントを紹介する。

・政府がケネディ暗殺に関連する文書(一部は極めて曖昧なもの)を機密解除して公開するなか、陰謀論者や一部の歴史家は、未だに公開されていないものは重大なものであるに違いないという仮説を唱えてきた。ケネディの甥で、現在は国のトップ保健当局者であるロバート・F・ケネディ・ジュニアでさえ、叔父の死に関連するすべての文書の公開を長い間求めてきた。

・しかし、国立公文書館が約64,000ページを公開したことで、その中には以前に編集によって不透明になっていたものも含まれており、何十年にもわたる秘密の背後には、米国の諜報活動の情報源や、時には好ましくない慣行を保護するという別の目的があったことが明らかになりつつある。

・ロバート・F・ケネディ・ジュニアがかつて主張した「圧倒的な証拠」がCIAがケネディ暗殺に関与していたことを明らかにする代わりに、このファイルにはCIAのエージェントや情報提供者、秘密活動、予算内容などの詳細が詰まっている。秘密は小さな詳細であって、大したニュースではなかったようだ。

・文書は、ケネディ大統領、ロバート・F・ケネディ、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の暗殺に関する既知の事実に異議を唱えるものはほとんど明らかにしなかったが、機密解除はこれで終わりではないかもしれない。

・司法省は水曜日、公民権運動指導者キング牧師の私生活に関する暴露が彼の功績を貶めるために利用されるのではないかと懸念する人々の反対を押し切って、キング牧師に関するFBIの監視記録の公開に動いた。

・文書公開によって直接影響を受ける人々は他にもいる。公開された新しいファイルの中には、1970年代後半の議会職員数十人の社会保障番号を含む会計記録がある。その中には、かつて政府の請負業者として働いていた80歳のジュディ・K・バーガ氏など、今も存命の人もいる。

・彼女は、自分の個人情報がファイルに含まれていることを知って驚き、この状況をどう改善したらよいのかわからないと語った。「人々の個人情報は秘密にしておくべきです」と彼女は語った。

・最新の文書の山は一般読者を興奮させなかったかもしれないし、その無秩序な公開によりファイルを容易にナビゲートすることもできなかった。しかし、歴史家や学者にとっては、行間を読むことで掘り起こされる貴重な情報があった。

・たとえば、 1975年の693ページに及ぶCIAの極秘報告書の要約では、 CIAが「権限を超えた可能性がある」事例に触れている。しかし、支局長、海外侵入、違法な監視、さまざまな「極めて機密性の高い」活動についても言及されている。「これはCIAの『悪行』の羅列だ」と、諜報ファイルに詳しい歴史家のデビッド・J・ギャロウ氏は言う。

・トランプ大統領は月曜日、暗殺に関連する8万ページに及ぶ文書を24時間以内に公開すると述べた。編集は一切行わないと同氏は述べた。これにより国家安全保障当局は慌てふためいた。

・火曜日の夕方に行われた2回の文書公開では、約64,000件の文書が公開された。確かに、一部の文書は情報がブロックされていた。しかし、これはトランプ氏が約束した数より16,000件少ない。さらに公開されるのだろうか?

・公的記録にはまだ情報が残っていないと確信している陰謀論者を納得させるものは何もないかもしれない。暗殺直後に定着した説は、それを打ち消すための捜査によってさらに強まっただけだった。1991年に公開された映画「JFK」は、さらに多くの説に新たな命を吹き込んだ。ある男性は、政府が公表している以上のことを自分だけが知っていると何年も主張し、繰り返し政府関係者に手紙を書いた。

・ケネディ暗殺事件を調査するために1963年に設立されたウォーレン委員会は、陰謀説の信用を失墜させることを明確に試みた(それはうまくいかなかった)。その後、1992年に、暗殺に関連する文書を限定された例外を除いて25年以内に公開するよう命じる法律が制定された(それでも疑念を抱く人たちは黙らなかった)。

・2023年までに99パーセントの文書が公開され、現在ではさらに6万4000件が記録に追加された。それでも、何が失われているのかという疑問は消えないかもしれない。
記事では、この発表によって明らかになった事実はほとんどなかったものの、付随的な情報は多かったとし、残された文書が公開されるのなら、そのの中に何かあるかもしれないとしています。


4.CIAとモサド


一方、ネットでは早くもいろんな推測や意見が出されています。

その中の一つに、イスラエル黒幕説というのがあるようです。

公開文書の中に、「CIAがJFKファイルからイスラエルに関する記述を削除するよう要求した」との記載があったことを取り上げ、イスラエル犯行説が出ているようです。

曰く、「イスラエルの「モサド」が「JFK」の暗殺を命じた! JFKファイルは、CIAとイスラエル諜報機関の間に秘密諜報のつながりがあり、それをCIAの対諜報部長ジェームズ・アングルトンがTOPで指揮してた」とか「ケネディは、アメリカシオニスト評議会を FARA に基づく外国エージェントとして登録するために懸命に戦った。暗殺から 2 か月後、アメリカシオニスト評議会は AIPAC に名称変更した」などです。

FARA(外国代理人登録法 )とは、1938年に制定された法律で、政治活動または法律で指定されたその他の活動に従事する外国の代理人に対し、外国の代理人との関係、およびそれらの活動を支援する活動、収入、支出を定期的に公開することを義務付けるものです。

必要な情報を公開することで、政府およびアメリカ国民は、外国代理人としての役割に照らして、そのような人物の活動を評価することが容易になります。たとえば、ここに登録された人がロビー活動していた場合、すぐに分かるという訳です。

もし、これが本当であったら、大変な騒ぎになるでしょうし、アメリカとイスラエルの関係に罅が入るかもしれません。

もしかしたら、トランプ政権がJFK文書を今回一度に全部開示しなかったのも、世間の反応をみて残りをどうするか探ろうとして、本当の本当に肝心な部分をまだ残しているのではないかとさえ。

前述した、ジョン・F・ケネディ暗殺事件関連文書の公開についてのホワイトハウスの声明文には、大統領の指示がない限り、暗殺に関連するすべての記録を25年以内に公開することを義務付けた、とあります。

年内に全てが明らかになるのか。注目したいと思います。




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