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1.秋の総裁選までに辞めてほしい
4月20~21日、FNNが全国世論調査を行いました。内閣支持率は3月よりプラス3.7ポイントと2ヶ月連続での上昇となりました。
調査結果概要は次の通りです。
【岸田首相の訪米、日米首脳会談】今回の調査では、国賓待遇でのアメリカ訪問を評価するとの答えが5割超にのぼり、外交が支持率を押し上げた形ですけれども、裏金問題を巡る処分には厳しい目が注がれ、岸田総理に対しては秋の総裁選までに辞めてほしいという声が大半になっています。
大いに評価する 6.9%
ある程度評価する 48.8%
あまり評価しない 26.3%
全く評価しない 11.1%
【自民党が安倍派幹部ら39人を処分】
納得できる 40.7%
納得できない 55.0%
【自民党が30人を処分 支持政党別】
納得できる 納得できない
自民支持 59.4% 35.3%
公明支持 64.7% 35.3%
立憲支持 33.1% 66.9%
維新支持 28.8% 71.2%
共産支持 18.0% 78.9%
国民支持 27.8% 72.3%
【“裏金問題”で岸田首相に処分無し】
妥当 25.0%
妥当ではない 68.2%
【岸田首相への処分無し 支持政党別】
妥当 妥当ではない
自民支持層 51.8% 40.4%
公明支持層 28.5% 64.8%
立憲支持層 13.6% 82.4%
維新支持層 7.4% 89.1%
共産支持層 21.2% 77.9%
国民支持層 15.6% 84.4%
【自民党が39人を処分 支持政党無し】
納得 納得できない
支持政党無し 35.0% 60.7%
【岸田首相への処分無し 支持政党無し】
妥当 妥当ではない
支持政党無し 15.8% 76.6%
【いつまで首相を続けて欲しいか】
すぐに交代 20.7%
国会閉会の6月頃 25.0%
9月の総裁任期まで 43.2%
9月以降も続投 8.2%
【いつまで首相を続けて欲しいか 自民支持層】
すぐに交代 7.4%
国会閉会の6月頃 11.5%
9月の総裁任期まで 60.4%
9月以降も続投 19.4%
【衆院の解散・総選挙の時期】
6月までの国会中 33.5%
秋頃 20.3%
年内 15.3%
来年以降 4.5%
来年10月の衆院任期満了 21.7%
【次期衆院選後の政権】
自民党中心の政権に期待 40.1%
政権交代に期待 52.8%
【次期衆院選後の政権 支持政党別】
自民党中心の政権に期待 政権交代に期待
自民支持層 86.5% 10.7%
公明支持層 73.8% 26.2%
立憲支持層 7.5% 87.2%
維新支持層 28.0% 64.1%
共産支持層 15.0% 85.0%
国民支持層 20.3% 79.7%
無党派層 26.4% 63.5%
2.軽い気持ちで解散しない方がいい
今回のFNNの調査で内閣支持率が若干回復したことについて、フジテレビ報道局解説委員室上席解説委員の平井文夫氏は、4月25日付の夕刊フジzakzakの記事で次のように述べています。
【前略】平井氏は、今の世論の雰囲気は、1993年と2009年の政権交代時の「自民党はもうイヤ」の時と似ているとし、当時と唯一違うのは、次にどういう人たちに政権を任せるかまだ決めていない、と指摘しています。
内閣支持率が上がるのは分かる。岸田首相の国賓訪米の評価が高いからだ。FNN・産経では「大いに」「ある程度」を合わせて55・5%が評価し、「評価しない」(37・4%)を上回っていた。読売新聞、朝日新聞も同じ傾向だった。
だが、自民党の支持率が上がった理由が分からない。自民党議員から「岸田首相でなく、自民党がダメだと言われる」と聞いていたからだ。
1つ面白いと思ったのは、政治資金をめぐる自民党の処分について、ざっくり聞くと評価する人は1割から2割しかいないが、「安倍派幹部の塩谷立氏と世耕弘成氏への離党勧告」など具体的な厳しい処分に触れて聞くと、読売調査で「妥当だ」が47%となっている。
つまり保守層の中には、自民党の処分を評価して、いったん離れた後に、少し戻っているのかもしれない。あるいは自民党は嫌いだが、野党にもそれ以上に魅力を感じていないのか。
だからといって、岸田首相は気楽に解散してはイカン。
28日投開票の衆院3補選は、各社の記事を読む限り、「自民党劣勢、立憲民主党優勢」のようである。自民党が島根1区で逆転勝ちして衆院解散とか、あるいは全敗でも「これでお仕置きは終わった」などと岸田首相が勘違いして解散という説があるのだが、やめた方がいい。
というのは、今回の調査で、自民党にとって恐ろしい結果が1つあったのだ。
次期衆院選後の政権のあり方を聞いたところ、FNN・産経は「政権交代を期待」が52・8%で、「自民党中心の政権継続」が40・1%。毎日新聞に至っては、62対24で政権交代に期待する声の方が多かった。
これは1993年と2009年の政権交代時の「自民党はもうイヤ」という国民の「気分」に似ている。あの時との決定的な違いは、次にどういう人たちに政権を任せるか、今回まだ国民は決めていない、ということだ。
だからといって、「政権を担当できるのはどうせ自民党だけ」「顔を変えれば何とかなる」などの軽い気持ちで解散はしない方がいい。少なくとも、国民は「自民党はもうイヤ」という気分なのだから、何かのきっかけで地殻変動が起こるかもしれない。
もう一つ、岸田首相の外交成果は評価されている。安保、エネルギー、経済など時々間違えることはあるが、政策はそんなに悪くないと思う。だから自民党の人たちは間違っても「岸田降ろし」をしてはダメだ。
9月の総裁選で、岸田首相も含めて政策論争をして総裁を決め直してから、解散するかしないかは決めればいい。国民の「気分」を甘く考えてはいけないと思う。
3.衆院選議席予測
実際、「自民党はもうイヤ」という空気はあるようです。週刊誌も続々当落予想を出し始めました。
4月10日、週刊文春は衆院選議席獲得予測を出していますけれども、それによると、自民は現有259議席を186議席に減らし、公明も32議席から10議席減の22議席に。対して立憲が95議席から147議席、維新の会が41議席から62議席へと大躍進を予測しています。
また、25日には週刊現代が「裏金選挙」として当落予測を出しています。
週刊現代は、政治ジャーナリストの角谷浩一氏と青山和弘氏に全国289の選挙区と比例代表の当落予測を依頼。更に編集部として自民党が前回選挙から得票数の10%減、裏金議員については15%減(不記載額500万円未満)、20%減(不記載額500万円以上)とするシミュレーションをしています。
こちらの予測でも自民は184~198議席、公明は22~30議席と与党過半数割れ必至の情勢です。
4.政権交代が起こってもおかしくない
この情勢に党内でも政権交代の可能性に言及する人が出てきました。木原誠二・幹事長代理です。
4月25日、木原幹事長代理は、東京都内での会合で、安全保障分野での他国との連携を語る文脈で、アメリカの大統領選を念頭に「アメリカは結構スイングをする国」と述べた上で、「日本はそういう国ではない。もちろん、いま自民党は非常に厳しい。政権交代が起こってもおかしくない状況だろうが、仮にそういうことがあっても日本の政治は、霞が関がしっかりしており、安定している」と語りました。
マスコミ報道では、木原誠二氏が岸田総理の側近でもあることから、党勢が低迷する現状に強い危機感を示したなどと報じたりしているところもありますけれども、筆者には、言葉の綾というか、それほど本気でそう考えている訳ではないのではないかと思います。
たとえ、自公で過半数割れしたとて、野党が政権とるかというとそれも疑問です。立憲と維新が連立しても過半数に届きません。他の野党が全部纏まって連立なんてもっと非現実的です。それならば、自民が維新と連立を組む可能性の方がずっとあり得ます。
この木原幹事長代理の発言に対し、26日、公明党の石井啓一幹事長は記者会見で、「裏金問題に対して国民は厳しい反応をしているから、そういう発言につながったのではないか」と理解を示す発言をしています。
冷静を装うような公明の発言ですけれども、内心では気が気でないかもしれません。
果たして岸田総理が甘い気持ちで6月解散をするのか。注目したいと思います。
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