
1.ホルムズ海峡を突破する船たち
また、トランプ大統領は9日深夜、ホルムズ海峡での船舶航行を妨害しないよう、イランにあらためて警告しています。
トランプ大統領は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、次のように投稿しています。
もしイランがホルムズ海峡内の原油の流れを阻止するようなことがあれば、アメリカ合衆国はこれまで受けてきた攻撃の20倍もの打撃を与えることになる。さらに、我々は容易に破壊できる標的を排除し、イランが国家として再び再建することを事実上不可能にする。死と炎と怒りがイランを支配するであろう。しかし、私はそうならないことを祈る!これは、中国、そしてホルムズ海峡を頻繁に利用するすべての国々へのアメリカ合衆国からの贈り物である。願わくば、この行為が大いに評価されることを願う。この件にご関心をお寄せいただき、感謝する。一方、封鎖状態にあることになっているホルムズ海峡ですけれども、あの手この手で突破を試みるタンカーも出てきました。
ドナルド・J・トランプ大統領
3月5日、ロイターは外交筋3人を引用し「中国が中東産原油とカタール産液化天然ガス(LNG)を積んだ船舶がホルムズ海峡を安全に通過できるようイランと協議を進行中」と報じました。
それによると、船舶追跡データ上で「アイアン・メイデン(Iron Maiden)」という船舶が船籍情報を「中国所有」に変更した後、前夜にホルムズ海峡を通過したことが明らかになっています。また、7日には、リベリア船籍のばら積み貨物船「シノオーシャン 」が、ホルムズ海峡を通過する際、船舶自動識別装置(AIS)から「CHINA OWNER_ALL CREW(中国船主・乗組員全員)」という目的地信号を発信、海峡を通過したことが分かりました。
シノオーシャンは、アラブ首長国連邦(UAE)ミナサクル港で3月5日に貨物の積み込みを行ったようですけれども、積み荷は不明とのことです。
それ以外にも、サウジ東部ラスタヌラ港で原油を積み込み、インド西部ムンバイを目的地として登録しているタンカー「シェンロン・スエズマックス」号が、9日にがホルムズ海峡を通過したことが明らかになっています。どうやって通過したのか分かりませんけれども、一部にはAISをOFFにして突破したのではないかという見方もあるようです。
更には妨害電波を出して海峡突破を図る船もあるとの指摘もあります。
ブルームバーグが集計した追跡データによると、ホルムズ海峡周辺で、少なくとも12の船舶クラスターを確認。クラスターの中には200隻超が含まれるものもあり、船種は多岐にわたっています。
幾つかのクラスターは特徴的な形状を描いています。アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ近郊で円形に並ぶ船舶や、UAEのルワイス沖で逆Z字形を形成するグループがデータで確認されています。
それに加えて速度も無茶苦茶で、2013年建造の石油製品タンカー「アスプルーダ」は9日、ジェベルアリ沖で102.2ノット、時速約190キロメートルに相当する速度で航行していると信号を発したそうです。魚雷より速い。
スターボード・マリタイム・インテリジェンスの海洋状況アナリスト、マーク・ダグラス氏は「過去48時間で状況は『見通せない』もの」になり、追跡データを使って海峡周辺の船舶の位置を特定するのはほぼ不可能だと指摘しています。
ダグラス氏は、衛星利用測位システム(GPS)に言及し、「この海域を航行する船舶は明らかにGPSに頼れない」と指摘し、それが、船舶が攻撃を受けている安全保障上の状況をさらに悪化させていると述べています。
2.AISスプーフィング
船舶自動識別装置(AIS)を誤魔化してホルムズ海峡を突破する船があることを紹介しましたけれども、このAISは2000 年代初頭に開発され、2004年に国際海事機関の海上人命安全条約(SOLAS) に基づき設けられたものです。このシステムでは、国際航海中の総トン数300トンを超える船舶に、VHF無線周波数を介して継続的に情報を放送することが義務付けられています。
AIS 送信には次の内容が含まれます。
・静的情報:船名、IMO番号、コールサイン、寸法、船種当初の目的は、衝突回避、捜索救助、交通管理といった安全対策だったのですけれども、次第にAISは急速に商業運航、環境監視、制裁執行を含むセキュリティに不可欠なものとなっていきました。
・動的情報:位置、針路、速度、航行状態、旋回速度
・航海関連情報:目的地、到着予定時刻、貨物の種類、喫水
ただ、このAISデータは暗号化も認証もされていないため、安全性の面では脆弱で、それなりのスキルを持つ相手に掛かれば容易に操作されてしまいます。
このAISデータを弄るというのは、密輸や貨物の積み替えを行う船舶では、よく採られている手口で、近年では「偽の位置情報を発信し続ける」手法(AISスプーフィング)が主流となっているのだそうです。
その仕組みは、まず、制裁対象国の港で積み荷を行っている間に、別の海域(例えば公海上の安全な場所)で停泊または通常航行しているかのような偽の信号を発信し、位置を偽装します。そして、廃船になった船や、全く別の場所にいる実在の「クリーンな船」の識別番号(MMSIなど)をコピーして発信し、監視システム上で別の船になりすまします(ゾンビ・ヴェセル)。更に、 AIなどを用いて、不自然ではない速度やルートで航行しているように見せかける「偽の航跡」を生成するといった具合です。
海事情報機関の一つであり、船舶動静、海運データ、および海事リスク分析を提供するロイズ・リスト・インテリジェンスは、2025年、ロイズ・リスト・インテリジェンスは、世界中でなりすまし関連の事件が大幅に増加したことを記録しています。
ロイズ・リスト・インテリジェンスは今年2月9日のレポートで、注目すべき2つのなりすましホットスポットの一つにオマーン湾を挙げています。これについての解説は次の通りです。
オマーン湾は、制裁対象タンカーと非制裁対象タンカーの間でのロシア産原油の積み替え拠点となっており、ロイズ・リストは、この活動を隠蔽するために用いられる巧妙な戦術を明らかにしている。2024年初頭に初めて確認されたこれらの船舶間の積み替えは、長い間そのような活動にとって肥沃な海域と考えられてきた地域を利用したものであり、過去1年間で頻度が増加している。AIS操作により、これらの取引に関与するタンカーは、レーダーに引っかからずに原油を輸送し、いわゆる「クリーン」(制裁対象外)船舶でインドや中国などの目的地に輸送することができる。また、指定されたタンカーはロシアに早く戻って積み込みを行うことができ、物流効率が向上する。偽装されたデータは、通常の航行パターンを模倣することが多く、高度なツールがなければ監視や取り締まりが困難になる。AISを弄って、ホルムズ海峡を突破する船舶が登場する素地は元からあったということです。
3.海運業界の本音
まぁ、密輸を行うような危ない船舶はさておき、普通の商用船舶にとって、AISを弄るというのはどういう意味を持つのか。
これについて、ネットで興味深い書き込みがあります。
ポス鳥「ジョージ=コクム」というアカウントのX投稿なのですけれども、この人は輸出入業12年の貿易商をされている方のようです。このポス鳥「ジョージ=コクム」氏の一連の投稿を引用すると次の通りです。
【イラン攻撃の裏側・ホルムズ海峡で、石油タンカーが位置追跡装置(AIS)を切って、突破しているとは本当か?その裏側】トランプ大統領はホルムズ海峡通過船舶の保険を出して必要なら米軍艦艇も護衛につけると宣言していますけれども、このポス鳥氏によると、現在その制度は稼働しておらず、「詳細が不明すぎて動けない」状態ともことです。これが本当であれば、少なくとも、トランプ保険に米軍護衛が動き出すまでは、ホルムズ海峡の事実上の封鎖は続く公算が高いと見た方がよいかもしれません。
フォロワーさんからの質問。
「ホルムズ海峡のニュース、毎日見ているのですが、SNSではホムルズ海峡でGPS?を切ってタンカーが突入していると聞きました。あれって本当ですか? ポス鳥さんなら貿易商だし知っていそうです。実際のところ、どうなのですか? トランプさんも船の保険の話をしているみたいだし、今どういう状況なのでしょうか? SNSの情報だけだと、うさん臭いことを言っている人が多くて逆に心配です。」
結論、本当です。ですが、映画のようなスリリングな話ではありません。
確かに、SNSでは「無灯火で突破した!すごい!」と持てはやされていますが、誰がどう見ても、ただの無法地帯です。世界の原油の20%が、ルールも保険も崩壊した「無法地帯」を、命綱なしで渡らざるを得ないという、極めて現実的で恐ろしい事態です。ちなみにですが、すでに保険料が上がり過ぎているどころか、海上保険組合が「危険すぎる」と引き受けを停止している部分もあります。
普通ならここで船は止まります。しかし、原油を届けなければ世界が止まる。だから船主は、国際条約(SOLAS)違反を承知でAIS(自動船舶識別装置)を切り、海の上から「見えない状態」になってまで特攻しているのです。この時点で違反です。
アメリカが護衛や保険を出すという報道もありますが、海運業界の本音は「詳細が不明すぎて動けない」。事実、制度はまだ実務的に稼働していません。頼みの綱がないからこそ、中国籍を偽装してイランの攻撃を免れようとする泥臭いサバイバルが横行している。現場はそれだけ切羽詰まっています。
つまり、現状は、
1,保険もかけられない
2,追跡を切ると違反行為
3,偽装も当然、違反行為
4,情報遮断するので衝突リスクもあがる
5,アメリカの保険は未だに間に合ってない
6,事故ったら誰が負担するのか?誰もわからない
という地獄みたいな状況。
今、本当に何が起きていて、誰が得をしているのか。冷徹なソロバン勘定をまとめました。少なくとも手放しで喜べない状況です。
【中略】
(追記1)
ホルムズ海峡でAIS(位置情報)を切って航行するタンカーの話は、吐き気がするほどのプレッシャーです。あれは勇敢な特攻ではありません。
「荷主との契約」と「沈没・破産リスク」の間で板挟みになった現場が、法を破ってまで選んだ苦肉の策です。
「見つからなければいい」という問題じゃありません。夜の海峡を巨大タンカーが位置情報なしで航行すれば、衝突リスクは跳ね上がります。
しかも戦争リスク保険は適用外。もし事故が起きれば、賠償金は数百、数千億円規模。誰が払うのか? 最終的には輸送費に乗せられ、世界中の消費者が払うのです。
「中国の船です」と偽装信号を出して生き延びる姿は、綺麗事抜きの泥臭い撤退戦そのもの。イランも中国からの4000億ドルの投資があるから、この偽装を黙認せざるを得ない。
国際法という建前よりも、カネと生存本能という「本音のソロバン」だけで動いているのが今のホルムズ海峡です。
私たちが日常で使っている電気やガソリンは、今、これほど絶望的で危ういサプライチェーンの上に乗っかっています。
データと現場の実感から、この「見えない船」が引き起こす連鎖反応をまとめました。
気になる方は是非どうぞ。
【イラン攻撃の裏側・ホルムズ海峡で、
— ポス鳥「ジョージ=コクム」(森に入ったのですが怪物もおらず、ポス鳥だけがいました。赤字貿易経営者! (@_596_) March 10, 2026
石油タンカーが位置追跡装置(AIS)を切って、
突破しているとは本当か?その裏側】
フォロワーさんからの質問。
「ホルムズ海峡のニュース、毎日見ているのですが、
SNSではホムルズ海峡でGPS?を切って
タンカーが突入していると聞きました。… https://t.co/8gqGXt9DAL pic.twitter.com/3TEL6g5dzQ
(追記1)
— ポス鳥「ジョージ=コクム」(森に入ったのですが怪物もおらず、ポス鳥だけがいました。赤字貿易経営者! (@_596_) March 10, 2026
ホルムズ海峡でAIS(位置情報)を切って
航行するタンカーの話は、
吐き気がするほどのプレッシャーです。
あれは勇敢な特攻ではありません。
「荷主との契約」と
「沈没・破産リスク」の間で
板挟みになった現場が、
法を破ってまで選んだ苦肉の策です。…
4.ポジショニングの脆弱性
今のホルムズ海峡の状況について、3月8日のエントリー「ホルムズ海峡を流れる二つの時間軸」で取り上げた、独立系アナリストのシャナカ・アンスレム・ペレラ氏が自身のサブスタックで次のように解説しています。
〇これまでモデル化したことのないメカニズムの台頭今の船舶保険は平時を前提に組まれたもので、戦時となると超大型タンカー一隻沈むだけで、蓄えた保険金が全部吹き飛んでしまう。更に、アメリカがイラク政府中枢を倒すまではよかったものの、イラクの軍事権力が中央集中型と思っていたのが実際は分散クラウドだった。中央データセンターを潰しても殆ど変化がない、というのが実態なのであれば、終戦に持っていくのは容易ではありません。
現代の金融・戦略分析モデルは、ホルムズ海峡の閉鎖を「軍事力で解決可能な運動学的問題」として捉えています。しかし、著者はこれが本質的な誤りであると指摘します。真の閉鎖要因は、海軍の封鎖ではなく、民間の再保険会社による「保険契約の撤回」でした。
3月5日、世界の主要なP&Iクラブ(相互保険組合)が戦争危険保険の解約通知を出したことで、物理的な封鎖が行われる前に商業的な海運機能が完全に麻痺しました。これはソルベンシーII指令という欧州の資本規制により、再保険会社が「無制限のテールリスク(破滅的リスク)」を許容できなくなったためです。軍事的には空母打撃群が制空権を掌握し、イランの防衛網を80%破壊したにもかかわらず、保険という金融の蓋が閉じているため、タンカーは一隻も動けません。
この事態は、軍隊や政府の命令よりも、規制資本の制約下にある民間の再保険デスクの方が、地球上の海運要衝に対してより強力で耐久性のある支配権を持っていることを証明しました。市場の分析チームは依然として「軍事的勝利=数週間での海峡再開」というシナリオを価格に織り込んでいますが、再保険市場の崩壊は軍事的な勝利では修復できません。これは、26ヶ月にわたるフーシ派による損失で既に脆弱化していた保険市場が、ついに限界を超えた結果であり、再開には商業的リスク市場の多国間・段階的な再構築が必要です。
〇ソルベンシーIIと「検証コスト」の罠
なぜ海峡が閉鎖されたのか。そのメカニズムは、金融危機理論における「レポ市場の凍結」と酷似しています。かつての戦争(1987年のタンカー戦争など)は、軍艦の護衛によって乗り切ることができました。しかし現在の状況は違います。
海上貿易は、軍事的な保護ではなく、階層化された民間金融保証のスタック(P&Iクラブ→再保険→レトロセッション市場)の上に成り立っています。この構造上の弱点は、戦争リスク市場が約10億ドルの年間保険料プールという極めて狭い資本枠の中で運営されている点です。超大型原油タンカー(VLCC)が一度沈没すれば、その損害額(船体、貨物、環境汚染への賠償)は保険料プールを即座に枯渇させます。
再保険会社は、軍事リスクが高まった際、リスクを価格に反映させるのではなく、市場そのものから撤退するという選択をしました。これが「検証コストの逆転」です。安全を証明するためのコスト(保険料)が、航海の利益を上回るため、軍事的な脅威の有無にかかわらず、経済合理性に基づいて海運が停止せざるを得ないのです。この状況を解消するには、単に軍事的な安全を確保するだけでなく、保険会社がモデルを再構築し、資本を補充し、個別の船舶を再評価するという膨大な時間と手続きが必要です。これは政府の意志で加速できるものではなく、数ヶ月から数年のタイムスケールで動く構造的な問題です。
〇相手方の分断:「モザイク・ドクトリン」による戦略的麻痺
軍事作戦(エピック・フューリー作戦)はイランの最高指導者を殺害するという戦術的成功を収めましたが、それがかえって海峡再開を不可能にしています。なぜなら、破壊されたのは「交渉可能な交渉相手」だからです。
イラン革命防衛隊(IRGC)は、中央指揮系統が壊滅した際の予備計画として「モザイク・ドクトリン」を構築していました。これにより、イラン国内は31の自律的な地方司令部に分割され、各司令部が独自の判断でミサイル発射や海上妨害を行えるようになっています。かつてであれば最高指導者が「海峡の安全」を保証すれば、全軍がそれに従いました。しかし現在、中央政府が消滅したことで、誰と交渉しても「海岸線を支配する地方司令官」を拘束できないという事態に陥っています。
保険会社は単一の保証者を求めますが、現実は分散した意思決定体に支配されています。中国が二国間での安全通過を模索していますが、これはあくまで「孤立したケース」に過ぎません。中央政府が完全に崩壊したことで、商業的な要衝を保証する主体が消失し、海峡再開に必要な法的・政治的な契約が結べない。この「カウンターパーティ・パラドックス(相手方の逆説)」こそが、軍事的勝利を収めれば収めるほど、経済的な麻痺が永続化するというジレンマの正体です。
〇時間の罠:迎撃ミサイルの限界と産業的制約
市場は「2〜4週間での収束」を期待していますが、これは軍事的な迎撃能力と再保険サイクルの現実を無視しています。
まず軍事面では、迎撃ミサイル(THAADやSM-3)の枯渇が差し迫っています。米国が1ヶ月で消費する迎撃ミサイルの量は、現在の年間生産能力を遥かに上回っています。イランの安価なドローンとミサイルに対する防衛コストはあまりに高く、米国の迎撃能力は数週間以内に限界に達するでしょう。生産能力を増強したとしても、本格的な供給は2028年以降です。
一方、再保険サイクルも極めて遅い。たとえ明日戦争が終結したとしても、保険会社は新しい紛争データに基づいてリスクモデルを修正し、一隻一隻の船舶を再査定しなければなりません。これには「数ヶ月」の時間がかかります。さらに、現在の conflict における目標は「核兵器の確保」という地上作戦が必要な段階にエスカレートしており、紛争期間は週単位ではなく月単位に延長されました。
結論として、市場が織り込んでいる「短期間での平均回帰」は幻想です。軍事力では解決できない「再保険の再構築」という構造的なラグと、迎撃ミサイルという物理的な資源の枯渇により、最低でも6〜12ヶ月、あるいは18ヶ月にわたる閉鎖を想定すべきです。
〇ポジショニングの脆弱性と今後の展望
多くの機関投資家は、「ホルムズ海峡は経済ダメージが大きすぎるため、理性的に考えれば閉鎖されない」という前提に基づいたポジションを構築していました。しかし、その前提は崩壊しました。地方司令官による自律的な戦闘行動は、コスト・ベネフィット分析ではなく、事前のプロトコルに従って実行されているからです。
この危機は一時的な供給ショックではなく、構造的な供給削減です。原油輸送ルートのバイパス容量には限界があり、海峡が閉鎖されれば毎日1,500万バレル以上の供給が失われ続けます。南朝鮮や日本の精製業界などは壊滅的なマージン縮小に直面し、エネルギー価格は高止まりします。
最後に核の問題です。イランの核開発を抑制していた「ファトワ」は、前最高指導者の個人的な裁定であり、継承者であるモジタバ・ハメネイ師には、それを再び発令する神学的権威も意志もありません。IAEAが何も把握できていない中で、核兵器化の論理的なブレーキは完全に失われました。投資家は、市場が「平均回帰」を織り込んでいる現状を、「構造的変化」として再評価する必要があります。このギャップにこそ、真のアルファ(利益機会)が存在します。
混沌とするイラク情勢。どうなるのか予想できません。
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