れいわローテーションと分業される政治

今日はこの話題です。
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1.れいわの参院議員ローテーション


1月16日、れいわ新選組の山本太郎代表は記者会見で、去年7月の参議院選挙の比例代表で当選した、れいわ新選組の水道橋博士氏が辞職したことを受け、残り任期に、繰り上がり議員による異例のローテーション制度を導入することを発表しました。

具体的には、比例代表の名簿から繰り上げ当選する大島九州男氏ら5人が1年ごとに交代して議員を務めるというもので、山本代表は、残りの任期を有効に活用したいことをその理由としています。

この5人ローテーション案について、翌17日に行われた参議院の野党4党の国会対策委員長会談で、出席者から「参議院議員の任期を6年と定める憲法の精神に反する」とか「法的に問題があるわけではないが、選挙制度の趣旨や有権者の思いに沿ったものなのか」などと疑問視する意見が相次ぎました。

会談後、立憲民主党の斎藤参議院国会対策委員長は、記者団に対し「れいわ新選組の党内で検討してもらう課題はたくさんある」と苦言を呈しています。

また、自民党の世耕参議院幹事長も記者会見で「参議院議員は6年間という長い任期が与えられていて、しっかり腰を据えて仕事に取り組み、政策に磨きをかけることが求められている。1年交代のローテーションは憲法の趣旨に合致しない対応だ」と批判しました。

更に、SNS上でも賛否の声が上がっています。曰く「1年交代で、議員として質の高い仕事ができるのだろうか?あまり奇策に走りすぎると、真剣さを疑われると思う」、「バイトのシフト?」、「ローテーションと気軽に言うが、議員が入れ替わればその分歳費もかかる。それに見合うだけのだけの効果が得られるか疑問」、「これはどっかの政党がやると思った。だから比例は要らんのよ」、「こんな事すると比例代表制について改正廃止必要論が出て自らのクビをしめる事に」、「投票した有権者の票を生かす試み…物は言いようだな」、「なるほど1年毎に辞職して繰り上げ当選を繰り返せば制度上は可能になるわけか?一人ずつ3000万円の歳費をもらうことになる。しかし有権者はどう思うかな」など比例代表制についての疑問の声や、歳費に対しての費用対効果などについて懸念する意見が上がっています。

これら批判の声に対して、山本代表は「憲法に抵触するような部分はないとして前に進めている。憲法には1人の議員が6年間、最後まで務めなければダメだとは書かれていない……私たちの『ローテーション』がけしからんという話になれば、政治的野心で辞職し、知事選挙や市長選挙にチャレンジすることも、もってのほかということにならないか。『制度の抜け穴だ』と言う人たちが法律を変える努力をすればよい」と反論しています。

6年の任期を1年毎にローテーションする。要するに1議席を6つに時間で分割したということです。


2.議席を演算する


議席を分割するという発想に立てば、次には議席を四則演算できないかという考えも生まれてきます。

掛け算、引き算は分かりませんけれども、少なくとも足し算をしている政党はあります。NHK党です。

NHK党といえば、去年7月に初当選後、一度も国会に登院していないガーシー参院議員が世間を賑わしていますけれども、参院議院運営委員会の理事会は、通常国会召集日の23日の本会議を欠席したガーシー議員に対して、速やかに国会に登院するよう改めて文書で通知しています。

これに関連して、1月23日、ガーシー議員の国会議員としての活動の実績について記者団に質されたNHK党の浜田政調会長は、先日ドバイでガーシー議員と面会したことを明らかにし、今後、海外に滞在しながら文書で内閣に質問できる「質問主意書」を積極的に使っていくことなどを話し合ったと述べています。

そして、「ガーシー議員が当選したことでNHK党は参院の委員会で席を得ている……国会で直接仕事をしていないが、間接的には、貢献度はかなり大きい」と評価。ガーシー議員の議席と合わせて会派を組むことができ、2議席分の質問時間を持てていると述べています。

これなどは正に議席を足し算したと見ることが出来るのではないかと思います。


3.政治の分業制


議員が分裂したり合体したりできませんから、議席と議員はイコールだと考えるのが普通だと思いますけれども、議席の割り算や足し算という考え方は、議席=議員ではなく、議席=役割(ポジション)と考えることによって可能になるように思います。

例えば、プロ野球の投手でいえば、昔は、「権藤権藤雨権藤」という名言が残されているようにリリーフ登板も含めて中0日での連投や中1日などで多投するのが当たり前でした。とこがこれではあまりに負担が大きく故障に繋がるということで、近年は中5日ないし中6日の「ローテーション」をするようなり、それが常識となっています。

これは、議席が選手ではなく、グラウンドのいちポジションだと捉えて初めて出てくる発想だと思うのですね。一人の議員にあれもこれも何でもかんでもさせてしまっては故障してしまう。ならば、ローテーションを組んで登板させればよい、ということです。

これを更に推し進めれば、それこそ、ピッチャーの先発・中継ぎ・抑え、ではありませんけれども、国会毎にその国会のテーマとなる法案に精通した議員に都度変えてしまうということすら考えられます。

ここまでいくと、もはや、試合展開や役割ごとに適した選手に代える、いわゆる「政治の分業制」だといえるかもしれません。

先述した、自民党の世耕参議院幹事長は、参院議員の6年の任期は、政策に磨きをかけることが求められているからで、1年交代は憲法の趣旨に合致しない、と述べていますけれども、これなどは差し詰め、ピッチャーは先発完投が当たり前であって、中継ぎ、リリーフなど要らないのだ、新人投手は、6年掛けてレギュラーに育てるのだ、というようなものに近いと思います。

どちらがいい悪いではありません。けれども、近代野球で投手分業が当たり前になっているのは、そうすることで勝てる確率が上がるからです。

従って、れいわ新選組のローテーション制が、世間に受け入れられるかどうかは、単純にそれで勝てるかどうか。優れた政策を出して、世の中を良くし、国民を助けられるかどうかというシンプルな一点に掛かってくるのではないかと思いますね。


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