内閣不信任案のウルトラC

今日はこの話題です。
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1.内閣不信任案提出は相談して決める


6月6日、立憲民主党の野田佳彦代表は記者会見で、内閣不信任決議案を提出するかどうかについて、事前にほかの野党と話をした上で、総合的に判断したいという考えを示しました。

野田代表は「急に提出したらみんな驚くのではないか。物事を実現するためには事前にどの党とも話をするというのはあるだろう……あまり軽々しく言ってほしくない。どうしても不信任通したいんだったら共同提案するつもりありますか。我々だけに何かしろしろじゃなくて、ご自身たちはどうなんですかということを問いたい……かねてより言ってきているとおり、適時・適切に対応し、総合判断をしていきたい」と野党を牽制しました。

野田代表が不信任提出に慎重なのは、日米交渉に加え、石破総理が不信任案に対抗して衆院を解散し、衆参同日選に持ち込むとの見方があるからです。

6月5日、石破総理と鉄オタというパイプを持っている日本維新の会の前原共同代表は会見で、石破総理就任後、何度か会談を行ったとした上で「一貫して総理はそういった発言をされていました。不信任案が出れば解散するということをおっしゃっていたので、 そこはぶれておられないんだろうというふうに思っています」と、内閣不信任決議案が提出されれば採決の前に衆議院を解散する意向を示していた事を明らかにしました。

また、立憲民主党の野田代表と2週間ほど前に会った際、不信任案を提出するかについて野田代表が「国際情勢や日米交渉などさまざまな事を考えながら結論を下したい。結論を下す時には相談したい」と伝えてきたことも明らかにしています。

また、7日には、国民民主党の玉木代表が大阪市内での記者会見で、立憲民主の野田代表が内閣不信任案を提出する場合、事前に他の野党に伝える考えを示していることについて問われると「一度、直接話をする機会があれば、どのような構想で考えているのか聞きたい」と述べました。

そして、国民民主党として内閣不信任案が出た場合の対応については「2024年12月に103万円の壁引き上げ、ガソリンの暫定税率廃止を与党の幹事長と合意したが、約束が現時点で果たされていない。諸手を挙げて、信任できるという状況にはないという認識だ」とする一方で、石破政権を信任するかしないかという話と、野党で内閣不信任案の共同提出で合意できるかどうかとは別問題だとの立場を示しました。

更に、党内からも野田代表に不信任提出を求める声も出ています。

5月28日、小沢一郎氏は会見で「過半数あるのに出さないのは、国民にばかにされる」と指摘。更に今月3日には「不信任案が通るかもしれないときにやらないなんて、馬鹿じゃないか」と圧を掛けています。


2.波紋を呼んだ改正年金法案


野田代表が不信任を出しても出さなくても、立憲が議席を増やせるかどうかの保証はありません。立憲の政党支持率は低迷したままです。

それに加えて、年金制度改革法案を巡る与党との修正協議で立憲が主導した厚生年金の積立金活用による基礎年金の底上げが、SNS上などで「厚生年金の流用だ」「厚生年金を納めているサラリーマンを裏切った」などと強烈な批判にさらされています。

5月21日の党首討論で野田代表は「あんこの入ってないアンパンなんて。連ドラを見ているが、やなせたかしも泣きますよ」と、政府・与党が法案提出前の段階で法案から削除した底上げ措置を復活させる必要性があると主張しました。

そこから立憲と与党の修正協議がスタートし、底上げ措置を付則に盛り込んだ修正でスピード合意。修正案は5月30日の衆院本会議で可決、参院に送付されました。

立憲は、この修正法案を「年金底上げ法案」「現役厚生年金カット防止法案」と名付け、参院選に向けたアピール材料と位置付けていたのですけれども、待っていたのは「財産権の侵害だ」などの激烈な否定的反応でした。

立憲内では「山のような苦情が殺到している。愚痴を言うようですけど、私はある意味、自民党さんが議論の末に底上げのあんこを抜かれた理由も分かるなという気がしたんですよ…」と嘆きも漏れる有様。完全に読みを誤りました。

これに立憲の重鎮議員は「不信任案で衆院を解散したとしても、立民が過半数を取ることはないし、自民が過半数を回復することもない。やるだけ無駄だ」と不信任提出否定の声もある一方で、経済評論家の渡邉哲也氏は、ネット番組で「改正年金法案とその中身がひどいことひどいこと。なんとかこれを打ち切るには内閣不信任という話になってくる。そういう状況の中で衆参同時があるのかないのかという話が永田町で流れ始めてるわけですね」と改正年金法案をなかったことにするためには不信任提出しかないという見解を示しています。




3.政局観が無い野田佳彦


こうした状況に、ジャーナリストの須田慎一郎氏は自身の動画チャンネルで、6月18日19日に内閣不信任決議案が提出されるかどうかかポイントになると指摘しています。

件の動画の概要は次の通りです。
・週明けから政局に突入する、事実上の政局に突入するそういう状況が色濃く濃厚になってきました
・永田町国会周り周辺は結構大きくざわついていたんです
・果たして内閣不信任決議案は国会に提出されるのかどうなのか。立憲民主党は内閣不信任案を国会に提出するのがどうなのか
・立憲民主党が内閣不信任案決議案の提出に踏み切れば自動的にですねえ解散が見えてきている
・そういった意味で今ボールは立憲民主党、特に野田佳彦代表の手に握られている
・野田代表の持っているボールを投げさせまいとして、自民党サイドから様々な球が送られております
・例えば、今週、新聞がですね全く同じようなテストの記事を掲載しました
・自民党の石破首相総裁と森山幹事長が、仮に立憲民主党が内閣不信任決議案の提出に踏み切れば、それを採決することなく解散に踏み切るというそういう意思を確認しあったと、それで合意を見たというニュースが朝日と読売新聞に掲載される
・同じようなタイミングで掲載されたということは自民党サイドからのリークがあったと見て間違いないでしょう。
・意図的にこのリークを流して立憲民主党あるいは野田佳彦代表に牽制を投げたというような意味合いを持ってくるんだろうと思いますね
・ルール上衆議院議員51人の賛同がなければ内閣不信任案決議案を出せませんから内閣不信任決議案を出せる政党というと立憲民主党だけという状況になっております
・この週末になりまして前原誠司、日本維新の会共同代表が石破茂氏とですね会食をした際に同じような言い方をされたとつまり内閣不信任決議案を出されたらすぐ解散に打って出るんだとそういう風に石破さんは言っていたっていうことを週末に明らかにする
・そんなことをですねえ言い出すっていうことは野党の共同代表としてはどうなのかなと思いますけどもどっちかという
と与党側に立ってんじゃねえかっていうような、そういうスタンスを見せつけたわけなんです
・これもまた野党第1党の立憲民主党に対して牽制をした格好に形になりましたね
・そうするとですね、立憲民主党の中でその解散風と言った内閣不信任決議を出すべきだ、これを主戦論という風に戦うべきだという論調が急速に萎むかなと思ったらそうはなりませんでした。
・立憲民主党の中でもですね主戦論を唱えているのがこの2人です。今後この2人に注目ですよ。
・小川幹事長と手塚幹事長代行、この2人が内閣不信任決議を出すべきだということで立憲民主党の中で論を張っております
・小川幹事長は、まさに立憲民主党ナンバー2の立場にあるわけですから、その発言の持つ重みというのはかなりのものがあります
・じゃあこの2人はまどういったですね立場でそれを言ってるのかというとバックについているの小沢一郎ですねま。この小沢一郎氏に煽りに煽られて、小沢さんはですね解散論者ですからこの小沢一郎氏に煽りに煽られて論を展開しているというねえこういう流れになっているわけなんですよ
・ところがですね、立憲民主党の中はどちらかというとこの主戦論は少数派です
・多数の人たちは昨年解散をしたばっかりですから解散をすべきじゃない。あるいは内閣不信任決議を出さないがいいんじゃないのかというある意味での常識というのが大勢を占めている状況にあるんです
・ここで問題になってくるのは野田佳彦代表の政局観のなさと言ったら折り紙付き。ピカイチですからね
・これ皆さんトラウマがあるんですよ。立憲民主党の国会議員の中には旧民主党政権時代、代表あるいは総理を務めていたのは野田佳彦さんなわけですよ
・そして党首討論の中で三党合意に乗っかれば、解散に踏み切りましょうというねまある意味で確約をした、それを受けて三党等合意という流れになっていくわけなんです
・野田代表はですねその後で言を左右にして解散になかなか踏み切らなかったという状況があります
・それに対して嘘つき、野田佳彦は嘘つきだ。解散に関しては、嘘はついてもいいんだというのが永田町の習わしなんですよ
・数少ない嘘が認められているえケースなわけなんですが、それを正直に、だったら解散に踏み切ってやるということで解散に踏み切って旧民主党はボロ負けに負けて野党に転落するというですねまそういった状況を見せたわけなんですよ
・あれは政局観のなさであえて負け戦である解散にふみ切ってしまった。それがですね今回浮かんできて内閣不信任決議案を出すべきじゃないタイミングで出してしまいかないのが政局観のない野田義彦だと言われていて。
・野田さんの中がどうなっているのかというところを立憲民主党のね国会議員の方々は戦々恐々で見守っているというそう
いう状況になっているわけなんですね
・そういった中でちょっと浮上してきたのがG7サミット、カナダで開かれるえこれに石破首相はもちろん出かけていくわけなんですが、サミット後というが政局の山場を迎えることになるんではないかと
・この間にですね野党党首会談開こうじゃないかというね動きが今水面化であります
・これは6日の記者会見で野田代表は内閣不信任決議案を提出する場合、事前に他の野党と協議する場を設ける意向を示したというですから、G7サミットのの時に野党党首会談を持ちかけるんではないか
・その時に国民民主党の玉木さんと、あなたは内閣不信任決議を出すべきだ出すべきだと言っているけども、解散に踏み切って、もし自公が過半数割れをした場合に野党連立政権を作る、そしてその連立政権において国民民主党は自分自身をつまり野田佳彦を首班指名してくれるのがどうなのか、それを約束するんだったら内閣不信任を出そうじゃないかというそういうウルトラCがどうも今そういう計画が水面下で着々と進行中という状況
・そうなってくると国民民主党としてもちょっと思案のしどころですよね。
・だって玉木代表としては場合によってはそういう状況になったら、自分も首班指名されるんじゃないかというわずかな期待があるわけですから。そうなる可能性だってあるでしょうしね
・今ちょっとブームが収束しつつある国民民主党だけども、そうは言っても政党支持率では国民民主党が野党の中ではピカ1という状況もありますから。
・その誘いに乗っかることができるのかどうなのかというところも1つの踏絵になってくる
・要するにこの党首会談が開かれた場合、別に国民民主党だけじゃないですよ。日本維新の会共同代表の前原もしくは吉村氏を招いて党首会談、この動きを注目していただきたいんですよ
・そしてえG7サミットが終わって、6月18日水曜日。これで帰ってきますからこの辺りが最大の山場になってくるでしょうね
・政府与党サイドも、18日19日に内閣不信任決議案が提出されることも十分あり得るんだと出すんだったら出せよというような喧嘩を打ったようなえ形になりました。この6月18日が大きく緊張感が出てくるんだろうなと
・立憲民主党の中も繰り返しますけれども主戦論がある一方で、今このタイミングで出すべきじゃないと主張している国会議員の数も所属議員の数も決して少なくない。そっちの方が大勢を占めていると言っても過言ではありません。
・そういう人たちの狙いは、参議院選挙後の自民公明そして立憲民主党の大連立というところを視野に入れているということなんです
・旧民主党が政権与党の座を失ってからかなりの年数がもう経つんです
・そろそろもう政権党に復帰したい、副大臣ぐらいにはなりたい、大臣にもなりたいという方々が結構出てきてるんです
・その1番の近道というのがやっぱりえ自公立憲民主党の大連立という構図
・いやそうじゃないだろう、自公を除いて自前の政権を作るのが立憲民主党を中心として、野党のですね今の野党の連立
政権を組むのがそちらが王道だと考えている人たちが、主戦論者なんですよ。路線の違いですね
・ただこれもまた新たな動きが出てましてね、
・仮に参議院選挙後の自公立憲民主党の連立政権、あるいは閣外協力なんていう流れになったらもうこの党を出ていく立憲民主党を出ていくというそういう動きもちょっと出てきてます。
・これが枝野さんとそれを取り巻くオールド立憲民主党の方々。この方々はですねおそらく立憲民主党を離脱するという動きになるでしょう。
・様々なの思惑が動く中でやっぱりこの立憲民主党を中心に果たしてそもそも内閣不信任決議案を出すのか出さないのかえ
どちらの方に転がってもですね立憲民主党は、今分裂含みで動きが加速しております
・どちらかというと政府与党のサイドはこれは受け身です
・ボールはあくまでも野田立憲民主党代表、しかもボールを持っている人間が全く政局観がない人間ということで、どういう風にこれが動くのか全く予想がつきません
なんと、野田代表は、他の野党に対して、内閣不信任案を出すのとバーターで、首班指名を約束させようと画策しているというのですね。

なるほど、これであれば、野田代表が内閣不信任案を他の他党と共同提出する気があるのかという訳です。共同提出するイコール、野田代表を首班指名することになるということです。

それを考えると、国民民主の玉木代表が「石破政権を信任するかしないかという話と、野党で内閣不信任案の共同提出で合意できるかどうかとは別問題だ」というのも、野田代表を首班指名するかどうかまだ約束できないと留保したとも言えます。

ただ、須田氏がいうように、野田代表は政局観が無い人という指摘どおりであれば、本当に内閣不信任案が出る可能性はあると思います。政局観が無い人が判断に悩む状況に置かれれば、高い確率で間違うだろうと思うからです。

それに、仮に野田代表が首班指名されることがあったとしても、それが内閣不信任案を出したせいだとすれば、自公と立憲の大連立の話も流れるでしょうからね。




4.自民のウルトラC


先述の須田慎一郎氏は、野田氏を首班指名するのなら内閣不信任を出そうじゃないかと他の野党に持ち掛けるという「ウルトラC」が水面下で進行していると述べていますけれども、筆者には、もしかしたら自民もそれに対抗するウルトラCを考えているのではないかという気もします。

普通に考えられるのは、内閣不信任案低提出で、解散せずに辞任を選択。参院選までに新総裁を選出して、参院選に突入の流れだと思います。でもこれではウルトラCにはなりません。

ここからは、まるっきり筆者の妄想ですけれども、石破総理が裏で野田代表と大連立で握っておいて、表では。次の国会で辞任すると宣言してから参院選、あるいは衆参同時選に突入するという一手があるのではないか。

これなら、野田代表が内閣不信任案を出さない言い訳が立ちます。また、国民に対してもポスト石破を「勝手に期待させる」ことで、選挙でも間違って勝ってしまう可能性もなくもありません。

もし、勝ってしまったら、「国民の信任を得た」としれっと言って、辞任宣言を撤回する。何せ公約を守る必要はないと言い切った御仁ですからね。負けたら負けたで大連立に逃げればいい。

衆院選に負けても辞めない総理ですから、もう何でもありと考えてもおかしくない。この事態をどうにかするには、逆立ちしても首班指名できないくらいボロ負けさせるしかないのではないかと思ってしまいますね。



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