
1.アリー・ハメネイの後継者
イランを統治している筈の暫定指導評議会が現実には革命防衛隊を含めイランを掌握できていないとなると、焦点は先日殺害されたイラン最高指導者であったアリー・ハメネイ師の後継者問題です。
これについて、イラン関連のニュースを扱うイラン・インターナショナルは、3月4日、「IRGCがモジタバ・ハメネイを支持した理由」という記事を掲載しました。
件の記事の概要は次の通りです。
〇最高指導者アリー・ハメネイ師の死と後継者選出モジタバ師は、死去したアリー・ハメネイ師の息子であり、IRGCの結束を維持し、持続的な攻撃下でも治安維持体制を維持できる人物として選ばれたとのことで、イランの最高指導者を選出する権限を持つ「専門家会議」は9日、殺害されたハメネイ師の後継にモジタバ師を選出したと発表しています。
+アリー・ハメネイ師が米・イスラエルの空爆で死亡した。
+革命防衛隊(IRGC)の圧力下で、息子のモジタバ・ハメネイ氏が次期最高指導者に選出された。
+決定は未公表であり、埋葬後に発表される見込みである。
〇IRGCがモジタバ氏を選んだ理由
+IRGCの最優先事項は「体制内の安定(統制の維持)」である。
+体制の核心(強硬派・治安機関)が受け入れ可能な「正当性」が必要であった。
+モジタバ氏は父との直接的な連続性を主張できる唯一の人物である。
+長年「ベイ・ト(最高指導者事務所)」を運営し、治安機関との深いパイプがある。
〇イランが直面する二つの選択肢
+徹底抗戦:さらなる被害を受け入れ、非対称戦術で長期間耐え抜く戦略。
+譲歩と終戦:米国の要求を受け入れ、地域的・軍事的な影響力を放棄する戦略。
〇報復と存続のジレンマ
+トランプ政権との妥協は、ソレイマニ師とハメネイ師の殺害により極めて困難である。
+「体制を守ることが最高の義務」という教義に基づき、報復停止を正当化する必要がある。
+妥協した場合、父ハメネイ師の37年間の政策(濃縮、ミサイル、代理勢力等)を全否定することになる。
〇現在のイランの危機的状況
+経済の困窮、制度の形骸化、社会的な信頼の喪失という「破綻国家」に近い状態。
+米側の主張によれば、イランはミサイル等の兵器在庫が枯渇しつつある。
+イスラエルの軍事作戦により、弾道ミサイル発射台の約半分が破壊された。
+イラン当局は学校などの民間施設を盾として利用しているとの指摘がある。
これでイランは現体制を維持すると内外に表明したことになります。
2.戦争終結に向けた裏交渉の打診
昨日のエントリーでイランのペゼシュキアン大統領が、IRGCの攻撃について湾岸諸国に謝罪したのち発言をトーンダウンさせたことでも分かるようにイラン政府も一枚岩ではありません。和平を望む勢力も存在します。
3月4日、ニューヨークタイムズ紙は「イラン諜報機関がCIAを通じて戦争終結に向けた交渉を打診した」というスクープ記事を掲載しました。
件の記事の概要は次の通りです。
・公の場において、生き残ったイランの指導者たちは、自国に対する米・イスラエルの攻撃を終結させるためのトランプ大統領との交渉を断固として拒否している。このニューヨークタイムズ紙の報道を受け、イギリスのテレグラム紙は同じく4日、「イランが戦争終結を目指して「秘密裏に働きかけ」ているとの報道を受け、欧州株式市場は上昇」という記事を掲載しています。
・しかし、攻撃が始まってから1日後、イラン情報省の工作員が第3国の諜報機関を通じて、紛争終結に向けた条件を議論したいという申し出をCIA(中央情報局)に間接的に伝えていた。
・当局者らによれば、アメリカ側は、トランプ政権もイラン側も、現時点では紛争の出口戦略(オフランプ)を模索する準備が本当にできているのかどうか懐疑的であるという。
・第三国の諜報機関を経由してなされたこの申し出は、イランの誰が停戦合意を履行できるのかという重大な疑問を投げかけている。
・この申し出についてホワイトハウスとイラン当局はコメントの要請に応じず、CIAもコメントを拒否した。
・イスラエルはイラン政府を崩壊させることを目的に、数週間にわたる作戦を望んでおり、アメリカにこのアプローチを無視するよう強く求めている。
・現時点では、ワシントンでこの申し出は真剣に受け止められていない。
件の記事の概要は次の通りです。
・世界中の株価指数が数日間に大幅に下落した後、欧州の株式市場は、イランが中東戦争を終わらせるために「秘密裏に働きかけ」を行っているとの報道を受けて上昇した。トランプ政権は、イランの誰が停戦合意を履行できるのかという疑問から、この申し出を真剣に受け止めていないとのことですけれども、であれば、猶更、イランを統治でき、かつトランプ政権と平和裏に交渉できる指導者が出てくるのかどうかにかかってくることになります。
・ニューヨーク・タイムズ紙は、攻撃開始の翌日、イランの情報省の工作員がCIAに間接的に接触し、紛争終結の条件について協議する申し出をしたと報じた。
・しかし、この裏工作について説明を受けた当局者は、少なくとも短期的には、トランプ政権もイランも本当に停戦合意の準備ができているかどうか懐疑的だと報告書は述べている。また、イスラエルの攻撃で多くのイラン高官が死亡したため、イラン当局者が停戦合意を交渉できるかどうかも疑問視されている。
・この報道を受け、英国のFTSE100種株価指数は70ポイント近く(0.65%)上昇した。欧州株式市場を対象とするストックス600種指数は1.5%上昇、ドイツ株式市場は1.3%上昇、フランス証券取引所は0.8%上昇、イタリア証券取引所は1.7%上昇した。
・ウォール街では、ダウ平均株価が早朝の取引で70ポイント(0.1%)下落した一方、ナスダック総合指数は100ポイント(0.5%)以上上昇し、S&P500は10ポイント上昇し、0.15%上昇した。
・投資家が安全資産を求める中で上昇していた米ドルは0.2%下落した。原油価格も下落し、ブレント原油1バレル当たりの価格は一時3%上昇して84ドルを超えた後、81.20ドル付近まで下落した。
・ガスも前日の上昇から反転した。欧州天然ガス先物は、過去2日間で60%急騰した後、一時9.5%下落した。
・「この報告書は、イランが対話に前向きであることを示唆している」と、ラボバンクのエネルギーストラテジスト、フローレンス・シュミット氏はブルームバーグ・ニュースに語った。「しかし、価格が実際に3月以前の水準まで下落するかどうかは、攻撃の停止にかかっている。」
・カタールにある世界最大の液化天然ガス工場は依然として閉鎖されており、再開をめぐる不確実性から供給不足の可能性に対する懸念が高まっている。
・ドナルド・トランプ大統領がホルムズ海峡を通過するタンカーを米海軍に護衛させると提案し、米軍がこの重要な水路には「イラン船は一隻も航行していない」と主張したにもかかわらず、アジアの株式市場は同日早くに下落した。
・中東紛争により、この海峡は麻痺状態に陥っており、週末の米国とイスラエルによる攻撃後、イランによって事実上封鎖されたことで、世界中に波及する持続的なエネルギー供給危機への懸念が高まっている。
・韓国の主要株価指数KOSPIが火曜日に7%下落した後、水曜日にはソウル市場の取引が一時停止された 。これは2008年以来最大の1日下落率となり、12%の下落となった。タイ証券取引所の株価指数も、下落率がトリガーポイントの8%を超えたため、一時取引停止となった。
・日本の日経平均株価は3.6%下落し、中国のCSI300は1.1%、インドのNifty50は1.75%下落した。
・中東では、米国とイスラエルが土曜日にイランを攻撃して以来初めて、ドバイとアブダビの証券取引所が開き、早朝の取引でドバイ指数は4.9%下落、アブダビのADXは3.3%下落した。
・米中央軍のブラッド・クーパー司令官は火曜日遅く、米軍が土曜日以降、潜水艦1隻を含むイラン船舶17隻を撃沈したと述べた。「現在、アラビア湾、ホルムズ海峡、オマーン湾を航行中のイラン船舶は1隻もありません」と、クーパー司令官はビデオ声明で述べた。
・ホルムズ海峡は通常、世界経済の重要な動脈であり、石油供給と海上ガスタンカーの約5分の1がここを通過するが、この海峡を通る船舶の航行はほぼ停止している。
・トランプ大統領は火曜日、米軍が海峡を通過する船舶を防衛する用意があり、湾を航行する船舶に「非常に手頃な価格で」政治リスク保険を提供すると示唆し、世界の石油市場の長期的な混乱への懸念を和らげようとした。
・「必要であれば、米海軍はホルムズ海峡を通過するタンカーの護衛をできるだけ早く開始する」と、大統領は自身のTruth Socialプラットフォームに投稿した。「いかなる状況下でも、米国は世界へのエネルギーの自由な流れを確保する」
・ジェフリーズのエコノミスト、モヒット・クマール氏は「ホルムズ海峡を通過する船舶に対する米国の保険は、もしうまく実施されれば、状況を一変させる可能性がある」と述べた。
・一方、航空会社が同地域からの便数を増やしたため、中東で足止めされていた英国人数千人が水曜日に帰国した。
3.イランの内部分裂とトランプ戦略
これに関して、国際関係Youtuberの及川幸久氏は自身の動画で次のように解説しています。
及川幸久:皆様、こんにちは。及川幸久です。今日のテーマは「イラン内部の分裂」についてです。トランプ大統領の狙いは「穏健派の台頭」にあるという視点でお送りします。及川氏によると、トランプ大統領はイラン強硬派を狙い撃ちすることで、イラン内部の穏健派の台頭を促し、内部からの「レジームチェンジ」を狙っていると述べていますけれども、これが最初から最後まで計算づくだったのかというと少し疑問が残ります。
突然のイラン攻撃に対し、世界中から「イスラエルに利用され、イスラエルのための戦争をしているのではないか」という批判がトランプ大統領に寄せられています。しかし、この攻撃の真の狙いを理解するためには、イラン内部の長年の分裂を理解する必要があります。イラン政府内には「穏健派」と「強硬派」という2つの大きな派閥が存在し、今この対立が激化しています。トランプ大統領の真の狙いは、穏健派を台頭させ、強硬派を潰すことにあることが明らかになってきました。
前回の動画でもお伝えした通り、ニューヨークタイムズのスクープによると、ハメネイ氏殺害後、イラン政府がCIAを通じてアメリカに「秘密の交渉提案」をしてきたとのことです。この報道は世界中に広がりました。交渉の条件は、イランが弾道ミサイルと核プログラムを放棄(または劇的に縮小)し、ヒズボラやハマスなどの代理勢力への支援を停止することです。これらを飲めば、トランプ大統領はイランの生き残った指導者たちの権力維持を約束すると提案しました。トランプ大統領はこれを「ベネズエラ・モデル」になぞらえており、アメリカに従う指導者は残すという意向を示しています。
表向き、イラン側は「交渉は断固拒否、長期戦で報復する」としていますが、秘密裏の接触はイラン内部の絶望感と分裂を裏付けています。トランプ大統領は、今のドイツ首相との会談でも、イランの今後の指導者について「今の政権内部の穏健派の方が良いかもしれない」と示唆しており、強硬派が再び権力を握ることを「最悪のシナリオ」と名指ししています。
現在、イランでは最高指導者ハメネイ氏の死後、イスラム革命防衛隊(強硬派の中心)が強引にハメネイ氏の息子を後継者に据えようとしていますが、これに対して内部から抵抗のボイコットが起きており、分裂が表面化しています。
穏健派(現実主義派)は、経済の安定と国際社会との関係改善を第一に考え、制裁緩和を望んでいます。ロウハーニー元大統領や、現大統領のペゼシュキアン氏、外務大臣のアラーグチー氏などがこれにあたります。一方、強硬派は原理主義者であり、核開発、弾道ミサイル、代理組織への支援を重視します。イスラム革命防衛隊の司令官たちがその中心であり、彼らにとってアメリカとの妥協は「自分たちの排除」を意味するため、絶対に拒否する姿勢です。
現在、暫定指導協議会が設置されていますが、穏健派1名に対し強硬派2名という構成です。トランプ政権は、過去の交渉や現在の経済危機での両派の対応の違いを見て、この内部対立を加速させ、内部からの「レジームチェンジ」を狙っています。トランプ大統領の強硬派狙い撃ちは、単なるイスラエル追従ではなく、穏健派を引っ張り出すための綿密な計算に基づいている可能性があるというのが、今回の分析です。
4.願望は戦略ではない
今回、アメリカはハメネイ殺害という斬首作戦を見事に決めてみせた訳ですけれども、それではレジーム・チェンジできないという見方もあります。
地政学者の奥山真司氏は、自身の動画で次のように解説しています。
奥山:まあのこのイランというちょっと半分民主主義でありながら、最高指導者はイスラム法学者が1番上にいて、権力構造としては聖職者が中心にいるという。ここをいちおうアメリカはデキャピテーション(斬首作戦)やったわけですよね。問題は、だから空爆でやったところでじゃあ今体制転換できるのかって言うと、これ過去の歴史おそらく100年ぐらいの、110何年のですね、空爆の歴史があるんですよ。1番調べているの(は)ロバート・ペイプって人なんですけど、この人があの結論を出しています。奥山氏の分析によると、斬首作戦に成功したはよいが、トランプ政権の戦略が揺れ動いているのだ、と。「願望は戦略じゃない」という奥山氏の言葉が刺さります。本当にトランプ政権が後のことを何も考えずにイラン指導層を排除してしまったのか分からないですけれども、そうだとしたら随分とお粗末な話です。
うん、もう「デキャピテーションは効かないよ」って話なんですよ。実際やってもいいんだけど、それがじゃどうなるのかという(と)、レジーム・チェンジには繋がらないっていうのがあります。で、一応今回結論的には僕一応この話はしておこうかなということで、今回のイラン攻撃の特徴、これを上げといておきたいですね。戦術的には最初ですよ。最初はイランの核施設団の破壊だっていうことを言っていて、ま実際これはかなり成功、前回の6月の時よりは成功したのかなと思います。はい。
ただ戦略が揺れ動いています。で、トランプ自身も説明が、彼の場が下手というか部分もあるんですけど、下手じゃなくてトランプ自身も決めてないんじゃないですかね。あれだって、しかもう今はなんか「これ以上の攻撃しない」みたいなこと言ってたけど、やっぱり攻撃するという風に言ったり、地上戦はないって言ってたんですけど、また「地上戦やるかも」みたいな。
和田:そう、ブーツ・オン・ザ・グラウンド(地上部隊の投入)はオープンでやるみたいな感じ、そうですね。
奥山:あのイランが結局新政権になってほしいなみたいな(ことを言ってますよね)。
和田:言ってます、言ってます。
奥山:そうで、それってなんか作戦ないのかとな。結局あの(トップを)取り除いたら民衆が湧き起こって親米政権が勝手に誕生するっていう願望を言ってるってだけ。
和田:言ってます、言ってます、言ってます。
奥山:でも願望は戦略じゃないですからね。そうです。あそこはすごい。そのための作戦を、オペレーションを何か仕込んでいたらまだ分かるんですよ。でもないですね。だから例えば、あの親米のグループにアプローチしてて彼らに金を渡して、「じゃあ俺たちが立ち上がるぜ」と新しいイランを作るんだって運動を始めるとか。あれですよ、あのいますよ。あの親米の人とか、ま例えば1人、前のパフラヴィー王朝のあの王子さん、皇太子が一応いて、海外で生き残っている人がいるんですけど、それを連れてこないとだめじゃないですか。
和田:そう、いやいやいま一応連れてこいと思っているんですけど。で一応そのシンボル的に彼が反乱の象徴みたいなことは言われているんですけど、全然あの力はないっていうこと。そうですよね。
奥山:だからね、何にもその先のことを決めずに、はい排除すればいいというくらいしかやってないっていうのは、ちょっとこう本当これ世界覇権がこんなお粗末なことやっているのかって思いますよね。そうなんですよね。それなりの国じゃないですか、イランって。でかい国です、9300万とかいますよ。そう、そこ、そこのトップを、はい、しかもまトップ候補者も含めてビシバシ殺していっているわけですよ。こんなことしていいのと。で一応いくつかのシナリオがあって、まアメリカが狙っているのは今1番、ま一応この今回のニューヨーク・タイムズの記事の中でも出てきたんですけど、一応その最適なシナリオとして、彼らがCIAがトランプに対してオプションとして出したのは、「今回ハメネイを殺害しました、最高指導者殺害した後に」うんうん、「革命防衛隊」うんうんの人間をすげる。ま、極(端な)、さらに極端なやつが出てくるかもしれないけど、そいつに、「まあ親米(化)になってもらえればいいかな」みたいな。でしょ、そんなレベルですよね。レベルも本当に行き当たりばったりというか、もうあの出たとこ勝負というか。まちょっとあの無責任は。だってま治安が悪くなって、あの治安が、あじゃあすいませんじゃあその治安が悪くなった時のことを考えるとこれなんですよね。まちょっとこれ古いデータなんで本当はもう少しペルシャ人実はもっと多いです。
和田:あそうですか。はい。
奥山:え、これCIAワールド・ファクトブック2008年なんで20年ぐらい経つんで。で僕あの、え何度も番組でもちょっと言ったことあるんですけど、左上のこの「アゼリ」っていうところ、これアゼルバイジャンのすぐそばですよ。でここのいわゆるアゼリってどういう人かというと、これ2番目のアゼリ、もっと今ね16%ぐらいになっているんですけど、それでもまあまあアゼリいる。でアゼリの人たちってどういう人かというと、え都市としては上のこのタブリーズってとこにいるんですけど、この周辺に、うんトルコ語を喋る人たちです。まトルコ語の方言ですね。はい。なのでこの人たち普通にだからトルコに行っても全然生活できますぐらいの、ちょっと訛り強いけどっていうとこです。なんかトルコ的な発想をもちろん持っているんだけど、実際は学校ではやっぱペルシャ語を習わなきゃいけない、ちょっと民族違うんでていう。はい。でやっぱりこれこういう風に、例えば右下の方なんかバローチスタンの方なんで、これほとんどあのパキスタンの方に住んでいるような人たちですよ。ま独立派なんですけど、まこういう人たちがパキスタンの中の独立派、民族派みたいな人たちもいて、みたいなところで。まるで大陸国家みたいですね。
和田:いや完全に大陸国家ですよ。だから多民族なんですよこの国は。はい。そうするとじゃあ今回テヘランで、まこういう風にダメになっちゃったみたいなことになるとどうなるかって言うと、おそらく分裂みたいな状況がすごく起こって、ペルシャ人勢力に対して分離独立を測るみたいな人たちが出てきたとしてもおかしくないっていうことなんですね。はい。ということでこの多民族国家の中で、じゃあ求心力を失ったテヘランどうなるのかっていうところの話とか、あと土地的にはこれ和田さんあの、あれですかねゲームでやったことあります?ペルシャ、リソースめちゃめちゃ多いんですけど攻め込みにくいっていう。でそれまさにそのうまくボードゲーム一応取るとね結構使えるとこだなっていう。イギリスがまさに、イギリスがまさにそういうこと狙っていた昔話あるんですけど、ま資源がめちゃめちゃ多い。でそういう中においてでも攻めづらいし、あのこのイランって高原なんですよ実は。テヘランが確か1200mぐらいのところにあるんですよ。
和田:あなるほど。
奥山:だからアメリカで言うとデンバー、はいありますよね。コロラド。アスリートが行ったら高地トレーニング。あそうそうそう、高地トレーニング、高地トレーニングできるとこです。はい1200mなんで、まデンバーってマイルハイ・スタジアムっていう1.6kmぐらいあるっていうところでよく言われるんですけど、それと同じぐらいかなり高いところにやっぱあるので、え山です。本当に砂漠のイメージ、まもちろん砂漠もあるんですけど全般的にはもう山だらけのところで、まあ攻めづらいっていうところに、えこういうところがあるということで、まイラン自身はですねすごく攻めづらい大国であるという、やっぱランドパワーの国っていうのはちょっと言えるのかなと。でそこに対してま今回レジーム・チェンジをできるのかって話なんですけど、ま最終的にはこのアメリカとイスラエルですね、この狙いがちょっとやっぱりそれぞれ違って、というところがやっぱり鍵なのかなと思っております。一応2国は狙いが今回イランに攻め込んだということになりますけど、えそれに対抗する形でま今イランが湾岸諸国の特にアメリカの基地がある国、クウェートがやっぱ攻撃される、あとバーレーンとかですね、えっとあのUAEですよ、アラブ首長国連邦。はいあそこがドバイとかあの辺がちょっと攻撃されるみたいなと、あと一番僕はびっくりしたのはえっとキプロスですかね。あそこのイギリスの基地へやっぱ射兵(飛翔体)が飛んできてっていうのはあるんで。
和田:あそうですか。
奥山:はい結構エスカレートをちょっとさせている。なんかエスカレートをちょっとその事態をエスカレート、アメリカがこうやってきた、じゃあさらにその上乗せのエスカレートしているっていう状況ですかね。いうことをやっているんでトランプ大統領も、あれなんか去年のね「真夜中の鉄槌」「真夜中のハンマー」と、今回のベネズエラ、あれがあったので、まこれぐらい単純にできるかなみたいな風に思っていたら、いよいよそうではなかった。うん、アメリカちょっとやっぱ調子乗りすぎていたのかなっていうの僕すごい感じました。なんかマガ(MAGA)派、あのま日本のマガが好きな人たち、トランプ信者、トランプ1の人たちは「トランプは戦争しないんだ」と。うん、いや嘘じゃないですか、自身は言ってましたよもちろん。はいトランプ自身が嘘つくから、そんな好戦的なもんじゃないよなとは、はいそんな感じになってきましたけど、まこれからもどうなるかも本当にまだ誰もわからない。でもこれアメリカって中東勢力均衡よりもやっぱイスラエルが前のめりで。
和田:うんイスラエルの方が前のめり。いやいやアメリカもイスラエルが前のめりで。
奥山:はい、抑えてくれてる方がいいって思ってんじゃないですかイスラエル。いやどうかな、イスラエルが前のめりだとどんどんあの拡張していくからだめだと。そうそうそうです。あのやっぱりほら虐殺とかしているわけじゃないですか、そうなのであの同盟国ではあるんですけど、かなりそのオフェンシブなドクトリンを持っているのが本当逆に困るよね。調子こいたらやばいなと。いうのはどこかで、までもほらイスラエル自身はちっちゃい国なんでどうしてもまやっぱなんだかんだ言って900万ぐらいしかいないので、そこはあのちっちゃい国の中でま暴れるんだったら暴れるから一応付き合うけど、ちょっと揉め事を起こしてもらいたくないなっていうのは本音ではないでしょうかねというのは思いますけどね。まちょっとどうなるかわからないけど。
和田:そうですね、あの長期になるか短期で終わるのか、ものすごい空爆をしたりとかしてね、あの。
奥山:ま確かにあの次のトップがいないんで。
和田:そうです、誰相手に交渉すんだということが分からん。
奥山:そ、そうですそうです。ただ必ずまあのナンバー2みたいなのところからあの出てくるは出てくるので、まそれと交渉できるかどうか。はい行きますか?いやどうかちょっとわかんないです。ま日本もねあのまさにこの今日の新聞で色々出てますけどやっぱ海峡封鎖、うん。これね石油が足りるのかと。あ日本200日分ぐらいです。そう一応だから石油はいいんですけどLNG側がちょっと困るのかなというのはちょっと懸念材料としては出てきております。はい。各社色々この辺がですね、まイラン、ま株は下がっていますよ。だからまこれがチャンスになる可能性あるんでね、まこう縮々と買いに行くと。
和田:そうそう、そこ今逆に買うと。
奥山:買いに行くんだ。どこであの入れていくかっていう感じじゃないですか。なるほどね、なるほど。はいということでちょっとまイランの情勢まだ本当どうなるかわからないですというところだけはえまず確認しておいて、ま狙いがちょっとこういう違いに出てるところがまちょっと懸念材料かなということですね。はい。パラダイムシフトですね。米中20年戦争のパート12まで来ました。ま内容としましては、地政学リスクの話であったり、はいえ安全保障環境の拡大の話、はい。えっと中国経済、ああこれも入れていますね。はい。それとかま最終的にはパラダイムシフト、それとあのルトワックの。
和田:あそうですね。ちょっとね奥山さんが色々ルトワックにちょっと深掘りして聞いた話がいくつかあって。
奥山:そうなんです。いや実はねその話めっちゃ溜まっているんですけどインタビューで使えなかった部分とか。
和田:はいめっちゃあるんすよ。
奥山:まそうですね。であの危険すぎてま言えない話も色々あったり。
和田:そうです。分かります。
奥山:かなりの裏話が実はルトワック自身があったりとか。はいまそういうのも含めてですねあのすごい知恵を頂いておりますので私まそれなんかも含めてやっぱりルトワックの知恵っていうのは世界の戦略アドバイザーとしてのまもう人生で50年とかずっとやってきたアドバイザーとしてねやってきた、やってました彼は。男のまエッセンスなんでこれをアメリカでも出してないのを日本にだけ来ているっていう面あるじゃないですか。
和田:あります、ありますはい。毎月インタビューしているのもあるし、ちょっと奥山さんにはなんかルトワックも心を許している感がありますよね。
奥山:僕はインタビューしたやつだとエピソード好きで普段に出てくるんですけど、その中でもま僕が独自に、だから要するに使われなかったやつの中でも戦略のエッセンスみたいなのがめちゃめちゃあるんですよ。なるほど。やはり日本人はちょっと戦略が分かってないところがあるのでやっぱそれを理解してもらおうということでまこのシリーズをやってるんですけど、パラダイムシフトっていうのはやっぱりあの大きな流れが変わってきた点だよって理解しなきゃいけないということでま今回その節目の回になっているということも伝えたいし、米中戦争はどうなるかっていうのはね人生そのものになると思うんです。是非お聞きになっていただけるとかなり参考になるんじゃないかという。
和田:はい。
アメリカにしてみれば、イラン指導部の穏健派が実権を握ってイランを掌握してくれることを望んでいるのでしょうけれども、その通りにいく兆しは今のところ見えません。短期で終わるのか長期化するのか。今後の動静は油断を許しません。
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