消費税の本質

今日はこの話題です。
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1.消費税は社会保障目的税


今年1月、立憲民主党の野田代表は、「減税だけ言っていればいいという、受けは良いけれど将来世代にとってプラスになるかどうかというと、必ずしもそうではないと私は思っておりますので、現実的な路線を取っていくということがむしろ将来の政権交代につながっていくものだと……減税した分の他での財源確保について色々な知恵が出ること自体は否定しないが、財政健全化も達成しなければならない」と減税に慎重な考えを示したことがありますけれども、これについても、当時のネット番組朝8で、有本香氏と高橋洋一氏が議論しています。

そのやりとりは次の通りです。
有本香(ニュース読み上げ): 立憲民主党の野田代表は、国民民主党などが主張する消費減税について、「将来世代には必ずしもプラスにならない」と慎重な考えを示しました。減税は「受けはいい」が、将来世代にとってプラスになるかは疑問であるとし、「現実的な路線」をとることが政権交代につながると語りました。 また、減税の財源確保について「様々な知恵は否定しない」としつつも、「財政健全化も達成しなければならない」と強調しました。

高橋洋一: 自民党の石破氏など、与野党問わず同様の発言をする者は、基本的に財務省のレクチャーが非常に効いている人たちです。野田氏も相変わらずこうした主張をしています。

政策論で言えば、消費税の軽減税率は、景気の状況に応じて税率を簡単に上げ下げできるような制度です。私も国会で「全品目減税」を提案したことがありますが、欧米の多くの国で景気対策として税率の上げ下げは一般的に行われており、大騒ぎするような話ではありません。

彼らが消費減税に慎重なのは、根っこに消費税が「社会保障目的税」になっているという問題があるからです。消費税を下げれば「社会保障を下げます」というロジックで反対されますが、これは完全に財務省の罠です。

世界の標準では、消費税を社会保障の目的税としている国はありません。私は財務省時代、これを強く批判しましたが、「社会保障を人質にとって消費税を上げられるんだから黙っていろ」と言われたことがあります。

社会保障は本来、保険数理に基づき、保険料の上げ下げで水準を決めるのが普通であり、安定的な運営が可能です。これを税金(消費税)で賄うようにすると、際限がなくなり、社会保障が不安定化します。この日本独自の運用は、結果的に社会保障を崩壊させるリスクがあると考えています。

有本香: 安倍晋三元総理でさえ、高橋さんのロジックは理解しつつも、この仕組みは「ちょっと直せない」と語っていたように、この問題は長く続いています。

高橋洋一: 消費税が導入された1989年当初は、物品税の代わりとしての一般財源でした。しかし、1997年頃、小沢一郎氏(当時自由党)が財務省に丸め込まれ、消費税が社会保障目的税とされました。

有本香: 当時の政府は、消費税増税の理由として「将来不安の解消」を掲げましたが、結果として将来不安は解消されるどころか、大きくなっています。

高橋洋一: 保険料制度であれば、将来給付の水準を明確に示せますが、消費税の動向に依存する現在の仕組みでは、将来のビジョンが描きにくい。このような年金・社会保障制度を持つ国は他にありません。私は消費税自体を否定していませんが、一般財源として、あるいは地方の基盤財源としてあるべきだと考えます。

有本香: 与野党問わず「財政健全化」や「将来世代への責任」を理由に消費減税に反対する政治家は多いですが、彼らは皆財務省に丸め込まれているのです。政治は結果が全てであり、その行動が重要です。

高橋洋一: 財政の健全性は、借金の大きさだけでは測れません。家計でも、住宅ローン(借金)があっても、それ以上の資産があれば回るのと同じです。政府のバランスシートを見れば、日本政府は負債よりも資産が大きく、特に金融資産が多いため、財政破綻の確率は極めて低いです。

財務省は、この資産の一部を意図的に外した計算(プライマリーバランス)を公表し、「財源が足りない」「借金が大変だ」と嘘ばかり言っているのが現状です。

有本香: 野田氏や石破氏のような主張が続くと、社会保障を議論し、「大増税」に向かうことになります。最近は自民党と立憲民主党の区別がつかない状態です。

高橋洋一: 最悪のシナリオでは、立憲民主党が「選択的夫婦別姓」の導入と、社会保障改革(改悪)の議論をセットで条件とし、本予算に賛成する可能性があります。財務省は、選択的夫婦別姓を「ホップ」にして消費増税(ジャンプ)につなげるという悪辣なスケジュールを考えていると見ています。
この議論は今年の頭の話なので、今とは少し状況が違いますけれども、消費税が「社会保障目的税」になっていることは変わり有りません。安倍晋三元総理をして、ちょっと変えれないと言わしめた、この仕組み。高市ー片山ラインで動かすことができるのかどうか。ハードルは異常に高いと言わざるを得ません。




2.消費税の問題に正面からチャレンジする政治家はいない


そもそも消費税に手を出すということそのものが自民党にとって鬼門となっているという指摘があります。

今年の11月7日放送の朝8に出演した高橋洋一氏が次のように述べています。
有本香: 自民党の元幹部と消費税について議論したところ、「社会保障の財源だから絶対守る」という理屈で大激突となりました。

高橋洋一: これは、財務省が消費税を社会保障目的税として制度設計し、長年説明し続けてきた「罠」です。一度このロジックで国民を説得してきたため、今更「社会保障の財源ではない」と認めてしまうと、政治家が「嘘つき」と見なされ、政治的信用とエネルギーを失うことを恐れているからです。

有本香: 議論の中で、消費税を「一度下げたら二度と上げられない」という懸念も示されましたが、これは経済成長によって税収が増えれば、税率を上げる必要はないという基本的な考え方から外れています。

高橋洋一: 世界の標準的な社会保障制度は「保険料」が基本であり、不足分は所得税の累進課税などで賄うのが一般的です。消費税を社会保障の目的税としている国は他にありません。日本が消費税を社会保障に充てる設計にしたのは、経団連などの意向を受け、保険料の上昇を抑えるためでしたが、結果として保険料と給付の関係が不明確になり、社会保障運営を非常に不安定にしています。

高橋洋一: 消費税の抜本的な解決策は、消費税を国ではなく地方税(地方消費税)とし、「地産地消」の財源とすることです。地方交付金などの国から地方への補助金が不要になる分を社会保障財源に回せば、収支トントンになり、制度設計も合理的になります。これはアメリカのセールスタックス(州税)やヨーロッパの小国でのあり方に近く、非常に合理的な制度です。

高橋洋一: しかし、この考え方は、財政学会の学者や国会議員のほとんどに拒否され、メディア(特に新聞)も「軽減税率」という既得権益があるためこのロジックを報じません。長年の財務省の刷り込みにより、この消費税の問題に正面からチャレンジする政治家はほとんどいません。
高橋氏によると、長年の財務省の刷り込みによって、消費税の問題に正面からチャレンジする政治家はいないと述べています。




3.財務省の「仕返し」にビビる議員がいる


政治家が消費税問題に手を付けないことに関して、10月25日、元TBS記者でジャーナリストの武田一顕氏が、MBSテレビ「せやねん!」に出演。消費税減税がなかなか進まない理由を解説しています。

消費税減税がなかなか前進しない要因について、武田氏は「〝仕返し〟にビビる議員がいるから。消費税をなくすことを進めることで、国の会計係である財務省の怒りを買って税務調査が来るのをビビっている」と指摘。その真意について「財務省というのは自分のところにお金がいっぱい入って来て、いっぱい使うというふうにどうしても考える。入ってくる方も、国税庁と言って財務省が握ってるわけです。その人たちは税務調査と言って、捜査権を持っているんです」と説明。

続けて「そうすると、私聞いたことあるんですけど、議員の中であんまり『税金安くしろ!』と言うと、財務省が怒って、国税庁から自分のとこに税務調査とか〝お尋ね〟が来るんじゃないか。『それが怖い』と言っている人もいるんです」と証言し、「実際に所得税法の違反で捕まった議員も何人もいます。もちろんそれは悪いことしてるし、裁判になるんだけども、〝お尋ね〟とか税務調査だけでもビビるじゃないですか。それだけが理由じゃないけども、与党の議員は『もし来たら…』と怖がってる人もいます」と明かしました。

これに番組MCのトミーズ雅は「怖がってる人間、国会議員になったらアカンやん。ほこりが出ないから国会議員なってんのやろ?」と憤ったのですけれども、武田氏は「裏金議員と言われて政治資金収支報告書の不記載もここ1~2年出てきてますよね。あれだって『脱税』にしようと思えばできるわけで。どんな軽犯罪だって捕まえようと思えば捕まえられるのと同じ」とコメントしました。

それでも、武田氏は「野党は『消費税下げろ』という旗を降ろしてませんし、国会の中では自民と維新が組んだからって、何でも通るという状況ではありません。だから、野党がガンガン言えばそっちの可能性だって出てくるかもしれない」ともコメントしています。

先述した朝8の動画で高橋洋一氏は、消費税の問題について、過去からの経緯に触れた上で、「だからもうこれを直せとかいうのがまず無理だな。うん。このだから自民党政権ではまずできないな、これは」と、自民党では変えられないとまで言い切っています。

では、まったく消費減税については望みがないのか。

これについて、その動画内で有本氏が次のように返しています。
有本香 ;でも高橋さんね。私はちょっと全然その消費税と次元の違う話なんですけど、例えば日本の歴史認識。はい。うん。中国とか韓国とかにね、言われもなく謝り続けてきたというこの歴史認識でさえもん。国民の認識が変わって。うん。国民の声がね、例えば今まで政府がそうやってわけわかんなく謝り続けたり金出し続けたりしてきたことや、メディアがそれをどんどんどんどんあのプロパガンしてきたことはおかしいっていう国民の意識がちゃんと集まれば。うん。変わってくるんですよね。ということは消費税ももう1人1人の国民が理解できるまで私たち言い続けるしかないなと思ってますけどね。
有本氏は歴史認識と同じく、消費税についての国民の意識が変わることが鍵だと述べています。


4.消費税の本質


11月14日、参院の国会質疑で、参政党の安藤裕議員が、「閣僚給与の引き下げ」と「消費税減税」の是非について、高市総理と片山財務相に質疑しています。その模様の動画もネットに上がっていますけれども、質疑の概要は次の通りです。
〇閣僚給与の引き下げ(「身を切る改革」)について
・閣僚給与の引き下げに対し、高市総理は、議員歳費の範囲内とし、物価高対策などの課題に取り組む決意を示すものと説明。
・この説明に対し、安藤議員はデフレ下で給与を引き下げるのは「デフレスパイラル加速装置」であり、逆のメッセージであると批判。また、外交の場で国益のためにも日本最高の製品を着用しアピールすべきと主張。

〇消費税の納税義務者と益税について
・消費税法上の納税義務者は「事業者」であり、消費者は法律上の納税義務者ではないと確認。
・法律上は消費者が納税義務者ではないため、「消費者が支払った消費税が納められず益税になる」という事象は成立しないとする一方、免税事業者などの制度上の存在により「益税的なもの」は存在すると片山財務大臣が認めた。

〇消費税の本質について
・安藤議員は、多くの国民が抱く「原価+利益+消費税」という価格構成のイメージは、値上げができない現状では「幻想」であり、消費税は実態として「売上税」になっていると主張。
・赤字企業への課税について、消費税は売上から経費の一部しか控除できない仕組みのため、赤字企業にも課税される点を批判。納税能力を無視した税金であるため廃止すべきと主張。
・消費税の納税が賃上げの原資を奪っているとして、消費税を「賃上げ妨害税」と呼称。

〇食料品の消費税ゼロ(減税)について
・他国事例から、税率引き下げ分がそのまま価格に反映されず、きれいに8%下がるとは限らないと片山財務大臣が回答。
・食料品の消費税をゼロにすると、飲食店は仕入れ税額控除ができなくなり、自ら納税する金額が増える(増税になる可能性が高い)ことを財務大臣が認めた。価格が下がらなかった場合は、飲食店の経営が悪化する可能性があり得るとの認識が示された。
実に興味深い質疑だったと思います。特にモノの値段が「原価+利益+消費税」であるのは「値上げ」ができて初めて成立するのであり、今のように値上げができない現状では単なる「売上税」になってしまっているという指摘は覚えておいてよいのではないかと思います。

まぁ、消費税に対する意識や理解が国民の大多数に浸透するまでには時間がかかるでしょうけれども、まずは、国会中継をもっと見たりするなど、国民が政治の一次情報に触れていくこと、そうした努力の積み重ねが必要ではないかと思いますね。






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この記事へのコメント

  • 超神将軍•オーバーロード

    財務省はとにかく[自分達のお金(小遣い→笑)が減るのが嫌だからこそ、緊縮財政を今までの(岸田や石破にやらせる)=財務省の犬に仕立て上げてます]から。自分達は天下りが大好きなクセに国民の言葉は無視するし、とにかく[財源ガー‼]がいつものセリフだから呆れを越して怒りが湧いてきます。
    2025年11月19日 15:12
  • naga

    > 食料品の消費税をゼロにすると、飲食店は仕入れ税額控除ができなくなり、自ら納税する金額が増える

    これはよく言われますが、頭が悪いせいで理解できません。どこかで分かり易き解説していただければありがたいです。仕入れ税額控除できなくても税がかかっていないのだからいいのでは、と思ってしまいます。例えば大企業と中小企業で中小企業が大企業に販売する場合、消費税分を全額Upできない的なことは理解できるのですが。
    2025年11月19日 23:39
  • 日比野

    超神将軍•オーバーロード様、こんばんは。
    総合経済対策がでてきましたね。今回財務省の思惑どおりにはいかなかったようです。
    2025年11月21日 21:57
  • 日比野

    naga様、こんばんは。

    >こかで分かり易き解説していただければありがたいです。
    リクエスト承りました。

    明日のエントリーででも、と思っていましたが、総合経済対策が閣議決定されたので、明日はそのネタでいきますので、明後日のエントリーで考えています。
    今後ともよろしくお願いいたします。

    2025年11月21日 21:57