ここまで何もしない総理だとは

今日はこの話題です。
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1.あなたが決めるんですか!


5月12日、衆院予算委員会で石破総理は、消費税減税について明確な態度を示さないことを野党に「無策」だと批判されたことに色を成して反論しました。

これは、立憲民主党の大西健介議員が、再三にわたり「消費税減税は本当に検討しないのか」「検討するのか、しないのか」と、消費税減税に対する明確な認識をただしたのですけれども、石破総理は検討の是非についてはっきりと答えませんでした。

大西議員は「現金給付は消えたし、岸田減税をやりましたけどなかなか難しい。じゃあ何をやるんですか」と述べたのに対し、石破総理が、立民が発表した原則1年に限って食料品の消費税率をゼロ%にする案について、「いろんな選択肢の中で、御党が主張する減税が本当にいちばん困っている方に措置することになるのか」と反問しました。

大西氏は「人の案ばかり批判して、自分はやるかやらないか言わない。総理なんですから、総理が決めればできる。評論家みたいなこというのはやめてください……我々も侃々諤々の議論をした。自民党は『財源論を置き去りにして減税を打ち出す野党は無責任』と批判しているが、我々はきちんと財源を示します……置き去りなのは財源ではなく、国民の生活だ。無責任なのは決められない石破総理で、物価高に、ガソリン減税も消費減税も、何もしない自民党の方ではないのか」と、石破政権と自民党の対応を厳しく批判しました。

これに対し石破総理は、「この場の議論は何なのだろうか」と述べ、これまでに決めた所得税減税や低所得者向けの給付金、学校給食の無償化などを羅列し、「そういうことをやっているじゃないですか。なんで何もしていないと、あなたが決めるんですか!」と怒りをにじませました。

すると、大西議員は「それは今まで決めたこと。それでは足りないから、自民公明両党は、新たな経済政策をすると言っているんでしょ?じゃあ何をやるんですか?……我々は案を示している。人の案にケチをつけるのではなく、自分たちの案を早く示して欲しい」と反論しました。

これに石破総理は、消費税率やガソリン暫定税率、コメ価格に触れ「これから先、説明していく……広くあまねくというより、本当に困っている方にきちんとした支援が行うことができるよう、ワンショットではない財源を用意していかないといけない。事業者の方の負担もよく考えていかないといけない」とも答えました。

国民の大多数が困っているという大西議員と、本当に困っている人にだけ手当すればよいとする石破総理。現状認識から違っているのですから、話がかみ合う筈もありません。

5月14日、立憲民主の小沢一郎衆院議員が自身のX(旧ツイッター)で、野党側から無策であることについて追及を強められた石破氏がイラだちを示したことなどを報じた、TBS NEWS DIGのネット記事を添付し「さすがに、ここまで何もしない総理だとは、皆が思わなかったのではないか?……総理になる前はさまざま講釈をたれていたのに、なった途端、自分が批判してきた自民党総理以上に醜い、保身だけに汲々とする総理に。頭の中は、選挙前に何を言えば受けるか、だけ。誰がやっても自民党は変わらない、絶対に」と批判しました。

このツイートに対し「全くの別人にさえ思えますね」「おっしゃる通りです」「がっかりです」などというリプライが寄せられていることを見る限り、どんなに本本人が「やっているじゃないですか」と気色ばんだところで世間はそう思ってないといえるのではないかと思います。


2.なぜ私が慎重な態度をとっているのか分かってもらいたい


5月11日、自民党の森山幹事長は、鹿児島市で講演し、消費税が社会保障などの財源になっていると触れたうえで「今回の選挙で何が問われているかというと、一つはやっぱり消費税の問題だ。森山が消費税を下げることに反対しているとよく言われる。なぜ私が慎重な態度をとっているのか分かってもらいたい。税金が安いのはいいこと。しかし、今の社会保障を担保するには、消費税を下げた分の財源をどこに求めるかという話がないと、つじつまが合わない。私はそういう政治をしてはいけないと思う。若い人たちが高齢者の分をずいぶんかぶっているとおっしゃる政党もある。しかし、若い人も必ず高齢者になる。どこでどう恩恵をうけるかという話だ」と述べました。

減税にはザイゲンガーのいつもの言い分です。

ところが、13日、自民党と公明党の幹事長らが会談し、アメリカの関税措置や物価高などを受けた追加の経済対策を行うための2025年度補正予算案を秋に編成する必要があるという認識で一致したと報じられています。

自民党の森山幹事長は、トランプ関税の影響を注視したうえで「企業や小規模事業者などへの対応は必要になるだろう」とし、公明党は、財源を考慮したうえで減税や給付も視野に経済対策を検討すべきだと改めて主張したとのことですけれども、具体的な内容は議論しなかったということです。また、価格高騰が続くコメについても対策を打ち出すべきだとして、備蓄米の買い戻し条件の緩和などの意見が出たということですけれども、補正予算に対するザイゲンガーはどこに行ったのでしょう。


3.藁人形論法


5月12日、文化放送のラジオ番組『おはよう寺ちゃん』で、パーソナリティを務める寺島尚正アナウンサーが、月曜コメンテーターで経済評論家の上念司氏と、自民党・森山裕幹事長の発言について意見を交わしました。

そのやり取りは次の通りです。
寺島アナ「自民党の森山幹事長はきのう鹿児島市で講演し、消費税減税に否定的な見解を重ねて示した上で、参議院選挙に向けて「責任政党として正直な政治、国家の将来に誤りなき財政運営をしたい」と強調しました。「健全財政化を目指さなければならない」このようにも訴えたと言います。森山幹事長は、減税に必要な代替財源に関し「国債を発行すればいいとか、国債は返済しなくてもいいという極論すらある」と批判。返済しなければ国際的信用を失い財政破綻を起こすと警告をしたといいます。森山幹事長の消費税減税に関するこういう発言がありましたが、これはいかがでしょうか」

上念「これは、いわゆる藁人形論法みたいなやつで、「国債は返済しなくてもいい」じゃないんですよ。借り換えていけば実質的な価値が減りますよって話をしてるんですけど、1円も返さないみたいな話にすり替えてるじゃないですか。これもおかしいし、それから財政健全化という定義を言えよと。プライマリーバランスの黒字化とか、そういう定義を言わないで健全化と言ってるわけですよ。困ったなあと思いますね」

寺島「森山幹事長はきのうの鹿児島市の講演でこういう話もしています。「今回の参議院選挙で何が問われているかというと、一つはやっぱり消費税の問題だ。森山が消費税を下げることに反対しているとよく言われる。なぜ私が慎重な態度をとっているのか分かってもらいたい。税金は安いのはいいこと。しかし、今の社会保障を担保するには、消費税を下げた分の財源を、どこに求めるかという話がないと、つじつまが合わない。私はそういう政治をしてはいけないと思う」このように話したと言います」

上念「これも…(笑)。森山さん、もしあれだったら去年の補正はやるべきじゃなかったんですよ。だって、あれやんなきゃプライマリーバランスが黒字化してたでしょ。そういう財政健全化に反対の事をやっておいて、財政健全化しなきゃいけないって、この言い方も非常に白々しいし、当初予算緊縮に組みすぎて補正でバラマキという今のやり方を続ける限りは、社会保障負担の問題は解決しないんですよ。増えた17.5兆円の財源はどこいったんですかって話ですよね。なんかにまた使っちゃったんでしょ、増えたら増えたでいいじゃないかって言って。それはやめなきゃいけないですよね。こういうの本当いい加減にしてほしいなあと思うんですよね」
上念氏はザイゲンガーというのなら、財政黒字化を潰した去年の補正はやるべきではなかったと指摘。当初予算で緊縮に組みすぎて補正でバラマキというやり方は止めた方がいいと指摘しています。

けれども、先述したように、今年も減税を予算化せずに、補正でバラマキです。本当にいい加減にしてほしいと思います。


4.減税の財源


それでも、自民党内には減税派議員が存在しています。

5月8日、自民党の「責任ある積極財政を推進する議員連盟」の共同代表を務める中村裕之衆院議員と田中昌史参院議員らは党本部で森山裕幹事長と面会し、消費税率の変更を求める提言を申し入れています。

この提言は、食料品などが対象になっている軽減税率を恒久的にゼロにすることが柱となっていて、「もっとも大切な日々の営みである『食』への課税を行わないことは、国民生活を守る上でも必要だ」と強調。可処分所得を増やして生活支援を最優先とすることなどを求めています。

中村氏らは党内で署名集めを行い、提言には69人が賛同したとのことで、申し入れ後、中村氏は記者団に対し「消費税減税は、個人消費が低迷している状況で重要だ。これからも申し上げていきたい」と述べています。

提言を受け取った森山氏は近く、党税制調査会で消費税をテーマとした勉強会を開く考えを示したとされていますけれども、総理から幹事長から減税しない、公約に入れないと宣言しておいて、勉強会でどうこうなるとも思えません。

これについて、ジャーナリストの須田慎一郎氏は「虎ノ門ニュース」動画で次のように述べています。
・自民党は消費税減税をしないというところをですね選挙公約に盛り込まないというところで、一部の上層部が暴走する形で決めてしまった
・石破さんとしても政権基盤が非常に不安定という状況にあってそれに従わざるを得ないというような状況に置かれてるんではないか
・先週、責任ある積極財政を推進する議員連盟が中心になって提言書というのをまとめ上げて森山幹事長に提出に行った
・森山幹事長はそれを受けて多様な意見があることはいいことだとしつつも、皆さん方も色々ご意見があるだろうから自民党税制調査会の中に消費税を巡る勉強会を設置するからそこでいろんな意見を戦わしてくれというような言い方をした
・党税調でそんな勉強会しても、なるほど分かった消費税減税やろうじゃないかなんていう結論はですね100%出ません。単純にガス抜きの勉強会だと。森山幹事長は消費税100%やる気がない
・そして間髪入れずにこの動きを受けてその日の夜、石破総理と会食の場を持って因果を含めさせた
・まだ裏が取り切れてないんですが、石破さんあなたが消費税減税を決断するのであれば私は幹事長を辞めますと言った。
・通常国会において曲がりなりにも予算案が年度内に成立したというのも全て森山幹事長にかかっていた
・森山さんが幹事長を辞職してしまうと、たちまちにして石破総理が立ち往生に陥ってしまう
・石破総理は、ブルって本心としてはどうやら減税やりたかったようなんだけどもそれを引っ込めた
・野党の大西議員から「何もやってないじゃないか」と言われて逆切れしたという精神不安定状況になっているのもこれをまた理解できるとこではないのかな
・今回、自民党が正式な手続きを踏むことなく、選挙公約というのは本来政務調査会マターで決めていくことなのに、トップダウンでねえ一部の執行部が決めた。
・本来だったら自民党の手続き論としておかしい。それに石破総理は異を唱えなかったのかというと、そんな恫喝があったという風に考えるとま腑に落ちてくるのかなと
・今日の高井さんのようにえ執行部あるいは自民党上層部。トップリーダーが決めた方針に関して真正面から異を唱える批判をするという方がやっぱり少なすぎるんです
・それに対する答えの1つが、昨年の衆議院選挙のトラウマ。政治と金を巡る問題巡って、後出しじゃんけんのようにいきなり非公認にしてみたり、重複立候補を認めなかったり、そういったことを強引に行われてしまった。このトラウマが残ってる
・つまり今下手に声を上げてしまうとそれが反党行為として見られて公認を外されるんではないかという恐怖に駆られているという状況にある
・森山浩司幹事長に対して消費税減税を求める提言書について、中心になって汗を引かれたのは高市さん。
・提言書の本編で、自民党は食料品に限って8%の税率を0%に引き下げる。これは恒久措置です。こういう案を盛り込みました。
・その財源についてもきちんと書かれている。一体何かと言うと税収弾性値を1.2において名目経済成長率3%。物価上昇率だけでこれ2%いっちゃいますんで、実質成長率1%実現すれば名目成長率3%いくんですよ
・これは非常に低い水準というか十分に達成可能な水準なんです
・これが達成できれば2年間に関しては、元の税収水準に戻りません。しかし2年経てば減税前の税収水準には戻ってくる。
・3年目にはですね元の税収水準に戻ってくるという試算が行われてるんですよ
・これはその提言書にきちんと書き込まれております
なんと、税収弾性値を1.2にして、名目経済成長率3%とするだけで財源が出てくるというのですね。今の税収を基準とすると2年は赤字だがそれ以降はトントンになる。投資と考えても十分な気がします。

これを無視して「ザイゲンガー」と言い張るのなら、もとからやる気がないという風にしか見えません。

一体、何に忖度しているのか。

これについて、憲政史家の倉山満氏は自身の動画で次のように述べています。
・自民党の消費税を潰したのは誰か。森山幹事長とその背後にいる財務省が潰したっていう説が誠しやかにね流れております
・また、最近の森山さんはともかく、財務省の方もで誠しやかに石破さんの金の話で脅して潰したってありそうな話だが、誰でも考えつく話
・大事な原則として、政治の世界では悪事はやったものよりも、止められなかったものの方が罪が重いというのがある
・侵略はした方が悪いけれども、された方はもっと悪いっていうね、国際法のねあの原理原則と同じでございます
・この場合の自民党が消費税減税を公約しなかったのは誰が悪いかって言うと森山幹事長と財務省が潰したんだとしたら、彼らが悪いんだけれども、潰せなかった人っていうのはもっと悪いっていうことになるわけなんですよ
・本気で抵抗しなかった自民党減税派っていうことになります。もうこれはしょうがない。政治の掟です。法則みたいなものですね。
・この場合自民党減税派っていうのはいつものガス抜き要因の皆さんじゃないんですよ。
・いつものガス抜き要員の人たちは残念ながらとめられなかった人にすらならない、けれどもその能力がないんで、能力って言って悪ければ実力がないんで。力が足りないんで。
・じゃあ真の自民党減税派って誰かって言うと松山松山参院幹事長です
・参議院選挙の責任者ですよね。今度ある選挙の自身も改選なんですよね
・参議院の自民党幹部で自民党減税派として。もうこれ選挙勝てませんよと主張していた人なんで、ありとあらゆる意味で意思と能力において自民党減税派なわけなんですよ
・ガス抜き要員と言われて文句を言う人たちは松山幹事長に合流すれば良かったんじゃないんですかっていう話になるんです
倉山氏は、自民党が消費税減税を公約にしないという「悪事」に対し、それを止められなかった自民減税派はもっと悪いと断じています。

永田町の理屈は分かりませんけれども、いつまでも国民を無視していると、やはりその報いは受けることになるしかないと思いますね。





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