

1.自民党員獲得議員第1位
5月31日、自民党は2021年に獲得した党員数が最も多かった所属の衆参国会議員「トップ10」を発表しました。
自民党は、所属議員に対し「年間1000人」の獲得ノルマを課し、5年前の2017年から党員獲得ランキングを発表しています。今回1位に輝いたのは、青山繁晴参院議員で、一去年は10位(参議院では1位)だったのですけれども、今回は全体で1位と大躍進を果たしました。
2位は今年3月、閣僚の枠が1減したことにともない前東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣前ワクチン接種推進担当大臣を辞任した堀内詔子衆院議員。堀内衆院議員は2018、2019年と2年連続で1位を獲得。4年連続で上位になった実力者で岸田派に所属しています。
3位は森山裕総務会長代行、4位・二階俊博元幹事長、5位・茂木敏充幹事長、6位・高市早苗政調会長、7位・鷲尾英一郎氏、8位・武田良太前総務相、9位・寺田稔首相補佐官、10位・城内実元副外相と続いています。
自民党関係者によると、「今回の上位ランクインした中で驚いたのは、鷲尾氏と青山氏です。獲得投票数は公表できませんが、鷲尾氏は来年もっと上位に食い込むことができると見られています」とのことですけれども、獲得票が上位の議員は党内でも発言力が増すとのことで、選挙とはまた別の力学があるようです。
ただ、例年は幹事長が会見でトップ10を発表していたのですけれども、今年は何故か幹事長による発表がなく、直接の責任者である小渕優子・組織運動本部長が紙に貼りだしてようやく明らかになったそうです。
2.個人の力で党員を獲得した意味
6月17日、自民党本部でこの党員数獲得上位議員の表彰式がおこなわれました。
例年は上位10人が表彰されるのですけれども、今年は上位30人に拡大されているそうです。青山繁晴参院議員によると、議員会館の青山繁晴事務所を通じて自民党党員になられた方は、67年という長い自民党史のなかで初めて、団体や会社を通じて入党した人が、ひとりも居ないのだそうです。
これは組織の力を借りず、青山議員個人の力でそれだけの党員を集めたことを意味しますし、それだけの重みがあります。党内でも一目置かれ、発言力は増すだろうと思います。
もっとも、青山議員は今回の参院選での改選組ですから、その発言力も当選して二期目があるという前提での話です。
3.韓国に対する岸田総理の見方
その青山議員ですけれども、6月16日、「日本の尊厳と国益を護る会」の代表10名のうちの1人として、官邸を訪れ、岸田総理に提言書を渡しています。
提言書は、韓国の新政権に毅然と、公正に臨むよう求めるものでその概要は次の通りです。
1)韓国が日韓関係の改善を目指すならば、関係が悪化した原因をまず自らが正すべきであるという我が国政府の基本的対韓姿勢を今後も堅持し、その実行なくしては日韓関係の改善はあり得ないことを明確にすること提言内容自身は至極当たり前のことで、いちいち提言すべきものでもない気もするのですけれども、これをわざわざ提出するという時点で、党内保守である「日本の尊厳と国益を護る会」が岸田総理をどう見ているか分かるというものです。
2)先の日米首脳会談において日韓関係の改善を求めるバイデン米大統領に対し、前述の具体的改善が必要との考えを述べられたという。これを強く支持し、それを今後も貫かれること。
3)一連の韓国海洋調査船については何を目的として航行および調査していたのか、徹底した真相究明に取り組むと共に、今後同様の案件に対して、一層迅速かつ毅然とした対処ができるよう、改めて関係法令の運用面を含めた整備をはかること。
4)全般に、韓国の新政権の姿勢に左右されることなく、日本国の尊厳と国益を護るためにこそ、日韓外交に臨むこと。
ところが、あにはからんや、提言を受け取った岸田総理の反応は、青山議員の予想をはるかに超えて、韓国に厳しい姿勢を示されたそうです。
青山議員によると、岸田総理が話したポイントは次の通りとのこと。
・韓国は ( 日本の頭越しに ) アメリカとの防衛大臣会談で、日韓GSOMIA ( 軍事情報に関する包括的保全協定 ) の復活を依頼したが、レーダー照射事件を韓国が解決しないと、GSOMIAへの復帰もあり得ない。青山参院議員も驚いていましたけれども、岸田総理は「護る会の提言書で指摘されている問題を、韓国自身が解決しないと、日米韓の連携もあり得ない」と明言したそうです。本当であれば、GJですし、是非とも貫いていただきたいと思います。
・日本は中国、ロシア、北朝鮮の3正面対応を余儀なくされている。
これに日本だけで立ち向かうことは不可能だから、日米韓の連携は必要だが、しかし、護る会の提言書で指摘されている問題を、韓国自身が解決しないと、その連携もあり得ない。
・全般に、韓国が問題を解決することが必要だという日本の毅然とした姿勢をきちんと示していく。
4.マスコミは国民が知るべき真実を隠しています
「日本の尊厳と国益を護る会」が岸田総理に提言書を渡したことについて、青山参院議員が総理官邸のロビーで「ぶら下がり取材」を受け説明したのですけれども、マスコミは一切報じませんでした。
その理由について、青山参院議員はメディア内部からの複数の証言によって分かったとして、それが「選挙が近いので」だったことを明らかにしています。
ちょっと拍子抜けするような理由なのですけれども、これについて青山参院議員は自身のブログで次のように述べています。
要は、「日本の尊厳と国益を護る会」(護る会)が岸田総理と直に会い、「日韓関係は、新大統領が登場したからといって、守るべき原則を崩すことがあってはならない」という趣旨を提言したことを、参院選目当ての行動と受け取った、ないしは、護る会メンバーが選挙で有利になってはいけないと、メディアが勝手に判断したのです。このように、「日本の尊厳と国益を護る会」の行動、参院選目当てと受け取り、護る会のメンバーが選挙で有利になってはいけないと、メディアが勝手に判断したというのですね。
何という次元の低い発想でしょうか。
そのために、岸田総理がずいぶんと踏み込んで発言されたことが無かったことにされています。
しかも参院選は、まだ公示されていません。
総理と護る会が交渉した、6月16日で言うと、公示までまだ6日間もありました。
さらにこの低次元について、見事に、すべての報道機関が横並びなのです。産経新聞も同じです。
オールドメディアのオールドたるゆえん、情けない発想です。
しかし責任はメディアだけでは無いと考えます。
国会議員自身も、多くの議員が、公示前から「事実上の選挙戦」などというNHKの報道に乗せられて、法を外して走っているから、このようなことにもなります。
「日本の尊厳と国益を護る会」(護る会)の行動そのものは、断じて、選挙目当てではありません。
そんな発想はカケラもありませんでした。
総理の発言自体は消えません。
これからも戦います。
本当ならば、傲慢という他ありません。
先日NHK党の立花党首が報道ステーションでいわゆる「放送事故」を起こして話題になっていますけれども、立花党首はそのとき「テレビは国民が知るべき真実を隠しています」と発言していました。
今回、マスコミが「日本の尊厳と国益を護る会」の提言書を岸田総理に提出したことを報じなかったことなども、まさに「知るべき真実を隠した」ことにならないのか、と思ってしまいます。
選挙が近いので、という理由で特定議員が有利になるような報道をしてはいけないというのなら、冒頭で取り上げた獲得党員数トップ10が誰々だったという報道はそれに当たらないのか、という疑問が湧いてきます。
こういうのがマスメディアの体質なのかどうか分かりませんけれども、こんなことではメディアに対する信頼度は落ちる一方だと思いますね。
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