
1.働いて働いて働いて働いて働いてまいります
12月1日、毎年恒例の「現代用語の基礎知識選 2025 T&D保険グループ新語・流行語大賞」のトップ10と年間大賞が1日発表されました。
年間大賞には、高市総理を受賞者とする「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」が選ばれました。
これに対する選者の講評は次の通りです。
働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相 内閣総理大臣 高市 早苗 さんまぁ、働き方改革推進に取り組む経済界がド肝を抜かれたのかどうか知りませんけれども、インパクトがあり、多くの人に浸透したことは間違いないかと思います。
ここのところとんと聞かなくなった気合の入った物言いに、働き方改革推進に取り組む経済界はド肝を抜かれた。
午前3時の公邸入りはさらなる物議をかもし、議員宿舎のファックス紙詰まりという報道もあったが、一方で、共感した昭和世代も実は多かったのではないか。「仕事ってそういうものだったな」と。
多様性を尊重する働き方を実現しているところもあれば、道半ばのところもあるのが現実だ。
初の女性総理、働いて働いて働いて働いて今があるのは間違いない。
国内・外交、問題は山積み。どれも油断は許されない。
働いて働いて働いて働いて働きながらも、人を活かし自分を伸ばす、高市流「シン・ワークライフバランス」で、強靭で幸福な日本をつくっていこうではありませんか。
大賞の表彰盾を送られた高市総理は、司会に感想を問われ、次のように答えています。
――では、トップ10ならびに年間大賞を受賞された高市総理、受賞の感想を述べていただきます。瞬発的に言いたいことがあるときは関西弁イントネーションになる、う~ん。「進撃の巨↑人↓」は瞬発だったようにはみえなかったですけども・・・。冗談はさておき、内閣発足は1カ月ちょっとしか経ってないのに、高市総理の働きぶりは間違いなく「働いて働いて働いて働いて働いて」だと思います。
高市早苗:
はい。皆様こんにちは。内閣総理大臣の高市でございます。 今年の新語・流行語大賞の、まあ、年間大賞を賜りまして、誠にありがとうございます。 この「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」という言葉でございますが、まあ、賛否両論いただきました。 こんな中で、私がこの言葉を発したのが、自分が日本国という国家の国家経営者になるかもしれない立場になった時、つまり自民党の総裁選挙で勝利した日に言った言葉でございます。
確かに「働き方改革」、とても大事な時期でございますが、でも日本各地で、例えば研究開発、技術開発に取り組んでおられる皆様、そしてもう寝食を忘れて、それこそ研究に没頭しておられる方々もおいでですし、それから企業の、大きい小さい関係なくですね、例えばスタートアップの経営者の方から大企業の経営者の方まで、それこそ自分の会社の社員やその家族の生活を守るために、どうやって企業の業績を伸ばしていくか、またお取引先のためにどうやって頑張っていくか、本当に休みの日も夜に帰られてからも、考えて考えてお仕事をされていると思います。
日本国の国家経営者としては、何としても自分も、働いて働いて働いて働いて働いて、国家国民の皆様のために貢献したい、そんな思いがございました。
決して多くの国民の皆様にですね、働きすぎを推奨するような意図はございません。また長時間労働を是とするような意図もございませんので、そこはどうか誤解のないようにお願いをいたします。
この「働く」という言葉を、もう一つスポットライトを当てていただいたことに心より感謝申し上げます。 結びになりますけれども、選考委員の皆様方をはじめ、多くの皆様に対して心より感謝を申し上げます。皆様のお幸せ、健康を心からお祈りを申し上げ、そしてこれから日本、現在に生きる私たち、そして未来の日本国民が本当に希望を持てる、そんな強い経済、強い外交安全保障、そしてまた豊かな暮らし実現のために頑張ってまいります。
誠に本日はありがとうございました。
――ありがとうございました。総理、質問です。通常は「働いて働いて働いて」と3回繰り返すのが通常なんですけども、総理は5回繰り返されました。その狙いは何だったんでしょう?
高市早苗:
それはその場の雰囲気……雰囲気です。大きな意味はございません。
―― しかもですね、それまではずっと標準語でお話しになってたんですが、「働いて」は奈良のアクセント、ふるさとのアクセントとおっしゃってました。
高市早苗:
そうでしたか。あの、私は普段標準語に変換するのに1、2秒かかってしまいますので、まあ何かどうしても瞬発的に言いたいことがある時には、つい関西弁になってしまうということでございます。
――それがですね、かえって「働いて」というよりは、「働いて(関西弁イントネーション)」の方が優しさが伝わったんですね。
高市早苗:
そんなふうに言うてもらえたら、本当にありがとうございます。
――リズムと力強さと優しさが伝わってまいりました。最後にもう一つ。日頃の健康管理どうなさってますか?働きすぎではないでしょうか。
高市早苗:
あの、私は朝と夜、お風呂に浸かります。まあちょっと睡眠時間がその分短くはなりますけれども。夜もお風呂にお湯を張って、で、朝はその夜入ったやつの追い焚きなんですけれども、ぐっと湯船に浸かって、この体中マッサージして体を目覚めさせる。まあそれは私にとって、私の時間でございます。
――どうもありがとうございました。労働基準法は国会議員にはないんですけども、たまには「休んで休んで休んで休んで」くださいね。ありがとうございました。
2.天照大神、新嘗の宮に在りて、神御衣を織らしめたまふ
この「働いて働いて働いて働いて働いて」にまたしても、メディアが下らない質問をして噛みついています。
12月2日、国民民主党の玉木代表は、流行語大賞について次のような質疑応答を行っています。
記者: 昨日ですね、今年の流行語大賞が発表されまして。高市首相の「働いて、働いて、働いて、働いて、働いてまいります」という言葉が選ばれました。首相に選ばれた方がこういう発言をすること、そしてそれが流行語大賞に選ばれるという、今の現状に対する評価を改めて伺います。働くことが美しいと称賛する空気が作られるのは、見過ごせない? そんなことを聞く方がオカシイ。日本書記では、天照大神が神御衣を織ったとされています。
玉木代表: 私は「エッホエッホ」が良かったですね。ああいうのがやっぱり取って欲しかったな、大賞はと思いますけど。ただ、高市総理も受賞式の中でね、「そういう意図ではないですよ」ってことはあえて付言されてるので。それも合わせて報道することが公平なのかなっていう気がしますね。ご主人の介護もされてる中で、とにかくワークライフバランスということをもかなり苦心されてきた。ご本人の決意を述べたものであって、国民に何かですね、より残業してよりたくさん働けということを言った趣旨ではないと思います。
記者: 首相の発言のきっかけとして、やっぱりこの働くことが美しいことと称賛されることという風な社会の空気が作られるのは、働くものを代表する党としても、見過ごせないのではないかなと思ったりもするんですが、その辺りどうでしょう?
玉木代表: 私は働くことは美しいことだと思ってます。欧米的な、働くこと自体はなんか悪いことであったりとか、できるだけ少ない方がいいというものでも私はないと思うんですよね。働くことそのものに喜びを感じられることもありますし、そこから学ぶことも人生の深みが出ることも、やっぱり働くことっていうのは私は素晴らしいことだと思います。もちろん、その過度な残業であったりとか、そういったことはきちんと法律に基づいて規制することではあるんですけど。働くことは私は逆に美しくあるべきだと思ってます。
つまり、日本において、「働くことは美しくない」とすることは「天照大神の所為は美しくない」とするも同義であり、ひいては神の否定にも繋がり兼ねません。玉木代表のいうように、働くことは美しくあるべき、というのは当然のことだと思います。
3.そのがむしゃらな仕事ぶりで日本の救世主となるのでしょうか
他にも、「働く」ことに噛みついているマスコミもいるようです。
ネットでは「報道ステーションの大越健介アナが、高市総理の流行語大賞受賞に「そのがむしゃらな仕事ぶりで日本の救世主となるのでしょうか」と苦言を呈したという動画がチラホラと上がっています。
筆者は報ステで件の発言を聞いた訳ではありませんけれども、本当にこの発言がされたとして、やはり首を傾げてしまいます。
なぜなら、前段と後段がストレートに繋がらないからです。
後段は疑問形で終わってますから、反語としてみれば、「救世主となるのか、いやなれない」となります。これを前段と合わせると「がむしゃらに仕事をしても救世主にはなれない」となってしまいます。
この文章で「救世主になれる」とするためには、前段の意味をひっくり返さないといけなくなります。「がむしゃら」を「後先を考えないで強引に事をなすこと」とすると、その反対語は「熟慮断行」になるでしょうか。
つまり、大越アナのロジックでは、日本の救世主になるには「熟慮断行」が必要である、ということになります。
これはこれで一見その通りのように聞えます。
では、高市総理の前の総理はどうだったか。前の「ねばねば」総理は、熟慮せねばで何も断行できませんでしたし、前々の「検討使」総理は、熟慮なしでLGBT法を断行し、今やこんなことになってしまってます。
ならば、熟慮と断行の両方をすればよいのかというと、そうとは限りません。熟慮しようが断行しようが、何を行うかの中身が大事であるからです。
高市総理が就任してからの働きぶりは、そこからみれば確かに「がむしゃら」に見えますし、ガンガン「断行」しているように見えます。けれども、高市総理は総理になる前に政策の勉強に明け暮れ、頭にはやりたい政策で詰まっているとよく指摘されるところです。つまり、総理になる前は「熟慮」しまくっていたと言えるのですね。
その意味では、高市総理がやっていることは正に「熟慮断行」であり、我武者羅だけでは決してないことが分かります。
そうした高市総理の「熟慮」の部分を一切触れず、「断行」の部分だけクローズアップして、日本の救世主にはなれないとする大越アナの意見は、実に雑であり、片手落ちの議論であると思います。
4.ワークとライフ
流行語大賞の授賞式で、高市総理は「働いて働いて働いて働いて働いてまいります、という言葉でございますが、まあ、賛否両論いただきました」と述べていますけれども、これが大賞となったことについて、話し方のプロ・kaeka代表の千葉佳織氏は、次のような見解を示しています。
・高市総理にとってはラッキーだったのではないか。この「働いて働いて働いて」の話は、賛否両論があったとご本人もおっしゃっていた。その中で流行語大賞を取ったことは、一種、エンタメ的に消化されるというか、『これで一旦この話は終わりね』となりやすいことだと思う。そういう意味で、高市総理にとっては一区切りになるような出来事だったのではないか。千葉氏は、高市総理の「働いて働いて・・・」が流行語大賞となったことで、ワークライフバランスのあり方について巷で議論されるようになったと、その効果を認めつつ、その一方で、人によって「ライフ」の解釈が違うことから、ワークとライフが二項対立的になってしまっていると指摘しています。
・実際にこの言葉から、ワークライフバランスのあり方についてはかなり議論されている。そして、流行語大賞になることによって、さらにこの議論が加速しているように思っていて、特にワークライフバランスの“ライフ”の解釈が1人1人違うという話がよく出ている。たくさん働く方にとっての“ライフ”は人と遊んだり飲みに行ったりすることだと思っている。一方で、バランスを取ろうという方にとっての“ライフ”は育児や家事など家庭の労働だと捉えている。この状況を『やったことがないから言ってるんでしょ』というように、“バランス”とついているのに、二項対立的になってしまっていると強く感じている。
・いずれにしても、働くことは私たちにとってすごく大切な営みであり、全ての方がポジティブでいられることはみんなが願いたいこと。そのため、“ワークライフバランス”という言葉そのものをアップデートするというか、新語を作った方がいいと思っている。本当にあるべき私たちのスタンスが次の時代に向けて問われているのだろう。
それでも、街の声では「めちゃめちゃいいこと。働く人が生き生きとできる社会だといいなと思っていたのですごく私たちにとって後押しになった」、「かっこいいなぁと思っていたので嬉しい。『働け働け』と言ったんじゃなく自分たちが『働いて働いて』と言っていたのですごく頼もしいなと」などと好意的に受け止められているようです。
筆者は、ワークとライフはそれぞれ別のもので「二項対立」するようなものでなく、一つのものではないかとすら思います。街の声であった「働く人が生き生きとできる社会」というのは、まさに、ワークとライフが一体化してそれでいて幸福である状態のことを言っているのではないかと思うのですね。
天照大神が機織りをしているときに何を思っていたかは分かりません。けれども、悪いことだと思って織っていたとはとても思えない。
ワークはライフであり、その姿が美しい。そんな社会もまた美しいのではないかと思いますね。
「働いて×5」年間大賞、街の声✨
— ドンマイおじさん (@don_mai_don_mai) December 3, 2025
「めちゃめちゃいいこと。働く人が生き生きとできる社会だといいなと思っていたのですごく私たちにとって後押しになった」
「かっこいいなぁと思っていたので嬉しい。『働け働け』と言ったんじゃなく自分たちが『働いて働いて』と言っていたのですごく頼もしいなと」 pic.twitter.com/1CE6pEI1m6
この記事へのコメント
超神将軍•オーバーロード
日比野
流行語大賞、まぁ選考委員の独断と偏見に寄っているのでは、と思わなくはないですけれども、流行ってないのを無理くり持ち上げることはできても、誰もが口にした言葉を無視することは難しいですからね。
オールドメディアは明日の記事のネタですけれども、メディアはだんまりを決め込んでますね。けれども、この言葉すら報じられないようではお里が知れるというものです。
今後ともよろしくお願いいたします。