ガソリン暫定税率年内廃止の功労者

今日はこの話題です。
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1.ガソリン暫定税率の年内廃止


10月31日、自民、日本維新の会、公明、立憲民主、国民民主、共産の与野党6党はガソリン税に上乗せされている旧暫定税率を12月31日に廃止することで合意しました。軽油の旧暫定税率も来年4月1日に廃止。関連法案を臨時国会で成立させることとなりました。

これにより、消費税の影響をのぞけば、廃止後のガソリン価格は、いまより15円ほど安くなる見込み。給油控えなどによるガソリンスタンドの混乱を抑えるため、現在1リットルあたり10円安くなるように出ている補助金を、11月13日から12月11日にかけて段階的に増やし、ガソリンの旧暫定税率と同じ25.1円とし、軽油も同じタイミングで補助金を拡大し、11月27日には補助金を17.1円にするとしています。

これまで6党は7月に廃止で合意したものの、巨額の税収減をどう穴埋めするかをめぐり、安定財源の確保を求める自民と、年内の廃止にこだわる野党側で意見が対立。今回の合意でも、当面は税外収入など一時的な財源で賄い、これによる年1.5兆円の税収減を穴埋めするための財源については、今後検討するとしています。。


2.小野寺税調会長と榛葉幹事長


当初、ガソリンの暫定税率廃止は来年2月から云々の話だったのですけれども、急転直下の年内減税。これについて、自民の小野寺税調会長は、記者会見で次のように答えています。
記者(NHK 高橋):
すいません。あの、当初ですね、自民党はじめ、あの、ま、4週間かけて下げ切ってから廃止というところを、ま、縮めて、あの、年内12月31日の廃止となりました。この意義と、ま、6党でこれをまとめられたことへの所感を伺いますか。

小野寺税調会長:
まずはあの、1日も早くやはりあの暫定税率を廃止し、そしてガソリンの価格を下げるようにしたいというのは、6党共通の目的でありました。ただ、それに向けて、実はあの、現場のガソリンスタンドをはじめ、関係者の皆様に、かなりのご協力いただくことが必要だということなので、そこはあの、丁寧に相談をしながら、この年内廃止ということについて、合意をすることができました。

6党の合意であります。特にあの、私ども、6党それぞれ違うお考えがある中で、各党がやはり一致できたということはとても大きな意義があることだと思っております。あの、参加した各党の代表者の方々からも、この6党でこうして合意をするということは、今まで経験がないということでありますので、それだけあの、今回、それぞれ難しい課題を抱えながらも、協力いただいたことかなと思っております。
小野寺税調会長は、現場のガソリンスタンドや関係者の協力によって前倒しできたと説明しています。

対して、これまでずっとガソリン暫定税率廃止を訴えていた国民民主党ですけれども、榛葉幹事長が記者会見で次のように述べています。
記者(岩田/NHK):
NHKの岩田です。冒頭に触れられたガソリン税暫定税率の廃止についてお伺いしますけれども、政治空白が続く形で物価高対策をいち早く求めてきた党としての立場があると思いますが、年内廃止を実現できる意義についてはどういう風に考えているか、お伺いしますでしょうか。

榛葉幹事長:
これ意義はもう一点です。国民の皆さんに51年前に「2年間でやめる」と言ったガソリンの暫定税率、そして昨年の12月に改めてこれを廃止しようといった3党間合意、これを履行して、年内に25円10銭/Lあたり安いガソリンを皆さんに提供する、この一点です。

しかし、この国対委員長間の「年内で決する」という約束はガソリンだけではないですね。「103万円の壁」も同様に早くやるということですから、これも早く議論を加速してですね、実現するように交渉を加速していただきたいと思います。

記者(真田/時事通信):
時事通信社の真田です。ガソリン税の暫定税率の廃止に関して、将来的な財源についてまだ詰めの作業があるということですが、年内の財源について、現時点で与党側からはどういった考えが示されているのかという点と、また改めて、国民民主党としてその財源についての考え方についてお聞かせいただければと思います。

榛葉幹事長:
まず、財源論の前にね、万感胸に迫るものがあるね。野党各党が裏金問題、「政治と金」一色で自民党を追求している時に、我々はこの議論を封印して、批判をせずに、「103万円の壁」とガソリン税の暫定税率廃止をしようって4年間、国民民主党が「絶滅危惧政党」と言われ、政党支持率がゼロという時代から、対決より解決で、いろんな批判もあったけど、これを訴え続け、やっと昨年12月3党間合意に漕ぎつけて、それでも「のらりくらり」とやられてですよ。予算にも賛成して、我々も「退路を断って」勝負しました。

そしてここに来て、鈴木一幹事長や小林鷹之政調会長、そして片山さつき財務大臣、本当に真剣に我々に向き合ってくれましたね。SNS上で「国民民主党頑張れ」という声がありましたが、既存のメディアもそれに乗っていただいて、フリーのジャーナリストの皆さんも「国民民主党の言ってること間違ってないんじゃないか」と、見えないSNSの社会からじわじわと応援団が広まって、やっと約束通りここまで来て、もう第4コーナー回ったらね、野党を各党、「みんな自分たちがやった、自分たちがやった」とやってましたけど、嬉しいね。もう手柄はみんなに取ってほしいと思います。後からバンドワゴンに乗った皆さんも、全て手柄はその方々の者で結構です。我々は約束した年内の暫定税率廃止が、あと一歩のところで決する。本当にですね、感無量です。

まず年内の財源はね、これいいと思うんだ。ただ、廃止するということは来年度以降もあるから、これはまさに年末の税制改正、抜本的な税制改正でしっかり議論すればいいことだと思います。ただ、自動車関連諸税と50年前に「2年でやめる」といった暫定税率を今廃止するんだけれども、ガソリン税を減税しておいて、違う税金を自動車ユーザーから取るっていうのはこれダメですよ。新たな税収の議論もあるでしょう。しかし、それをまた自動車ユーザーや自動車業界から取るなんていうのはこれ本末転倒だね。

自動車重量税は、暫定税率が加わって4,100円になり、重さが変わってもいないのに、13年乗るとまた増税になって5,000円台になり、18年乗るとまた6,000円台になる。こういう一つ一つが「おかしいね」といったものをしっかり議論すればいい。今、自動車は冷蔵庫やテレビと変わりなくなっている。なぜ自動車だけ9種類9兆円も取るのか。もう消費税だけでいいんじゃないですか。そういう抜本的な国民サイドに立った、私が25年間言い続けてきた「集めた税金を使う側」ではなくて、「働いて税金を払う」の政治、そのために立った税制の議論を期待したいし、今この瞬間も皆さん必死でやってますからね。見守りたいと思います。
榛葉幹事長は、暫定税率廃止が決まってから、勝ち馬になって自分の手柄にしょうとする他の野党をチクリとしつつ、手柄は好き取っていいと鷹揚なところを見せていますけれども、このSNSの時代、誰の手柄だったのかは国民皆知っています。それよりも、「ガソリン税を減税しておいて、違う税金を自動車ユーザーから取るのは駄目だ」と指摘している点は、国民もよくよく注視する必要があるかと思います。




3.暫定税率廃止の真の功労者


では、ガソリン税の暫定税率廃止の真の功労者は誰だったのか。

これについてジャーナリストの須田慎一郎氏は、自身の動画で概略次のように述べています。
・この「年内廃止」は非常に難しい作業でした。
・自民党税制調査会(税調)の強い意向が働き、暫定税率廃止に伴う「激変緩和措置」として、補助金を段階的に支給するソフトランディングが計画されました。
・当初案では、ガソリンスタンドの在庫処分期間を考慮し、廃止は翌年2月1日とされ、「年内廃止」は不可能でした。
・野党からの強い突き上げにより協議が行われましたが、最終的には廃止は翌年1月8日がギリギリのラインとしてまとまりにかけました。
・国民民主党の玉木雄一郎代表は、唯一「年内じゃなきゃダメだ」と主張し12月29日廃止を目指す「玉木案」を提唱しましたが、孤立していました。
・そこに登場した片山さつき大臣は、国民世論の支持を得るためにも「年内廃止」は譲れないと認識し、玉木案の考え方も反映させた「片山案」を策定。
・補助金支給の開始日(11月13日)とインターバル(2週間)を短縮し、さらに実態調査に基づき在庫期間も短縮しました。
・これらの措置を、財務官僚や自民党税調に指示を出し、一気呵成に進めた結果、暫定税率の廃止は12月31日、年内ギリギリで決着を見ました。
・この決着は、与党や自民党税調が譲歩したものではありません。片山大臣がリーダーシップとブルドーザー級の突破力・実行力を発揮し、事を進めたのが真相です。
・自民党税調は、年明けまで決着を持ち越すことで、税制議論における自らの影響力を保とうと画策していましたが、片山大臣の実行力によってその思惑は全て打ち砕かれました。
・この結果、自民党税調のインナー就任を、森山裕元幹事長が辞退するという出来事がありました。これは、密室・独占的に日本の税制を決めてきた税調の仕組みが壊され、インナーの影響力行使の場がなくなったことを悟ったためでしょう。
・今回の暫定税率廃止は、高市早苗氏が進めようとしていた「税制決定プロセスの透明化・合理化」に向けた、非常に象徴的な第一歩であると言えます。
・最終的に、片山さつき大臣の実行力と、国民民主党の玉木代表が年内廃止に徹底的にこだわったことが、年内廃止実現の鍵となりました。片山大臣の存在なくして、年内廃止は絶対に実現できなかった。
なんと片山さつき財務相が剛腕を発揮して、実現させたというのですね。

当初の自民党税調の強い意向が働いた案では、暫定税率廃止する時期は、ガソリンスタンドの在庫処分に1カ月必要であることから、来年2月からとしていたのですけれども、片山財務相は、ガソリンスタンドへの実地調査を行いました。その結果、ガソリンスタンドの平均在庫は約17日分しかなく、官僚が設定し ていた4週間ルールが非現実的であることが明らかになりました。この事実を 突きつけられた財務官僚は反論できず、内部抵抗は一気に崩壊。年内廃止が決まりました。




4.なんとなく官僚の言ってることを信じてる人


須田氏によると、自民党税調は、年明けまで決着を持ち越すことで、税制議論における自らの影響力を保とうと画策していたのですけれども、片山財務相のリーダーシップによって自民党税調の思惑を砕いたと指摘。

そして、自民党税調のインナー就任が予定されていた森山裕元幹事長が、それを辞退したことについて、これまで密室・独占的に日本の税制を決めてきた税調の仕組みが壊され、インナーの影響力行使の場がなくなったことを悟ったためだろうと述べています。

自民党の2月案で進め、承認していた小野寺税調会長は、面子を潰された形ですけれども、そもそも、そのような人物をなぜ税調会長にあてたのか。

これについて、元ゴールドマン・サックスエコノミストの村上尚己氏は自身の動画チャンネルで次の様にのべています。
大橋ひろこ(キャスター):
え、人事今発表されているその自民党税調査会長。これがあの8年間務められた宮沢一さんが退任されて、小野寺五典さんに交代になると。ここはどういう狙いがあって、何かこう大きく変わるのかっていうね、ちょっと。

村上尚己:
ま、変わるかどうかは、正直、小野寺さんってね、岸田さんのところでも働いてたし、要は、防衛大臣としてはすごく優秀だった。正直、金融緩和政策は理解してない人だと思います。ただ、あの、今回ね、おそらく、小泉進次郎さんよりは、高市さんを自分で選んだっていうこともあって、その論功行賞もあると。なられたということで、あとは高市さん自身もTwitterで確か説明していたと思いますけれども、あの、要は税調の人事は、これはもう政調会長が決めると。コバホークが決める形になってるということなので。

で、結局その税調だけがなんか、こうよくわからない。こうなんか伏魔殿みたいになってるのがそもそもおかしいんで。要は、政策は、あの、総裁中心に、その世論の意向を受けるような政策決定で、ちゃんと政調で、自民党の政調の中でもやりましょうと。で、税調もそういった中で当然、税だけなんかこう特殊な税の都合だけで決まるってんじゃなくて、ちゃんとこう経済全体の必要な政策だ。減税が政策必要であれば、減税もちゃんとスムーズにやりますと。単なる抵抗勢力になってるだけなところが、ま、仕組み自体を変えようとしてるってのが多分高市政権だと思うので

で、小野寺さんが、それに対して、その楽観的に考えると多分、なんとなくその官僚の言ってることを信じてる人だけど、そんなに強い考え、逆にないんじゃないかなって。逆ですよ。その、宮沢さんほど極端なその財務省の側でしかこう政策の議論ができない人ではそこまで極端ではなくて、あくまでその総裁が指名、総裁に指名された。じゃあ、その総裁の考え方を沿って仕事するっていうことであれば、そこは、大きくありますよね。

それはだから、高市さん、その減税やま国民民主党と一緒にやろうとして、え、減税をスムーズにやってくっていう中で、自民党も変えていかなきゃいけないっていうことの中で、こういった人事が行われたことは明らかだから、それともちろんその、やっぱり、小野寺さん、全然結局なんか分かんない財務省に弱みでも握られてんのかわかんないけどみたいな人だったら、それはもうだめ、違うけども、ま、そういう感じはないんじゃないかなっていう気がしますけどね。はい。
村上氏によると論功行賞で選んだと述べていますけれども、村上氏が指摘したとおり、小野寺氏が「官僚の言ってることを信じてる人だけど、そんなに強く考えている訳ではない」人なのであれば、当初官僚の言われるがままに2月案をいったとしても、片山財務相の意向で前倒しになったらなったで、それに従うということになります。そして実際そうなった訳です。

小野寺氏について、別に進次郎防衛相ほど「別人」になれとはいいませんけれども、官僚の言ってることを安易に信じた結果、高市政権の足を引っ張ることにはならないようにしていただきたいと思いますね。





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