
1.脅威の高市内閣支持率
11月1日、2日にJNNが全国世論調査を行ったところ、先月発足した高市内閣の支持率が82.0%にのぼることがわかりました。
高市内閣を「支持できる」という人は、先月の石破内閣の支持率と比較して38.3ポイント上昇し82.0%で、「支持できない」という人は14.3%。政権発足直後の支持率としては2001年以降の政権で、小泉内閣に次ぐ2番目に高い数字です。
次に、自民党と日本維新の会が連立政権を樹立したことについて、「評価する」は52%、「評価しない」は29%でした。
自民と維新は今の国会で衆議院議員定数の1割を目標に削減する法案の成立を目指すことで合意しましたけれども、「年内に法案を成立させるべき」は48%、「年内に成立させる必要はない」は35%となっています。
そして、高市政権になって景気が良くなると思うか聞いたところ、「良くなると思う」は58%、「良くならないと思う」は23%。また、関連経費を含めた防衛費を「2027年度にGDP比2%に増額」する目標を2年前倒しして、今年度中に達成すると表明したことについて、「支持する」は56%、「支持しない」は33%となりました。更に、高市総理が上野厚生労働大臣に検討を指示した労働時間の上限規制の緩和について、「賛成」は64%、「反対」は24%。
そして、先週、アメリカのトランプ大統領らとの首脳会談を皮切りに行った一連の外交について83%の人が「評価する」と答えています。
更に、政府・与党が検討している物価高対策のうち最も期待する政策は何か聞いたところ、1位は「食料品の消費税ゼロ」、2位は「現役世代の社会保険料の引き下げ」でした。
各党の支持率は次の通りです。
自民 28.9%(1.0↑)この世論調査結果について、法政大学大学院教授の白鳥浩氏は、次のように分析しています。
立憲 5.5%(0.3↓)
維新 3.9%(0.3↑)
国民 3.6%(4.0↓)
公明 3.2%(1.2↑)
参政 4.7%(1.1↓)
れいわ 1.8%(0.0→)
共産 2.8%(0.6↑)
保守 0.6%(0.5↓)
社民 0.2%(0.3↓)
みらい 0.1%(0.5↓)
その他 0.2%(0.1↑)
支持なし41.0%(4.3↑)
これは一連の高市外交を見たうえでの数字であり、ある意味で高市外交に対する評価を表すといってよい。その証拠は、高市内閣の支持率と、高市氏のトランプ氏との会談などの評価がほぼ同じ数字であるからだ。白鳥教授は今回の高市政権の高支持率は、外交の点数であり、内政はこれからだと見ているようです。
外交に対する滑り出しは順調な高市内閣であるが、明4日から国会が始まり、内政へと話題は移っていく。その中でもこの好調な支持率を維持できるかどうかは、注目する必要がある。
中でも国民が望んでいる「物価高対策」と「政治とカネ」に対してどういった対策を行っていくかが焦点だ。対応を間違えれば、すぐに支持は減じていくこととなる。高市氏の国会論戦に注目だ。
2.自民党支持率は変わってない
このJNNの世論調査について、ジャーナリストの三枝玄太郎氏は、自身の動画チャンネルで次のように述べています。
〇高市内閣の支持率に関する分析
・TBS系列(JNN)の世論調査で、高市内閣の支持率は82.0%を記録しました。これは2001年以降の政権で小泉内閣に次ぐ2番目に高い数字。
・18歳から50代まで軒並み85%以上の支持を得ており、高齢者層も含めて世代間格差なく高い支持が広がっている点が特筆される
・高市総理の一連の外交についても、83%が「評価する」と回答しており、高い評価を得ています。
〇政党支持率と政局の動向
・内閣支持率が非常に高いにもかかわらず、自民党の政党支持率(32%前後)は、内閣支持率が低かった安倍政権時代と比べてほとんど上がっていない。
・これは、総裁選で高市氏を邪魔した勢力(特に小泉氏に投票したとされる議員)に対し、有権者が不満を抱き、自民党への支持を控えているため。
・この高い支持率を逃さず、国会で補正予算が通った後、可及的速やかに衆議院を解散し、多数派政権を確立すべき。
・次の選挙では、「高市氏を邪魔した議員の責任」が問われる可能性が高く、高市氏に近い候補者が有利になる。
・選挙戦略としては、「外国人問題」「スパイ防止法」といった安全保障・保守的な論点と、「ガソリン暫定税率撤廃などの減税」という経済対策を両輪で進めることが、勝利に繋がる。
〇野党の衰退
・国民民主党の支持率が前月比で4.0ポイントと最も大きく下落し、日本維新の会に抜かれました。これは、党の姿勢が「ブラブラ」していることや、連合の組織内候補に頼る体質への不満が原因。
・社民党の副党首が離党を表明したことにより、衆議院の議席がゼロとなりました。これにより、社民党の国会内の議席は参議院の2議席のみとなり、党勢の退潮が決定的な状況にあると報じられている。
三枝氏は高市内閣の年代別支持率に着目し世代間格差なく高い支持が広がっていると指摘していますけれども、具体的な数字は次の通りです。
年代別支持率なんと、50代まで85%以上。現役世代の85%以上が高石政権支持です。にも関わらず、自民党の支持率は殆ど変わっていません。これは三枝氏が指摘するように高市内閣だけへの支持であり、総裁選で高市氏を邪魔した勢力を抱える自民党は信用できないということでしょう。
18~29歳:88%
30代 :87%
40代 :86%
50代 :85%
60歳以上:76%
その意味では、高市氏を邪魔した勢力を高市内閣に殆ど入れないという人事は当たったといえるのかもしれません。
3.解散の大義名分
三枝氏は、高い支持率があるうちに、補正予算が通ったら解散総選挙に出るべきだと主張していますけれども、そうはならないという見方もあります。門田隆将氏です。
門田氏は自身の動画チャンネルで次のように述べています。
〇高市内閣支持率の現状と評価門田氏は大義名分を重んずる高市総理が解散に打って出るのは、それが整う来年1月からの通常国会最終段階になると予測しています。筆者もそう思います。なぜなら高市総理にはやりたい政策で溢れているように見えるからです。
・JNN世論調査で高市内閣の支持率は82%と、2000年代の小泉政権以降、発足直後で最も高い水準。
・18歳から50歳代の現役世代の支持率が85%以上と、異例の高さ。
〇支持率の背景
・10月21日の総理指名後の即座の組閣と政策実行(成長戦略本部の設置など)。
・精力的な外交(トランプ前大統領との首脳会談で日米同盟の絆を中国に見せつけたこと、APECでの首脳会談など)。
〇「解散が遠のく理由」と自民党への国民の怒り
・内閣支持率が82%と爆発的な人気であるにもかかわらず、自民党の支持率は28.9%に留まり、前月比でわずか1ポイントしか増えていない。
・自民党支持率の低さは、移民大国化、増税路線、LGBT政策、メガソーラーによる国土破壊など、これまでの自民党(非主流派)政策への国民の強い怒りを反映している。
・高市総理は高い支持率に一喜一憂せず、「約束した政策を実行し、前に進めることがまず重要。解散を考えている暇はない」と述べており、結果を出すまで解散するつもりはないという本音がある。高い支持率は政策実行の推進力と見なされ、むしろ解散は遠ざかる。
〇今後の選挙の展望と解散の「大義名分」
・次の選挙は、有権者にとって、自民党議員を「保守現実派」か「左翼リベラル的(増税、親中、移民推進など)」な議員かを選別する選挙となるため、自民党は簡単には大勝できない。
・高市総理は選挙の「大義名分」を最も重視しており、国民の信を問うべき重大な議題が浮上した際に解散に踏み切る可能性が高い。
・想定される大義名分の候補としては、次の3つ。
+「スパイ防止法」や外国人政策を巡って、法案が否決されるなど、議論が紛糾した時。
+財務省の反撃により、約束した積極財政の一部政策の実現が困難になった時。
+その他の対中政策に関する重要な局面。
・解散の可能性が最も高い時期は、大義名分が整う来年1月〜6月の通常国会の最終段階での解散総選挙。
出なければ、所管大臣への合計38ページにもおよぶ指示書なんて出さないでしょう。なんとなれば、その指示が完遂するまで解散はしないのではないかとさえ。
4.有意義な外交ウィーク
10月22日のエントリー「高市早苗総理誕生」で筆者は、維新との連立合意書の中から、まず「断定的・具体的かつ時期が明記されている政策」から手をつけて、実績を積みつつ、世論を睨みながら解散総選挙に打って出るのではないかと述べましたけれども、その中の「ガソリン税の暫定税率廃止法案を令和七年臨時国会中に成立させる」は、年内実施に向けて動き出していますし、「防衛装備移転三原則の運用指針」の五類型を撤廃も既に小泉防衛相に語らせています。
まだ政権誕生から二週間かそこらで、このスピード感。
11月3日放送のMBSラジオ「上泉雄一のええなぁ!」に出演した嘉悦大教授の高橋洋一氏は、一連の外交を終えた高市総理について、次のように述べています。
〇高市総理の外交活動と評価高橋教授は、高市外交を高く評価しつつも、対中外交については支持率が高いからできることだと指摘し、今後の国内政治について成長戦略をやるだろうと述べています。これについて高橋教授は、来年度予算の骨太方針に政府投資の大幅増加を期待するとコメント。実際、高市総理は、危機管理投資を柱とした経済対策を協議する日本成長戦略本部を立ち上げ、4日に初会合を行っています。
・マレーシアでのASEAN関連首脳会議に始まり、一連の外交を「非常に濃密で有意義な外交ウィークを走り抜けた
・高市さんは自分なりの勉強があるから、日米や日中についてはちゃんと自分の言葉で発言している。
・外務省はヒヤヒヤしているが、中国は高市総理が高い支持率を得ていることを知っているので、なかなか批判はできない。高い支持率があるからこそできること。
・日米レアアース協定を結んだ。これは今までの投資協定と異なり、日本の海洋資源開発を念頭に置いたものと推測され、実現すれば日本が資源大国になる可能性を秘めている。必要なのは大規模な投資で、実現は5年程度の話とし、「夢ではない」。
・今回、米朝会談は実現しなかったが、トランプさんは大阪にG20で来た時も急遽、板門店に行った。今回、韓国まで来ていたから、行っちゃおうと思ってたのは間違いないけど、金正恩の事情だろう。
〇経済政策と片山財務大臣
・片山さつき財務大臣が2025年度補正予算の財源について「足りなければ国債増発もやむを得ない」とのニュースについて、単純な話で、税収の上振れを考慮すれば大きな問題ではない
・財務省出身で事務次官より年上の片山さつき大臣就任は、省内でも異例のことであり、事務次官が90度近く頭を下げるほどの存在感を示している。財務省の硬直した財政観を変える力を持っている。
・片山大臣が、インフラ投資など資産が残る建設国債を「純債務」ベースで評価する考えを示し、公共投資や研究開発投資のための借金が問題視されにくくなったと評価。
・「積極財政」を推進する内閣府の経済財政担当大臣とのコンビは「車の両輪」。
〇今後の国内政治と政策
・維新の会との連立合意に「次世代の動力」と盛り込まれたのは、反発の多い「原子力」を避けた表現であり、原子力潜水艦の導入を示唆している
・岸田政権の「新しい資本主義」を潰したいけど簡単に潰せないからやるけれど、「成長戦略」というのもやるだろう。成長戦略会議があって、ここでは積極財政派に出てきた民間有識者をたくさん集めているはず。
・成長戦略は今からやると、ちょうど半年近く。月1回ぐらいで5、6回という形。そこでの意見も取り入れながら骨太方針が決まってくる。
・来年度予算の骨太方針に、高市総理の目指す政府投資の大幅増加(2〜3倍)や研究開発投資の強化が盛り込まれると期待。
〇野党の現状と国家情報局
・高い支持率を誇る高市政権に対し、立憲民主党は野次問題が取り上げられるなど存在感が低下。野党としてのスタンスが不明確になり、支持層すら失いかねない状況にある。
・政府は情報活動体制の強化のため、各省庁の関係機関を統括する国家情報局を創設する方向で検討に入ったとの報道について、新しくゼロから作るわけじゃなくて、内閣の方にある内閣調査室と、あと警察の方、防衛省にもある似たような部局をまとめるっていう話。
・従来、省庁間で囲い込まれていた情報連携を促進し、スパイ防止法の制定と合わせて、大学の研究や和牛の品種など、日本の先端技術や知識の海外流出(産業スパイ活動)を防ぐ体制を構築することが目的。
この投資については、維新との連立合意書の中で、投資に関する政策は、優先順位としては2番目の「実現を目指す・改革を推進する政策」に数多く入っています。
もし、第1優先の「断定的・具体的かつ時期が明記されている政策」を今国会。第2優先の「実現を目指す・改革を推進する政策」を来年1月からの通常国会でやると計画を組んでいるとしたら、解散を打つタイミングはこれら政策が抵抗にあって進まなくなったときにそれを「大義名分」にして解散するのが一番自然な流れのように思います。
解散は政局ではなく政策で決まる。高市政権の政権運営は至極真っ当な王道であり、それを支えるのは一にも二にも国民の支持ということになるのではないかと思いますね。
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naga
脅威は驚異ですか?