小沢の野望は叶うか

今日はこの話題です。
画像

 ブログランキングに参加しています。よろしければ応援クリックお願いします。


2025-10-13-204500.jpg


1.小沢の野望


10月12日のエントリー「首班指名のラスボス」で、次期総理の首班指名を巡って、自民の麻生氏と立憲の小沢氏によるラスボス争いが起こっている説を紹介したことがありますけれども、9月13日、その立憲の小沢氏が自身の動画チャンネル「小沢一郎 公式チャンネル-いっちゃんねる-」で、公明党が自民党との連立離脱を表明したことについてインタビューに答えました。

動画でのやり取りは次のとおりです。
インタビュアー:
驚くべきことが起きまして。26年間続いた自民党と公明党の連立だったのですが、なんと公明党が離脱するって言いました。どんな風に考えているのか、またそういうことになったのはどうしてかっていうことを教えてほしいです。

小沢一郎:
僕もね、公明党が最終的に連立解消という結論をね、出したということについてはね、若干驚いております。まあのね、噂話としては聞いてましたけどもね、ま、本当に公明党が今日になって決断をしたということですね。ま、なぜね、驚いているかと言うとね、自民党がね、公明学会のね、気持ちをね、分からないというか、これをね、抱えていくことができなくなってしまったということはね、自民党のね、統治の能力がね、なくなった、著しく低下してるということなんですよ。

それは、政治におけるね、自民党自らの党内と、それから26年間続いた公明党と、これをね、きちんとね、ことができなかったというのがね、私が今度の連立会で、はっきりと分かった自民党の現実の姿ですね。

まあの公明党がね、あの斎藤代表もね、あのインタビューで「政治と金」という話をね、くどくど言ってましたけどね、本当の理由はね、政治資金規制法どうこうすると話じゃないですよ。やっぱりこの今回のことはね、高市総裁のね、責任が非常に大きい。彼女のね、やはり考え方、発想、体質、そのものに対する不満ですよ。

だってね、今度の党の人事でも、萩生田さんていうね、いわゆる裏金のね、最大の人物をね、幹事総代行というポストにつけたと。それから他にもね、裏金問題の人たちをもう「禊は済んだ」ということでね、大権を与えたと、まいうことね。ま、こういう非常にまだまだね、裏金問題が野火が燃え裂って残っている時にね、もう済んだということでね、これを党の執行部の真ん中にね、据えたりねするちゅうことは、本当に政治的感覚のねなさというか、それを疑わざるを得ないんだね。

それからね、また外交的にはね、高市君のね、周り側近でね、政府与党のね、要職につくだろうと言われている人たちがね、この時期にね、台湾へ行ったということね。僕はね、何も習近平がね、「台湾は中国の固有の領土だ」なんていうね、主張を認めてるわけじゃないんですよ。だけども、彼がある意味で彼のね、最大の柱みたいにしてるわけだ。「武力解放でもやるんだ」というくらい言ってるのにね、あえてね、それを魚でするようなねことをね、今その高市君の側近であるね、人たちがね、やるというこの政治感覚ね。

それはもう中国と一戦交えるっちゅうぐらいのね、吉別にしてね、腹決めてやんなら別だけどね。そんなね、判断も度胸もないのにね、そういうね、全くナンセンスなね、政治行動を取るというのはね、これまたね、高市君がね、それを認めてるというか、そうさせてるわけだからね。これじゃあね、公明学会と言わずね、今公明党が離れて、てんやわんやしてるけど、自民党。そうですよね、他の野党だってね、こういう高市君のね、体質、ものの考え方、それにはね、誰もついていけないわね。

個別のね、色々なね、政策だテーマだという話どうじゃない?国民の生活そのもの、日本のね、存立のね、に関わる大問題だから、これをね、まっきりね、判断するね、というか、能力がね、ないということが、私は本当に公明党が離れた原因でもあるし、多くの人たちが、もちろん野党の格闘も、非常に危んでいる問題だと思います。

ですからね、この指名でもどのこのって今色々マスコミが報道してますけどね、仮にま野党がね、まとまらずにね、高市君が結果として総理に指名されたとしてもね、到底ね、この国のね、政治の運営、統治はね、できない。国民の生活をね、本当に守っていくだけのね、安定したしっかりした政治はね、できないと、私はそう思いますね。やはりこれは自民党そのものがね、もう能力を失いつつあるというか、もう失っているというのがね、今日のね、状況を見ているとね、そう思えるね。

だからこれはね、単に自民党政権を云々だけじゃなくてね、国民にとってね、国家にとってもね、大変な損失、マイナスだ。それを僕は憂いている。ですからね、自民党そのものがね、「これでいいのか」と。「ただまた無理やり政権さえ取っていればいいのか」というようなね感覚でたらね、早晩ね、自民党政権は崩壊する。そしてその結果はね、国民にね、大きなね、マイナス、し寄せとなって響いてくる。

インタビュアー:
また野党もね。そう野党です。

小沢一郎:
もっともっとね、大きなね、視野に立ってね、考えなくちゃいけない。ま、自民党とね、ここ々のね、政策だかなんだか知らんけれども、それでもってね、協議しながらやるんだなんてね、そんなことじゃね、何も思い切ったことできないよ。

インタビュアー:
思い切ったこともできなければ、今ある利権構造だって変えられないっていう話ですよね。

小沢一郎:
そう、そう、そう。だからね、自民党がなぜこうなったか。長年のね、政権、長期政権は必ず敗すと、先人が言ったけども、その通りの状況に自民党なってんだ。だからね、これはね、この政策云々の話じゃないな。それじゃあね、「あとはまとまんないから政権取れない、取らない」じゃ、ずっとこの自民党政権でいいちゅうことと同じことだ。ハードルはあってもね、この腐り切ったね、統治能力を失ったね、政権を変えるという観点に立たなければね、本当に国民の期待に答えられないしね、国民の生活を守れない。

僕はそういう意味でね、ずっと以前からね、野党が協力してね、この権力構造を変えなくちゃだめだと、政権を変えなくちゃだめだと言ってきたんだけどね、なかなかね、野党の皆さんはね、そういう大きな視点に立ったね、考え方ができない、行動ができない。ま、悲しむべき現実だね。自民党自身も、僕から言わせ、もう変わらないとね、高市内閣が仮にできても、内閣そのものだけでなく、自民党も崩壊する。そして野党も、そんなね、目のちまちました話をね、言っていたらね、もうどんどん国民から見放される。私はそのことを一番憂えてます。

インタビュアー:
どうしていこうっていう考え?

小沢一郎:
まずはだから与党共にだ。自民党は、やはり中道保守の体質と体制をきちんと作り直してやった方がいい。高市君らのね、かなり右に寄った考え方の人はね、本来のね、自民党の体質ではない。自民党の立場に立って言わしてもらえばね、やはりこういう考え方とはね、決別すべきだと僕は思う。そして、やっぱり本当の中道保守のね、本来のね、自民党の姿にね、立ち帰える努力をね、やるべきだと思う。

それから野党はね、今言ったようにね、自民党が全く統治能力を失って腐敗して能力を失ってきた今日だから、これをね、やっぱりこういったどうしようもない政権を変えると、それが国民のためだと、国民の生活と国家を守るためだという観点でね、大同団結をね、やっぱりするようなね、発想に立たないとね、いつまで立っても国民の指示は得られない。万年野党でね、終わってしまう。そうすると、与党も野党もどうしようもないちゅうことになると、日本の将来、国民の生活を守っていけなくなる。このね、我々は憂えるべきだと思うね。

インタビュアー:
ちょっと期待です。

小沢一郎:
だから僕もね、最後のご奉公のつもりでね、本当に国民の生活を守る、その原点にね、もう一度立ち帰るそういう政治を目指してね、与党野党問わずにね、この主張していきたいとはい、そう思ってます。
小沢氏は、今の「統治能力を失って腐敗した自民党」を倒さないといけないと大上段に構えていっているのですけれども、筆者が動画をみるかぎり、小沢氏自身、戦況は少し分が悪いと思っているのではないかと感じました。

というのも、野党が大同団結できないことにいら立ち、ここままでは戦にやぶれる確率が高いとみているのではないか。

10月11日、プレジデントオンライン誌で、「高市早苗氏でも、麻生太郎氏でもない…「まさかの自公連立崩壊」で今もっとも頭を抱えている政治家の名前」という記事で、小沢氏について触れた箇所があります。

それは次のとおりです。
しかし、公明党が政権離脱を決めたことで、政局が一気に不安定化したことだけは確かだ。これまで政権交代が必要だと旗を振り続けてきた立憲の重鎮・小沢一郎氏は、いったい何を考えているのだろうか。

高市総裁が決まってから、小沢氏のX(旧Twitter)もピタリと止まった。この沈黙の意味するものは何か。野党共闘が進まない現状に、立憲を割ってでも自民党の一部との連携を考えているのではないか、そんな憶測も広がっていた。しかし公明党の連立離脱によって状況は一変した。

「今こそ、政権交代を実現するチャンスではないですか」

そう問いかけると小沢氏はこう言った。

「ふん。そう簡単にいくもんか。いままで野党がまとまれば政権交代ができると言い続けたのに、誰も本気で動かなかった。自民党の政治家も現状維持しか考えない者ばかりだ。政治を動かそうと言う覚悟がないんだよ。…しかし公明党の離脱で誰も先が読めない政局の大きな嵐に突っ込んだことだけは確かだ。久しぶりに面白くなるぞ」
小沢氏はここでも、野党は本気で動かなかったと嘆いています。ただ、公明党が離脱したことで可能性が低いながらも千載一遇のチャンスが訪れたと、最後の大一番の勝負を掛けたように見えます。




2.幹事長代行という要職


小沢氏は前述のインタビューで萩生田氏の名前を出して、裏金議員を要職に就けるとはなにごとだ、と批判していますけれども、確かに自民党で、幹事長代行は要職です。

自民党の党則上は、幹事長代行と幹事長代理の職務に明確な違いはありません。例えば、幹事長の記者会見を補佐職が代わって行う場合、幹事長代行が担当することも、幹事長代理が受け持つこともあります。

それでも、定員の定めがない幹事長代理とは違って、幹事長代行は定員1人とされています。党役員の名簿では、幹事長代理より上位に位置づけられ、執行部の一員として他の補佐職とは別格に扱われています。

実際、これまで党3役(幹事長、政調会長、総務会長)や閣僚の経験者しか任命されたことはありません。

一方、副幹事長は、衆院の各比例ブロックの選出議員、参院の比例選出議員などから選ばれています。自民党の派閥は麻生派(志公会)を除いて解散し、てことになっていますけれども、かつては各派閥の「枠」がありました。

まとめると、幹事長の補佐職の序列は、幹事長代行 > 幹事長代理 > 筆頭副幹事長 > その他の副幹事長という順となり、党3役、4役に次ぐ要職と言えるでしょう。

10月9日、NHK番組に出演した高市総裁は「野党だけではなく、公明党からも政治とカネで問題があった議員の起用に批判も出ている」と問われ、「あえての起用……党内へのメッセージでもある。とにかく誰一人、遊んでいてもらっては困る」と語りました。

高市総裁は「自民党の政調会だけでも100を超えるポストがあり、幹事長室、青年局、女性局、組織運動本部など、いろいろなところで長として働いてもらう人材は必要だ……選挙の審判を受けた人で、今回、党役員に入った人のことだと思うが、しっかりと働いてもらうというメッセージだ」と説明しています。

ここまで言われたら、働かない訳にはいかないでしょう。

実際、萩生田幹事長代行は10月10日、自身のブログで、「批判を覚悟で処分後の私を使ってくれた高市新総裁の決断に何としても仕事で応えていく決意」などと投稿しました。

該当箇所を引用すると次の通りです。
党総裁選は1位高市さん、2位小泉さんの決戦投票の結果、マスコミ各社の予想を覆し、高市早苗新総裁が誕生しました。立党70年で初めての女性総裁となります。週明けには党役員人事が発表され、私は幹事長代行を拝命しました。総裁選中から高市総裁がおっしゃっていた通り、「不記載のあった議員でも、説明を尽くし、二重、三重の処分を経て、選挙で有権者の審判を受け、勝ち上がって国会に戻った人には働いてもらう」との方針を貫いた結果です。一部の批判を覚悟で処分後の私を使ってくれた新総裁の決断に何としても仕事で応えていく決意です。先頭は風当たりがきついのは承知しておりますが、仲間の為にも耐えて頑張ります。

会社や組織の中でも失敗をした者が、中々復帰できない社会の風潮がある事は否めませんが、私自身が頑張る事で再チャレンジのできる社会の風土づくりになれば幸いです。最大の信頼回復は人目を避け、自粛を続けて時間が過ぎるのを待つのではなく、批判に晒されても仕事をもって信頼を取り戻す事が残された唯一の道と信じ職責を果たしてまいります。
萩生田氏は「高市新総裁の決断に、何としても仕事で応えていく決意です。仲間の為にも耐えて頑張ります」と述べています。高市氏が語った「党内へのメッセージでもある」という狙いはバッチリ当たった訳です。


3.非自民政権の困難さ


野党が纏まって、国民民主の玉木氏を総理に祭り上げる案が出ていることについて、10月9日、憲政史家・倉山満氏が自身の動画で予測しています。件の動画のポイントは次の通りです。
〇 「玉木首相」待望論の背景と反応
・「玉木首相」待望論の出現: 様々な出来事が起こり、「玉木首相」という話が突如飛び出した。
・本来は「総理大臣も取らずに連立入ったら潰れるだけ」という意味で玉木氏を評価したものであり、この時期の首相は避けるべき
・現状で総理をやりたがるのは立憲の野田佳彦氏ぐらいだが、立憲の安住氏は野田氏の許可なく「野田派にはこだわらない」と発言。
・玉木雄一郎氏は首相の椅子を引き受けることに「素っ気ない対応」を示した。
・日本維新の会の遠藤氏が前向きな発言をしたことで、国民民主党の関係者から「迷惑だ」との声が上がる。

〇非自民政権が成立した場合の困難(参議院の議席問題)
・首相を引き受けたくない最大の理由は野党連合の首相は「途轍もなく大変」になるから。
・日本の政治は参議院で決まる。
・参議院で過半数割れだが、あと3議席あれば済むレベルで、法案ごとの連携で何とか乗り切れる状況。
・非自民連合(自公以外で結束した場合)の参議院議席は、立憲(42) + 国民(25) + 維新(19) + 賛成(15) + 保守(2) = 104議席
・これでは、過半数(124議席)まで19〜20議席不足。この状況では、誰が首相になっても非自民連合では法案が通らない。共産党、れいわ新選組、社民党に頭を下げる必要が出る。
・公明党(21議席)が自民党と手を切り、非自民に組すれば計算上は足りるが、6会派を束ねる難しさがある。
数だけでいえば、非自民連合に公明が与してようやくなんとかなるのですけれども、今度は会派を束ねる大変さがある、と。なるほどこちらも簡単ではなさそうです。




4.考えられる三つの政権シナリオ


また、今後の政局について、経済評論家の上念司氏は自身の動画で解説しています。

件の動画の要点は次の通りです。
〇公明党離脱後の政局シナリオ
・首相指名選挙は、1回目の投票で過半数(233票)獲得が目標。誰も過半数に達しない場合は、上位2名による決戦投票に移行する。
・決戦投票では相対多数(票が多い方)で当選となる(過半数は不要)。
・衆参両院で結果が異なる場合は、衆議院の結果が優先される。

〇衆議院の勢力分布(定数465、過半数233):
・自民党:196議席
・公明党:24議席(離脱)
・旧与党合計(自民+公明):220議席(過半数に13議席不足)

・立憲民主党:148議席
・維新の会:35議席
・国民民主党:27議席
・野党三党合計(立民+維新+国民):210議席

〇考えられる3つの政権シナリオ
・日経新聞の記事を基に、以下の3パターンが考えられる
1)自民党単独少数与党(高市首相):可能性が高いシナリオ。野党がまとまらず、公明党も野党候補に入れない場合、相対多数の自民党(高市氏)が勝つ。選挙結果で相対多数である自民党が、その責任として政権を担う。
2)自民党プラスアルファ(高市首相):自民党が、国民民主や維新などに協力を呼びかけ、高市氏に投票してもらうパターン。国民民主・維新は協力に消極的: 公明党離脱で苦しい自民党と組むことにメリットがなく、「傷つくだけ」として難色を示している。「有志改革の会」(無所属7人)の票を取り込むなどの規策も検討されている。
3)野党連合(玉木首相):立民・維新・国民の野党三党が結束し、玉木氏を首相に指名するパターン
・国民民主党(玉木氏)は慎重姿勢で「政策を曲げてまで数合わせするなら、国民民主党はいらない」と明言。安保政策、憲法、原発再稼働などで立民との理念・政策の隔たりが埋まらなければ、協力は難しい。立民が共産・令和新選組などにも協力を求める動きに、国民・維新は「本気度が見えない」と不信感を示している。
x)その他の政局の動き:
・総裁・総理分離の規策(読売新聞):自民党内で、総裁(高市氏)と総理(石破氏など)を別にして公明党に連立復帰を打診する案が浮上。背景には、公明党の選挙協力がないと自民党議員の2割が落選するという危機感がある。
・自民党の対公明党強硬姿勢(朝日新聞):自民党が、公明党の小選挙区に独自候補の擁立を検討。維新にも連携を呼びかけ。連立を離脱するなら、小選挙区の議席を失うという形で公明党を牽制。

〇政局の評価
・日本がヨーロッパのような多党制・連立工作に時間のかかる政治状況に移行しつつある。
・立憲民主党の動きについて、上念氏は「単なる数合わせで日本の政治を混乱に陥れれば勝ち」と評し、「相変わらず無責任だ」。
上念氏は野党統一候補を画策する立憲民主を「相変わらず無責任だ」と批判していますけれども、これは間接的に立憲の小沢氏をも批判していることになるかと思います。

小沢氏は高市総裁を右に寄っているといっていますけれども、筆者はそうは思いません。まぁ、左からみれば、自分以外はみんな右ですからね。世界全体が左に寄ってしまっているからこそ、保守回帰の動きが起こっているのではないのか。

日本、そして世界の動きを冷静に見た上で正しい判断を下すべきだと思いますね。




  twitterのフリーアイコン素材 (1).jpeg  SNS人物アイコン 3.jpeg  カサのピクトアイコン5 (1).jpeg  津波の無料アイコン3.jpeg  ビルのアイコン素材 その2.jpeg  

この記事へのコメント