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1.中国帰化人が当選なら10億円払うと言われた
NHK党の立花党首が、今夏の参院選で、帰化中国人の公認を取り消したことでネットを中心に話題になっています。
公認を取り消されたのは、玄隆氏(日本名:堀池宏氏)、と刘丹蕻氏(日本名:原田優実氏)の二名。
公認とその取り消しの経緯については、立花党首本人がツイートや動画を挙げていますから、繰り返しませんけれども、玄隆氏は「参議院比例の特定枠で、その帰化人が当選したら10億円支払うと言われました。私は汚いお金を受け取らないので、こちらはお断り致しました」という理由で、原田氏の場合は、出馬表明後に様々な批判や意見が飛んだものの、反論はおろか、一切反応せず、週が明けたら立花党首の前に弁護士を伴って現れ、いきなり訴える意向を示したのこと。立花党首が批判に対して反論するようにと促しても、何もせず、中共が好きか嫌いかの質問にも、選挙には関係ないとの返答する等々の対応から、公認には相応しくないと判断したとのことです。
更に立花党首は原田氏を紹介した自民党議員を藤末健三参院議員と暴露。この件について、マスコミは1ミリも報じませんけれども、ネットでは大きく取り上げられています。
2019年8月のエントリー「N国党が扉を開けた下剋上の時代 ~日本の未来を俯瞰する~」で、筆者は日本は2019年から戦国時代に入り、立花党首は信長のように「既得権益の破壊」をしていくのではないかと述べたことがありますけれども、今回の暴露劇をみると、立花党首の政治活動そのものが既に、既得権益を破壊しているのではないかという気さえしてきます。
2.帰化する為の六条件
この立花党首の暴露に対し、ネットでは、サイレントインベージョンされているとか、帰化制度に問題があるのではないかとか様々な意見が飛び交っているのですけれども、日本における帰化の条件は、国籍法第5条で定められています。それは次の通りです。
第五条 法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。一は住所条件で、帰化の申請をする時まで、引き続き5年以上日本に住んでいることが必要です。なお,住所は適法なものでなければなりませんので正当な在留資格を有していなければなりません。
一 引き続き五年以上日本に住所を有すること。
二 十八歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。
三 素行が善良であること。
四 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること。
五 国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと。
六 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。
2 法務大臣は、外国人がその意思にかかわらずその国籍を失うことができない場合において、日本国民との親族関係又は境遇につき特別の事情があると認めるときは、その者が前項第五号に掲げる条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。
二は能力条件で、年齢が18歳以上かつ本国の法律によっても成人の年齢に達していることが必要です。
三は素行条件で、素行が善良であることが必要となります。素行が善良であるかどうかは、犯罪歴の有無や態様、納税状況や社会への迷惑の有無等を総合的に考慮し通常人を基準として社会通念によって判断されることとなります。
四は生計条件で、生活に困るようなことがなく,日本で暮らしていけることが必要です。この条件は生計を一つにする親族単位で判断されますので申請者自身に収入がなくても配偶者やその他の親族の資産又は技能によって安定した生活を送ることができればこの条件を満たすこととなります。
五は重国籍防止条件です。帰化しようとする方は無国籍であるか原則として帰化によってそれまでの国籍を喪失することが必要です。なお例外として本人の意思によってその国の国籍を喪失することができない場合については、この条件を備えていなくても帰化が許可になる場合があります。
六は憲法遵守条件です。日本の政府を暴力で破壊することを企てたり主張するような者、あるいはそのような団体を結成したり、加入しているような者は帰化が許可されません。
これら条文に規定されている外国人の帰化要件を掻い摘んでいえば、日本に5年以上住んで、成人年齢に達していて、反社でなければ帰化できるということになります。
つまり、今回のNHK党の公認を取り消された二名のように「10億円で議席を買いたい」と発言しても「中国共産党が嫌いだ」と言わなくても、帰化条件は満たされる、心の内までは帰化条件にしていないということです。
中国帰化人を公認した私の未熟さを反省しています!
— 立花孝志 NHK党 党首 (@tachibanat) June 1, 2022
原田氏とは別の中国帰化人からも、公認申請を受けていました。
参議院比例の特定枠で、その帰化人が当選したら10億円支払うと言われました。
私は汚いお金を受け取らないので、こちらはお断り致しました。
この方は自民党国会議員の紹介です!
3.心はやっぱり中国人
今では、毎年3000~4000人の中国人が国籍を捨てて、日本に帰化しているそうなのですけれども、彼らが全て心の中まで日本人になっているかどうかは、そう簡単に分かるものではありません。
それでも、中には帰化した理由を話す人もいます。
トヨタグループの総合商社で貿易事務のエキスパートとして勤務する中国遼寧省出身の櫻井唯氏(朴昊宇)は、週間ダイヤモンドの取材に日本人になったほうがメリットがあるからと答えています。
櫻井氏は、1977年1月、中国東北部の大都市、遼寧省瀋陽市で、少数民族の一つである朝鮮族の子として生まれました。家庭では朝鮮語、外では中国語を話し、小中高と地元の朝鮮族学校に通い、第一外国語として日本語を選択。中国の大学を卒業して、電子設備関係の企業で約2年間働いた後、日本語学校の就学生として来日。その1年後、立教大学観光学部に入学しました。
立教大学を卒業すると、まずは食品関係の小さな商社に就職。そこで5年働き、貿易業務のイロハを学ぶと、大手商社の阪和興業に転職。貿易事務のスペシャリストと働くも、2013年「もっと英語力をつけなくては」と、ニューヨークに留学、昨年11月、日本に帰国。今では中国語、朝鮮語、日本語、英語の4カ国語を自在に操り、トヨタ系列の大手商社で半導体の原材料の輸出業務を担当しています。着実なキャリアアップをみると、いわゆる「高度人材」といってもよいのではないかと思います。
彼女は「ずっと日本の会社で働いてきて、キャリアを積んできました。収入的にも安定しているし、仕事における人間関係、コネクションも日本で培ってきました。今さら中国に帰っても、日本でのように仕事ができるとは限らない。年金も税金もずっと払ってきたことだし、このまま日本人になってしまったほうが自分の将来にとって有利だなと、次第に帰化に心が傾いていったんです」と語りつつも、「いまも郷土愛、祖国愛という意味では、日本よりも中国への思いのほうが強い。日本や欧米では何かと批判的な目で見られる中国の国家体制にしても、嫌いになれないんですよ。やっぱり中国で生まれ、教育も受けてきたので、頭も心も、芯の部分は中国人のままなんですね。それが悪いとも思っていません……私にとって、国がどうとか関係ないんです。自分という個人にとって、どっちの国のほうが有利か、得か、平和に安定的に暮らしていけるのかが判断の基準でした」と語り、日本人になることの方がはるかにメリットがあると判断。2010年、法務省に「帰化許可申請」を行い、翌年4月に帰化しました。
日本と中国、どちらに愛着を感じるか尋ねられた櫻井氏は、少し考えた後、「どっちも好きとしかいいようがないですよ。でも国籍が日本になっただけで、心はやっぱり中国人だと思います」ときっぱりと答えています。高度人材であっても、心の中はまた別だということです。
4.日本人としての誇りが生まれた
一方、日本人であることに誇りを持っていると語る帰化中国人の方もいます。
これまでに2度、「日本人」として新宿区議会議員選挙に立候補した経歴を持つ李小牧氏は、中国・湖南の出身で、1988年に日本へ渡り東京・新宿歌舞伎町でガイド業に従事。外国人専門の観光ガイドを行う傍ら、作家としても活動し、ニューズウィーク日本版などの雑誌にコラムを寄稿などしています。
李小牧氏は、新聞、雑誌、テレビ、インターネット等、日中双方のメディアで活躍していたことから、これまでスパイと揶揄されることも多かったそうです。
李小牧氏は2度の帰化申請で帰化が認められているのですけれども、1度目が通らなかった理由として、李小牧氏は「法務省は許可、不許可の理由を明らかにしません。聞いても教えてくれない。でも、帰化の条件みたいなものがあって、それに照らして考えてみると、1度目の申請のちょっと前に交通違反で減点になったことがあったの。当時は2点以上の減点があると許可が下りなかった。それでおそらくハネられちゃった」と語っています。
李小牧氏は、1回目の帰化申請から18年たった2015年2月4日、2回目のチャレンジでついに申請は認められたのですけれども、2回目の申請で不安な点はなかったのか問われると「たくさんあったよ。私は真面目なタイプの人間じゃないし、歌舞伎町という特殊な街の住人だったわけで、そう簡単じゃないとは思っていた。実際、トラブルも多かったし」と答えています。
当時、李小牧氏はツイッターで政治や社会問題を取り上げて、独自の見解やアイデアをたびたび発信していたのですけれども、これが「ネット右翼」と思しき匿名の人間たちの標的となったのだそうです。李小牧氏は「私の意見に対するちゃんとした批判なら大歓迎ですよ。私のアカウントに巣食っていた匿名の奴らが許せないのは、暴力団と親密な関係にあるなどと“架空の事実”を捏造して垂れ流すのがいつものパターンだった。これによって帰化も立候補の夢も絶たれてしまうかもしれないと不安で仕方なかった」と振り返っています。
それでも、帰化は認められた。これについて李小牧氏は「日本政府は、ネットのフェイク情報などに翻弄されることなく、ちゃんと私という人間を公正に調査し、判断してくれた。自分のこれまでの人生が認められたと感じ、それが本当に嬉しかった」と述べています。
そして、帰化をする前後で、どう変わったのかを聞かれた李小牧氏は、「帰化したメリットについて、多くの元中国人は『パスポートが便利になった』『金融機関から融資を受けやすくなった』などの生活上の変化を語る。でも私は違う。一番のメリットは参政権を持てたこと。帰化する前は、しょせんガイジン扱いされることが多かった。知識人と対談しても『ガイジンが何わかったようなこと言っているの』という態度をされたし、何かと待遇も態度も日本人とは違うわけ。でも帰化して、すごく自信がついた。日本人として堂々と意見を言えるようになった。これが帰化をして一番よかったこと。今では日本の右翼以上に、日本人であることに誇りを持っていますよ(笑)……日本人としての誇りが生まれたのは正直な気持ちです。でも、中国に生まれ、そこで育ったことに対する誇りも失っていない。でもこれからは死ぬまで日本人として生きていくつもりです」と答えています。
李小牧氏は帰化するメリットよりも、日本人としての誇りが生まれたことを強調しています。
5.帰化を天照大神に御報告した中国人
同じく、中国から帰化した著名人に、評論家の石平氏がいます。
石平氏は、自身が帰化したときの事について、次のように述べています。
僕の心としては、天安門事件が起きた6月4日にもう、中国とは決別しています。早く、日本国籍を取りたかったのですが、国籍を変更するということは、そんなに簡単なことじゃありません。日本への帰化申請で、思想信条は問われないことに拍子抜けした石平氏は、自分なりの儀式として靖国に昇殿参拝し、天照大神に帰化報告までしているのですね。
ひとつの節目となったのは、2002年にデビュー作を出版したとき。ただし、最初は本があまり売れず、収入が安定しませんでした。日本に帰化する場合は、安定した経済的基盤の確立を問われるので、その条件には合いません。ようやく、執筆活動が軌道に乗り始めた06年に、帰化を申請することができたのです。中国にいる母親をはじめ、誰にも相談はしませんでした。後に報告した母は喜んでくれましたけどね。
申請してからは、許可が下りるのが待ちきれない思いでした。神戸の法務局に何度か出向いて、担当者からいくつかのことについて聴かれました。そこで僕は大いなる疑問を感じることとなったのです。日本の法務当局が帰化申請で気にするのは、先の経済的基盤や犯罪歴の有無などです。
つまり、思想信条は問われません。もっと大事なことは、「日本のことをどう思っているのか?」とか、「何のために帰化するのか?」とか、「日本人となって国家に忠誠を誓う」といったことはまったく聴かれないし、帰化の条件にならないのです。これは、国家として異常なことだと思いましたね。だって、日本人となる上で一番大切なことでしょう。こんなやり方をしていては、悪意や一定の意図をもって日本国籍を取ろうとする外国人を防ぐことなどできないではありませんか。
「許可が下りましたので、来てください」と連絡をもらって、僕はもう興奮状態。うれしくて仕方がありません。勇んで出かけた法務局で案内されたのは、殺風景な一室でした。そこには日の丸も飾られていないし、君が代も流されない。事務的な説明が淡々と行われ、あっさり終わりました。
クレジットカードや携帯電話の手続きでも、もっと、ていねいに説明してくれるんじゃないですか、と思ったくらい(苦笑)。だって国籍変更は人生の一大事ですよ。せっかく満を持して、日本人になったのに残念でなりません。どうしても納得できない僕は自分なりのセレモニーを考えました。
(中国人として生まれた)DNAまでは変えられないけど、縁あって日本人になった。そのことを天照大神に御挨拶をして報告したいと思いました。4月には靖国神社で昇殿参拝を行いました。このときの様子は『月刊正論』で記事にしてくれました。
こうした、自分なりの儀式を終えて、僕は晴れて「日本人になった」喜びを嚙み締めることができたのです。
ここまでくれば、流石に一般の日本人とて、石平氏は心の中まで日本人だと捉えるのではないかと思うのですね。
このように、一口に帰化出来たからといって、たとえ、目に見える帰化条件を満たしたとしても、心の中は千差万別である可能性は十分に考えられます。
別に石平氏のように靖国参拝しろとは言いませんけれども、国政選挙に立候補し国会議員を目指す帰化日本人に対しては、思想信条については何らかのチェックが出来る体制を考えてもよいのかもしれませんね。
この記事へのコメント
深森
犯罪歴の有無で判断するという方向性は、「言葉よりも、実際の行動を見ている」という部分で有効であるのだろうと思います。戦後70年以上にわたって、しっかりとした治安を維持できるくらいには
※同化には、三世代くらいかかるという話を聞いたことがあります。
帰化一世、濃淡はあるにせよ出身国との血縁つながりも存在するだけに、内心色々だろうなと想像されます。人間の心はデジタルみたいにスパッと切り変わるものでは無いですし、こういったことは時間が掛かるものなのかも知れません
なお、外国工作員による不正な帰化の取消は、可能との話はあったような気がします(うろ覚えで済みません)