連立協議を進める維新

今日はこの話題です。
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1.党首会談を受けた政策協議メモ


10月16日、自民党と日本維新の会は、維新の連立入りを含めた政策協議の初会合を国会内で開きました。協議には自民の高市早苗総裁、維新の藤田文武共同代表らが出席。維新は災害時の首都中枢機能のバックアップを担う「副首都構想」や、社会保険料引き下げなどの「社会保障改革」など12項目の実現を要求。食料品の消費税率ゼロや企業・団体献金禁止などで折り合わず、17日に再協議することとなりました。

維新が要求した12項目については、維新の藤田共同代表がXで公開しています。その主な内容は次の通りです。
1)経済財政政策
2)社会保障政策
3)皇室・憲法改正・家族制度等
4)外交安全保障政策
5)インテリジェンス政策
6)エネルギー政策
7)食糧安保・国土政策
8)経済安保政策
9)人口政策・外国人政策
10)教育政策
11)経済機構改革
12)政治改革
見て分かるように、要求項目は多岐にわたり、経済・社会保障・皇室・教育・地方創生・安全保障・行政改革など広範な分野をカバー。企業献金廃止や副首都構想など、維新の従来の主張が強く反映されていて、個別の要求項目は50にも及びます。

維新の吉村洋文代表は、両党の合意がまとまれば近く臨時国会で行われる首相指名選挙で、高市氏に投票する考えを示していますけれども、社会保険料の引き下げや「副首都構想」は自民党と方向性が一致するものの、具体策はまだまだこれから。また、企業・団体献金規制は両党の隔たりが大きく、妥協点を探る話し合いを続けるとのことです。




2.ネットでは賛否両論


この維新の要望について、ネットでは賛否が分かれています。

ざっと拾って整理すると次の通りです。
〇肯定的・支持派
・「維新の要望メモが素晴らしい。保守色が強く、皇室の男系継承や外国人土地取得規制も入ってる。外国人受け入れゼロじゃないのが少し気になるが、全体として価値あり」
・「維新は公約の2本柱(社会保険料下げ、副首都構想)を自民にしっかり要求すべき。連立でもこれを実現すれば本物」
・「政策メモは野党の要求書じゃなく、政権作りの覚悟表明。教育無償化や献金廃止は耳触りいいが、本気でやるなら自民が変わるチャンス」
・「藤田代表の会見見て、連立成功のための技術的詰めをしてる感じ。12項目はハードだが、維新の改革志向が光る」
・「維新の執行部が自民協議を一任。反対意見ほとんどなし。政策実現へ前進」

〇批判・懸念派
・「維新と自民のメモは恐ろしい。憲法改悪、大軍拡、スパイ法で言論束縛、医療崩壊、原発推進。国民の暮らしより戦争優先か」
・「自民は企業献金禁止を受け入れないはず。維新が譲歩したら理念崩壊。連立で不透明ごまかしになる」
・「政策もイデオロギーも違うのに数合わせ連立? 政権運営不能で日本経済終わる。維新支持者もおかしい」
・「維新は自公延命の連立に入るな。国民民主が法案出しても引き伸ばす維新の方が怖い」
・「要望メモの問題点多すぎ。財源不明、憲法抵触、外国人排除トーン。選挙向けパフォーマンス」

〇中立的・分析派
・「維新は高市政権で手取り増政策前進。高市がノーマークで実現したのは幸運」
・「自民と維新の連立交渉に壁。副首都構想は自民内で火種、公明も難色」
・「維新支持者が『国民民主が献金禁止やれ』って言うの頓珍漢。自分らが自民に求めろ」
全体としてはやや肯定が多い印象ですけれども、維新支持層は「政策実現のチャンス」と歓迎する一方、非支持層は「自民寄りの妥協で維新らしさ失う」と警戒している模様です。


3.小林鷹之政調会長のぶら下がり会見


では、実際に要望を受けた側の自民の反応はどうかというと、日本維新の会との政策協議後、自民党の小林鷹之政調会長が記者のぶら下がり会見を受けています。

その質疑の内容は次の通りです。
ーー日本維新の会との政策協議で、維新側が重視する副首都構想や社会保障改革などの具体的な項目、政治改革についての言及はありましたか。それに対し、自民党側はどのように応じましたか。今後の方向性が示された点があれば教えてください。(フジテレビ)

小林鷹之政調会長:
現時点ですべて合意に至ったというわけではございませんので、具体的なコメントは控えます。今日の会合は、先般の高市総裁から藤田代表への連立呼びかけの流れにあるもので、維新側から政策合意に向けた提案が示され、それを伺いました。

国内外を取り巻く情勢が非常に厳しいという認識。国家国民のため、一日も早く、スピーディーに必要な政策をお届けすることが公党の責任であるという問題意識を共有しました。

憲法、皇統のあり方、外交・安保、エネルギーなど、国家運営の軸となる基盤となる政策について、基本的なところは一致していることを確認しました。

具体的な話をし、十分に理解できるところ、合意できるところも多くありましたが、引き続き協議・すり合わせが必要な部分も残っており、これからも両党間で鋭意協議を進めていきます。

ーー具体的には、食品の消費税2年間ゼロや企業・団体献金の廃止なども維新から提案されましたか。ネックになっている政策があれば教えてください。(NHK)

小林鷹之政調会長:
様々な論点が示されましたが、引き続き丁寧に詰めていく論点がいくつかあります。現時点では個々の具体的な論点についてコメントは控えさせていただきます。

ーー次回の協議の日程は決まっていますか。(NHK)

小林鷹之政調会長:
国会の召集まで時間がないため、近々再び協議をしようという話になっています。できるだけオープンな場でしっかり協議をしていくことになりました。

ーー多くの論点で合意があったとのことですが、「大筋合意」という認識でいるのでしょうか。また、次回で正式な合意にこぎつけたい考えですか。(朝日新聞)

小林鷹之政調会長:
国会召集まで時間が限られているため、できるだけ早く合意に至れればという思いで真摯に向き合う必要があります。ただし、相手のあることなので、明日必ず合意に至るかは言えません。

ーー役員会で高市総裁に一任が合意されたことはありますか。(日本テレビ)

小林鷹之政調会長:高市総裁に他党との交渉の在り方については一任をするという合意が役員会でなされました。

ーー企業・団体献金の在り方について、具体的な協議内容を教えていただけますか。(毎日新聞)

小林鷹之政調会長:
現時点において個々の具体的な論点についてコメントは控えさせていただきます。ただ、全体として非常にお互い共通の理解を得られるところが多かったということだけ申し上げておきたいと思います。

ーー国会議員定数の1割削減要求を含め、全て高市総裁に一任されたのでしょうか。(時事通信)

小林鷹之政調会長:
今の役員会では個々の論点について議論したわけではありませんが、時間のない状況において、他党との協議については基本的に総裁に一任していこうという幅広い合意があったと理解しています。

ーー12項目あるとされる政策全てで合意することが難しくても、小さな差があっても連立は可能とお考えですか。(テレビ朝日)

小林鷹之政調会長:
それは総裁一任ということですから、最後は総裁のご判断になるとは思っています。できる限り両党の間で合意に至れるよう、限られた日数で真摯に向き合っていくことに尽きます。
小林政調会長の話を聞く限り、割と共通の認識が持てた箇所が多い印象です。筆者は遠からず大筋合意に至るのではないかと思いました。




4.実行するなら一緒に責任持ってください


維新に出し抜かれた形の国民民主の玉木代表は維新に対して「二枚舌だ」などと批判していますけれども、当然ながら維新側も反論しています。

10月16日、日本維新の会の吉村洋文代表が16日、カンテレ「旬感LIVE とれたてっ!」に生出演し、連立協議を巡る国民民主党の玉木雄一郎代表の発言について次のように述べています。
キャスター:
そして一方で、国民民主党の玉木代表が昨日このようなことを述べているんです。こちら。はい。あの自身のYouTubeの生配信で、「維新が加わるなら我々が自民との連立に加わる必要もなくなった」。「二枚舌みたいな感じで残念。出し抜いたりしたりするみたいなことはやめた方がいい」と、かなり強い言葉で批判をしていますが。まずこれはご存知でしたか?

吉村代表:
はい。あのニュースで見ました。あ、直接は見てないですけど。でも僕は逆に玉木さんらしくないなっていう風に思いますね。あのつまり、あの他を批判するよりは、うん、どうやって自分の党の政策、そしてそれを信じてくれた有権者の皆さん、公約を実現するかっていうとこに力を入れた方がいいと思うんですよ。だからあまり他責思考より、自分たちが責任を持ってどう実行するのかっていうのを僕はやった方がいいと思います。で、ここにあるんですけど、実は自民と維新を足しても過半数にはいかないんですよ。衆議も参議も。そしたら国民民主党も、あの年収の壁とか多くの有権者の方が期待してるから、ここは僕が逆に玉木さんの立場だったらチャンスだと捉えますね。うん。

で、であの、実際に昨日会談を玉木さんと高市さんがやったんですけど、高市さんはあの玉木さんに対して、「あの実行していきましょう」と。「で、実行するなら一緒に責任持ってください」っていう風に提案したらしいんですよね。うん。はい。それだったら、もし僕だったら一緒に責任って、実行する方に、あの実行して公約実行する方に動きます。だって自己実現するのがやっぱり大切なことだし。

ま、それは総理になれないかもしれないけれど、でも公約は実現できるわけです。維新と自民足してもできないから、じゃあ僕たちもやると。責任を持って実行すると。言うだけじゃなくて、自民党にやってくれと要求するだけじゃなくて、自分も責任を持って実行しますっていうのが僕は責任のあり方じゃないかなって思うので。ちょっと玉木さんらしくないなと思いますね。

質問者:
これね、あの「二枚舌」ってかなりこう強い表現だと思います。政治家として「二枚舌みたいな感じで」と言われて、単純にこう腹が立ちませんか?

吉村代表:
腹は立たないですね。うん。むしろ、あの政治家同士で言い合ったって仕方がないので。僕は僕は。だから我々は当然我々を信じてあの投票してくれた人もいるし。で、我々もあの国家として本質的に必要だっていうことを信念を持ってやってるし。だからそれを、まあ、少なくとも実現できるんだったら、責任やリスクを負ってでもチャレンジして実行すべきだっていうのが考え方です。僕は知事職として少なくともそれをやってきました。言うだけじゃなくて。なので、逆に腹は立たないですけど、玉木さんもまだ自民維新足しても足らないんだから、いや、ここはチャンスと見て、あの自分たちの政策責任を一緒に負いましょうと。うん。だから実現しますというべきで、僕は思って。「二枚舌だから残念」とか僕はそういう発想にはならないですね。

キャスター:
今のはラブコールっていう意味ですかね。こう自民と一緒にこう連立する方に、是非国民も来てほしいっていう。

吉村代表:ま、あの連立、ま、連立決めたわけじゃなくて、さにこの政策を協議中なので、まだ僕らも分かりません。でも、あの、それだとて過半数いかないので。うん。だから僕は玉木さんも、ここは「二枚舌」だとか「維新が出し抜く」とかそんなんではなくて、うん、どうやって実現するのかっていう方向に力を注いだ方がいいし、それできると思うんですけど、それやらない理由が分からないですね。それやらなかったら「総理大臣になりたかっただけなの?」っていう風に思われちゃうんじゃないかな。逆にそれは玉木さんにとっても良くないことだと僕は思います。
吉村代表の主張の方が正論に聞こえます。国民が望む政策を実現するという意味では、連立入りは絶好のチャンスですから。

吉村代表によれば、自民と国民民主の党首会談で、高市総裁が「実行するなら一緒に責任持ってください」と玉木代表に提案したとのことです。おそらくそれができるための財務省なり、何なりのポストを用意していたのかもしれません。

「対決より解決」と謳っている国民民主であれば、二枚舌だなんだといってないで、解決優先で動いてしかるべきと思います。

ただ、吉村代表がいうように、自民と維新を足してもまだ過半数には達しません。今が連立に入る最後のチャンスの時ではないかと思いますね。





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