中国が日和り始めた3つの理由

今日はこの話題です。
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1.どんどん状況は悪くなっていくんです


12月9日、日本保守党の百田尚樹代表は記者会見で、中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射について「言語道断な行為だ」と批判し、過去の日本政府の「事なかれ主義」が「遠因」であるとも指摘しました。

件の会見でのやり取りは次の通りです、
【NHK 並木】 中国軍による自衛隊に対するレーダー照射の問題について、日本保守党として政府に求める対応であったり、外交姿勢、求めることを含めてコメントいただければと思います。

【百田代表】 これは言語道断な行為です。非常に悪質、危険で、国際的に許せない大問題だと思います。中国は例によって「うちが悪くない」と居直っています。 この問題は根が深く、2019年の韓国軍によるレーザー照射への日本政府(当時の岩屋防衛大臣)の対応が非常にぬるかったことが悪例を残しました。「レーダー照射しても日本はあんまり怒らないな」と近隣国が見ているんです。 2010年の尖閣漁船衝突事件でも、当時の民主党政権が中国人船長を釈放したことで、その後、ロシア首相の北方領土上陸や韓国大統領の竹島上陸を招きました。日本政府の非常にだらしがない事大主義が、今回のことを運んだなと思います。国際社会は、こちらが緩んでいると、どんどん状況は悪くなっていくんです。自民党政権は分かっているのか。高市さんを呼んできて、しっかり教えたいと思う。

【島田議員】 中国は明らかにサラミ戦術をしてきています。対応が弱いとさらにぐっと押し込んでくる、常態になると見ておかないといけません。 今回、2度に渡ってレーダー照射され、2度目は30分に及んだと。これ大変異例なことです。レーダー照射は引き金に指がかかっている状況で、30分耐えるのは異例です。 過去の事例から見ても、近隣国から日本は「一発アウト」という行為を受け続けているのに、この間に憲法九条改正一つできないというのは、やはり日本国自体がどうかしていると言わざるを得ません。 今回の行為は台湾問題の一環でもあるため、日本が国際問題化し、特に米軍との連携を強化して抑止力を高めるという、これを契機に使うべきです。

日本政府は対抗措置を発表していません。対抗措置は取らないと、自衛隊の方々のモチベーションに関わります。例えば、フォトレジストの輸出停止、中国への海外渡航情報レベル上げ、日中間の地方路線への補助金停止などを考えるべきです。 「二度とこんなことをさせない」という日本政府の強い意思がここで示されなければ、次はもっとひどい状況になります。
百田代表も島田議員も日本政府の対応が生温いとし、もっと強い意志を示さないと状況はもっと悪くなると述べています。




2.悪戯に刺激して何も得はない


一方、マスコミは相変わらず、中国への忖度報道が目立ちます。

12月11日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」が日中間の応酬が続く現状について特集。対立が今後にもたらす影響などについて、笹川平和財団上席フェローを務める小原凡司氏の解説をまじえて分析。中国側は今回、一般の「探索用レーダー」と主張していることについて、小原氏は「(日本側の主張は)捜索用ではなかったということを示唆しており、そう言うだけの根拠を自衛隊側は持っているのだと思う。たぶん、火器管制用レーダーを照射されたのだろうと、いうことだろうと思う」などと述べていました。

そこで、コメンテーターの玉川徹氏が「これ、スタートは高市総理の『ぽろっと発言』から始まっている……アメリカ以外の国がこういうやりとりをみどう見ているか、関心がある。アメリカも、レーダーの件は別ですが、それ以前のことについては、日本の完全な味方という形にはしていない。アメリカですら」とも述べました。

そして、「これまでの流れをみていても、中国を猛獣とすれば、猛獣をいたずらに刺激するメリットはないなと思う……経済的にも(日中両国は)密接につながっている。中国との関係を断てばいいなんて言うネット右翼の人たちもいますが、中国なしで経済を立て直していくのは日本にとっても大変なんだけど、実は中国にとっても大変で、中国側も『余計な刺激をするな』ということなんじゃないかなと思う……今、猛獣が刺激を受けちゃって興奮している状態。言葉は通じないので、今は、猛獣が興奮からさめるのを待つしかないということ……その間、いろんなことで日本に経済的なプラスはない。マイナスばかりなので……そういうふうなことになるようなことは、国のトップが自らやるべきではない……だって、損害賠償請求もできないでしょ? いろんな人が経済的な打撃を受けても……いたずらに刺激するようなことは得は何もない。そういうことは厳に慎んで欲しいと、僕は思いますね」と高市総理を批判しました。

けれども、この玉川氏の「猛獣を刺激するな」論は、要するに、市街地で暴れまわる熊に対して刺激するなと言っているのと同じです。何もしなければ犠牲が増えるばかりです。

また、同じくテレビ朝日系「報道ステーション」では、中国軍レーダー照射問題についても中国側の主張を裏取りも検証もせずに流していたのではないかとネットで散々に叩かれています。


3.「報道ステーション」X投稿の問題点と改善を求める声明


そんな中、NHK党の濱田聡・前参院議員は、「中国軍レーダー照射問題に関するテレビ朝日「報道ステーション」X投稿の問題点と改善を求める声明」をXでツイートしています。

件の声明の全文は次の通りです。
中国軍機が自衛隊機に危険なレーダーを照射した問題で、中国側は「事前に訓練を通告していた」とする音声データを公表しました。

これを受けて、テレビ朝日「報道ステーション」のX公式アカウントは、

「【速報】中国側“事前通告”音声を公開」

という投稿を行い、中国側の主張を大きく取り上げました。

一方で、小泉進次郎防衛大臣は、Xに

「先ほどレーダー照射事案に関する中国国営メディアの報道について、臨時記者会見を開きました。内容は以下の通りです。

――――――

12月6日(土)に発生したレーダー照射事案に関する中国国営メディアの報道について、4点申し上げます。」

と投稿し、添付資料で次の4点を丁寧に説明しています。

1 中国艦艇から「飛行訓練を開始する」との連絡はあったが、訓練区域・時間・規模など、危険回避に必要な具体情報は伝えられていないこと。

2 自衛隊機のスクランブルは、訓練の事前通告の有無にかかわらず、領空と国民を守るための正当な行為であること。

3 当日の航空自衛隊F-15が、中国側の主張のようなレーダー照射を行った事実はないこと。

4 問題の本質は、中国側が約30分にわたり危険な火器管制レーダー照射を行ったことであり、再発防止を強く求めていること。

つまり、小泉大臣は、Xのポストと会見を通じて、

「中国側の音声はあっても、『安全を確保できる十分な情報』ではなかった」
「日本側のスクランブルは当然の任務」
「レーダー照射をしたのは中国であり、日本ではない」

という点を、国民向けに明確に示しています。

この状況を踏まえると、報道ステーションのX投稿には、次のような大きな問題があると考えます。

―――――――――――――――――

【1 “事前通告”の言葉を、そのまま見出しに使った問題】

国際的な意味での「事前通告」とは、

・訓練区域
・期間
・高度

などを、前もってNOTAMや航行警報で正式に知らせることです。

ところが、中国側が今回出してきたのは、

「現場の艦艇から、直前に『これから訓練します』と告げているだけ」

と見られるものです。

それにもかかわらず、

「【速報】中国側“事前通告”音声を公開」

と太字で打つと、

「日本は事前に知っていたのに、わざわざ近づいたのでは?」

という誤解を、多くの人に与えかねません。

これは、中国側の「話の枠組み(フレーミング)」に乗せられてしまう危険な表現です。

しかも、テレビ朝日と報道ステーションは「公共の電波」を使うキー局です。

電波は国民共有の財産であり、その限られた周波数を優先的に使う立場として、一方当事者の言葉をほぼ検証なく見出しに採用するのは、極めて問題だと考えます。

―――――――――――――――――

【2 中国側音声の「怪しさ」への説明がないこと】

今回の音声については、すでに

・SNS上で編集されている可能性
・英語のやりとりの不自然さ
・英語が中国語訛りだとされ、本当に自衛隊側の声なのかという疑問

など、多くの指摘がなされています。

にもかかわらず、報道ステーションの投稿では、こうした疑問点や注意点がほとんど触れられていません。

まるで、中国国営メディアの出したものを、そのまま受け入れてしまったかのように見えます。

公共の電波を預かる放送局が、外国のプロパガンダの可能性がある素材を扱うときは、

・出典
・編集の有無
・信頼性への疑問点

をあわせて説明するのが筋です。今回は、その基本が欠けていると言わざるを得ません。

―――――――――――――――――

【3 問題の本質は「火器管制レーダー照射」であること】

小泉大臣は会見・Xポストを通じて、繰り返し

「問題の本質は、約30分にわたる火器管制レーダー照射だ」

と述べています。

火器管制レーダー照射とは、ミサイル発射の準備段階で相手機を捕捉・追尾する状態であり、国際的に非難される行為です。

しかし、報道ステーションの投稿は、

・中国側の“事前通告”主張
・「日本戦闘機が近づいた」とする説明

を丁寧に紹介する一方で、

「そもそも中国が危険なレーダー照射をしたこと自体が問題」

という核心部分が弱くなってしまっています。

公共の電波を通じて、論点のすり替えにつながるような報じ方をすることは、日本の安全保障にとって望ましくありません。

―――――――――――――――――

【4 テレビ朝日・報道ステーションに求めること】

以上を踏まえ、前参議院議員として、次の点を求めます。

1 今回のX投稿について

 ・番組内およびX上で、内容の検証と補足説明を行うこと。

 ・“事前通告”という言葉の国際的な意味と、中国側の主張との違いを、視聴者に分かる形で説明すること。

2 今後の外国発情報の取り扱いについて

 ・中国など外国政府・軍の映像・音声・資料は、出典や編集の有無、信頼性への疑問を明示すること。

 ・一方当事者の主張を、そのまま見出しに使わないこと。

 ・「電波は国民の共有財産」という原点に立ち返り、社内のチェック体制や基準を見直し、その概要を国民に説明すること。

―――――――――――――――――

最後に、危険なレーダー照射の中で任務を全うした自衛隊員と、それを支える関係者のみなさんに、心から敬意を表します。

メディアは、日中対話の重要性を認めつつ、日本国民が中国などのプロパガンダに振り回されないよう、事実と国際ルールに基づいた情報発信を行う責任があります。

とりわけ公共の電波を預かる放送事業者には、自らの報道が日本の安全保障に与える影響を重く受け止め、今回の件を教訓に、より慎重で公正な報道に努めていただくよう、強く求めます。
このように濱田氏は報道ステーションのX正式アカウントでの投稿には、「1 “事前通告”の言葉を、そのまま見出しに使った問題」「2 中国側音声の「怪しさ」への説明がないこと」「問題の本質は「火器管制レーダー照射」であること」という大きな問題があり、その改善を求めるとしています。

確かにこれでは、「中国の言い分の垂れ流し」、「中国プロパガンダ放送局」と言われても仕方ないように思いますし、後で小泉防衛相に完全否定されたことを考えると、結果的にミスリードをしていたことになります。普通の企業では100%再発防止策を求められる案件です。果たしてテレビ朝日に、この件で再発防止策に取り組む気持ちがあるのか聞いてみたいところです。

濱田氏は、この声明でテレビ朝日に対し、「社内のチェック体制や基準を見直し、その概要を国民に説明すること」としていますけれども、これに答えるか答えないかで、改善する気があるのかどうかある程度見えてくるのではないかと思います。




4.中国が日和り始めた3つの理由


日本に対する中国の批判や挑発は、まだまだ続きそうな勢いですけれども、具体的な報復となると、自国民への日本渡航を控える要請とか、日本関連のイベントや映画、講演の中止や延期といったものばかり。本気の報復ではないと識者は口を揃えています。

これについて、12月8日、みんかぶマガジンは、「中国がヒヨり始めた3つの理由…なぜトーンが急落?国内からも疑問の声あがる「輸出減少していけば中国経済を圧迫」」という記事を掲載しました。

件の記事の概要は次の通りです。
〇背景:高市首相の「台湾有事」発言と中国の当初の対応
 ・高市首相が台湾有事の可能性について「存立危機事態になりうる」と発言したことに対し、中国は「核心的利益」に触れたとして猛反発し、発言撤回を繰り返し要求した。
 ・中国は報復措置として、日本への渡航自粛を呼びかけたり、航空便の運休、日中韓文化相会合の延期などを決定した。
 ・在大阪総領事による「殺害予告」とも取れるSNS投稿など、強い批判的な言動が見られた。

〇中国の批判トーンが急落した3つの理由
 ・経済アナリストの佐藤健太氏は、中国の批判のトーンが急落した理由として、以下の3点を指摘。
  +中国の国内事情
   /習近平国家主席は日本専門家(ジャパン・スクール)を警戒する傾向があり、過激な言動は本国への忠誠心を示すための「ポーズ」である可能性がある。
   /過剰な対日批判や報復措置(例:上海でのアニメイベントの中止)に対して、中国国内からも「やりすぎだ」という疑問の声が上がっている。
   /習主席自身は、高市首相を隣国として「付き合わなければならない相手」として認識していると見られている。
  +「中国へのブーメラン」効果
   /日本への渡航自粛などの報復措置は、中国側の旅行業や航空業にも打撃を与え、中国経済にとってマイナス。
   /日中は相互依存関係(中国は日本の第2位の輸出市場、日本は中国の第3位の貿易相手国)にあり、報復の長期化は輸出主導型の中国経済を圧迫し、「ブーメラン」となる。
  +国際的な孤立への懸念
   /現在の高市首相とトランプ前大統領の関係は良好であり、日米関係が良好な状況での対日摩擦の激化は得策ではない。
   /米中貿易戦争が激化する中で、トランプ前大統領が台湾侵攻の際に「北京を爆撃する」と示唆したとの報道もあり、中国は米国からの強い警告に直面している。
   /日本との摩擦を深めることは、米国との対立に加え、中国のサプライチェーンや、不動産危機で低迷する国内経済をさらに圧迫するリスクがある。
威勢よく日本を批判するはいいが、中国も思いっきり返り血を浴びているというのですね。

先日、日中の外務省の局長級協議が終了した際、「ポケットに手を入れていた」と話題になった、中国の劉勁松アジア局長は、この協議の後、まもなく、日系大手メーカーの遼寧省大連市の拠点を訪れたと報じられています。

劉勁松アジア局長は「日系企業とのコミュニケーションを維持し、ビジネスの発展に向けて引き続き支援する……中国で安心して事業活動をしてほしい」などと話し、視察を終える際には責任者と抱擁して友好ムードを演出したようです。

つまり、中国にしても日本と決定的に対立して、日本企業に逃げられるのが嫌なのですね。追い詰められているのはむしろ中国側ではないかと思えてなりません。

日本と決定的な対立はしたくはないが、さりとて、高市総理は引きずり降ろしたい。となると、声高に威嚇したり、内部工作するしか手がなくなってきます。報道ステーションではないですけれども、日本の中に中国に忖度する大手メディアがあることも明らかになってきました。

このまま、日中の対立が長引けば長引くほど、日本の敵が何処にいて何をしているのかが、どんどん炙り出されてくるのかもしれませんね。



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