認識の歪んだサヨク言論と今後の日中関係

今日はこの話題です。
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1.中国が攻めてくるはずがない


存立危機事態を巡る高市総理答弁を切っ掛けで始まった日中の応酬ですけれども、あっち界隈が、高市総理に発言撤回を求める中、悪いのは野党やサヨクメディアの方では、という声が上がっています。

地政学者の奥山真司氏は11月18日のネット番組で次のように述べています。
奥山真司:
高市さんが、台湾有事が日本の「存立危機事態」になり得るかという質問に対し、「成り得る」と答弁したことについて、立憲民主党の岡田議員の質問は、少し意地の悪いものであったと感じます。

この答弁をきっかけに、テレビ朝日の『モーニングショー』で議論が行われ、私はそれを「玉川徹に見る日本のリベラルたちの思考」として論じました。この内容は私のTwitter(X)でも大きな話題となりました。

コメンテーターの玉川徹さんは、11月13日の『モーニングショー』で高市氏の発言を厳しく批判していました。

存立危機事態とは、日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される危険がある状態を指します。11月7日の衆議院予算委員会で、岡田議員は、台湾とフィリピンの間のバシー海峡が封鎖された場合に存立危機事態になるのかどうかを、おそらくわざと質問したのでしょう。

これに対し高市氏は、「民間の船を並べて通りにくくする程度では当たらないと思うが、戦争という状況の中では別の見方ができる」と、戦争を仮定した話として答弁しました。さらに、「台湾を完全に中国政府の支配に置くために、戦艦を使い武力行使を伴えば、どう考えても存立危機事態になり得る」と、従来政府が明言を避けてきた内容に一歩踏み込んだ発言をしました。

この発言は大きな波紋を呼び、中国の外交部も「日本にとって許せない」として撤回を要求しました。また、BBCなどの海外メディアも「日本が挑発した(プロボークした)」という書き方をしており、日本は外交戦・認知戦で少しやられていると感じます。

奥山真司:
『モーニングショー』では、中国専門家である東京大学の松田先生と玉川氏の間で論戦が交わされました。玉川氏の主張はシンプルで、「とにかく戦争はダメだ。高市首相は間違っている。このままでは戦争になってしまう」というものでした。

松田先生は集団的自衛権などは国際法や国連憲章の中で認められている部分があると説明しますが、玉川氏はひたすら「戦争は絶対にいけない」という主張を繰り返し、議論は平行線となりました。玉川氏は、この問題の本質を「日本側が戦争を引き起こしてしまう」という国内の問題に矮小化しているのです。

私のXへの投稿には、玉川氏の動機について、「反日・親中」「単なる反権力」「ビジネス・炎上商法」「戦争と集団的自衛権の区別がつかない思考停止」など、多様な批判的な解釈が寄せられました。

奥山真司:
私は玉川氏の動機について、本物の親中派、単なる権力反抗、ビジネス派、感情的で何も知らないという4つの解釈ができると考えます。私はビジネス派か、あるいは感情的で何も知らないという解釈(3か4)の間ではないかと見ています。

和田憲治:
自民党が嫌いなだけで、旧社会党的な反権力のポジションを取っているだけではないか。

奥山真司:
私は、玉川氏が分かっていて、あえて自身に求められている「左」の役割を演じているビジネス派であることを信じたいです。

最も重要な点は、戦争を避けることと、戦争に備えることは矛盾しないということです。玉川氏は戦争回避を大前提としますが、戦争を避けるためこそ抑止力が必要です。外交を成り立たせるのは、その背後にある軍事力であり、軍事力がなければ外交をしても相手から軽んじられてしまいます。歴史的にも、外交だけで戦争を防げた例はありません。

玉川氏の議論の最も重要な欠落は、「敵がいる」という事実の認識です。相手(中国)がこちらを敵だと認定してきた構図からは逃げられません。日本が戦争をしなければ、中国から仕掛けられたらどうするのかという議論が、玉川氏からは全く出てこないのです。

玉川氏の議論は、中国が軍事力を背景に高圧的になっているという外部の現実を無視し、「とにかく日本の中だけがしっかりやれば、中国は攻めてくるはずがない」という国内論に終始しています。これは完全に戦略的ではない姿勢です。

本来、外交戦で「汚い首を叩き切る」といった暴言やエスカレートを試みている中国側を批判すべきですが、玉川氏はそれを行いません。玉川氏の議論の根底には、戦前の日本が感情的に暴走したという意識があるのかもしれませんが、今回はエスカレートさせようとしているのは中国側であり、前提が根本的に間違っています。

外部の脅威を認めず、国内の敵の問題解決に終始する議論は非常にいびつであり、中国側の脅威を認めないという前提が間違ったまま感情論で議論を進めるのは危険であると考えます。
筆者には、玉川氏が「自身に求められている「左」の役割をビジネスで演じている」ようには見えないのですけれども、それ以上に「中国は攻めてくるはずがない」という前提に凝り固まった言説を聞かされるのもいい加減うんざりします。




2.意地の悪い質問をした岡田克也


奥山氏から「意地の悪い」質問をしたと指摘された、立憲民主の岡田克也議員は18日、毎日新聞の単独インタビューに応じています。

件のインタビューの要点は次の通りです。
・あの質問の意図は、従来の「存立危機事態」の定義や国会答弁(限定的な集団的自衛権の行使)が、一部政治家の発言により限定のない集団的自衛権へと広がることを危惧し、憲法違反の恐れがあるため、法律の定義と制約を改めて確認することだった。
・高市総理の発言の問題点は、台湾の海上封鎖について、「どう考えても」存立危機事態になり得ると具体的に言及した点が、限定をしない非常に踏み込んだ答弁であったこと。
・これは、日本が戦争を始めることになる「存立危機事態」の要件について、従来の限定を全てなくしてしまい、軽々しく戦争への道を開く発言だ。
・総理大臣の発言としては重く、外交上(特に日中関係の緊張)にも重大な悪影響を及ぼす最大の問題である。
・高市総理の発言を中国に言われて撤回することは困難であり、日中関係の緊張緩和には、事務方レベルでの相当な時間とエネルギーを要する調整が必要。
・世論調査で存立危機事態認定に肯定的な意見が多いことに対し、それは「戦争を始めることに賛成している」ことだと警鐘を鳴らし、「簡単に戦争を始めるな」と国民に冷静な判断を強く求める
・メディアも、この問題が持つ「戦争の要件」という重大な意味を、国民に対ししっかりと説明する責任がある
・中国側の旅行自粛や留学生への注意喚起などの反発は、ある意味「ゲームが始まってしまった」状態であり、日本政府は冷静に対応し、国益を損なわないよう緊張感を下げていく必要がある
そもそも岡田氏はしつこくしつこく詰めに詰めて無理やり引き出したと指摘されていますし、ネットではこの事態を引き起こしたのは岡田氏だと炎上すらしています。

更に、例の高市総理の答弁を報じた朝日新聞がミスリードを誘う報道をしたのだという指摘もあるようです。





3.切っ掛けは南モンゴル発言


雲行きが怪しくなり始めた日中関係ですけれども、11月20日、ネット番組「楽待チャンネル」は、ジャーナリストの須田慎一郎氏と、東京財団主席研究員の柯隆氏の対談を放送しています。

件の動画の概要は次の通りです。
〇日中関係緊張の根本原因
・発端は国会答弁ではなく、先行する日中首脳会談での高市首相による香港・新疆ウイグル人権問題への懸念表明と「南モンゴル」発言。これらを中国は「核心的利益」(レッドライン)への挑戦と見なした。
・中国は公式報道を遅らせながら、外交部や大阪総領事の発言を通じて段階的に対応をエスカレートさせた。
・大阪総領事の過激な発言は、首脳会談で日本側の発言を抑え込めなかった王毅外相への援護射撃である可能性が高い。

〇今後の見通しと中国の対応
・双方とも譲歩できないため、日中関係の緊張は「長期化(1〜2年)」する見込み。当面、日中首脳会談はあり得ない。
・中国は習近平一強体制下にあり、李強首相は習近平主席の決済なしには動けない。
・日本国内の世論を考慮し、財界の重鎮が事態収束に向けたソフトランディングの道を探る「ゲームチェンジャー」となる可能性がある
・米国との関係が安定している間は、中国が日本との関係改善を急ぐ動機は少ない。米中関係の悪化が、日中関係改善のチャンスとなる可能性もある。

〇経済・安全保障への影響と中国の「カード」
・中国が実施する「訪日自粛要請」や「水産物輸入停止」といった経済的措置による日本経済への実害は少ない。
・レアアースの輸出規制も、日本のリサイクル技術や米国への輸出先送りにより、日本にとって大きな脅威ではない。
・日本が最も警戒すべきは、中国国内の不満分子による在中国日本人の安全を脅かす行為。

〇中国経済と内政の不安定化
・中国経済はコロナ禍の後遺症として、格差拡大と若者の高失業率に苦しんでおり、景気はL字型回復で5年程度は深刻な状況が続くと予測。
・最大の問題は、国営銀行の不良債権ではなく、地方財政難による地方政府の巨額債務であり、インフラメンテナンスの停滞や年金カットに繋がりかねない。
・経済回復の鍵は「自由を与える」ことと「個人の財産を法的に守る」ことだが、現政権では実現は難しい。

〇日本に求められる戦略
・日本は、政治家の思いつきの言動を防ぐため、正しい情報に基づいた戦略が必要。
・米国に比べてシンクタンクの数が圧倒的に少なく、情報量が不足しているため、謙虚にシンクタンクを増強し、研究レポートを基にした議論を行うべきである。
柯隆氏は発端は存立危機事態発言ではなく、日中首脳会談での高市総理の「南モンゴル」発言であり、その後高市総理の台湾代表との記念写真を公開したことなどで不満が溜まっていたところ、例の存立危機事態発言がトドメとなって爆発したと指摘しています。

この通りであれば、その爆弾の導火線に火を点けたのは、立憲民主の岡田氏であり、ミスリードしかねない報道をした朝日新聞ということになります。




4.今後のシナリオ


では、今の険悪な日中関係はいつまで続くのか。これについて、11月19日、ネット番組「PIVOT」は、ゲストに神田外語大学の興梠一郎教授を招いて「日中関係悪化の理由と今後のシナリオ」という動画を公開しています。

件の動画の概要は次の通りです。
〇対立の焦点と経緯
・発端は高市総理が国会で、台湾有事の際、武力行使を伴う場合は「存立危機事態」になり得ると答弁したこと。
・これに対し、中国の大阪総領事が過激なSNS投稿を行い、日本の外務省が抗議。投稿は削除されたものの、報道により日本の与野党から総領事の「国外退去(ペルソナ・ノン・グラータ)」要求の声が上がり、事態が深刻化した。
・日本側が総領事の処分を要求する一方、中国側は高市総理の発言撤回を要求し、両国の主張が真っ向から対立。中国側は、日本の反発が強まった後に「撤回」を要求し始め、世論戦の様相を呈している。

〇中国の世論戦と戦略
・中国は、民主主義国家である日本の国内世論の分裂(与野党やメディアでの意見の不一致)を利用し、野党の批判などを引用して高市政権への圧力を強めている。
・旅行や留学の「注意喚起」は、日本の民間・経済にダメージを与え、日本国内から政権に対する内圧を引き出すことを狙った「世論操作」の一環である。
・問題の背景には、日本がアメリカと連携して台湾を防衛する「日米同盟」の強化と、日本の軍事力増強への中国側の強い懸念がある。

〇今後の落としどころとシナリオ
・中国側の報道攻勢はピークを過ぎており、局長級の会談も始まっていることから、お互いにエスカレートは避けたいという共通認識がある。
・日本政府の最大の狙いは、総領事を「退去させる」という強硬策ではなく、アメリカの過去の事例のように、中国側が「任期満了」「配置換え」といった形で自主的に離任させ、お互いの「対面」を保った形での収束を図ることにあるとみられる。
・ただし、今回の騒動の根底には台湾問題に対する日本の姿勢の変化(踏み込んだ発言)があるため、短期間での関係修復は難しく、禍根は残ると予想される。
・日本としては、尖閣問題の際に経験したような、中国国内でのデモや日本人ビジネスマンの拘束といった、非公式な形での「犠牲」を避けるためにも、できるだけトーンダウンさせたい意向がある。
興梠教授も短期間での関係修復は難しいとしていますけれども、「一番大事なポイントはですね、中国側の主張は、高市首相に発言を撤回しろって言っているわけです。それは、ま、無理の話なんですけども。で、日本側はですね、それに対して、Xの総領事の投稿を問題にしているわけですね。ですからそこはもう真っ向からずれているので、お互いに引くに引けない状況ですよね」と互いの要求が食い違っていてどうにもならないと言っています。

興梠教授は、中国は、日本での与野党やメディアでの意見の不一致を利用し、野党の批判などを引用して高市政権への圧力を掛けるという認知戦をしていると述べていますけれども、これはやればやるほど、中国という国の本質を日本国民に知らせるという悪手にしかならないと思います。

むろん、お花畑の日本人を目覚めさせ、左のあっち系の人達の正体を炙り出し、親中議員の立場を悪くするという、日本にとって国益となる部分も多いにありますから、逆説的にある程度長引いた方がよいのではないかという気もしてきます。

経済評論家の上念司氏はあるネット番組で次の様にのべています。

もし本気で奴らが事を構えようとしているのであれば、反日デモは多分スイッチオンなはずなんですよ。ただ、反日デモが起こっていない理由はいくつか考えられます。一つは景気があんまり良くないということ。反日デモを盛り上げすぎると、反日を口実とした群衆が共産党に対してストレス解消をしてくる可能性があり、愛国モードを煽りすぎるのは危険だと奴らも考えていると。

習近平のメンツもあるので、どこまでやるかというところで、今、外交部が一人、瀬戸際外交みたいなことをやっているという感じです。これで何の成果もなければ、多分最後は外交部に汚職が入って終了でしょう。向こうさんが気が済むまで、当たらないジャブでもシャドーボクシングでもやってもらえばいい。

上念氏のいうように中国が「当たらないジャブ」をやっているうちに、日本はしれっと国防強化を進め、国民の理解を深めていく、静かな備え。こうした対応が一番ベターではないかと思いますね。





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この記事へのコメント

  • ルシファード

    高市憎しのマスコミ連中は一体何処の国の味方でしょうね~特定アジアの手先でしょうね~(怒)
    2025年11月22日 16:18