高市・トランプ会談の成果と欧米メディア

今日はこの話題です。
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1.高市・トランプ会談を欧米メディアはどう評価したか


10月28日、高市総理は、アメリカのトランプ大統領と日米首脳会談を行いました。その内容については、こちらの外務省のサイトに上がっていますけれども、国内世論では大成功だったと評されています。

では、海外ではどう受け止められているのか。

これについて10月30日、JBPress誌は在米ジャーナリストの高濱賛氏の「高市・トランプ会談を欧米メディアはどう評価したか」という寄稿記事を掲載しています。

件の記事の要点は次の通りです。
〇高市首相とトランプ大統領の首脳会談
・ 「ディール外交」「数値目標」を前面に出してきたトランプ大統領は、今回の会談では「借りてきた猫のように神妙な面持ちだった」と評された。
・高市首相が冒頭の挨拶で、トランプ氏の国際紛争仲介への貢献を褒めちぎったことが功を奏した。
・トランプ氏は高市氏に対し、「日本を支援するためにできることがあれば、いつでも知らせてほしい。必ず応える」とまで述べ、故・安倍元首相から話を聞いていたことに触れ「あなたは偉大な首相になるだろう」と述べた。

〇欧米メディアの評価
・欧米メディアは、この首脳会談を総じて「象徴的には成功」かつ「戦略的には前向きなスタート」と評価した。
・ポジティブな評価:
 +フィナンシャルタイムズ紙:両首脳の「新たな黄金時代を迎える」発言
 +AP通信:トランプ氏の「この同盟こそが強さの極み」発言
 +ワシントンポスト紙:レアアース・重要鉱物のサプライチェーン協力合意は、「中国に対抗する戦略的パートナーシップを深化させた動き」
・懸念点
 +英ガーディアン紙:防衛費や貿易・投資といった具体的負担が日本側に問われる
 +英ロイター通信:具体的な数値やスケジュールの不明瞭さ: 会談内容の具体性に欠け、日本政府が米側の期待に応えられるかを見極める必要がある。
 +並存する2つのリスク::「日本の実行力への懸念」と「トランプ政権自体の変動性や要求型外交スタイル」。

〇安倍元首相と高市氏の役割
・トランプ氏にとって日本は「安倍晋三の国」であり、安倍元首相は初当選直後からトランプ氏と緊密な関係を築き、トランプ政権に「自由で開かれたインド太平洋」構想を採用するよう説得し、同構想をアジア戦略の主柱とした。
・米国の専門家マイケル・J・グリーン氏は、トランプ大統領の2期目において、安倍氏を失ったアジアは米国との関係で迷走しており、その役割を安倍氏の後継者である高市氏が担う可能性があると指摘。
・高市氏は初対面でトランプ氏の「第1次テストはパスした」と見られている。
高濱氏によると、欧米メディアもまずますの出来と評価しているようです。


2.日米首脳会談の成果


また、産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森義久氏は、会談の成果と一部メディアの偏向報道について「アゴラ」で「日米首脳会談の成果」という記事を寄稿しています。

件の記事の概要は次の通りです。
〇会談の成果と象徴的な場面
 ・両国首脳は防衛の絆の強化を誓い合った。
 ・経済領域では、日本から米国への巨額の投資が具体的な企業名を挙げて合意され、相互の国益に資する歓迎すべき動きとされた。
 ・会談の成果を象徴するのは、両首脳が横須賀基地の米空母「ジョージ・ワシントン」の艦上に並び立ち、日米同盟の深化を誓い合った光景だ。
 ・トランプ氏が「マリーン・ワン」で高市首相と共に横須賀に向かったのも異例だった。
 ・トランプ大統領は乗組員の前で高市首相に対し、「日本を支援するためには何でもします」とアドリブで連帯の言葉を述べ、「米日両国は最強次元の同盟同士」だと強調した。

〇トランプ氏の高市首相への評価と親近感
 ・トランプ氏は初対面にもかかわらず、高市首相と並んで行動する際には、ごく自然な笑顔を浮かべ、肩の力を抜いた快適なボディ・ラングエイジを見せた。
 ・これは、普段ワシントンで見せる姿よりもゆったりしており、保守志向同士の共鳴だろう。
 ・トランプ氏は高市氏を「知恵と強さをあわせ持つ非常に尊敬できる人物」と評価し、会談後も「とても鋭く、賢く、活気にあふれていた」と語った。
 ・トランプ政権内や共和党支持層も高市政権に日米同盟増強や経済的な繁栄への期待を寄せている
 ・共和党議員が多数を占める連邦議会も、高市首相への前向きな反応で一致しており、民主党側も日米同盟堅持の基本に賛成で反対は唱えていない。

〇米国大手メディアの批判的な反応
 ・かねてから民主党びいき、トランプ叩きで知られる『ニューヨーク・タイムズ』、『ワシントン・ポスト』、CNNテレビなどの大手メディアは異なる、批判的な反応を見せた。
 ・これらのメディアは高市首相を「右翼」「極右」「超保守主義者」「歴史修正主義者」「扇動的な政治家」などとネガティブに描写した。
 ・『ニューヨーク・タイムズ』は特に、高市氏を「右翼」と呼び、「歴史問題で修正主義の傾向」と断じ、関税問題など経済領域の課題は何も解決しなかったと報じた。日本の巨額投資合意は無視した。
 ・批判の理由は「第一に、民主党リベラル派支持の体質から、保守である高市氏に「極右」のレッテルを貼る傾向があること」、「第二に、トランプ攻撃の基調。トランプ氏が緊密さを誇示する高市首相にも同様の批判の矛先を向けたこと」
 ・これに対し、共和党主流派のロン・デサンティス州知事は「CNNに嫌われる人物は好ましい人に決まっている」と、大手メディアの偏向を批判している。
小森氏によると、アメリカの民主党贔屓のメディアは高市氏をネガティブに報じているとのことです。これは前述の高濱氏の記事とは反対です。

ただ、高濱氏がいう欧米メディアのポジティブ評価は、会談そのものの成果であるのに対し、小森氏が指摘した、米民主党贔屓メディアは、会談の成果ではなく、高市氏を「極右」「超保守主義者」などと人格を批判しているという違いがあることは留意しておいてよいかもしれません。


3.日本を遅れた国にしておきたい人々


高市総理を「極右」だと批判するのは、アメリカの民主党贔屓メディアだけではなく、イギリスBBCも同様に批判しています。

地政学者の奥山真司氏は、ネット番組で次のように指摘しています。
奥山:
今回のテーマは、高市早苗氏を貶める英BBCとそれに加担する活動家たちについてです。私の知人からこの件に関する情報提供があり、「本当か?」と思いつつも、取り上げてほしいとの依頼を受けました。

BBCが彼女を批判的に報じるのは、ある程度予測できたことです。高市氏は海外では「極右」と見なされ、靖国神社に参拝している経緯もあります。また、初の女性首相候補ですが、基本的なイメージとしてフェミニストではないと捉えられており、日本の国内フェミニストからも嫌われています。海外へは「極右でバイク好きのハードロッカー」というイメージで発信されていました。

実際にBBCの記事を詳細に見ていくと、高市氏を分析した記事の中では、彼女が「フェミニズムではない保守」であると表現されています。さらに、「家父長制をそのまま日本に残したまま、その中で這い上がって首相になった」といった論調が見られます。

つまり、高市氏は女性として初の首相候補になったことで、日本社会を変革する革命的な力を持っているのではなく、むしろ日本の古い封建的な男性主導社会をそのまま温存し、その中で成功した人物だと、フェミニストの視点から批判されているのです。

その批判を裏付けるかのように、BBCはわざわざ上智大学の21歳の女性学生であるオグラ・アイダ氏にインタビューを行っています。

司会:
はいはいはい。

奥山:
この学生は、おそらくハーフの方だと思われますが、彼女は「高市氏が日本初の女性であることは、女性のエンパワーメント、地位向上にとって素晴らしい機会だと周りの友人も言っている」と語る一方で、「彼女の政治的信念や主張を詳しく見ると、その一部は非常に伝統的で、構造的な変化を起こす代わりに、むしろ家父長制を永続させている」というコメントを出しています。

この小倉氏は、ヒューマンライツウォッチのインターン経験があることが調べで分かりました。つまり、BBCは日本国内の外国人記者を通して、非常に左寄りの、あるいは人権団体と関係の深い学生に、意図的にこのようなコメントを取らせているのではないかという疑念があります。

司会:
左のアンダースローみたいな意見ばかりですね、本当は。

奥山:
他の記事でも、同志社大学の専門家など、日本の極端なフェミニストやフェミニスト研究者にコメントを取りに行き、「彼女は家父長制を永続させる人だ」と言わせています。

司会:
これは、日本で女性の首相候補が出たことに対し、イギリスのサッチャー元首相と比較されることが背景にあるかもしれません。サッチャーは「女性の閣僚を入れないんですか?」という問いに対し、「女はダメなのよ」と答えたという有名な逸話があります。

奥山:
サッチャーの名言は、フォークランド紛争時に「この中には男はいないんですか?」と発言したことも知られています。高市氏にも同様に「家父長制」的側面があると捉えられるかもしれませんが、BBCの報道の仕方には疑問が残ります。

彼らの姿勢は、日本の何かをすぐに揚げ足を取りたいという、ある種のオリエンタリズム的な偏見があるのかもしれません。わざわざ客観的ではない、非常に偏った見方をする人にコメントを取りに行くという点に問題があります。

司会:
高市氏の父親は、「女は勉強しない方がいい、結婚した方が幸せだ」という考えでしたが、高市氏はそれに反抗して勉強し、神戸大学を経て政治家になりました。これは、日本に自由な選択肢があり、裕福でなくても、親の考えに反抗しても女性が国のトップを目指せるという「自由の象徴」と言えます。左翼的な考えで「ああだこうだ」言う人たちよりも、高市氏のほうが自分の力で自由に権力を握ったのです。

奥山:
しかし、フェミニスト視点で見ると「とんでもない右翼」「家父長制を維持しようとしている」というイメージが海外に発信され、このねじ曲がった情報を受け取った海外の読者は高市氏を誤解してしまいます。冷静で客観的な視点を持つ人は「この情報はおかしい」と気づいていますが、全体として外国メディアは日本に対して、この「遅れた社会」というイメージをアピールしようとする、うがった見方をしていると感じざるを得ません。日本から正しい情報が出ていないのは、BBCにとってもあまり良いことではないですね。その結果、情報の受け取り側も誤った情報を得続けてしまう。なぜ情報にバイアスをかけてしまうのか疑問です。

G20の国の中で、女性が国家元首または政府の長に就任したことがない国はどこですか

アメリカ、中国、ロシア、サウジアラビアなどです。女性の社会進出を最も訴えていたはずのアメリカがここに入っているのは注目すべき点です。ロシアやサウジアラビアは保守的であるため、無理だと感じられます。

日本もこれまでは該当国でしたが、韓国では以前、朴槿恵元大統領が就任しています。しかし、朴氏は「親の七光り」や「ファミリービジネス」の側面が強く、政治の決定を占い師に頼っていたといった問題もありました。それと比較すると、高市氏が自身の力で政治家になったことは画期的なことです。

結論として、日本のみならず、情報を得ている海外メディア自体も「うがった見方」をしているという事実を認識し、もう少し客観的に物事を見てほしいと思います。
奥山氏によると、海外メディア自体が相当左にバイアスが掛かっているというのですね。

よく日本のマスコミや報道番組で、識者が、海外のどこどこでは云々カンヌンと出羽守したりしていますけれども、その海外メディア自身が歪んでいるのであれば、彼らのいうことも半分以上は「眉唾」の可能性も念頭に置いておくべきなのかもしれません。




4.トランプ会談の裏で高市総理が抱える時限爆弾


では、高市総理に対する人格攻撃ではなく、日米首脳会談の成果の裏に潜む政策的課題はないのか。

これについて 政治ジャーナリストの泉宏氏は10月31日付の東洋経済オンライン誌への寄稿記事「トランプ会談「満点以上の120点」大成功の裏で高市首相が抱えてしまった"ヤバすぎる時限爆弾"の正体」で次のように述べています。
〇日米首脳会談の「大成功」の要因
・トランプ大統領との個人的な信頼関係構築: 故・安倍元首相の盟友・一番弟子という立場を活かし、異例の親密さを見せつけた。
・トランプ大統領に直接懇請し、拉致被害者家族との面会を実現させたことは「優れた外交手腕」として高く評価された。
・防衛費増額について、2027年度までにGDP比2%とする目標を今年度補正予算で前倒し実現する方針を表明し、トランプ大統領から高評価を得た。

〇大成功の裏で抱える国内の「難題」
・この外交的成功の代償として、高市首相は臨時国会で以下の難題に直面する。
 +防衛費増額の財源問題:日米首脳会談で約束した防衛費増額の大幅な前倒しには巨額の財源が必要だが、確保の見通しは極めて不透明であり、政権の命運を左右しかねない「時限爆弾」と見られている。
 +経済・物価高対策の困難:高市首相は「経済最優先」を掲げますが、円安の加速により、国民が求める物価高対策の実現が困難になっている。
 +連立維持の前提となる公約の遅延:連立維持の大前提である日本維新の会との合意事項である「衆院定数1割削減」の関連法案提出すら危ぶまれる状況だ。

〇政権運営の現状
・首脳外交の成功で「衆院解散断行」の声も出ているが、首相自身は「経済最優先」で慎重姿勢を崩していない。
・そもそも衆参両院で少数与党である状況は変わらず、「政権を取り巻く厳しい環境に、現実的に対処できるかがカギ」となり、国会攻防次第では「政権危機に直面しかねない」状況。
このように泉氏は、高市総理がトランプ大統領に約束したことが「空手形」になる可能性があると指摘しているのですね。

まぁ、海外メディアにここまでちゃんと報道するように求めることは酷かもしれませんけれども、少なくとも国内大手オールドメディアでもこの程度の報道はあってしかるべきではないと思います。実はやっているのかもしれませんけれども、それ以上に「高市下げ」の報道で溢れていて、完全に埋もれてしまっています。

10月25日のエントリー「高市新総理誕生が国益となる理由」で、静岡県立大学の竹下教授がBBCの取材に対し、西側メディアの多くは、日本のメディアの報道をそのままコピーしていると指摘した上で「日本のメディアは非常に左寄りだ」とコメントしていましたけれども、そうだとすると、欧米マスコミが高市総理を「極右だ」と叩く責任の一端は、国内マスコミにもあるといえます。

海外の評価を偏らせないためには、まず国内のメディアから。外をどうこう言う前にまず内を正せ。こうした意識が増々大切になってくるのかもしれませんね。



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この記事へのコメント

  • ルシファード

    BBCと言えば反日放送局なのはお約束ですからね.幾つもの前科がありますから
    2025年11月04日 16:07