有事対応を妨害する内なる敵

今日はこの話題です。
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1.日米防衛相会談


12月12日、小泉防衛相とアメリカのヘグセス国防長官が電話会議を行いました。

防衛省発表による会談概要は次の通りです。
12月6日に発生した中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射事案を含め、両閣僚は、急速に厳しさを増すインド太平洋地域の安全保障情勢について率直な意見交換を行った。小泉大臣から、我が国として、我が国周辺海空域における警戒監視活動を引き続き粛々と実施し、いかなる不測の事態にも冷静かつ毅然と対応していく旨述べた。両閣僚は、中国の行動は地域の平和と安定に資するものではなく、地域において緊張を高めるいかなる行為についても、深刻な懸念を表明するとともに、日米間で緊密に意思疎通し、連携していくことで一致した。

小泉大臣は、11月の先島諸島の訪問の結果や、我が国の防衛力の一層の強化に向けた進捗などを説明した。両閣僚は、10月29日の東京における会談で一致した事項も踏まえ、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化する様々な取組について、引き続き切迫感をもって推進していくことを確認した。

両閣僚は、年明けに対面での会談を行うべく、必要な調整を進めることで一致した。
小泉防衛相は、日本周辺海空域における警戒監視活動を続けるとし、ヘグセス長官と「中国の行動は地域の平和と安定に資するものではない」と一致したとしています。

実際、この前々日の10日、自衛隊と米軍が日本海上の空域で共同訓練を実施しています。米軍からは核兵器の搭載が可能なB52戦略爆撃機2機、自衛隊からはF35戦闘機とF15戦闘機が3機ずつ参加しました。

統合幕僚監部が日米の共同飛行訓練の実施を公表するのは11月18日以来、B52が参加する訓練の公表は2024年12月17日以来のことだそうです。


2.成層圏の要塞


これに関連して、ジャーナリストの三枝玄太郎氏は自身の動画チャンネルで取り上げ、アメリカがB52戦略爆撃機2機を参加させたことを取り上げ、核抑止力を含む強い対中露牽制の意思と、「台湾と日本を守るぞ」という意思表示を示したものだと述べています。

件の動画の概要は次の通りです。
〇 日中関係の緊張と中国の孤立:
 + 中国はレーダー照射について事前通告を主張するが、直前の通告は不適切であり、国際社会での孤立の度合いを深めている。
 + イギリスなど欧州主要国も中国を安全保障上の脅威と認識し、オーストラリア、ニュージーランドは日本支持の立場。
 + 安倍元首相の「開かれたインド太平洋構想」は、中国の動きを牽制する中国封じ込め論として評価される。

〇 中国の軍事動向と日本の対応:
 + 中国は小型無人機100機を搭載可能なドローン空母「急点」を初飛行させるなど、軍拡を続けている。
 + これに対し、日米は日本海上で核搭載可能な米軍のB52戦略爆撃機2機を加えた共同訓練を実施した。
 + これは、通常参加のB1Bではなく「死の鳥」と呼ばれるB52の参加により、核抑止力を含む強い対中露牽制の意思と、「台湾と日本を守るぞ」という意思表示を示したもの。

〇 国内の動きと世論戦:
 + 統合幕僚長は、レーダー照射を受けた自衛隊員のストレスを認めつつ、「疲労の平準化」を図っている。
 + 元外務省条約局長の東郷和彦氏ら元外交官や学者が、高市首相の「台湾有事は存立危機事態」発言の撤回を求め、「宣戦布告に等しい」「対話への努力放棄」と東京新聞で批判した。
 + 毎日新聞も、高市首相が答弁資料の「台湾有事について政府として答えない」という基本姿勢を超えて答弁したことを問題視する記事を報じた。

〇 中国の「内政問題化」戦略:
 + 中国は、ウイグル、チベット、香港、台湾といった問題全てを「我々の内政問題」と位置づけ、国際的な介入を排除しようとする戦略を取っている。
  / 高市首相の発言撤回要求や、政府答弁を問題視する国内の動きは、この中国の世論戦に組するものであり、日本国内の元官僚や一部メディアが中国側に立っている。
三枝氏は、中国はレーダー照射事案によって、増々国際的孤立の度合いを深めているとする一方、国内では元外務官僚や一部マスコミが中国の肩を持って反高市に終始していると指摘しています。


3.内なる敵


日本のマスコミの高市叩きについて、12月12日、ジャーナリストの門田隆将氏は、自身の動画で次のように述べています。
【前略】

今日の収録を通じて、やはり、このオールドメディアによる高市批判があまりにもひどいと感じました。高市さんが靖国参拝や保守現実派であるという理由で、リベラル左翼系のオールドメディアが批判するのは予想通りですが、そのひどさには驚かされます。

その批判に乗る評論家やジャーナリストとは、スタジオでよく激突しますが、記事もすごいです。例えば、今日Yahoo!ニュースのトップに載っていた共同通信の記事についてです。トランプ大統領が日中の対立から距離を置いているという内容でしたが、この記事は重要なファクトを欠落させています。

トランプさんが高市さんと習近平さんの争いから距離を取っているという論調ですが、全く事実と異なります。なぜトランプさんが中国について多くを語らないのか。それははっきりしています。理由は**「大豆問題」**です。来年の中間選挙に向けて、トランプさんの支持基盤である農業従事者にとって、中国が大豆を大量に輸入することが非常に重要だからです。中国は年末までに2,200万トン、そして3年間で2,500万トンもの大豆を輸入することになっており、トランプさんは中国が1,200万トンを引き取るまで、様々な発言を控えているという事情があります。

しかし、共同通信の記事にはこの事情が一言も出ない。そして「高市さんとトランプさんは距離を取っている」という記事を書き、高市さんがアメリカとうまくいっていないことを演出するわけです。

皆さん、12月5日に発表されたアメリカの「国家安全保障戦略2025 (NSS)」をご存知ですか。これはアメリカの安全保障において最も重要な戦略です。ついに「台湾を巡る紛争を抑止することが最優先である」と宣言し、長年の曖昧戦略を捨てたのです。これは歴史的なことです。

安倍さんが亡くなる3ヶ月前の2022年4月、アメリカの国際戦略サイトに「アメリカは台湾に対する曖昧戦略を捨てるべきだ」という最後の訴えとなる提言を載せました。その安倍さんがずっと主張していた、台湾へのアメリカの曖昧戦略を捨てさせ、抑止力として平和を守るためにアメリカが乗り出していくということが、ついに12月5日にアメリカによって打ち出されたのです。

トランプさんが大豆問題で露骨なことを言わないのは分かりますが、アメリカの態度は明らかです。それなのに、共同通信は高市さんに対し「トランプさんは冷たいよ」と演出する。

共同通信や朝日新聞のような、いわゆる「内なる敵」は、中国の肩を持ち、平和を守ろうとする高市さんやアメリカの必死の戦いを理解しようとしない。台湾で紛争が起これば、何百万もの命が失われるわけです。

なぜ中国は日本にはレーダー照射などの嫌がらせをするのに、アメリカにはしないのか。それは、アメリカには日本のような「うちなる敵」が少ないからです。アメリカでは、民主党も共和党も、上院も下院も、マスコミも全て、人権侵害の覇権主義・独裁主義である中国共産党にシンパシーを感じ、味方をする人たちの発言の場が非常に少ない。しかし、日本は逆です。東京のメディアはみんな中国側に見えます。

「存立危機事態になり得ない」と言った瞬間に日米関係は終わりです。日本が乗り出さないことになれば、アメリカ単独でやらざるを得なくなり、これは台湾侵攻を呼び込むことになります。そうなれば、第三次世界大戦に突入し、数百万の命が失われるでしょう。しかし、日本のマスコミや、私が今日論争した人たちは、完全に中国側に立っています。彼らは「高市さんのうっかり発言は許せない」という立場ですが、このような発言がなければ、アメリカの曖昧戦略を打ち崩し、平和を守ることはできなかったのです。

【後略】
門田氏は、共同通信や朝日新聞などを「内なる敵」と指摘し、中国の台湾侵略を抑えなければ、第三次世界大戦になると警鐘を鳴らしています。




4.台湾有事の危険性


門田氏は高市総理の台湾有事発言がなければ、平和を守ることは出来ないと述べていますけれども、現在、台湾有事の危険性はどれくらい上がっているのか。

これについて、ネットのABEMA番組に出演したハドソン研究所研究員の長尾賢氏が解説しています。

件の番組の概要は次の通りです。
〇 台湾有事の現実味の増大
 + 中国は、台湾の施設を模した演習や、大規模な軍事予算の投下(日本の約6倍)により、台湾への武力行使を実行可能な段階へと近づけている(米軍司令官は「2027年」を示唆)。
 + 武力行使以外に、香港の例に見られるように、台湾を完全に封鎖し、抵抗する意欲を失わせる「普通ではない方法」による統一の可能性も高まっている。

〇 日本の「存立危機事態」と安保法制の課題
 + 高市早苗氏の発言は、台湾有事が日本の「存立危機事態」になりうる可能性を示し、限定的な集団的自衛権の行使(日米共同での武力行使)につながる可能性を指摘。
 + 有事発生時には、サイバーテロなど(交通機関、金融市場の機能停止)が同時に発生し、社会が混乱した状態で「存立危機事態」の宣言を議論することになる。
 + 台湾が「国」ではないため、安保法制の条文における「他国」への攻撃という要件を、日本の国益に照らして拡大解釈する余地があるかどうかが焦点となる。

〇 日本の「反撃能力」が持つ意味
 + 日本が反撃能力(ミサイル)を保有することで、中国が日本本土を攻撃した場合、日本も中国本土の軍事施設へ攻撃する「日本有事」となる可能性が生じる。
 + この能力は、単なる防御だけでなく、中国に「打ったら打ち返される」という抑止のメッセージを与えることで、戦争の勃発を防ぐ目的を持つ。

〇 「存立危機事態」宣言の是非
 + 長尾准教授は、そもそも「存立危機事態」の宣言は邪魔でしかないと主張。
  / その理由として、戦争直前は相手(中国)が友好の態度を取るため、日本が先に宣言すると、まるで日本が戦争を始めたかのように見えるリスクがある点を挙げた。
 + 柔軟な対応を可能にするため、日本の法律を「できること」を列挙するポジティブリストから、「やってはいけないこと」のみを列挙するネガティブリスト方式にすることで、有事の際の対応の遅れをなくし、かえって平和裏に動けるようにすべきと提言している。

〇 対中外交における注意点
 + 中国は、「台湾問題」と「メンツ(面子)を潰されること」を特に嫌がるため、公開の場での批判は感情的な反発を招き、論理が通用しなくなる。
 + 中国に譲歩させるためには、感情的な要素ではなく、「このままでは損である」という不利益を理解させることが重要である。



長尾氏は台湾有事の現実味が増しているとした上で、日本は柔軟に対応できるように、日本の法律を「できること」を列挙するポジティブリストから、「やってはいけないこと」のみを列挙するネガティブリスト方式にすることを提言しています。

また、中国は、公開の場での批判すると感情的に反発して論理が通用しなくなると指摘。中国に譲歩させるためには、「このままでは損である」という不利益を理解させることだとの述べています。

ただ、筆者は、むしろ、中国が感情的になって論理が通用しない相手なのだということを世界中に見せつけることで世界各国をドン引きさせて、中国から手を引かせるように仕向けたほうが得ではないかと思います。そうすることで多少は時間がかかるにしても、中国が「損」するようになれば、譲歩せざるを得なくなりますからね。

中国という国の本性を明らかにすること。これが一つのポイントになるのではないかと思いますね。





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この記事へのコメント

  • かも

    日中の軍事力経済力勢力人材力の格差は圧倒的に中国有利の構造ができあがっています。
    日本には最早中国に対抗して攻撃できるような力は如何なる分野にもありません。
    日本からのミサイル攻撃型をしても蚊の一突き程度の威力しかありません。
    なぜなら中国は日本からのミサイルで人民が犠牲になったとしても,打ち込んだのは日本だ。
    悪いのは日本だ。日本を許すなという論理で徹底的に抗戦を呼びかけるだけでしか無いからです。中国に対して日本が優位である力は最早ないのです。
    そのことをしっかり自覚しましょう。その上で平和攻勢をかけるないのです。
    中国が決意して大陸の内陸部から通常弾頭の多弾頭ミサイルを撃ち込めば一夜にして日本は国家機能を喪失します。東京湾岸の火力発電所を潰せば,電力が無くなり飲料水も下水道も使えず冷蔵庫の食料も数日でなくなって飢餓に瀕するからです。物流も勿論破壊されます。
    アメリカも手を出さないでしょう。
    トランプならずとも,日本の火の粉を浴びて米中戦のになることなどまっぴらごめんと言うでしょう。
    日部安保条約の機能しないのです。
    先ず日本が戦えと言うだけだからです。ウクライナと同じことが起きるのです。
    既に中国は圧倒的な自信を確立しています。
    2025年12月16日 07:01