議席削減は公明への復讐

今日はこの話題です。
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1.議席削減は公明への復讐


今回、自民が定数削減を受け入れる方向に動いていることについて、政争の一つであるという指摘があります。

10月18日、ジャーナリストの門田隆将氏は自身の動画チャンネルで、次の様に述べています。
【前略】

そんな議員削減なんて「なめるなよ」という意見が、自民党のある勢力から私のところにも連絡が来ました。「付け上がるんじゃないよ、維新」ということで、ものすごいものでした。

しかし、これが政争、この戦なわけですから、これは大変な戦が今行われているのだな、ということがこの「なめるなよ」の一言の中に2つの意味が込められている。

一つは、「こんなことまで言い出しやがって、なめるなよ」ということで怒っている勢力が今自民党の中にいます。 しかし、全く逆にこれを歓迎している勢力もいるんです。今の主流派です。なんと、今の主流派、高市さんを支えようという主流派の中には「なめるなよ」と、誰に対して?維新じゃない、公明党に対して「なめるなよ」ということを言っている人たちが今の主流の中にいます。

私、昨日両方から連絡を受けまして、これは皆さんにお伝えしなければいけないなと思って、これを撮っております。どういうことかというと、もう連立離脱してから1週間近く経ってきました。公明党の連立離脱に対して、これは政治改革の企業・団体献金が取ってつけたものであって、本当に先に連立離脱が結論にあって、後からくっつけたものであるということは、今までの動画を見てくださっている皆様にはもうお分かりと思いますので、改めて説明はしません。

公明党はこの「高市政権なら連立離脱する」ということをやってきたわけですよね。そうすると、そのことがだんだん、公明党がそういうことで、小泉政権ならOK、高市政権ならダメ、連立から離脱するというのがもう分かったものですから、「なめんじゃねえよ」となっているわけです。

それは何かと言いますと、今回の12項目のうちの12番目、さらに最後から2つ目にある「議員定数1割削減」。これが最後に維新が言い出してきたのは、これは公明党が致命的な打撃を受けるからです。

皆さん、これちょっと見て欲しいんですが、衆議院は定数が465人です。うち比例は176人おります。これが全国11ブロックに分かれております。「定数1割減」というのは、この比例を減らすということです。そうすると、465人の定数の1割というのは46.5人になりますよね。中途半端なので46人とします。比例は176人います。ここから46人を減らすと130人になります。これは74%、要するに26%分減るということでございます。比例が。

そうすると、この比例を176人から46人に減らすということは、どこが打撃を受けるのでしょう?

ここで重要なことが、今の自民党・公明党は、昨年、比例で20人、小選挙区で4人です。この4人は、小選挙区は自民党の支援で通っていますから、自民党から対抗馬は出ていません。自民党が一所懸命一緒になってやったのでこの4人は確保されていますが、連立離脱した後は、これは自民党が出してきますから、この4人が勝つ見込みはありません。斉藤鉄夫さんも含めてありません。これ(小選挙区の議席)はなくなります。そうすると今度、この比例の20人にも打撃を与えるというのがこの案です。74%(0.74)を20人にかけると約14人になるということです。公明党は一時期40人を超え、すごい勢力を誇っていましたが、この案が成立すると14人になるということです。

これが政権連立を離脱するということです。あれほどのことをまでやってきて、「高市政権の樹立は許さない」ということで、「次の国会、すなわち来週火曜日の首班指名選挙の後、そこからは戻る可能性がありますよ」と、あからさまに「高市政権のうちは協力はしない、離脱する」ということを言った公明党に対して「なめるなよ」ということなんです。

皆さん、政治というのは戦いであるということを何度もこのチャンネルでも言わせてもらいましたが、この定数削減で**「維新をなめとんのか」**という、元の主流派、今の非主流派の人たちが反発しました。それが昨日、私のところに何本も連絡が来ておりました。

一方、今の主流派にしてみたら、そんな一方的な方法で連立離脱した公明党のことを一切考慮に入れる必要がなくなったわけですよね。ここへこの維新が「定数1割削減」という最後から2番目のやつを「これを受け入れないと連立に入りませんよ」というのが来たわけです。そして高市さんは「受け入れます」と言ったんです。

これすごいですね、皆さん。ものすごい戦いが今、この政局で繰り広げられているわけです。連立を離脱する。もう国務大臣のポストも手放しました。連立から離脱するということは、大臣、副大臣、政務官の政務三役からも一切排除されるということです。斉藤鉄夫さん、公明党・創価学会が自ら選んだこととはいえ、これは大変な事態になってきましたね。

私、昨日、夜、この高市総裁がこれを受け入れる方針が流れた時に、「まあ、すごい戦いになってきたな」と、この維新の1割削減を受け入れるというのは本当にすごいものだな、と。「うわ、怖っ」という感じで、権力を争うこの戦いというのは本当にすごいものだなと思って、皆さんにこの背景というものを是非知って欲しいと思って、それでご報告した次第でございます。

【以下略】
なんと、定員減によって少数政党が打撃を受けることを承知の上で、高市政権の樹立を邪魔する公明党への報復の意味合いがあるというのですね。怖い世界です。




2.うちへの宣戦布告だ


前述した門田氏の定数削減受け入れは公明への報復説について、当の公明はどう思っているのかというと、やはり報復だと受け取っているようです。

10月17日、公明党の斉藤鉄夫代表は立憲民主党の野田佳彦代表と党首会談を行った際、この話題に降れ、斎藤、野田両氏は「企業・団体献金の議論が進まないから、定数削減の議論に持っていくのはすり替えだ」との認識で一致したとのことです。

公明関係者は「完全にうちへの宣戦布告だ。全面戦争になる」と語気を強め、「国政だけでなく、地方選挙での協力も全て引き揚げる可能性がある」と言及しているようです。

自民党内からは「公明が野党に近づき、野党に票を入れるとなれば相当苦しい」と述べているようですけれども、公明は比例の議席が多いですし、選挙区でも対抗馬を立てられるとなると、下手をすれば壊滅的被害を受ける可能性も考えられなくもありません。

同じ話は他の少数野党にも言えます。共産党の田村智子委員長と社民党の福島瑞穂党首も国会内で会談し、定数削減などに反対することで一致。福島氏は会談後、「国会議員の定数を減らそうという議論があるが、多様な民意を反映することができなくなる」などとコメントしています。


3.国民民主党はもう来ないと思う


こうなると、つくづく、公明の連立離脱と維新の自民接近が大きなポイントになっていたと思わずにいられません。

自民は公明が連立を離脱すると直ぐ、維新へのアプローチを掛けていました。

公明党の連立政権離脱表明から一夜明けた11日、高市総裁は、日本維新の会の遠藤敬国会対策委員長に電話を入れ、「国民民主党はもう来ないと思う。協力してほしい」と伝えたのだそうです。

どういう情報を得ていたのかも分かりませんけれども、この段階で、国民民主がこないと見切られていたとすると、高市総裁はそれくらいのスピード感で動いていたことになります。

それを考えると国民民主の玉木代表の動きは非常に鈍いといえ、大チャンスを逃がしつつあるといわざるを得ません。

玉木代表についての評価は、今や絶賛下降中です、

作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏は玉木代表について次の様に述べています。
国民民主党の玉木雄一郎代表は、とてもナイーヴな人なのだと思いました。

【中略】

日本の最高権力者になるかどうかがかかった真剣勝負です。二枚舌でも三枚舌でも、なりふり構わず権力を取ろうとするのが、天下人を目指す政治家のあり方と思います。立憲が国民に権力を渡そうとして開けた機会の窓を玉木氏のこだわりがつぶしてしまいました。

玉木氏のようなナイーヴな人が首相になった場合、トランプ米大統領やプーチン・ロシア大統領などと、外交的駆け引きができるであろうかと心配になってきます。
また、政治社会学者で明治学院大学国際平和研究所研究員の木下ちがや氏は次のように述べています。
立憲民主党の首班指名の提案を拒み続けた玉木代表の判断には、ネット世論が少なからぬ影響を与えていると思われる。この間、国民民主党の支持者かどうかもわからない、さらにいえば国内のものかもわからないインフルエンサーや無数のアカウントが、立憲との協議を徹底批判していた。

また、玉木代表は夜な夜なユーチューブで自分語りをやり、その映像や発言が切り取られ、ワイドショーなどでも取り上げられていた。玉木代表がネット世論を誘導しているのか、それともネット世論が玉木代表を誘導しているのかが、もはやわからない融合ぶりである。

かつてのほぼ、すべての交渉が水面下でおこなわれていた連立協議ではありえない光景である。ポピュリズムは選挙だけではなく、政党間交渉にも影響を及ぼすようになっている。

本日、国民民主党は公明党と協議し、連携の強化を確認した。それに対して国民民主党の支持者かどうかもわからない、さらにいえば国内のものかもわからないインフルエンサーや無数のアカウントが、公明党との連携の徹底批判を開始した。「公明党と組む国民民主党はサヨク」「媚中公明党と組んだ玉木は終わりだ」。玉木代表はこうした声にも反応してしまうのだろうか。

国民民主党が全ての政党を敵に回し、一切の妥協なき政党をめざすならば、この熱量の高いネット世論を追い風にすればいいだろう。だが、多党化状況のなかで多数派を形成していくポリティクスに加わるならば、こうしたネット世論と党の戦略が軋轢を生む場面がこれからも増えていく。

どうもいまの国民民主党をみていると、ネット世論が政治的選択肢の幅を狭めているようにしかみえない。総選挙、参院選における国民民主党の躍進は「ネットどぶ板」に支えられたといっていい。だが適切に組織化されていない、正体不明の砂のような世論に縛られつづけることで、国民民主党は責任ある政党としての資格を失っていきはしないだろうか。
玉木代表のナイーブさがチャンスをフイにして、ネット世論に縛られた国民民主の将来は明るくないかもしれないというのですね。

6月5日のエントリー「国民民主は役割を終えたか」で、筆者は「山尾しおり騒動」で国民民主が支持を落としたことを取り上げましたけれども、前述の木下ちがや氏が指摘するように、ネット世論に左右される国民民主はそのうち身動きできなくなってくるのではないかという気がしてきます。


4.連合の声を優先した玉木


玉木代表について、ジャーナリストの三枝玄太郎氏は10月17日の自身のチャンネルで次のように述べています。
【前略】

はい、こういうわけで、玉木さんは、皆さんが国民民主党を支持した皆さんの声よりも、もうこれは連合の声を優先したと断じざるを得ません。

まあ、これはね、もうだから言わんこっちゃないっていう話ですよ。もうちょっと僕はね、頭に来るやら、失望するやら、笑っちゃうやら、がっかりするやらで、昨日は一番忙しい一日となりましたけどね。どうですか皆さん、これ国民民主党にこれね、政治を変える力あると思いますか?せっかく皆さんが力を与えたのに、その力を全然違う方向に使っちゃって、自らの利得のために使ったという風に思われても仕方がないんじゃないでしょうかね。これちょっと言い方厳しすぎるかもしれませんけれども、やっぱり国民民主党に対する期待が大きかっただけに、やはり次の戦、僕はちょっと国民民主党は大きなツケを払うことになるんじゃないのかなと思います。

【中略】

これは今後どうなるかということについては、僕はもうここまで来た以上はね、高市さんと、もう勝利は捨てて連立を組むべきだと僕は思いますけど。おそらくこれからオールドメディアは政治と金、相変わらず企業団体献金の廃止、こればっかり言ってきてね、とにかく高市さんに不利な方向ばっかりバーッとやると思いますけど、僕は高市さんに対する期待というのはしぼまないと思っています。経済政策さえ方向性を間違えなければ、減税、ガソリン暫定税率の廃止、この辺着々とやっていけば、僕は高市さんに風が吹くと思います。

玉木さんは何なのかな、あの年収の壁を引き上げることには反対なんですかね。玉木さんね、なんか急に政治と金って言い出しちゃいましたけど、大丈夫なんでしょうかね。

【以下略】
三枝氏によると、国民民主の支持母体の連合が足を引っ張っているとのことですけれども、それを引き剥がして切り捨てる決断が出来なかったのが、維新との明暗を分けたような気がします。

ともあれ、自維接近によって高市総裁の首班指名の可能性が高まってきましたけれども、世間の雰囲気も高市政権で固まってきたように思いますね。





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