高市人事と租税特別措置見直し担当大臣

今日はこの話題です。
画像

 ブログランキングに参加しています。よろしければ応援クリックお願いします。


2025-10-23-192500.jpg


1.高市政権凄いな


10月21日、木原稔新内閣官房長官から閣僚名簿が発表された後、宮中において内閣総理大臣の親任式及び国務大臣の認証式が行われ、高市内閣が発足しました。

この高市内閣について、嘉悦大の高橋洋一教授は、自身のチャンネルで次のように解説しています。
〇積極財政派の要所への集中配置
・高市氏は、自身の掲げる積極財政路線を推進するため、「責任ある積極財政を推進する議員連盟」(積極財政議連)の主要メンバーを要職に固めた。
・経済財政担当大臣に、積極財政議連の親玉(実質的なリーダー)である城内実氏を起用。城内氏は、経済財政諮問会議など重要な会議を仕切るため、この人事をもって「積極財政じゃないはずがない」。
・デジタル担当大臣に、責任ある積極財政を推進する議員連盟の共同代表である松本尚氏を起用。
・官房副長官に、財務省出身でありながら積極財政派である尾崎正直氏を起用。尾崎氏は、官邸の情報が全て集まるポストに位置し、財務省の動向を監視する役割を担う可能性を指摘。

〇財務大臣人事(片山さつき氏)の意図
・片山さつき氏と城内実氏には、郵政解散時の「刺客」と「造反組」という因縁がある。
・片山氏は元々財務省出身で均衡財政派と見られていたが、安倍政権下で「積極財政に転換した」と宣言している。
・この人事は、高市氏が「クビになる」というプレッシャーをかけることで、片山氏に積極財政路線を徹底させ、かつ、尾崎副長官による監視体制を敷くという周到に練られた人事である。

〇マスコミの報道姿勢への批判
・オールドメディアやテレビは「女性閣僚が少ない」など表面的な報道に終始しており、今回の人事に込められた「積極財政議連」のネットワークと真の狙いに全く気づいていない。
・財務省が嫌がるため、マスコミが積極財政議連への取材を避けてきた背景がある。

〇今後の展望
・積極財政派が要所を固めたことで、プライマリーバランスに関する議論などにおいて、城内氏が積極的に政策を推進することが期待できる。
・日銀の利上げについても、金融関係者から「ちょっと休みましょうか」という声が出始めるなど、高市内閣の発足により流れが変わりつつあると示唆。
高市内閣では、積極財政派で要所を固め、本気で積極財政をやる気だと高橋教授は解説しています。




2.片山さつき財務相就任会見


積極財政の要となる財務省ですけれども、21日、片山さつき新財務省が就任会見を行っています。その冒頭発言は次の通りです。
あの、冒頭ご挨拶と共に申し上げたいと思います。昨日付で、財務大臣、金融担当大臣、そして租税特別措置及び補助金見直し担当大臣を拝命いたしました、参議院議員の片山さつきです。

あの、本当に古巣に「出戻った」というご質問もあったようですが、まあ出戻りでもリターンでも何でもいいんですけれども、非常に懐かしく、昨日今日ですでに皆さんと楽しくお仕事をさせていただいておりますので、財務省の皆様、金融庁の皆様、ぜひよろしくお願い申し上げます。

昨日、高市総理からは、経済、財政、金融全般にわたって、10項目の指示を受けました。昨日、官邸のぶら下がり会見でもざっくりは申し上げたんですが、総理からのご指示について冒頭ご説明をさせていただきます。

高市総理からのご指示10項目:
1)「責任ある積極財政」の考え方に基づく経済財政運営を行い、我が国の課題を解決し、先端産業を開花させるための経済成長戦略を通じて、日本経済の力強い成長を実現すること。

2)経済財政再生計画に基づき、歳出・歳入両面からの改革を推進し、経済再生と財政健全化を両立すること。また、財政の短年度主義の弊害是正等に取り組むこと。

3)租税特別措置や補助金の見直しを推進すること。

4)デジタルを活用したEBPM(証拠に基づく政策立案)を推進し、効果的な予算配分、予算執行につなげること。

5)国や自治体の発注における適切な価格転嫁に向けた取り組みを推進すること。

6)対日直接投資審査を高度化する枠組みを検討すること。

7)貯蓄から投資への移行をさらに進めるとともに、企業統治の強化や資産運用の高度化等に取り組むこと。

8)地方創生、地域活性化の観点から、地域金融機関による金融仲介機能の一層の発揮と健全性の確保を期すこと。

9)公平・公正・透明な金融市場への適正化を図り、金融商品に対する信頼確保に努めること。

10)税と社会保障の一体改革、特に社会保険料負担で苦しむ低所得者対策としての給付付き税額控除の制度設計に着手すること。

この高市総理からのご指示を踏まえつつ、財政運営につきましては、「責任ある積極財政」の考え方に基づく経済財政運営を行って、力強く経済再生・日本再生を進めていく中で、財政健全化との両立を図ってまいりたいと考えております。

金融行政につきましては、資産運用立国の取り組みのさらなる発展、地域の活力を引き出すための金融仲介機能の強化、金融システムの安定や信頼の確保、これらに力を入れていきたいと考えております。

冒頭以上でございます。
非常に具体的な指示をうけての就任です。片山財務相はその後の記者質問に「財務省が目指すべきは、「財政の帳尻を合わせることだけ」ではなく、「成長する日本を将来に残すこと」であり、国民に理解・感謝されるような方向へマインドセットを変えていく必要がある」とも述べていて、これまでの財務省とはガラリとその姿を変えると意気込んでいるようにみえます。




3.非常に納得のいく布陣


10月22日、ネットチャンネル「ニッポンジャーナル」は、片山氏の財務相起用について、ジャーナリストの田北真樹子氏と経済アナリストの馬渕磨理子氏は次のように解説しています。
田北真樹子:
今回の組閣人事は、一部報道機関の社説などでは批判的な見方もあるようですが、中道から右派寄りの方々からすれば、非常に納得のいく布陣だと言えます。現政権に最も求められている経済政策においては、積極財政の理念を持つ人材が多く登用されています。特に片山さつき氏については、手腕に期待が寄せられます。彼女はかつて財務省の主計局に在籍していた経験から、財務省の説明の上手さに惑わされることなく、構造を理解した上で対応できるでしょう。彼女の肩書きは財務大臣の他に、「内閣府特命担当大臣(金融)」、そして「租税特別措置・補助金見直し担当」があります。この見直し担当というのは、増税に頼らずに歳出の無駄を洗い出し、財源を確保しようという意図があり、自民党と維新の会の連立政権合意書にも示されている方針を反映したものと考えられます。

馬渕磨理子:
私個人としては、財政規律を重視する姿勢が見える人事だと感じています。財務省の現実主義的な考え方とは異なるようですが、財政を大盤振る舞いするような人事ではないという点で、安心感もあります。一方で、かなり厳しい改革が予想されます。例えば、租税特別措置の見直しでは、賃上げ促進税制などの制度にメスが入り、いわゆる「日本版事業仕分け」のように、無駄なものにバサバサと切り込んでいくことが期待されます。ただ、経済全体を過度に締め付けないよう、バランスを取ってほしいとも思います。そうした手腕が期待できる実力者だと思います。
この中で馬淵氏は、「日本版事業仕分け」が行われるのではないかとの期待を述べていますけれども、これは自民と連立合意した維新が要請した項目です。

10月21日、日本維新の会の吉村洋文代表は、フジテレビ系の情報番組「サン!シャイン」に生出演し、次のように述べています。

吉村代表:あの我々は無駄な支出を抑えていこうというのが基本的にあるんです。歳出改革で、それは維新の会は僕たちやってきたので。
杉村太蔵:
今回の合意の中にも、そう、「政府効率化」を入れてくれたじゃないですか。

吉村代表:よく読まれてますね。

杉村太蔵:
あの、吉村さん、ちょいちょい馬鹿にしてますけど、一応一応読んできてますんで。で、あの、高額な補助金をね、とにかく見直すんだ、と。これは維新が今までやってきたことなので、これが自民党とくっつくとですね、さっき(ガソリン暫定税率廃止の財源として)1.5兆円は軽く出せるっていうのは、吉村さんのこの言葉はすごく今までやってきただけに重みがあるなと思うんですよね。

吉村代表:
いや、もう本当太蔵さんありがとうございます。これ気づいていただいて。あの「日本版DOJ(行政刷新)」、あの、つまりいろんな高額の補助金どんどん出されてるので、まあそういうのはもうやめていきましょうよ、というのも今回の合意に高市さんも入れてくれましたから。これはもうある意味我々として絶対やるべき。

キャスター:
ちなみに、あの、代表と言いますか、その日本版DOJはどなたが担当する?

吉村代表:
まあ、あの、それは、あの、橋本さんにお願いしたいです。(笑)いや、まあこれはちょっとあれですけど、でもそれちょっと冗談として置いといて、本気でこの日本版DOJ、つまりあの、政府効率化、アメリカでいうイーロン・マスクが最初ありましたけど。いろんな支出が出ているのがあるから、それをやっぱり出す(見直す)必要があると思ってるので、そういう(項目)もきちんと入ってます。ただあの、積極的に投資すべきところは投資すべきだし、子どもたちに投資するってのは僕も知事としてやってるし、だからそういう(支出)を僕全部禁止にするつもりはないんです。でもちゃんとおかしな支出はやめようよ、という。それで利益を得てる人から反発食らうと思いますけど、僕はそういった国家運営が必要だと思っています。
維新の要請でも連立合意の項目ですから、与党としてちゃんと取り組む義務が発生します。

これについては片山財務相もしっかり認識していて、就任会見の質疑で次のように答えています。
NHK:
すいません。NHKの竹内と申します。はい、どうもお世話になっております。よろしくお願いいたします。あの大臣今回あのポストとしてあの得あの租税特別措置見直し担当大臣も珍しいあの役のポストにも任命されました。あのこのの租税特別措置については野党内から、ま、ガソリン暫定税率の廃止とかですね、教育無償化の財源に使えるという指摘も多くありますが、この大臣のこの租特にあの大臣のあの認識というか、あの、ま、やっぱり効果がないものもあったり、え、役割を終えたものもあったりという風に考えて、え、いらっしゃるのかどうか、またその上でこう見直し担当大臣ということで直してくスピードとかスケジュール感を教えてください。

片山大臣:
これはあの私が担当をいただきました時にもあるいはあのその前にちょっと総理と電話でお話した時にもこの非常に重要な、え、私ども自民党と維新の会との連立ですね。ま、この中で一つ目玉でございますから。あちらさんもそれは党の面子をかけてこの連立に飛び込んでくださったわけですからね。ま、これを真剣に受け止めてきちっとやるってことは非常に信義の点から重要なことであるし、また本来、ま、あの、分かりやすいのは補助金の方ですけども、租税特別措置もその歳出が立つわけですから、あ、というか、入、歳入減が立つわけですから、ま、これが効果があったかなかったかとか、ま、無駄であるのかないのかってのは普段のチェックをするのはまさにこの役所の本来業務、本来業務でございますが、ま、それは今あの2000年以降はね、経済財政諮問会議がそうであるように内閣官房の方に立ててで、その担当大臣を片山さつき財務大臣にしてと、ま、そういうようなコンセプトが、ま、高市総理のお考えと今理解しておりますが、これ相手さんがあることなので、あの、慎重にね、かつ丁寧にお進めなければいけませんので、え、現時点で、え、そこまでが全部固まっているわけではないですけれども、私どもの真摯な姿勢は是非ご理解をいただきたいという風に思っております。

NHK:
あの、あれですよね。相手相手があるってのはそのそれ使ってる企業

片山大臣:
いや、あのこれ入った原因がその今般の自民党維新の会の連立にも盛り込まれてるっていうことが大きいので、ま、もちろん自民党の成長とも、ま、色々し、あの、色々と打ち合わせは必要ですけれども、閣議決定として下ろしてきてるってことは政府もかなきゃいけないんですが、その上であの首相作戦会議が新鮮から出てられますから遠藤同士がね、我々も非常に一緒をしておりますが、ま、そういった部分もあり、とにかくきめ細かくやらなきゃいけないしと考えております。

NHK:
子育て無償化、あの自分料理の無償化とかその事に活用していくっていう方向性とかについては大臣のは

片山大臣:
いや、ま、おそらくその財源につきまして今までの、え、色々な合意に書いてあるわけですから、あの、それも安定した財源って書いてあるわけですから、ま、これを探していく努力の中で当然そういうものは浮かんでくるわけですが、ま、現在において、え、これがまだ、え、ガソリンの方の協議は今日もやっていただいておるんですが固まったわけではないんですが、もうこれは早急にと総理がおっしゃってる以上はガソリンの方はそう、ま、遠くない将来にあの何らかの結論を得てやるということだと思うんですけれども、あのこちらにつきましてはそういうこともありますが、他にもやはりつけるべきところにはもう財政云々も言わずにがっちりつけて実際に経済を大きくしていくと危機管理投資と成長投資等でね、ということが総理の方針であって、ま、これをやるということのためには、ま、別の分野においても当然、ま、その歳出両面の改革が必要だから、あの、ここは必ずしもそこだけの1対1対応ではないでしょうが、ただ俎上に載せられてるものとしてはその暫定税率のまずガソリンの1兆円とそれから今総務省の方でお考えの0.5兆円と、それからさらにあの維新の会のえっと今度のえ、本予算で対応ですか約7000億。これはよく見えているのでそういうお話をされる方もいますが、ま、これに準備段階で必要だとかいろんなものが出てきますので、ま、その総額がまだ固まったわけではないし、そういうことも全部含めて、あの、やるんだったら意味のあるものにしなきゃいけないので、ま、今相談をしているというか、相談をし始めているという、こういう話ではないかと思います。
片山財務相は「連立にも盛り込まれてるっていうことが大きい」とはっきり述べています。まぁ維新を出汁に使っているのかもしれませんけれども、一応、大義名分はある訳です。




4.日本版DOGE案


果たして、片山財務相が「日本版DOGE」としてイーロンマスクばりの歳出削減をしてくれるかどうか分かりませんけれども、どこまで削減するネタというか予算があるのかは気になるところです。

これについて、今年3月、環境カウンセラーの室中善博氏が、「生成AIが提案する「日本版DOGE案」」という興味深い提案をしています。

その内容は次の通りです。
・アーノルド・トインビーは、文明の衰退は、内部の要因によって引き起こされると考えた。例えば、支配層が腐敗し、社会の矛盾が深まることによって、文明は内部から崩壊していく。このような状況下では、外部の侵略や自然災害などの新たなチャレンジに対して適切な対応が困難となり、文明は衰退の道を辿ることになるというのだ。

・2022年11月にChatGPTが発表されてから2年と数か月、この間に生成AIはさらに発展し続けている。レイ・カーツワイルの著書『シンギュラリティはより近く』では、AIなどのテクノロジーは指数関数的に進化し、2045年頃にシンギュラリティ(技術的特異点)が到来すると予測している。

・米国のトランプ政権下では政府効率化省(DOGE)を設置し、イーロン・マスクが采配を振るっている。マスク氏は、DOGEによって米国連邦予算を2兆ドル削減できると考えていると報じられている。

・生成AIに日本のDOGE案を考えてもらった。生成AIへのプロンプト(指示)=「日本DOGEのイーロンとして、徹底的に無駄を削減し、日本人に優しい日本人のための政策を提案して下さい。優先順位と対象コストを概算は?」

・生成AIが導いた結論
 +無駄な税金50兆円を削減し、日本人向けに使うべき!
 +外国人優遇政策を廃止し、日本人向けの政策に転換すれば、消費税ゼロや奨学金無償化が実現可能!
 +消費税をゼロにすることで、国民の負担を大幅に軽減!
 +エネルギー、防衛、福祉、経済の強靭化を推進!
 +教育、福祉、経済成長のための資金を確保し、日本の未来を強化!
 +脱炭素、外国人優遇、天下り、補助金の不正を廃止し、日本人が豊かになる国へ!
 +最初の1年で無駄な支出を削減し、2年目以降で税制改革・支援策を実施!
 +日本のために税金を使え!外国や利権に流すな!
 +既得権益層の抵抗を乗り越え、日本人に公平な国家を取り戻す必要がある!
 +無駄を削り、日本人が豊かになる改革を進める!
生成AIは実行スケジュールとして、最初の1年で無駄な支出を削減し、2年目以降で税制改革・支援策を実施と結論づけました。

人間関係や抵抗勢力等々を一切計算しないのなら、わずか3年でここまで出来るというのですね。本当にこれが実施できるのなら高市政権のうちにかなり、いや殆ど実現できてしまいそうです。

その為には、高市政権が短命にならないことが必須です。国民が望むことを行ってくれる政権は国民が支えていく。この当たり前のことが大事になってくると思いますね。




  twitterのフリーアイコン素材 (1).jpeg  SNS人物アイコン 3.jpeg  カサのピクトアイコン5 (1).jpeg  津波の無料アイコン3.jpeg  ビルのアイコン素材 その2.jpeg  

この記事へのコメント

  • 超神将軍•オーバーロード

    高市早苗総理の所信表明演説は分かりやすく、これから政権が国民の為に働いてくださる事を応援いたしたいですね。残念なのはその所信表明演説内での[冒涜しかやらない野次‼]には気分が壊されたものです。立憲民主党の議員だったから、逆に自分達の裏金問題はどうするのでしょうか•••マスコミが守ってくれるから等と言ってるならば[だからお前は阿呆なのだ‼]とか言いたいです
    2025年10月24日 16:42
  • 日比野庵

    超神将軍•オーバーロード様。 はじめまして。

    高市総理の所信表明、良かったですね。「始めに」と「結び」を合わせて12の項目の内、頭から3つが経済政策でした。

    これだけでも経済対策に力を入れることが分かります。経済あっての財政、経済が先にきてから財政。積極財政宣言と受け止めました。物価高対策に大きく紙幅を割いたことから、今国会ではこれがメインになるのでしょう。

    ただ、法案提出をすると断言したのは「ガソリン税の暫定税率廃止」のみ。現時点で目途がついているのがこれだからということなのかもしれません。

    あとは「地方と暮らしを守る」「外交・安全保障」にも力をいれています。簡潔な表現ながらも中身が詰まっている。余計な修辞はおろか、誰かの引用も、エピソードの紹介もない。それだけにストレートに響くものがあります。

    ひさびざに、まともな内閣がやってきた感がありますね。

    今後ともよろしくお願いいたします。
    2025年10月24日 21:36
  • 超神将軍•オーバーロード

    日比野庵様。返信ありがとう御座います。本日の貴方の書いた内容と、返信内の詳しい説明、感謝致します。こちらこそよろしくお願い致します
    2025年10月24日 22:17