トランプ大統領の高市総理への助言報道

今日はこの話題です。
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1.そのような事実はない


11月27日、木原稔官房長官は午後の記者会見での記者質問に対し、アメリカのトランプ大統領が高市早苗首相に対し、台湾問題で中国を挑発しないよう電話で助言したと報じた米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの記事に関し、「そのような事実はない」と否定し、抗議したことを明らかにしました。

会見での該当部分を引用すると次の通りです。
記者C(朝日新聞): 朝日新聞の田島です。昨日の日米電話首脳会談について改めて伺います。『ウォール・ストリート・ジャーナル』の報道では、高市総理に対し、中国政府を刺激しないよう、台湾についての発言のトーンを和らげるよう進言していたとされています。報道が事実であれば、日本政府が米国から距離を置かれ、国際的に孤立しかねない懸念もありますが、改めて政府として、台湾を巡る会談でのやり取りを発信する考えはいかがでしょうか。

官房長官: 今ご指摘の件は、午前中の会見でも申し上げた通りなんですが、昨日の日米首脳電話会談において、両首脳は日米同盟の強化や、インド太平洋地域が直面する情勢や諸課題について幅広く意見交換を行い、その中でトランプ大統領からは、今般行われた米中首脳会談を含む最近の米中関係の状況につき説明がありました。また、両首脳は現下の国際情勢のもとで、日米間の緊密な連携を確認しました。トランプ大統領からは、「トランプ大統領と高市総理とは極めて親しい友人であり、いつでも電話をしてきてほしい」といった発言もありました。

それ以上の会談の詳細は外交のやり取りであり、お答えは差し控えますが、その上で、ご指摘の記事の中に、トランプ大統領から「台湾の主権に関する問題で中国政府を挑発しないよう助言」との記述がありますが、そのような事実はない点は明確にしておきます。

記者D(共同通信/関連質問): 今、その部分の事実がないというふうにおっしゃいましたけれども、それでは日米間でですね、今後どう協力してこの問題に対応していく方針か伺います。

官房長官: 米国との間では、平素から様々なレベルで緊密に意思疎通を行っておりまして、米国政府からは、類似の機会を通じて日米同盟に対する揺るぎないコミットメントが示されてきております。私自身も先週はグラス駐日大使とお会いしまして、先般のトランプ大統領の訪日の成果も踏まえまして、日米同盟をさらなる高みに引き上げるべく、日米で連携していきたいと述べた上で、現下の地域情勢についても意見交換を行ったところであります。一昨日(おととい)の日米首脳電話会談においても、両首脳は現下の国際情勢のもとで、日米間の緊密な連携を確認したところです。米とは引き続き様々な緊密に意思疎通を取ってまいります。

記者C(朝日新聞/再質問): 先ほど、あの報道のような事実はないというふうに否定されましたけど、具体的にはどの点が報道と異なるのかということを詳しく教えてください。

官房長官: はい、ではもう一度繰り返します。その指摘の記事の中にですね、トランプ大統領から「台湾の主権に関する問題で中国政府を挑発しないよう助言」という記述、この部分についてそのような事実はないという点を申し上げました。

記者E(時事通信/再質問): ご指摘のあの記事の件について、記事全体について政府として取り下げを要請するようなお考えはありますでしょうか?また、午前中の会見ではその該当部分の否定についてはおっしゃりませんでしたが、午後の会見になって否定された理由も合わせて教えてください。

官房長官: はい。ご指摘の記事の中に、先ほど私が2回申し上げたような部分、この部分の記述があり、そのような事実はないわけですので、この点はウォール・ストリート・ジャーナル側に対しても既に申し入れは行ったところであります。

それから、午前中の会見との関わりのご質問もありましたが、その後ご指摘の記事の特定の部分、先ほど申し上げた記述について、それは報道に応じ、皆さんがご関心を持たれたと思いますけども、そういった多くの照会がですね、政府になされた。そのことを受けて、そのような事実はないということを明確にする必要があるだろうと判断しましたので、午後の会見で今のようなことを私が申し上げたというところであります。
木原官房長官は、この日の午前の会見で、このWSJ紙の報道の正否を尋ねられたのですけれども、その時は電話会談の詳細は「外交上のやりとり」だとして回答を避けていました。けれども、その後、「多くの照会が政府になされた」ため、そんな事実はないと明確にするために、午後の会見で否定したという訳です。




2.共同通信と朝日新聞の報道


件のウォール・ストリート・ジャーナルの記事はおそらく「Trump, After Call With China’s Xi, Told Tokyo to Lower the Volume on Taiwan(トランプ大統領、中国の習近平国家主席との電話会談後、日本に台湾問題の「トーンダウン」を要請)」と思われますけれども、これを受けて共同通信と朝日が報じています。

件の共同通信の記事は次の通り
【独自】トランプ氏、日中の対立を懸念 首相に「エスカレート回避を」 11/27(木) 21:00配信

トランプ米大統領が高市早苗首相との25日の電話会談で、日中両国の対立に懸念を示していたことが分かった。トランプ氏は対立のエスカレートを避けるよう要請。安定した日中関係を維持する重要性に言及した。日本政府関係者が27日明らかにした。台湾有事は存立危機事態になり得るとした首相の国会答弁をきっかけとした日中関係悪化に米国が注文を付けた形だ。

日中対立が、2国間にとどまらず米国を巻き込む外交問題に発展した格好。トランプ氏は対中貿易交渉を重視し、日中の緊張が米中関係に波及する展開を警戒しているとみられる。首相は、中国側が求める答弁撤回に応じない姿勢を示しており、沈静化の道筋は見えていない。

日米電話首脳会談は米側が呼びかけ、約20分間行われた。関係者によると、トランプ氏は日中関係に触れ「マネージ(管理)する必要性」に言及した。首相に対し国会答弁の撤回は求めなかった。

トランプ氏は日米電話首脳会談の前に、中国の習近平国家主席と約1時間にわたり電話会談し、半分を台湾問題に費やして協議した。
朝日は次の通り(無料部分のみ)
トランプ氏、日中対立「沈静化の必要性」に言及 高市氏と電話協議 2025年11月27日 20時20分
高市早苗首相とトランプ米大統領の25日の電話協議で、「(台湾有事は)存立危機事態になりうる」との首相の国会答弁をめぐる日中対立の問題に関し、トランプ氏が事態の沈静化を図る必要があるとの認識を示したことが、複数の日本政府関係者への取材でわかった。米中通商交渉を重視するトランプ氏がこの問題に直接的に関与してきたことで、高市政権は今後、日米関係への影響も踏まえた難しい対応を迫られることになった。

日米電話協議はトランプ氏が24日に中国の習近平(シーチンピン)国家主席と電話協議を行った後に行われ、トランプ氏から申し出た。複数の日本政府関係者によると、トランプ氏からは「中国が反発を強める中で、事態を沈静化させていかなければならない」といった認識が示され、そのために日米が連携していくことを確認したという。政府関係者は「日本はこうするべきだという具体的な行動は求められておらず、中国の挑発に乗らずに淡々と対応することを確認した」と語った。ただ、トランプ氏からは、中国側が激しく攻撃している首相の国会答弁を支持する発言はなかったという。

トランプ氏が日米首脳電話協議で事態の沈静化の必要性に言及したのは、日中対立が激化すれば、自身の進める米中通商交渉に悪影響が出ると判断したからとみられる。
どちらの記事も日中で対立のエスカレートは避けよ、とか、事態を沈静化させていかなければならない、とかトランプ大統領が直接介入してきたようなニュアンスで書かれています。


3.オールドメディアのやり口


では、共同や朝日の元ネタとなったWSJ紙はどう報じていたのか。

これについてジャーナリストの門田隆将氏は、11月28日、自身のチャンネルで次のように解説しています。
【前略】
昨日、あのウォールストリート・ジャーナル(WSJ)を取り上げ、それで色々論評させてもらったんですけど、そのあとまたすごいことになってますね、皆さんね。

このWSJの記事は「誤報だ」とか「いや、それは違うんだ」とか、すごい議論になっています。皆さんは、オールドメディアが書くこと、伝えることっていうのは、もう疑いをもって見てください。これを最初に提示しておきますが、嘘でもいいから高市政権を貶めたいわけです。

これはどういうことかというと、以前、時事通信のカメラマンが期せずしてマフクに拾われ、「支持下げてやる」そういう写真しか撮ってあげないぞ、というマスコミの意図が明らかになった時、国民は「ああ、やっぱりマスコミってそういう風に思っているんだ」という事実に、半分びっくりし、半分「あ、そうだろうな」と納得したところがあると思うんです。

私自身、そのオールドメディアの人たちと昔も今も付き合っておりますので、もうその高市内閣を打倒するというのは、これオールドメディアの悲願なんです。もうカルトと言ってもいいですね。実際、私の友人が「もうカルトだよ、宗教だよ」と言っていましたが、とにかく中国に逆らう、財務省に逆らう、そういった保守・現実派政権を叩き潰してやるというのが、これがオールドメディアです。これは仕方がない。もう宗教的なものになってきておりますので。

とにかく自分たちが大衆に情報を下げ渡し、長い間、大衆を導くのは俺たちだという長い傲りの中で、この仕事をしてきたオールドメディアの記者、ジャーナリスト、プロデューサーといった様々な職種の人間は、もう知らないうちに中国に取り込まれ、そして昔は大蔵省(今の財務省)に取り込まれ、とにかくこういうものに逆らうような政権は許せないわけです。

そうすると、彼らが報道するものというのは、必ずバイアスがかかっています。

今回、昨日私が取り上げましたWSJの報道を受けて、例えば共同通信がどういう報道をしたのか。昨日私が解説した話と、共同通信のこの記事を見たら、「同じ記事を論評・報道しているんだろうか」とびっくりすると思います。

WSJは、高市首相は台湾問題に関する発言を「抑制し、中国を刺激しないように求められた」という風に、記事の内容を紹介しています(11月27日の記事)。これが一つ目。

二つ目、同じ共同通信で「トランプ氏は対立のエスカレートを下げるよう、日本に要請した」と。日中関係悪化にアメリカが注文をつけたと報じました。

そして、反高市で知られる朝日はどう報じているか。「トランプ氏、中対立は望まず」ということで、さらに「トランプ氏は首相(高市氏)答弁の支持は打ち出さなかった」と。つまり、高市さんのやり方にトランプ氏は不満を持っているんだ、という論調で、一斉にいろんなものが動き出したわけです。「アメリカに叱られた高市さんだ」とか、「ついにアメリカに戒められた」とか、いろんなX(旧Twitter)でも大学教授でも、いろんな人たちがこれを論評したわけです。

しかし、あのWSJの記事は私が昨日解説した通りでございます。そんなことは書いてないんです。一番重要な「肝」の部分がここにあります。

WSJの記事には、「トランプさんからのアドバイスは非常に控えめ(subtle)だった」と書いており、「トランプは、高市氏に彼女のコメントを撤回するよう、プレッシャーをかけなかった(did not pressure to walk back her comments)」と、きっちり書いてあるんです。

私が昨日解説でこの趣旨をお伝えしたのですが、それが、この朝日新聞だ、共同通信だといった反高市メディアの手にかかればどうなるか。「とにかく日中の対立懸念でエスカレート回避を」とか、「日米関係悪化に米国が注文をつけた」とか、首相の発言指示をトランプ氏は打ち出さなかった、といった論調にする。

まさにこれです。書いてないのに、嘘でもいいから高市を貶めたいというのが、この朝日新聞、共同通信を中心とするオールドメディアのやっていることなわけです。

私は今日、「そこまで言って委員会」でもこのオールドメディアについて話し合ってきたのですが、これ、事実を真逆にするわけです。すごく控えめで、圧力もかけなかったとWSJの記事で書いているのに、真逆のことをこの朝日新聞だとか共同通信とかが報じている。

私は、皆さん、最初からもうオールドメディアの報道は疑ってください、と言っています。これは事実じゃありません。主義主張、イデオロギーに基づいて記事を書いたり放送したりしていますから。私自身、長年にわたって朝新(朝日新聞)と戦ってきましたが、この人たちは事実とは真逆に報道しますから。

事実ではなくイデオロギーに基づいて報道するということを、未だに続けているのがオールドメディアです。先月、時事通信のカメラマンが「支持下げてやる」と、生の声で拾われ、謝罪もしたのに、なぜこの人たちは反省もせずにいつまでもそれをやっているんですか、ということです。

どうしてでも「高市氏はトランプさんに叱られたんだ」という、自分たちの気持ちがありますよね。そういう風に報じたいわけです。しかし、全くそういう報道はないのに、彼らはそう書いてしまう。

じゃあ、そうすると、皆さんは、そういうメディアの言うことを今後も信じていきますか、という話になります。

【以下略】
なんと、WSJ紙は「トランプ大統領からのアドバイスは非常に控えめであり、高市氏に彼女のコメントを撤回するよう、プレッシャーをかけなかった」と、書いてあるというのですね。それを共同や朝日は、日米関係悪化に米国が注文をつけたとか、首相の発言指示を打ち出さなかった、とか、真逆に報じた、と。

SNS規制云々いうのなら、こうしたオールドメディアのミスリードも規制するようにしないとダブスタになります。




4.台湾問題は国際問題になった


ここで筆者が注目したいのは、トランプ大統領が高市総理に注文を付けたかどうかではなく、中国の習近平主席が、トランプ大統領にこの件でお願いをしたということです。つまり、自国だけの力では解決できないと自ら認め、トランプ大統領に縋ったという事実は変わりません。

これについて、昨日のエントリーで取り上げた、矢板明夫・国基研企画委員が自身のX(旧ツイッター)で次のようにツイートしています。
この数日、国際的な話題を呼んだ出来事といえば、習近平が突然トランプに電話をかけた一件でしょう。中国側のニュース稿には「应邀(招待に応じて)」という二文字が書かれておらず、こうした細かいところからも、北京が自ら積極的に電話をかけた可能性が高いことがうかがえます。動機も推測するのは難しくありません。日本首相の高市早苗氏が最近、台湾海峡に関する強硬発言をし、北京の怒りを爆発させました。中国はまず、さまざまな対日「懲戒」措置を発動し、東京に少し見せしめを与えようとしました。しかし、結果は裏目に出ました。高市氏は非らず、支持率はむしろ上昇を続けています。この状況で中国は明らかに手札を失い、ワシントンの扉を叩くしかなくなり、米国ボスに「あなたたちの高市早苗を何とかしてくれ!」と頼む羽目になりました。

トランプも実際に、習からの電話を受けた直後に、高市早苗氏に電話をかけました。高市氏は電話を受けたことを認め、口調は軽やかで、トランプが「いつでも電話してくるのを歓迎する」と笑いながら言ったと明かしました。さて、二人は何を話したのか? 高市氏は詳細を語らず、ぼかしました。これ自体が重要なメッセージを伝えており——もし米国が本当に中国のために圧力をかけたなら、日本政府は通常、直ちに緩和的な声明を出し、少なくとも表面的な対応をするはずです。しかし今回は全くの無反応で、北京に降りる段を用意する気配すらありません。

今回、中国は米国を通じて日本に間接的に譲歩を迫ろうとしましたが、明らかな失敗に終わりました。しかし、本当に注目すべきは、この施圧の成否ではなく、それが引き起こした構造的な変化です。中国自身が、台湾問題を国際舞台に持ち込んだのです。長年、北京が最も固持してきた言葉は「台湾問題は純粋に中国の内政であり、外国の干渉を許さない」というものですが、今回はまさに北京が自ら米国に台湾問題を持ちかけ、日本側の台湾関連発言への対応を米国に委ねようとしたのです。中国が米国を介入させた以上、台湾問題を単なる「家事」に言い張るのは、もう難しくなりました。これは単なる象徴ではなく、将来的に台湾問題の議論、施圧、交渉が、台湾海峡に限定されず、米日をはじめとするより多くの国々を巻き込む形で続くことを意味します。

この外交電話劇のまとめとして、三つの明確な結論があります:第一に、中国の対日制裁と強い反撃は全く効果がなく、むしろ高市氏の得点を増やしてしまい、北京を米国に助けを求める羽目に追い込み、手持ちのカードが底をついたことを露呈しました。第二に、中国が米国を通じて日本に圧力をかける戦略も完全に失敗し、日本を一歩も動かすことができませんでした。

第三に、最も深い意味を持つ点として、台湾問題は実質的に国際化しました。中国が自ら米国を巻き込んだ以上、もはや「内政への干渉は許さない」という古い枠組みには戻れません。
矢坂氏は、米中会談について「中国の対日制裁と強い反撃は全く効果がなく、しかも手札がないことを露呈した」「中国がアメリカを通じて日本に圧力を掛ける作戦も失敗した」「アメリカを巻き込んだことで台湾問題は国際問題となり、これまでの台湾問題は国内問題だというロジックは使えなくなった」と三つの結論が得られたと述べています。

矢坂氏は特に三番目について深い意味を持つとしていますけれども、なるほど、これまでの中国の主張が使えないとなるのなら悪い話ではありません。

ただこれで引き下がる中国ではないでしょう。たとえ幕引きしたいと思っていたとしても、面子を保った形で行おうとする筈です。今後の成り行きを見守っていきたいと思います。






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