自民の恫喝と浮かび上がる闇

今日はこの話題です。
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1.野党の話は聞かず


松野長官、山際担当相を注意 「野党の話は聞かない」発言で【22参院選】

参院選で優勢が伝えられている自民党ですけれども、終盤にきて緩みが出てきたようです。

7月3日、山際大志郎経済再生担当相は青森県八戸市で街頭演説した際、「野党の人から来る話はわれわれ政府は何一つ聞かない。本当に生活を良くしたいと思うなら、自民党、与党の政治家を議員にしなくてはいけない」と述べたと報じられています。

この野党議員意見など無視するかのような閣僚発言として、当然ながら野党は反発。

立憲民主党の逢坂誠二代表代行はツイッターで「山際氏は民主主義を理解していない。与党の声しか聞かないとはどう喝による独裁政治だ。発言を撤回すべきだ」と非難。国民民主党の玉木雄一郎代表も「だから経済も成長しないし給料も上がらない。ずいぶん傲慢になった」と批判しました。

更に共産党の小池晃書記局長も「断じて許されない暴言。野党の声は無視するのが岸田政権か。一体どこが『聞く耳を持つ』か」と糾弾するなど、まぁ当然の反応です。

7月4日、この問題発言をした山際経済再生担当相に対し、松野官房長官が国民の誤解を招かないようにするため発言には慎重を期するよう注意したと、木原誠二官房副長官が記者会見で明らかにしました。

木原福官房長官は「政府は国民の声を丁寧に聞き、国民の生活をしっかり守っていくことを基本としている。与野党問わず耳を傾け、野党を無視するようなことはない…山際氏は今後、慎重にも慎重を期して発言する」とコメントしました。

普段"威張っている"政治家でも、選挙の時には腰も頭も低くなるものなのですけれども、いくら野党が酷いとはいえ、「野党の話は聞かない」と公言するのは、はっきり失言といってよいかと思います。


2.社会保障は保険料で賄うべき


参院選公約で野党はこぞって、消費税減税を主張していますけれども、野党の話を聞かず、恫喝もしたという意味では、自民の茂木幹事長もやらかしています。

6月19日、NHKの『日曜討論』での茂木幹事長は消費税減税について、「消費税なんですが、みなさんからお預かりしている消費税、これは年金・介護・医療そして子育てシェア、社会保障の大切な財源です。これをですね、野党のみなさまがおっしゃるように下げるとなると、年金財源は3割カットしなくてはならなくなる」と発言。物議を醸しました。

これについて、嘉悦大学教授の高橋洋一氏は、茂木幹事長の発言について、そもそも、消費税を社会保障目的税と位置付けた間違いによるものだと指摘した上で、社会保障を人質にして、消費税増税を呼びかけるとは「恫喝」そのもので、茂木幹事長の発言で、消費税に隠された闇が浮かび上がってしまったと批判しています。

こちらの平成24年版厚生労働白書には、社会保障について、近代資本主義の発達に伴い、血縁や地縁で結ばれた人間関係を基礎とする支え合いの機能が希薄化したことを補うために社会保険制度として生まれたと説明しています。

つまり、社会保障は「保険」がその成り立ちであったということです。これについて高橋教授は次のように述べています。

社会保障論からみれば、消費税を社会保障目的税化とするのは正しくない。というのは、社会保障は、助けあいの精神による所得の再分配なので、国民の理解と納得が重要だ。だから、日本を含め、給付と負担(保険料)に関係が明確な社会保険方式で運営されている国が多い。保険料を払えない低所得者に対しては税が投入されている。

ただし、日本のように社会保険方式といいながら、税金が半分近く投入されている国はまずない。これほど税の投入が多いと、給付と負担が不明確になって、社会保障費はドンドン膨らむおそれがでてくるからだ。

こうした社会保障論から考えれば、消費税を社会保障目的税にするのではなく、社会保障は保険料で賄うほうが望ましい。保険料は、究極の社会保障目的税とも言える。

このように高橋教授は社会保障は保険料で賄うべきであり、広く浅く一律に徴収する消費税は社会保障目的税にするべきではないと述べています。


3.ガーシーの暴露動画


また、闇が浮かび上がるという意味では、NHK党の立花党首の「報道ステーション途中退出の放送事故」や「党首討論会で中国のサイレントインベージョン」を公にしたりとか派手にやっています。

特に、NHK党は過去に交友があった芸能人や人気YouTuberや企業経営者らに関する情報をネット上で次々と明かし、注目を集めているアパレル会社元代表取締役のガーシーこと東谷義和氏を参院選に立候補させるなど、積極的に「闇」を暴く動きをしています。

果たして、その「闇」が本物の闇なのが単なる「デマ」なのかは、おいおい明らかになるのでしょうけれども、一昔であれば、確実に潰されていたと思います。

実業家・タレントのホリエモンこと堀江貴文氏は、ガーシー氏が芸能界などの有力者を敵に回すような暴露を連発しつつも、潰されることなく活動を続けられている理由について「YouTubeがあるからですよね。外資の会社には日本のマスメディアの力は及ばない……いくらGoogleに日本のマスメディアと芸能事務所が文句を言ったところで『なんなのお前ら』みたいな感じで終わる」と指摘。ウソを言っていない限りは「企業であろうと暴露系YouTuberであろうと公平に見られる」ため、権力の大きさを武器にした圧力がきかないと述べています。

実際、ガーシー氏の暴露動画は、一部では騒ぎになっていて、最近は楽天の三木谷社長に関する暴露をして話題を集めているようです。NHK党の立花党首は、三木谷社長の疑惑には、自民党の木原副官房長官も関係していると発言しており、もし、ガーシー氏が参院で当選しようものなら、この手の暴露が国会で炸裂するかもしれません。

ロシアのウクライナ侵攻この方、外交・安全保障に注目が集まっていますけれども、エネルギー問題、物価高と内政も結構揺さぶりを受けています。その中で「利権を貪る闇」なんかが暴露されたら、国民の怒りは沸騰するでしょう。

それが今回の参院選に影響するかどうかは分かりませんけれども、別にこの流れは参院選が終わったら止まるものでもありません。参院選が終わったら、しばらく国政選挙がないため、岸田総理は「黄金の3年間」を手にすると一部で言われていますけれども、果たしてそれが「黄金」であり続けるのかどうかについては、注目していてもよいかもしれませんね。


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