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１．国民全員に五万円給付
物価高やトランプ関税を受けて、与野党双方からは、国民負担の軽減策として、減税を求める声が相次ぐ中、石破政権が国民に1人あたり、3～5万円または5万円、10万円を給付することを検討していると報道各社が報じています。
これについて4月10日、フジテレビ系「サン!シャイン」で、出演していた杉村太蔵氏は「なんで4万か10万かというと……コロナの時もそうでしたけど、4万、10万は結構よくある数字」と解説。一方でトランプ関税対策だということについては「トランプ関税って、苦しいのはアメリカ国民ですから……トランプ関税の対策って、ピンとこないですね」と語りました。
そして、同じく番組に出演していた「ひろみちおにいさん」ことタレント佐藤弘道氏は、「トランプさんの関税と給付金って繋がっているんですか？ 唐突過ぎてよく分からなくて……今度の参院選かなんかの、選挙のイメージアップにしか感じられない」とぶった切ってみせました。
まぁ、誰もがそう考えるでしょうね。
２．財務省がOKした真の狙いは？
減税の話が持ち上がっているのに、なぜいつもの給付金の話になるのか。これについて政治ジャーナリストの須田慎一郎氏は自身の動画で裏で財務省が動いていると解説しています。
件の動画の概要は次の通りです。
・自民公明が現金給付を給付を考えているという第1報が流れたやはり参院選対策であることは同じであるものの、絶対減税したくない財務省が先手を打って、減税させないよう給付金で誤魔化そうとしているというのですね。
・ネット上あるいは永田町にも大きくハレーションを読んだ
・この情報は自民党の森山幹事長周辺から漏れ出している
・政府はトランプ関税の農業などの影響を軽減するために国民に現金給を行うべきじゃないの、一説には５万円。
・公明党は1人10万円だという金額が出てきている
・これ結構評判悪いんです。5万円にしても10万円にしてもです
・こういった動きを受けて国民民主党の玉木代表が「所得制限なく国民全員に現金所得制限なく178万円まで引き上げることができたはず。壁の引き上げ1.2兆分は既に行っているのでいずれも6兆円規模の政策。減税は財源がないと言ってやらないのに給付はすぐやる政府与党」
・その通りなんです。現金給付5万円という国民1人1人あたり財源が必要になってる。これ公明党だとその倍率12兆円ですよ
・年収103万の壁の上限引き上げを全部やってみたところで大体8兆円弱。
・国民民主党の要件に答えることはできるんですが、それをやるには財源がない財源がないと政府与党は特に自民党税制調査会はそういう主張してきしたんですが、あるじゃないか。こっちは。
・現金給付の場合は財源も示さないまま出すのか、財源論が一切出てません。
・なぜこんなことになってるのかと言うと、100%参議院選挙対策ですよ
・今のこのままの状況にトランプ関税の影響が出てしまったら、自公は次の参議院選挙で負けるということはもう火を見るより明らか
・それに焦った自公、政府は現金給付の方に一気に走り出した
・これもう1枚裏話がありましたよ。
・要するにトランプ関税とは別に、食料品を中心とする物価等、これに対して対策を打たないとそれこそ参議選で大敗を喫してしまう
・石破さんは食料品に限ってえ消費税を減税しようじゃないかという動きがこれまた生きてるんですですね
・これを察知した財務省が消費税減税なんかやらしてしまったら、いくらそれが期間限定だとしてもですね元の税率を戻すというのはこれはその時の政権が躊躇するに違いない。
・財務省が危機感を覚えてこれにブレーキをかけ始めてるんですよ
・そこへ持ってきて代替策のこれ給付金なんですよ
・つまり給付金やったらえ消費税減税が潰せる、と考えた財務省が、森山幹事長周辺を巻き込んで抱き込んで、この給付金でどうですかという話を出してきたというのがことの真相のようです
・消費税減税を食料品に限定しても消費税減税をやらなきゃならない状況に追い込まれる、その先手を打って財務省が主導する形で、この給金問題ってのが出てきた。
・今回ですねえ自民党が問われているのは果たしてこの給付金で突っ走しるのか。それとも消費税減税であるとか、あるいは国民民主党の要求するえ年収の壁の103万の上限178万円をフルで認める方向に舵を切っていくのか
・やっぱり自民党のですね積極財政派の動きが今後の自民党の命運を決めると言っても過言ではない
・給付金なんかやったらですねえそれこそ自民党は参院選で大敗を喫して、場合によっては野党に転落することは間違いありません
そのことを心配する自民党の国会議員もたくさんいます。
・連絡を取り合った議員も、こんなことしたって世論の信頼は回復できないぞという口を揃えて言っております
けれども、国民民主の103万円の壁引き上げ提案に、散々ザイゲンガーと騒いでいたのは、国民の記憶に刻み付けられています。それが給付になると、ダンマリになる。いくらなんでも、おかしいと思うのが普通です。
３．タフネゴシエーター茂木
90日の一時停止となったトランプ関税ですけれども、90日といえば、ちょうど参院選前後です。それまでに関税を回避するか十分な対策がとれない限り、トランプ関税が発動する、しないは参院選に大きな影響を及ぼすことは間違いありません。
石破総理は、トランプ政権との交渉にあたる担当閣僚に、赤沢亮正経済再生相を起用しました。これまでにも環太平洋連携協定TPP交渉は甘利明氏、日米貿易協定交渉は茂木敏充氏と、当時の経済再生相が担ってきたことから、赤沢氏の起用は順当といえば順当なのですけれども、この人選には党内から疑問の声も出ているのだそうです。
ある自民党の関係者は「赤沢氏は、石破首相と同じ鳥取の選出だから、初めて閣僚になれた人。最側近とされるが、石破首相が不遇の時代は業を煮やして距離を置こうともしていた。その程度の人しか仲間がいない石破首相が、数少ない“お友達”の中から選んだ人がトランプ政権との窓口で大丈夫だろうか」と語っています。交渉手腕で選んだわけではないというのですね。
そんな中、また腕まくりしているのが、茂木敏充前幹事長です。
トランプ大統領が関税措置を発表した後の4月5日に茂木氏は、「タフネゴシエーター茂木敏充がトランプ大統領にも認められた最強の交渉術とは？」と題した動画を自身のチャンネルにアップしています。
確かに茂木氏はかつて日米貿易交渉を担い、トランプ大統領から「タフネゴシエーター（手ごわい交渉相手）」と呼ばれたこともあります。
その一方、永田町では、「茂木氏は人望がなく、総理になれるとしたら、ピンチヒッターのときだけだろう。トランプ大統領の任期はあと4年弱。石破政権が長くもたないことを見越して、トランプ氏と渡り合える能力をアピールし『ポスト石破』を狙っているのだろう」との見方もされているようです。
４．トランプ関税を言い訳に
一方、野党も石破総理を攻めあぐねています。
立憲民主党は、商品券問題をはじめとする「政治とカネ」の問題の追及をトーンダウン。野田佳彦代表は「一番心配なのは中小企業の資金繰りだ」として、4月中に開かれる予算委員会の集中審議や党首討論では、商品券問題や裏金問題の追及よりも、トランプ関税への対応策を議論する考えを明らかにしています。
また、立憲の別の議員は、「国民の暮らしがどうなるか心配なときに、いつまでも商品券問題ばかりやっていては、また『立憲は批判ばかり』と言われてしまう。今や立憲よりも支持率が高い国民民主党は経済対策を打ち出してくるだろうし、立憲としても『政治とカネ』の追及はいったん止めざるをえない……トランプ関税への対応は難しいとはいえ、石破首相からしたら、自らが引き起こした商品券問題はかすむことになる。立憲にとっても、事の次第によっては内閣不信任案の提出を見送る理由ができるかもしれない」と、石破政権への追及は後回しとして、内閣不信任案の提出をも見送るかもしれないというのですね。
例年、野党が、6月の国会会期末に内閣不信任案を提出し、与党の反対で否決される、という「お約束」をしてきましたけれども、今は自公が少数与党。野党がまとまれば内閣不信任案の可決も有り得るのです。
ただ、内閣不信任案が可決された場合、衆院が解散され総選挙に突入する可能性もあり、現在、国民民主党の勢いに押されている立憲としては内閣不信任案の提出は衆院の議席を減らすリスクを抱えることになります。
その一方、内閣不信任案を提出しないと「腰砕け」との批判を浴びる可能性もあり、内閣不信任案をめぐる対応は難しいと見られていました。
ところが、ここにきて、トランプ関税が。内閣不信任案の提出を見送る理由になるかもしれないというですね。「国難」には与野党関係なく対処しなければならないという建前が出来た訳です。
過去を振り返れば、新型コロナウイルスの感染が拡大していた2020年には、立憲は不信任案を提出しなかった経緯があります。
立憲にとっても石破総理のままで選挙してくれた方が勝率が高まりますからね。
ただ、なんにしても、党利党略が先にきて国民をみた政治をしてくれているようには見えません。もし、万分の一もその気があるのなら、国民への給付金案に対しては徹底的に財源ガーと問い詰め、政府与党の欺瞞を満天下に知らしめていただきたいと思いますね。
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