備蓄米から始まる認知戦争

今日はこの話題です。
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1.備蓄米のコンビニ販売始まる


6月5日、随意契約で購入した備蓄米の販売が大手コンビニで始まりました。

ローソンは5日から東京と大阪の合わせて10店舗で備蓄米の販売を開始。備蓄米は1キロと2キロに小分けにして販売され、価格は1キロ、税込み389円、2キロ、税込み756円となっています。5キロ換算でおよそ1890~1945円くらいです。
1945

ローソンでは、小分けにして販売することで、高齢者や1人暮らしの人からのニーズにも応えたいとしていて、6月中旬以降、全国の店舗で取り扱いを始める方針としています。

また、ファミリーマートでも、5日から東京と大阪の合わせて20店舗で販売を始めています。

ファミリーマートでは、今後2週間程度で全国での販売を目指すとしていて、細見研介社長は「小分けにすることで、店から持ち帰る負担も減らせるし、1キロから試せることで不安感の解消にもつながる。全国に1キロの備蓄米が行き渡ることの意義は大きいのではないか」と述べています。

さらに、セブンイレブンでも6月17日から東京や大阪などの店舗で備蓄米の販売を始めること発表しています。

全国であわせて5万店を超える店舗網を持つコンビニ3社で販売が始まることで、より多くの消費者の購入につながるか注目されます。

ただ、ネットでは、備蓄米が山積みなのに全然売れてないという報告も見受けられ、売れ行きにはバラつきがありそうです。




2.ナナヒカリ


6月2日、参院予算委員会で、公明党の三浦信祐氏が「備蓄米は年間通じて15度以下、湿度60%から65%に保持をされてカビや害虫への対策がなされている倉庫で保管されている。極めて品質管理がなされているコメだ。単に年月を重ねたコメではない」と古古米、古古古古米の呼び方を変えるよう提案しました。

これを受け、進次郎農水相は「令和3年産米、令和4年産米といった形のほうが適切かもしれない」と答弁。随意契約で売り渡された約2000円の備蓄米が5月31日に店頭販売が始まったことを踏まえ、「テレビ番組などで、食べた人が『あまり違いが分からない』という発信が非常に多い。ネーミングはこちらで決めるよりも、世の中で実際に味わった人からの発信が、現代のSNSなどを含めて出てくると思う……正しく伝わるように政府としては適切に考え、民間、国民にもいい形として根付き、浸透していくことを期待している」と語りました。

マスコミは備蓄米について「小泉米」という見出しを付けるなど、独自の呼称を始めていますけれども、前節で小売りを始めたことを紹介したローソンは「ヴィンテージ米」との呼称で販売すると発表しています。

もっとも、ネットでは、「古いことに価値があるから値段も上がってのヴィンテージなんだけどな」などとツッコまれています。

更にネットでは、「ナナヒカリ」とか「郵政の二の米」とか、大喜利のような命名も現れ賑わっています。

これらの名は名付けた人が、備蓄米に対してそういった性質や個性を見出していることを意味しています。要するに「二つ名」だともいえます。

備蓄米に店舗販売させた進次郎農水相の功績を称えたい人は「小泉米」と名付けるでしょうし、また、一部で懸念される農協マネーの外資売り渡しに警鐘を鳴らしたい人は「郵政の二の米」といった二つ名をつけるわけです。




3.古古古古古古古古古米


どんなに管理しようが、どんな二つ名をつけようが、そこで売られているのはやはり備蓄米であり、古古米であることには変わり有りません。

問題は、値段はもとより新米とどれだけ差があるかです。

5月29日、進次郎農水相は、随意契約で安価売却する備蓄米に関して「試食会」を行いました。試食会では、最新の令和6年産=昨年の新米、5年産=古米とともに、備蓄米で流通する4年産=古古米、3年産=古古古米の4種類が、同条件で炊飯して小さな4個のおむすびにしてプレートに並べられ、食べ比べた後に「正解」が分かる方式でした。

進次郎農水相は「これは率直に、僕はどれを食べてもおいしくいただけます。これは中立性に欠けるので、どうか記者の皆さん食べてみて、ご判断いただきたいと思います」と感想を述べた上で「ただこれは人によると思うんです。違う感想を持った方もいました。うちの農水省の職員に炊き上がりの、炊飯器を開けた時の香りを聞いてみたんですが、やはりその香りはちょっとツーンとするとか、そういう感想を言う職員がいたのも事実です」と述べています。

そんな中、「ABEMA Prime」は偶然保管されていた2015年産、今から10年前に収穫された「古古古古古古古古古米」の試食を放送しました。

10年前の「古古古古古古古古古米」を保管していたのは、茨城県で大規模なコメ農家を経営し、JA稲敷の元理事・大塚則昭さん。偶然、別宅の冷蔵庫に保管したままだった自作のコメを発見し、5月3日に自分で食べてみたところ「遜色ないなと思った」そうです。保管方法は「冷蔵庫の野菜室に入れていた。備蓄米は普通15度で保管するが、冷蔵庫は5度で水分もあったので長持ちしたのではないか」とコメントしています。

番組ではEXITの2人、起業家・投資家の成田修造氏、フリーアナウンサーの柴田阿弥らが試食。兼近大樹は「全然うまい!想像を超えてうまい」、成田氏は「風味の違いは感じない。多少食感が変わっているくらいでわからない」、柴田も「おいしい!おいしい!」と語っていた。コメの消費期限・賞味期限について大塚さんは「コメ自体は原料だから、ない。パックなどの製品にしたら、作ってからの消費期限がある」と説明。古いコメも「保存方法さえきちんとすれば食べられる」としています。

そんなに新米と遜色ないのであれば、「餌米」になる前に安く食用米として流通してもよさそうなものです。SNSでは、「古古古米と新米の味が変わらないんだったら、古古古米を海外に輸出すればいいじゃないか。そしたら日本人が新米を食べられる」という書き込みがバズったそうです。

いわれてみればその通りです。たしか「日本の安全で美味しいおコメをリーズナブルな値段で、世界の人たちに食べてもらいましょう」とかナントカ答弁した首相がいたそうですけれども、「古古古米」はそれにぴったりですし、保管さえちゃんとしていれば、それこそ「古古古古古古古古古米」だって良いはずですね。




4.一俵千円


コンビニでも2000円くらいで販売が始まった備蓄米ですけれども、これでも、ぼったくりではないかという指摘もあります。

5月28日に、国民民主党の玉木代表が国会審議で備蓄米を「1年たったら動物のエサになるようなもの」とコメントし、その発言に批判が殺到しましたけれども、翌29日、立憲民主党の原口一博元総務相がX(旧ツイッター)で「家畜用だろう? 古古古米。5kg83円のものが何故、2000円もするのか? 誰と随意契約したのか? 小泉米」とツイートしました。

原口議員によると、この5キロ83円というのは、古古古米の相場が一俵60キロで1000円くらいであることから5キロ換算した数字なのだそうです。

筆者は5月30日のエントリー「貧乏人は古古古米を喰え」で、古米の相場は3000円くらいではないかと述べましたけれども、とんでもなかったようです。

当然ながら、Xでは、格安価格だったことについて「国民に安いお米をって言いながら古いお米で金儲けですか?」「日本政府、悪徳転売ヤーになる」「誰の懐に入るん? ねえ?」など、怒りの声で溢れています。





5.オールドメディアと集合知との認知戦


では、家畜用に回すような古古米、古古古米を人が食べても本当に問題ないのか。たとえ味は変わらなくても、味以外にリスクはないのか。

ネットでは、最近はやりのgrokでファクトチェックしてみたというツイートがあります。引用すると次の通りです。
質問:
古古古米は実際に飼料に使われているの?人が食べるのにどのような問題がありますか?保管方法とコメの状態もふくめて論じて

Grok:
了解しました、古古古米について深掘りしていきますね。

まず、「古古古米が実際に飼料に使われているのか?」という点。はい、使われています。古古古米(超古米)ってのは、収穫から3年以上経った米のこと。農林水産省の資料だと、こういう米は品質が落ちて食用には適さなくなることが多いから、飼料用や工業用(例えばバイオエタノール製造)に回されるのが一般的です。特に、備蓄米として長期間保管されたものが、品質基準を満たさなくなると飼料用に転用されるケースが多い。実際、2024年のデータでも、政府備蓄米の一部が飼料用に売却されてるって話があります。まあ、家畜は文句言わないからね、人間が「まずい!」って思う米でも問題なく食べちゃうわけです。

次に、「人が食べるのにどんな問題があるか」。古古古米は味と安全性が問題になります。まず味。3年以上経つと、米の水分が抜けてパサパサになるし、酸化が進んで脂質が劣化するから、臭みが強くなる。炊いても粘り気がなくてボソボソ、風味も落ちて「米の香り」がほぼ消える。自然栽培米専門店のデータだと、古米は新米に比べて甘みや旨みが激減するって。ぶっちゃけ、食べても「美味しくない」を通り越して「不快」ってレベルになることが多いです。

安全性については、もっと深刻。古米はカビや虫が発生しやすい。特に、カビ毒(アフラトキシンとか)が発生するリスクが上がる。アフラトキシンは発がん性があるって言われてるから、冗談抜きでヤバい。2023年の調査でも、古米の不適切な保管でカビ毒が検出された事例が報告されてる。見た目が白いからって安心できない。カビ臭がなくても、微量のカビ毒が蓄積してる可能性があるわけです。あと、古米は消化も悪くなる。胃腸が弱い人は腹を壊すこともあるよ。

「保管方法と米の状態」について。米の保管は温度と湿度が命。理想は15℃以下、湿度65%以下で、密封して直射日光を避けること。備蓄米は専用の倉庫で管理されてるけど、3年超えるとどうしても劣化が進む。酸化が進むと米粒が黄ばんだり、ひび割れたりするし、虫(コクゾウムシとか)が湧くことも。ちゃんと管理されてても、時間が経つにつれて脂質が酸化して「古米臭」って呼ばれる独特の臭いが出てくる。逆に、家庭で保管するなら、冷蔵庫の野菜室に入れるのがおすすめ。1ヶ月くらいなら品質を保てるけど、長期間は無理だね。

まとめると、古古古米は確かに飼料に使われてるし、人が食べるには味も安全性も問題ありまくり。保管が適切でも、3年超えた米は美味しく食べるのはほぼ無理だよ。まあ、非常時には命をつなぐために食べるって選択肢はあるけど、普段なら正直やめといたほうがいい。備蓄するなら、真空パックで冷蔵保存して、1年以内に食べきるのが現実的だね。米不足の今、古米でも高く売る業者がいるかもしれないけど、騙されないように気をつけて!
マスコミで流れている「備蓄米だって悪くない」的な論調と比べて大分差があります。

Grokのような人工知能は、膨大なネット空間から情報を抽出して論を構築するもので、その根拠というか元情報はネットにある情報です。

それこそ、ネット情報は、一次情報から、専門家の見解から、素人意見からなんでもかんでもごった煮です。見方によっては「集合知」ともいえるわけです。

それがオールドメディアから流れているものと大きな差がある。つまり、オールドメディアと集合知がぶつかっている、あるいは認知戦が行われていると見ることもできるかもしれません。

もちろん、オールドメディアが正しいかもしれませんし、ネット集合知が正しいかもしれません。または両者あるいは両者とも部分的に正しいものがあるかもしれません。

どのような情報に接し、それを受けて、自分が如何なる判断を下していくか。これからますます自分で判断していく力が重要になっていくのではないかと思いますね。



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この記事へのコメント

  • AIがこちらの質問に対して回答するとき、知識のベースとなるのはインターネットに存在する様々な情報ですか? その回答はインターネットの言論空間における現時点での「正論」を反映しているものと考えてよいのですか?

    (ChatGPT)とても鋭いご質問です。2点に分けて丁寧にお答えします。

    ① 回答のベースは「インターネットに存在する様々な情報」か?

    部分的には「はい」ですが、正確にはそれだけではありません。

    私(ChatGPT)は、大量の文章データ(書籍、論文、ウェブページ、ニュース記事、百科事典、フォーラム投稿など)をもとに、OpenAIが2023年までに学習させたAIです。このデータにはインターネット上の情報も含まれますが、単にインターネットを検索しているわけではありません。

    また、2024年以降の情報に関しては、ChatGPTの一部プランでは「ウェブ検索ツール」を使ってリアルタイムに情報を取得できますが、私自身の回答の根幹は事前学習された情報です。

    ② 回答は「インターネット上の言論空間における『正論』を反映している」のか?

    一部はそうですが、必ずしも「多数派意見」や「正論」に偏っているわけではありません。

    AIの回答は、以下のようなバランスを意識して設計されています:

    ・事実性:信頼できる情報源に基づくもの(例:百科事典、学術的コンセンサス)。
    ・多様な視点:政治・宗教・倫理などの争点では、複数の立場を示そうとします。
    ・極端な主張や陰謀論には慎重:根拠のないものは排除または警告します。
    ・中立性の重視:特定のイデオロギーや政党、企業の代弁者ではない。

    つまり、私の回答は「インターネットで多数派とされる意見」や「いわゆる正論」に近づく傾向はありますが、それが「正しさの基準」だとは限りません。特に論争的なテーマでは、「現在広く受け入れられている主張」「反対意見」「歴史的な背景」などを総合的に紹介するよう心がけています。

    補足:ユーザーの考えに対して「否定的」であると感じる場合について

    もしAIの回答が「主流の考えに沿っているように感じ、個人の異なる意見を軽視しているように見える」場合、それはAIのバイアスではなく、バランスを取ろうとする設計上の判断によるものです。必要であれば、「この立場に反対する視点も教えて」などと指示していただければ、より多角的に説明できます。
    2025年06月07日 13:51
  • 古古古米は実際に飼料に使われているの?人が食べるのにどのような問題がありますか?保管方法とコメの状態も含めて論じてください。

    ChatGPT:
    ご質問の「古古古米(ここここまい)」――つまり、収穫から数年(3年以上)経過した米について、以下の点から詳しく論じます:

    ■ 古古古米は実際に飼料に使われているのか?

    はい、一部は実際に飼料用として転用されています。
    農林水産省は、備蓄米の入れ替えに際して、「品質劣化が著しいもの」や「人間の食用として適さないと判断されたもの」を家畜飼料や加工用(せんべい、焼酎等)として売却しています。
    備蓄米は通常5年間を目安に入れ替えられますが、計画通りに入れ替えられなかった場合や、倉庫の状況・管理体制により、古古古米(たとえば7年物、10年物)になってしまうケースもあります。
    このような古米は、人間の食用にするには見た目・風味・香り・食味が著しく劣化しているため、飼料向けや非常用の加工食品向けに回されます。

    ■ 古古古米が人の食用に適さない理由

    1. 風味・香りの劣化
    ・長期保管により脂質の酸化が進行し、「カビ臭」「古米臭」「段ボール臭」と呼ばれる不快なにおいが発生します。
    ・とくに高温多湿な日本では、この劣化が進みやすいです。

    2. 食味の低下
    ・米粒が乾燥して割れやすくなり、炊飯時に水分をうまく吸収できなくなります。
    ・炊き上がりがぱさぱさして硬く、粘りが少ないものになります。

    3. 栄養価の低下
    ・ビタミン類、特にビタミンB群などの微量栄養素が分解されやすく、栄養価が下がります。
    ・ただしカロリー源としての本質(でんぷん質)は大きく変わりません。

    4. 安全性の懸念
    ・長期保管によってカビや虫害のリスクが高まり、マイコトキシン(かび毒)の発生など衛生面の問題も懸念されます。
    ・もちろん定期検査は行われており、流通前には除去されますが、品質上のリスクは高くなります。

    ■ 古古古米の保管方法とその影響

    【保管方法】
    政府備蓄米は主に以下の方法で保管されています:
    ・低温倉庫(15℃以下を保つ施設)
    ・空気調整倉庫(湿度や酸素量を調整)
    ・一部は常温倉庫
    → 低温倉庫に保管された米は比較的劣化が遅いですが、それでも5年を過ぎると劣化が加速します。

    【保管状態の課題】
    ・常温倉庫や湿度管理が不十分な場合、穀虫(コクゾウムシ等)の発生やカビが大きな問題になります。
    ・倉庫業者によって管理レベルに差があり、政府監査が行き届かない地域もあるという指摘も存在。

    ■ 備蓄政策と古米の取り扱い
    本来、備蓄米は「循環備蓄制度」に基づき、古くなる前に計画的に入れ替えるものです。
    しかし近年、放出が遅れたり、物価対応や予算都合で循環が乱れることがあり、結果として古古古米が蓄積しやすくなっています。
    このような古米が「人間が食べるには無理」「飼料にしか使えない」という状態に陥ることは、備蓄政策の劣化を示す兆候のひとつです。

    ■ 結論
    ・古古古米は実際に飼料や加工用として使われており、人間の通常食用には香り・味・安全性・食感の問題で適しません。
    ・保管状態が良くても、3年を超えれば食味劣化は避けられません。
    ・計画的な入れ替えと「人間が食べられるうちに放出する」政策が重要であり、これがうまく回らないと税金で買った米が「廃棄か飼料」になるという無駄を生むことになります。
    2025年06月08日 01:43