
1.高市総理についての海外メディアの反応
高市総理誕生について海外メディアも取り扱っていますけれども、どうも「極右」だ的な報道がされているようです。
10月20日、アメリカCNNは「強硬保守派の高市早苗氏が日本初の女性リーダーに選出」という見出しをつけて報じました。
件の記事のポイントは次の通りです。
〇概要題名から「強硬な保守派」ですからね。余り好意的な取り上げ方はされていない印象です。
・強硬な保守派である高市早苗氏が火曜日(2025年10月21日更新の記事に基づけば)、国会で日本初の女性首相に選出された。
・政治と職場の両方で年配の男性が支配する日本にとって「画期的な瞬間」である。
・日本が深刻化する経済問題と分裂した政治に直面し、ドナルド・トランプ米大統領の来日を数日後に控える中での就任となった。
〇高市氏の人物像とキャリア
・64歳、ヘビーメタルドラマー、バイク愛好家。
・大阪近郊の奈良で育ち、政治家の家系ではない(父は自動車会社勤務、母は警察官)。
・政界入り前は、米国民主党の女性下院議員のもとでインターン、テレビコメンテーターを務めた。
・国会議員に9回当選。ジェンダー平等や人口問題など複数の閣僚ポスト、党政調会長、直近では経済安全保障担当大臣を歴任。
・英国初の女性首相「鉄の女」マーガレット・サッチャー氏のようになりたいと公言。
〇政策と政治的スタンス
・首相としての初の記者会見で、経済問題と日本の国益増進に重点を置くと表明。巨額の支出と減税を提唱(国内で懸念の声も)。
・暗殺された安倍晋三前首相の弟子であり、彼の保守主義の遺産を継承。
・日本の平和憲法の改正を支持。
・物議を醸す戦争慰霊碑を参拝したことがある。
・同性婚や、夫婦別姓を可能にする運動に反対。
〇外交・安全保障
・「いかなる犠牲を払ってでも日本の国益を守る」と発言。
・中国への強硬な姿勢など、日本の地域関係を複雑化させる可能性がある。
・トランプ大統領と会談予定、「日米関係を新たな高みに引き上げる」と表明。
〇国内外の反応と課題
・国内の課題はインフレと生活費の高騰(特に米の価格がほぼ倍増)。
・少子化、労働力人口の減少、高齢化。
・大量移民に対する国民の反発。
・10月初めに穏健派の候補者を破り自民党総裁に選出され、党の右傾化を示唆。
・自民党が過半数を失い、連立相手の公明党も失ったため、野党の日本維新の会と連携。
・スキャンダルに見舞われた自民党の国民の信頼回復と「党のブランドイメージ再構築」の役割を負う。
・新内閣には日本初の女性財務大臣(片山さつき氏)も誕生。
・中国外務省は「選挙結果を注視している」、韓国外務省報道官は「日本の新内閣」と協力継続を約束、と冷ややかな反応。
・近年の首相交代が相次ぐ中、「鉄の女」が政権維持のためには迅速に成果を上げる必要がある。
2.鉄の女
では、イギリスBBCだとどう報じているか。
21日、BBCは「高市早苗氏が日本初の女性首相として歴史に名を残す」という見出しで報じています。
件の記事の概要は次の通りです。
・高市早苗氏(64歳)が国会により日本の首相に選出され、日本史上初の女性首相となった。高市総理が「鉄の女」の異名を持つ、なんて巷で聞いたことがないのですけれども、多少センセーショナルに取り上げている感もありますし、維新の会が「右派の野党」となっているところは、筆者としてはやや意外な感じがしました。
・熱心な保守派であり、故マーガレット・サッチャー元英国首相の崇拝者で、「鉄の女」の異名を持つ。
・極めて保守的な見解で知られ、同性婚に反対するなど伝統的な政治的信条を持つ。
・生活費の高騰と国民の不満に悩む、日本経済が厳しい時期に就任。
・選挙資金スキャンダルなどにより失墜した、自民党に対する国民の信頼を再構築する必要がある。
・自民党の選挙で勝利した後、連立パートナーの公明党が支持を撤回し総裁への道が閉ざされかけたが、右派の野党である日本維新の会との土壇場での合意によって救われた。
・国家主義的な右派政治を警戒する韓国や、強硬派と見なされている中国との難しい関係に直面。
・最も重要な関係である米国との間では、来週のドナルド・トランプ大統領との会談という試練が迫っており、予測不能な米国政権と防衛費増額などの問題に対処する必要がある。
こちらの2021年のアンケートを元にした記事によれば、維新はほぼ中道となっています。筆者も維新は中道政党と捉えています。
まぁ、いずれにせよBBCも高市総理を右派とみているとしてよいかと思います。

3.日本を取り戻す
こうした高市総理=強硬保守という海外マスコミ報道に対し、ネットでは面白い動画が上がっていました。それは、BBCによる高市総理についてのインタビューで、静岡県立大学の竹下誠二郎教授が次のように答えています。
BBC:竹下教授は、思いっきり、BBCら西側メディアについて、非常に左寄りな日本のメディア報道をそのままコピーしていると指摘した上で、高市総理は、日本を正常に戻そうとしているだけだと述べています。
高市首相の下で日本はどう変わると思いますか? 彼女が初の女性首相であることはどれほど重要ですか?
静岡県立大学 竹下教授:
人々は彼女を『初の女性首相』として描いていますが、『初の右翼女性首相』『右翼』と強調する報道が多いですね。西側メディアの多くは、日本のメディアの報道をそのままコピーしていると思いますが、日本のメディアは非常に左寄りです。彼女が主張し、実行しようとしている政策のすべては、過度に親中・左翼寄りの動きを正常化しようとするもので、彼女はただそれを正常な状態に戻そうとしているだけです。だから、例えばヨーロッパで見られるような極右の領域に彼女がいるようには感じません。むしろ、とてもポジティブに受け止めています。株価が急騰しているのを見ればわかりますが、彼女の政策は非常に明確です。財政拡大政策で経済を活性化し、物事を成し遂げるというものです。閣僚を見てください。彼女は文字通り『オールジャパン』を志向しています。これは、過去の首相が自派閥の既得権益を優先したのとは全く異なります。だから、政策をもう少し中立的な目で見るべきだと思います。
BBC:
彼女は米国や特にトランプ大統領とどう対処すると思いますか?
静岡県立大学 竹下教授:
誰がそれにどう対処するかはわかりませんが、明らかに彼女は安倍氏の政策の擁護者です。日本はトランプ政権と非常に友好的でした。ただ、トランプ政権の予測不能な点は、それが完全に予測不能だということです。だから、彼女は強力な右腕となる人材を必要とし、それを閣僚で作っています。茂木氏や林氏のような経験豊富な人々、そして首相就任を争ったライバルたちを起用しています。派閥のメンバーにおこぼれを垂れるのではなく、『オールジャパン』を選んだ点で、内閣内の支持基盤はかなり強固です。中国問題についても、日本はこれら二つの大国に挟まれており、彼女は正常な状態に戻そうとしています。多くの人が彼女を右翼と描くかもしれませんが、それは例えば石破氏の政権と比較してのことです。石破政権は私の意見では、中国に対して骨なし・背骨なしの政策で、例えばスパイ防止法を制定しないなど、先進国で日本だけが持っていない法律です。これは驚くべき負の遺産です。彼女はただ、近隣国、特に中国からの脅威に対抗するために、正常化しようとしているだけです。
BBC:
彼女自身の人柄については?
静岡県立大学 竹下教授:
彼女は明らかにこのマンデート(信任)を得ました。興味深い個人的なバックグラウンドがあります。元ヘビメタドラマーで、スキューバダイバー、車好きで、テレビ業界でも働いていました。とても魅力的な人物です。閣僚の選択も面白いですよ。経済安全保障担当は元ボクサーで、マンチェスター大学卒の人です。小野田さんも含め、本当に興味深い選択をしています。
かつて、安倍元総理は「日本を取り戻す」というキャッチフレーズを使ったことがありますけれども、「岸波」政権で左に寄りまくった日本を、高市総理がもう一度「日本を取り戻す」ということになる予感がしています。
4.高市新総理誕生が国益となる理由
高市総理の誕生は海外でも驚きを持って迎えられていると述べているのが、自民党の青山繁晴参院議員です。
青山議員は22日、自身のチャンネルで「高市新総理誕生が国益となる理由」という動画を上げています。
件の動画のポイントは次の通りです。
〇高市総理誕生への海外の反応と国益なるほど、高市総理という存在が誕生しただけで、日本に対する偏見を吹き飛ばし、金額に換算できないほどの国益をもたらしたというのですね。
・高市総理誕生は海外に「驚き」をもって受け止められている。
・知日派に限らず、多くの海外の人々は「日本でアメリカより先に女性のトップリーダーが出るのか」と驚いている。
・海外のメディアは「日本人がガラスの天井を粉々に砕いた」と表現する向きもある。
・女性初の総理誕生は「ものすごい国益」になっている。
〇皇位継承問題と国際的な誤解
・最大の国益の根源は「皇位」、つまり天皇陛下のご存在にまつわる国際的な偏見・誤解の解消である。
・今まで男系男子一系で続けてきたことが、国連の場などで「日本は女性差別国だ」と徹底的に攻撃されてきた。
・実際には女性天皇は8人10代いらっしゃるが、父方で継承を続けるため女性天皇は皇室典範上の制限によりご成婚・ご出産が困難であった、という制限があったと考えるべきで、現代にこれを当てはめることはできない。
・「男系」という言葉自体を変える必要があるが、皇位継承に関する誤解は国連を通じて社会に広められ、特に「日本が好きでない日本の方々」によって助長され、他国に利用されてきたという深刻な問題がある。
・この偏見を解消しようと、男系・母系などの比較をストレートに説明しても、国際的な誤解は根強かった。
〇女性総理誕生の「一撃」による効果
・アメリカでカマラ・ハリス氏やヒラリー・クリントン氏が苦労しても達成できなかった女性トップリーダーの座を、日本が達成した。
・これによって、国内で女性閣僚の人数が少ないなどと議論されるレベルではない、「国内だけで見ていては分からないぐらいの国益」が、高市総理誕生という「一撃」で生まれた。
・天皇陛下の存在は世界的に知られているため、皇位継承に関する偏見は広めやすかった。
・しかし、天皇陛下の認証式で総理大臣に任命されたのがロングドレス姿の女性であるという事実は、海外に大きなインパクトを与えた。
・この外交効果は、努力で変えられなかった偏見を一撃で吹き飛ばし、金額に換算できないほどの国益(100兆円、1000兆円?)をもたらした。
・高市総理が「女性」を売りにしていない点も評価されている。
〇維新の会との連携と国際基準
・維新の会は皇位継承に関して、養子縁組を可能とする男系継承で一致している。
・しかし、天皇陛下の存在に対する敬意については、一部の首長の言動もあり、しっかり考える必要がある。
・維新の会が主張する「国際基準」への是正(例:陸上自衛隊一等陸佐をColonel(大佐)と呼ぶ、海上自衛隊をJapanese Navyと呼ぶなど)は、自衛隊の地位を国際的に向上させる上で重要。
・自公連立政権下では公明党との関係でこれらの議論が表に出なかったが、維新の会はこれを主張しており、自公連立とは違う「国際基準」への転換を期待できる。
それでも青山議員は別の動画で、欧州メディアの反応について次のように述べています。
青山繁晴:青山議員は前述の竹下教授と同じく、高市総理は「本来の日本」を目指すものであって、極右政権でもトランプ政権とも違うと述べています。
世界にとっても次の日本の総理は小泉っていう人らしいと。それでお父さん有名だったから、「あ、あれの息子か。日本とやっぱ切なんだな」っていうね。僕の知り合いもそういう反応が多かったんだけど、高市さんが、え、まずは新総裁になりました。で、今現在、世界の反応はどんな感じだと思ってますか。
アシスタント:
やっぱり日本初の女性の総裁というのはインパクトが大きいのかなと思ったんですか。
青山繁晴:
いや、それはすごく効いてるね。うん。あの、想像以上に。例えば皇位継承の問題にも絡んで。「あれ、違うじゃないか」と。日本はむしろアメリカより先に、いわゆる「ガラスの天井を破った」という意味では、すごく大きな反響があります。
青山繁晴:
うん。でも同時に、ヨーロッパではその最近入りの「極右政権と同じじゃないか」とか。アメリカだと「トランプ政権と全く同じじゃないか」と。それは全く違うと私は言ってるんです。
青山繁晴:
高市さんが目指したものは「本来の日本」で、「本来の日本」っていうのはあくまで「国際法に則って」の話なので。ま、トランプさんは国際社会と対立が多いけれども、今も大きな力を発揮されてるけども、しかし「全然違います」ということを私は言ってます。
けれども、CNNやBBCのように高市政権=極右政権と捉えるのがデフォルトなのであれば、今後、高市総理は、こうした左翼メディアとの戦いは避けて通れないと腹をくくるしかないと思いますね。
この記事へのコメント
超神将軍•オーバーロード
日比野庵
最初、筆者は、石破政権で自民岩盤保守層が逃げ出したことで、流石に拙いと反省して、自民議員達が一致団結して高市氏を担ぎ上げるのではないかと思っていました。
ところが、総裁選での見苦しい高市虐めを目の当たりにして、正直幻滅した部分もあったんですね。マトモなのは党員の方だった。今回はかろうじて、党員のマトモさが議員を上回ったからこその高市総理・総裁なのですけれども、筆者は高市政権の次は大丈夫なのかと心配になります。
願わくば、高市政権が長期政権になって、次世代保守を大量に生み出さなければ厳しい。参政党の神谷代表が自民は左右に分かれると述べていましたけれども、今はそちらの方が国民にとってもよいのではないかとさえ考えてしまいます。
今後ともよろしくお願いいたします。
naga
他国に特殊部隊を入れてビンラディン殺害したのは安陪氏を右翼と思って意地悪していたオバマ政権だし。安部元首相は日本人を拉致している北朝鮮の要人さえ殺害していないよ。
本当にマスコミはいい加減にしてほしい。
日比野庵
左からみれば真ん中から向こうはみな極右。そんな標語があったかどうか知りませんけど、サヨクがどんどん自分で左にいってしまっているから、過去の中道がいまや極右と言われる始末。世界は反グローバリズムが台頭してきてますども、要するに、売国と愛国の対立。
愛国リベラルもいる筈ですけれども、彼らの声はかき消されて聞こえてこない。マスコミの高市総理叩きも酷いを通り越しています。自分で自分の首を絞めていることを分からないのでしょうかね・
今後ともよろしくお願いいたします。